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記事一覧 (09/01)兜町は自民党寄りか民主党寄りか?民主党のマニフェスト関連株=浅妻昭治
記事一覧 (08/30)なぜ減らないインサイダー取引違反:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (08/29)新政権ご祝儀相場へ:新しい相場の幕開け=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (08/28)海外スーパーでも自社ブランド商品…から連想した、PB銘柄――銘柄ウォッチング
記事一覧 (08/25)来年6月貸金業法完全施行!3本柱が生む「知られざる恐怖」
記事一覧 (08/24)総選挙前1週間は「目の前にある危機」対応でやはり新型インフルエンザ関連株に限定
記事一覧 (08/23)GDPは好調なのに相場がもたついている理由:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (08/22)民主新政権と株価:織り込んだかどうかは問題ではない=犬丸正寛
記事一覧 (08/21)好対照ビジネスモデルの旅行銘柄診断――銘柄ウォッチ
記事一覧 (08/20)半導体製造装置関連銘柄の動向:好材料は織り込み済み
記事一覧 (08/20)「JR3社、お盆期間の利用者数減少」複合的影響が原因
記事一覧 (08/17)第2波か2番底か?秋風次第で新型インフルエンザ関連株に先回りの再トライ余地も=浅妻昭治
記事一覧 (08/16)衆院選本格化!油断すると民も国も滅びる道へ:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (08/15)日経平均上昇は民主政権期待か?自民巻き返し期待か?=犬丸正寛
記事一覧 (08/14)京都銀行が含み益増大から注目?任天堂で「焼け石に水」との声!
記事一覧 (08/14)仕事時間が長くなった「職人さん」から連想した建設・住宅銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (08/10)業績分析はシンプルにソロバン片手の「算数問題」=浅妻昭治
記事一覧 (08/09)来週はどう動く?NYダウ1万ドル乗せが見所!=犬丸正寛
記事一覧 (08/08)4〜6月期決算発表一巡で相場はどうなる:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (08/08)来週の相場展望:『残り火相場』の展開へ=犬丸正寛
2009年09月01日

兜町は自民党寄りか民主党寄りか?民主党のマニフェスト関連株=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー■民主党のマニフェスト関連で農業関連の地銀株に浮上素地

 兜町は自民党、民主党のどちら寄りだろうか?30日の衆議院選挙で、自民党が議席を3分の1に減らし、民主党が逆に3倍増の大圧勝となったにもかかわらず、翌31日の株価の反応は高寄りしたあと小幅安で引け、方向感が不透明となっているからだ。政権与党が大敗してこの程度の反応にとどまるのはかつてないことである。
 「40年証券不況」時は、時の田中角栄蔵相によって日銀特融が発動されて山一証券の倒産が回避され、自民党寄りであったこことは明らかであった。しかし、バブル経済崩壊後の平成不況下で、同じ山一証券が、自主廃業に追い込まれ、日本版ビッグバンの推進により中小証券が次々にカンバンを下ろす業界再編が激化してみると、さしものの自民党贔屓もかなり流動化したはずである。だから今回の自民党の惨敗でも、条件反射的に売り急ぎ、暴落とならず、民主党のお手並み拝見となったのかもしれない。
 その平成不況下で兜町とは立場を異にしたのは、銀行だろう。金融システムの安定化に向けてメガバンクにまで公的資金が注入され、ゼロ金利、量的緩和政策が長期化、預貸サヤの拡大で不良債権の処理を進めて、水面下から水面上に浮上した。この間、貸し渋り、貸し剥がしが社会問題化し、預金者も超低金利のなか、「貯蓄から投資へ」の掛け声に追われて、リスク商品への投資を積極化、結局、世界的な金融危機の荒波に巻き込まれてしまった。
 景気回復への政策模索が続くなか、例えばこの預金金利を1%引き上げるだけで、個人金融資産の利息収入が増加して最大の消費拡大策、内需振興策につながる。この際、思い切って金融政策を変更、「出口戦略」を発動することを日程も乗せることも、「政権交代」ならぬ「政策交代」の選択肢になるかもしれない。

