世界同時株安である。なかでも日経平均株価は5月の連休明け以降、もっとも厳しく売られ、アッという間に14%超も急落し、昨年11月安値目前となっている。しかもこの急落が、「日本売り」でなく「日本買い」を引き金にしているとマーケット・コメントされているから、前代見聞、空前絶後のサプライズといわざるを得ない。マーケット・コメントは、ギリシャの財政危機を震源とした欧州のソブリン・リスクが、日本株急落を演出した市場メカニズムを見事に解明してくれる。「PIIGS」と連鎖が懸念された欧州のソブリン・リスクが、相対的に安定通貨される円選好につながり、「日本買い」の円高・ユーロ安となり、ユーロ安の分だけユーロ建ての日経平均株価を押し上げ、欧州筋の外国人投資家に利益確定売りの余地を与えたというのである。
またこの株価急落は、実態経済からみてもやや唐突である。実態経済は、昨年11月に比べたらずっと好転している。連休明けにスタートした3月期決算発表は、上方修正ラッシュで、今期も続伸予想にあり、各種経済指標も景気持ち直しを示唆し、政府の景気判断も強気転換された。株価急落と企業業績続伸の相乗効果で、日経平均のPERは17倍台と投資価値を拡大しているのである。
マーケット・コメントが正しいとすれば、株価反発は、「日本買い」が「日本売り」に変ることが大前提となる。そしてこの「日本売り」、為替相場が円安・ユーロ高に一変する可能性がないともいえない状況となっている。社民党の鳩山連立政権離脱に伴う政局不安、朝鮮半島の地政学的リスク、さらにユーロへの協調介入観測などが控えており、何時、「日本買い」が、「日本売り」にシフトしないとも限らないのである。
連休明け後に欧州市場への輸出比率の高い銘柄が大きく売られたが、この関連株が、利益確定売りからドデン、突っ込み買いに変る展開も想定されることになる。現に、この欧州関連株の一角に位置付けられるブラザー工業(6448)が、5月25日に今3月期第2四半期累計業績の上方修正に踏み切り、株価が短期100円高した先行事例も出てきた。「第2のブラザー」として同様の中堅株として日立建機(6305)、マキタ(6586)、セイコーエプソン(6724)、アルパイン(6816)、スズキ(7269)などの業績動向に注目するところだろう。
浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。























原田曜平の新書『近頃の若者はなぜダメなのか〜携帯世代と「新村社会」』を読んだ。原田氏は1977年生まれ。博報堂に勤め、若者のライフスタイルなどを研究しているという。同書では、現在の若者が、携帯電話・携帯電話のメールをどのように使い、それによって昔の若者と、生活習慣やメンタリティがどのように変わっているのか、などを、豊富な実例を挙げて説明している。