 こうした観点で、銀行株のなかでも民主党のマニフェスト関連寄りとして注目したいのは、地方銀行である。マニフェストの「地方分権」、「農家の戸別所得補償」などにダブる可能性があるからである。「地方分権」では、地域の中小企業との結び付きが強く、農業関連では、このところ農家の牛、豚などの畜産物や野菜、水産物などを担保とする「動産担保融資」の積極化が目立っているからだ。コシヒカリを担保とした北越銀行(8325)、ブランド豚の「白金豚」を担保とした岩手銀行(8345)、農業ファンドで農業のグローバル化を支援の鹿児島銀行(8390)、肉牛肥育事業を対象とした十八銀行(8396)などが、有力セクターとして浮上する素地もありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:12 | 特集
2009年08月30日

なぜ減らないインサイダー取引違反:妻と夫の株ロマン


■増える「インサイダー違反」

妻 「監視委員会」のホームページを見ると、「インサイダー違反」の告発が多いですね。しかし、現職の警察官が飲酒運転で死亡事故を起こす時代ですから、一般市民に法を守れと言っても、空々しいですよね。

夫 石川五右衛門が処刑される際に言ったといわれるが、『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の絶えることなし』。人間には、犯罪は魅力的なものらしいから、無くなることはないだろうよ。犯罪を奨励しているわけではないけど。犯罪がなくなるとミステリー小説がなくなる。十津川警部や浅見刑事局長がいなくなるのは淋しい。

妻 なぜ『インサイダー取引違反』が多いのでしょうね。昔は、良き時代だったと聞きます。

夫 昭和40年代から証券市場を見てきたけど、以前は株で儲けるには、(1)大手証券と取引すること、(2)仕手筋と親しくなること、(3)東京に居を持つこと、などが条件として言われていたんだ。これらは、すべて、「人より先に情報を手に入れ」て、有利に売買する、ということにほかならない。一般の人が田舎にいて、株式投資で儲けることは「神業」に近いものだった。だから、いつも損をするのは一般の個人投資家だった。

妻 大手証券には、それだけの情報があったからですか。

夫 そう。当時の大手は法人引受部、法人営業部、金融法人営業部、個人営業部、調査部という、「株価形成の一貫体制の組織」だった。企業の幹事となることで、「いくらの株価で増資しましょう」ということまで決めてしまって、引き受け株数から目標株価まで調査部から営業体までを使って株価形成が行われていた。この過程の情報が、大手証券と取引していれば個人にもおいしく頂けた。それが、監視委員会によって、某電鉄株の大量推奨でお灸がすえられ、規制された。

妻 じゃあ、「昔はよかった」という人は、おいしいご馳走にありついていたということですね。今は、そういうことがなくなって、一般投資家にこそ良い時代と受け取るべきですか。

夫 そうなんだ。北の北海道、南の沖縄に住んでいようと、東京証券取引所の『TD−ネット』(タイムリー・ディスクローズ)を開けば、ネットを使うことができる人なら、誰でも平等に情報に触れることができる。昔のように、大手証券や仕手筋が取引する証券会社でなくてもいいわけだ。余談だけど、監視委員会ができたころ、初代の委員長に取材して、監視委員会の主旨について記事にしたら、証券会社から呼び出されて文句を言われたものだ。こんなことを書いたら相場がだめになるとね。僕にとってはそれもなつかしい思い出だけどね。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:32 | 特集
2009年08月29日

新政権ご祝儀相場へ:新しい相場の幕開け=犬丸正寛の相場展望

■「ご祝儀相場」の後に「政策吟味」へ

新政権ご祝儀相場へ:新しい相場の幕開け=犬丸正寛の相場展望 来週を含む、先行きの相場は、(1)新政権ご祝儀相場、(2)新政権への政策見極め、が注目点となるだろう。
 週明けは、選挙結果を踏まえての新しい相場幕開け。「民主党」新政権誕生はほぼ間違いないだろう。戦後、「無」からスタートした日本は、「豊かさを求めて」頑張ってきた。経済全体が大きくなって、庶民生活が豊かになればとの共通の願いで、少々の問題、格差には目をつむってきた。しかし、社会資本が整い、家庭内に物質が溢れる時代となって、国民の「一致団結」の価値観は豊かさと共に消え去った。組織の硬直化、腐敗、格差問題など豊かさの副作用がクローズアップしてきた。テレビ時代劇なら、「水戸のご老公」のお出ましとなるところだろう。ご老公のかわりに、時代が「民主党」政権の誕生を求めている。

 アメリカはひと足早く民主党政権となった。リーマン、GMの破綻など、市場主義の行き過ぎに対する反省がある。日米とも似ている。少し違うとすれば、「企業」−「マーケット」主義のアメリカに対し、日本は「企業」−「官」主義という点だろう。主役の座が「企業」「官」から、「民衆」中心の新しい仕組みの時代に移って行く。しかし、われわれ民衆が力を得るということと、何もしないで「棚からボタ餅」ということではない。逆に、今まで以上に『努力と義務』が発生してくるはずだ。

 ともかく、週明けには、恐らく民主党政権による新しい仕組みの時代が始まる。既に、このところ、外国投資家は、日本株買いで歓迎の意を表しているようにみられる。経済大国の日本が「民」に目を向けた政策で、内需が上向けばアメリカにとっても悪い話ではない。この外国投資家による、「新政権ご祝儀相場」が、週明けにはクライマックスとなることが予想される。

 そして、その次に来るのは新政権の政策を咀嚼し消化する動きであろう。たとえば、10数年続いている「ゼロ金利政策」。庶民にとって、預金しても利息のつかない時代を味わってきた。「民」中心ということなら、「金融機関」から「庶民」へ所得移転が行われる可能性はある。ゼロ金利政策解除は、金融機関にとって、収益的にどのような影響を及ぼすのか。金利が上がり始めると、景気にどのような効果と影響がでるのか。また、「消費者庁」の発言力が強まるであろうことも、企業にとっては活動がこれまでと違ってますます制約されるはずだ。こうした、新政権の政策吟味が、ご祝儀相場の後に予想される。

 一方のアメリカは、NYダウが快調に戻りに転じている。だが、高失業率はさらに悪化の方向にある。失業率の改善は一般の景況より遅れるとは言うものの、時間がかかり過ぎると「民」の不満は高まる。追加の景気対策も必要となる可能性がある。それは、財政赤字をさらに悪化させる。仮に、NYダウが1万ドルとなれば失業率は数パーセント改善される、という生易しいものでもないだろう。NYダウ高にも警戒感が台頭するはずだ。中国の株式市場も揺れているのも気になる。

 基本的には、かつての日本が「東京オリンピック」−「大阪万博」−「日本列島改造」と走ったのと同じ動きを中国は歩んでいる。来年の上海万博で、中国の内需拡大はいっそう盛り上がるだろう。ただ、中国の基調は強いとしても、日米のバブル崩壊の教訓が生々しいだけに、早めのブレーキも予想される。
 国内では天候不順による消費停滞がある。これに、新型インフルエンザ大流行の心配もあって、消費には大きくは期待できない。民主党政策の子育て支援銘柄もかなり買った動きで新鮮味は薄れている。これからは、徐々に、全体相場より「個別物色」の色合いが強まるものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:04 | 特集
2009年08月28日

海外スーパーでも自社ブランド商品…から連想した、PB銘柄――銘柄ウォッチング

田北知見の銘柄ウオッチ 8月半ばにスイス旅行へ行った際、現地のスーパー『ミグロ』と『コープ』で買い物をする機会があった。食べる物や土産物などを買い、ワインなども買った。両社は同国では2大スーパーといわれているようだ。そのなかで、自社ブランド商品というか、PB(プライベートブランド)商品を、多く見かけた。食べ物だけでなく、キッチン用品などの日用品まであった。同国は物価が高いそうなので、PB商品などで生活防衛…日本と同じなのだなあと思ったのだった。

 ところで、私は、ヨーロッパって、日本やアメリカのように、スーパーとかショッピングモールはたくさんなくて、個人店・専門店が多く、お店は遅く開いて早く閉まるし、土日などは開いてない、というイメージだったのだが、今回は、観光地をまわったせいか、朝は8時とか9時から開店している店が多かった。また、移動中には郊外や田舎で、時々、ショッピングモールを見かけたので、結構驚いた。

 上記から連想して、「PB」をキーワードに探した、優良銘柄。

★アルペン〈3028〉(東1)

 アルペン<3028>(東1)はスキー用品、ゴルフ用品などのスポーツ用品店を、約360店、全国で展開している。また、スキー場、ゴルフ場、フィットネス事業なども行なっている。オリジナルブランドのスポーツウェアなど、PB商品に強みがあるということで、ここに入れる。今期2010年6月期連結業績予想は、売上高1913億6000万円(前年比0.9%増)、営業利益81億6000万円(同3.2%増)、経常利益91億円(同4.9%増)、純利益44億7000万円(同20.9%増)と増収増益を見込んでいる。

 チャートはこの半月ほど、底値圏1500円台でモミ合っているが、下値抵抗線を切り上げる、ジリ高トレンドとなっている。28日終値1583円で、PERは14.24倍、PBRは0.70倍と割安水準。まずは1600円フシ上抜け、次のフシ1700円ライン奪回を目指す。冬季のスキーシーズンに向けて、底値を仕込んでみる。

★イズミヤ〈8266〉(東1)

 イズミヤ<8266>(東1)は関西を地盤とする準大手スーパー。約90店を展開している。東海から関東にスーパーを出店するユニー<8270>(東1)、四国最大のチェーンストア、フジ<8278>(東1)と3社協業のPB『スタイル・ワン』商品を今月発売したことなどから、ここに入れる。イズミヤの今期2010年2月期連結業績予想は、売上高3870億円(前年比1.5%増)、営業利益54億円(同1.1%増)、経常利益42億円(同0.3%増)、純利益10億円(同3.5%増)と、増収増益を見込んでいる。

 28日終値は8円高の573円。PERは約41倍と高めだが、PBRは0.44倍となっている。チャートはこの3ヵ月ほど、540〜580円のボックス圏を形成している。押し目待ち伏せ買いがよさそうだ。信用倍率は0.15倍の売り長となっており、買い戻しも入ってくると見たい。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:11 | 特集
2009年08月25日

来年6月貸金業法完全施行!3本柱が生む「知られざる恐怖」

来年6月貸金業法完全施行!3本柱が生む「知られざる恐怖」■社会問題が続出か?

 来年6月、貸金業法が完全施行となる。この柱は、「貸出上限金利(29.2%から15%〜20%へ)引き下げ」、「総量規制導入(融資総額を借り手の年収の3分の1以下とする)」、並びに「貸金業者の最低純資産額を5,000万円に引き上げる」の3本だ。
 最近日本貸金業協会は、こうした内容をあらゆる媒体を使い広告しているようだが、この裏にはこの3本柱があまり知られていない実態があるようだ。特に、総量規制の導入については、認知度が極端に低く2割程度ともいわれ、「利用者さえ6割が知らない」という調査結果もあるという。こうした状態で実施したら無用な混乱、新たな社会問題を引き起こしかねない。完全実施までに残された時間はわずかだ。

【恐怖・その1】

■総量規制が生む「離婚急増」のおそれ

 総量規制が導入されると、借り手は各種証明が必要となる。収入は給与所得のほか不動産賃貸収入、株式の譲渡益、その他収入が合算され、配偶者の収入をも合算される。
 この場合、自分の所得証明に加え、住民票など夫婦関係を証明する書類、配偶者がその借入について同意する旨の書類並びに、配偶者の年収等の証明書類が必要となる。
 ここで問題となるのが、夫婦間でお互いの借金の存在があからさまになることだ。夫婦とはいえ、お互いの借金を承知している夫婦は必ずしも多くはいないのが実態という。
 あるアンケートによれば承知しているという答えは5%そこそこという。この夫婦間同意書が必要となった時点で、互いの借金が「バレる」ことになる。
 離婚問題を専門にする弁護士は「来年6月以降の離婚件数の増加に備え、事務所の増員を検討しているが、離婚調停も長期化するでしょう。」と予想しているほどだ。

【恐怖・その2】

■気掛かりな「人妻風俗嬢化」の気配

 昨今の社会事情を見ると、夫の年収はこの不況に乗じて下降を辿るばかりだ。離婚を避けたい夫婦でも夫の同意を求めて借金をする専業主婦等は多くはあるまい。ならばどうするのか?
 「いまの風俗トレンドは、『妻』ものが多い。年齢層も20代から50代まで幅広い。風俗嬢になるならまだしも、手っ取り早く金を稼ぐために、『人妻援交』をしているのが現状だ。正規の風俗店もこれには頭を悩ましているくらいだ」(風俗ライターH氏)といわれ、業界の勢力図をも塗り替える勢いだという。信じたくはないが「風俗嬢」化の傾向はまんざら否定はできない。

【恐怖・その3】

■総量規制のアミに「4割の利用者が?」、儲かるヤミ金・その「遺伝子増殖」こそ要注意!

 日本貸金業協会の調べでは、利用者の44%が総量規制に抵触するという。しかし、これは一部サンプリングによるアンケート結果だ。何故なら同協所属の優良貸金業者へのアンケート結果であるからだ。実際には25兆円ある貸金業のマーケットの80%が抵触するのではといわれている。
 貸金業者はピーク時3万社といわれたが、貸金業法改正が段階的に施行され現在は5,000社程度まで減った。今後は、廃業者の債権は消費者金融業界が利用する個人信用情報センターの情報が更新されないまま、表面上は「多重債務者」が減り、債権自体は残ることになる。問題は、その債権を巡り台頭する「ヤミ金」といわれる業者の登場だ。いまその遺伝子は中小貸金業者に蔓延しヤミ金化しているという。ある大阪の業者は過去利用者顧客リストを基に、原付バイクにカバン1つで、通常利息28%、手数料10%の融資営業をしている。トラブルを避けるため「督促行為はしない」(ヤミ金関係者)が「2、3ヶ月で一生使い切れないほどの金が集まる」(前出のヤミ金関係者)という。

 「多重債務の防止」から「ヤミ金増殖」へシフトしつつある個人金融マーケットは、当初の目的と大きく異なる。また、ここへきて住宅ローンが組めなくなる、など怨嗟の声が聞こえてくる。「消費者金融からの借入情報を銀行が入手し、審査に使用している」(メガバンク上席調査役)というように、「消費者金融への不公平さ」と社会問題を引きずりながら、来年6月に貸金業法の完全施行を迎える。歓迎している人は一部しかいない。同法実施の先に何が起こるのか。賢明な政治家、官僚にはわからないらしい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:00 | 特集
2009年08月24日

総選挙前1週間は「目の前にある危機」対応でやはり新型インフルエンザ関連株に限定

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「市場予想の範囲内」として、日経平均株価が1万円台をキープできるかは、はなはだ微妙なところである。8月30日に投開票日が迫った衆議院選挙後の株価の動向である。このカギを握るのは多分、外国人投資家の反応だろう。開票結果が、大手新聞各紙の情勢調査通りに民主党が圧勝して300議席超の議席を獲得したとして、これまで通りに日本株の買い越しを続けてくるかにかかっているからだ。しかし300議席超の議席獲得予想は、「悪材料織り込み済み」とするには余りにもベラボウで、当の自民党、民主党はもちろん、大方の有権者にとってさえこれほどの大差は衝撃のはずだ。

 この7−8月の決算発表では、大幅減益や大幅赤字が続く悪業績にも、減益率や赤字幅の縮小としてポジティブに評価して外国人投資家主導で買い向かったが、選挙結果に同様のセオリーが通用するとは、考えるには無理がある。まして業績評価では、今期業績がダメなら来期業績に期待する逃げ道があるが、選挙では今回の惨敗が、次回の挽回につながるのかは保証の限りでない。大手紙の情勢調査通りに自民党が100議席を割ったら、自民党そのものが今の形で存続するのかさえ懸念されるし、来年の参議院選挙まで尾を引く可能性は少なくないはずだ。

 自民党が圧勝した前回2005年9月の「郵政選挙」では、「改革なくして成長なし」、「改革なくして株高なし」とばかりに、株価は外国人投資家の積極姿勢でバブル経済崩壊後の高値まで買い進まれた。今回の選挙で民主党が圧勝した場合、「改革後退」と評価されるのかも含めて、選挙結果・外国人の反応待ちとなり、この1週間、軽々に先取りに動くのはリスクが大き過ぎる。

 やはり選挙前の1週間は、目の前にある危機に対処、「新型インフルエンザ」関連株に絞るのが賢明のようだ。そこでインフルエンザ関連の子会社を完全子会社化した3銘柄はどうか?抗インフルエンザウイルス剤の臨床試験を進めている富山化学工業を株式公開買い付けした富士フイルムホールディングス(4901)、同社株を一部譲り受けた大正製薬(4535)、ワクチン製造のデンカ生研を完全子会社化した電気化学工業(4061)は、PBR評価からも割り負け感が浮上するようである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:13 | 特集
2009年08月23日

GDPは好調なのに相場がもたついている理由:妻と夫の株ロマン


■GDPは「日本株式会社の売上高」

妻 日本のGDP(国内総生産)が、4〜6月期で1〜3月期に比べて0.9%の伸びと発表されました。年間ベースでは3.7%の伸びだそうです。そこで、今日は2つ質問があります。1つは、「好調と言われても実感のないこと」、もうひとつは、明るい数値が発表となったので、相場は好感して上に行くのかと思ったのですが、もたついていることです。

夫 桃子はGDPについて、どのような印象を持っているの。

妻 そうね、日本の経済力を現すものということです。世界と比較したりするときに役立つと思います。

夫 そうだね。しかし、それだけでは、どこか他人事みたいな話になってしまう。話が大き過ぎるからだと思う。昔、文章教室に通っていた頃、教わったことは、こういうGDPといった大きい材料を書いたり、喋ったりするときは、身近なことに置き換えるのが分かりやすい。たとえば、「日本のお父さん像について」というテーマなら、「自分のお父さん」の観察から書き始めて、次は、友達のお父さんのこと、といった順序で書いていって、最後に、日本のお父さんは、こういう共通点があるようだ、といった書き方ができる。その方が具体的になると思う。そこで、個人投資家にとって、身近なことと言えば、「銘柄」だから、GDPを「日本株式会社の売上高」と置き換えれば、少しは身近になると思う。

妻 銘柄を分析するときに、「売上」の内容を吟味することと、同じということですか。

夫 そうだね。1品だけで、会社経営を行っているところもあるけど、多くの会社は、いろいろな事業や製品を手がけている。従って、会社の売上を分析する時は、次の視点が大切になる。

妻 どんなことかしら。

夫 (1)セグメント(部門別)に分けてみること。それぞれの部門がどういう増減になっているか、(2)誰に売っているかという分析。相手先が官公庁か民間企業か個人か。輸出、国内向けはどうか、など。今のように国内が不振の時は輸出が大切になる。さらに、輸出の中でも、どの地域が伸びているか。今なら中国に期待が集まっている、(3)個人の消費向けの場合は、年齢層別、男女別、所得層別の売上も大切となる。少子高齢化の進んでいる日本では特にこの分析が大切なんだ、(4)必需品か便利品(嗜好品)か、という分類も大切。今のような景気の悪いときは「必需品」が優先される。酒やたばこは控えるようになる−−といったことを、ざっくりでいいからつかむことが大切と思う。そういう目で、日本株式会社の売上(=GDP)を見れば、今日の桃子の質問に答えることになると思う。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:54 | 特集
2009年08月22日

民主新政権と株価:織り込んだかどうかは問題ではない=犬丸正寛

【犬丸正寛の来週の相場展望】

民主新政権と株価:織り込んだかどうかは問題ではない 来週は、引き続き『新政権の経済対策への期待と不安』、『中国の景気と株価の動向』、『日経平均は3段上げを終了したかどうか』、『不順な天候の影響』などが注目されるだろう。

 8月30日(日)の投票日まで最後の1週間。民主党300議席獲得の見通しが出るなど、民主党新政権誕生は間違いないようである。外国人投資家も日本株を買って、新政権へエールを贈っているようにも見える。日米首脳会談も既に日程に上がっているという。外国からの視点は、自民党主導の時代は終わったということだろう。これまでは、幕府とお代官さんに任せておけばよかった。これからは、国民が自らの責任において考え行動しなさいということだろう。良い話ばかりではないだろう。しかし、真の民主主義のためには、苦労とコストはかかるということか。
 民主党新政権と株価。織り込んだかどうかということは、もはや問題ではない。「新しい日本のためには覚悟を決めるしかない」、「やってみなければ分からない」ということだろう。これから先は、案件ごとに株価が織り込んで行くことになる。ならば、新しい日本へ変わることに、胸を弾ませたい。

■心配な材料は『中国』

 日経平均は今年3月10日の安値7021円から8月14日の1万630円まで、日柄で5ヶ月、上昇率で51.4%。日柄、率とも上げ不足ではないだろう。一方、チャートの形は「3段上げ」が完成したようにも見える。もちろん、「おまけ」もある。しかし、日柄、上昇率も考え合わせると、高値圏に入っていることは間違いなさそうだ。高値圏では好材料以上に、悪い材料に敏感となることは頭に残しておきたい。
 その心配な材料が、『中国』。約55兆円の大型投資で景気は上向いている。同時に土地の値段も上昇し、かつての日本のバブルを彷彿させる。既に、上海総合指数は8月4日を頭に2ケタ下落で調整の気配が漂っている。仮に、バブル崩壊なら株価は暴落する。それを恐れて政府が、金融引き締めに転じても株価は下げる。
 中国の景気が調整入りすれば、日本の4〜6月のGDPが年率で3%を超す伸びとなったといっても、中国効果が大きい。日本の内需にはとてもそんな力はない。エコカー、エコ家電にいくばくかの効果はあったが、一巡した後に怖さがある。しかも、天候不順で消費は悪い。
 こういう状況では中国が下げれば、まちがいなく日本は下げる。かつて、「アメリカがクシャミをすれば日本は風邪を引く」が、今は、「中国がクシャミすれば日本は肺炎になる」。それでなくても、新型ウイルスの脅威が襲いかかって来ている。無理はできない相場である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:21 | 特集
2009年08月21日

好対照ビジネスモデルの旅行銘柄診断――銘柄ウォッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 夏休みをいただき、スイスへ旅行に行ってきた。モンブラン、ユングフラウ、アイガー、メンヒ、マッターホルンなど、明峰と呼ばれる山々を眺めた。雪に覆われた山々は本当に美しく、途中の景色も、緑のじゅうたんに花々が咲いていて、とても美しかった。山だけでなく、ベルンやルツェルンなどの街も観光した。途中、氷河特急や山岳列車などに乗り、また、湖でのランチクルーズなど、いろいろな乗り物に乗ったのも、楽しかった。スイスは田舎も街も、どこを見ても美しい、豊かな国だとの印象を持った。

 私は英語などの外国語ができないし、海外旅行のノウハウもそんなにないので、旅行会社のツアーを利用した。今回、ご一緒させていただきたほかのお客さんはリッチで海外慣れしており、英語も堪能なかたばかりだったので、食事の時などの会話も、いろいろ勉強になって楽しかった。

 いろいろな話題のなかで、あるかたが、エイチ・アイ・エス<9603>(東1)ユーラシア旅行社<9376>(JQ)の話をされていた。HISはそもそも、「日本でも、ヨーロッパなどのように、若い人が気軽に海外旅行できるように」と、格安航空券のビジネスを始めたのが最初だったとか。一方、ユーラシアは、年齢・旅行経験などが成熟した顧客が楽しめるツアーを提供するというコンセプトで始まったそうだ。その話を聞き、この2社は、ビジネスモデルとしては対照的だが、「それまでニッチだった旅行ニーズを顕在化させ、ビジネスとして成功させた」という意味では共通している、と私は思ったのだった。

 というわけで、この2社の銘柄診断をしてみた。

★エイチ・アイ・エス〈9603〉(東1)

 格安航空券の嚆矢であり首位企業。近年は格安ツアーや大人向けの高級めのツアーなどの事業も行なっている。今期2009年10月期連結業績予想は、売上高3690億円(前年比0.2%増)、営業利益87億5000万円(同48.2%増)、経常利益71億円(同14.4%増)、純利益42億円(同68.8%増)と増収増益を見込んでいる。『会社四季報』には、次期2010年10月期も増収増益との予想値が出ている。

 チャートはこの1〜2ヵ月ほど、2000円前後でモミ合っている。21日終値2030円でPERは16.55倍と、とくに割高・過熱感は見当たらない。が、信用倍率は43倍台の買い長となっており、もうしばらくモミ合いが続きそうだ。押し目を拾い、上値フシ2200円ライン奪回を待ってみる。

★ユーラシア旅行社〈9376〉(JQ)

 年齢や旅行経験などが成熟した顧客向けの高単価のツアーが中心で、世界遺産、遺跡、ネイチャーなど、テーマ性があることも特徴だ。今期2009年9月期連結業績予想は、売上高78億4000万円(前年比9.0%減)、営業利益2億9500万円(同29.7%減)、経常利益3億2500万円(同27.9%減)、純利益1億6200万円(同37.2%減)と減収減益だが、『会社四季報』には、次期2010年9月期は増収増益との予想値が出ている。また、3月中間末で利益剰余金17億9200万円、有利子負債ゼロ、前期末で現金等26億6400万円と、財務面は堅い。

 チャートは薄商いながら、この半年ほど、上値5万3000円ライン、下値4万2000円ラインの三角保ち合いを形成しているように見える。まずは上値5万3000円ライン奪回を目指す。21日終値4万9600円でPERは15.25倍と、とくに割高・過熱感は見当たらない。単位1株の売買しやすさも魅力となっている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:53 | 特集
2009年08月20日

半導体製造装置関連銘柄の動向:好材料は織り込み済み

半導体製造装置関連銘柄の動向:好材料は織り込み済み 半導体製造装置関連銘柄の株価を見ると、好材料に対する反応が鈍くなっている。受注回復を期待して年初の安値圏から見れば大幅に上昇しており、好材料は織り込み済みで利益確定売りが優勢のようだ。
 代表的な東京エレクトロン<8035>の株価を見ると、8月12日の取引時間中に年初来高値を更新した後は、8月19日の終値は前日比60円安で3日続落、8月20日の終値は前日比110円高だったが、取引時間中は前日比マイナスに転じる場面もあり、市場全体の上昇に連れ高した印象が強い。アドバンテスト<6857>は、8月14日の取引時間中に年初来高値を更新した後、8月19日の終値が前日比35円安で3日続落、8月20日の終値も前日比5円高にとどまった。ディスコ<6146>は、8月19日の取引時間中に年初来高値を更新したが終値は前日比10円安となり、8月20日の終値は前日比180円安で続落となった。
 この間、半導体製造装置関連には好材料が相次いでいる。8月19日には、7月の北米地域の半導体製造装置BBレシオ(出荷額に対する受注額の割合、3ヶ月移動平均)が1.06倍と、07年1月以来2年7ヶ月ぶりに1倍を上回ったことが報じられた。さらに、7月の日本製の半導体製造装置BBレシオが、前月比0.07ポイント増の1.34となり、4ヶ月連続で上昇したことが報じられた。いずれも受注が上向いていることが要因だ。DRAM価格が上昇傾向を強めている報道も相次ぎ、半導体メーカーの設備投資マインド改善につながることが期待される。
 もちろん、受注が上向いているとはいえ、半導体メーカーの投資は一部の先端分野にとどまっている。受注額は依然として低水準であり、半導体製造装置各社の業績回復には、半導体メーカーの生産能力増強投資が活発になることが不可欠だ。そして、こうした分野の受注動向には依然として不透明感が強い。
 半導体製造装置各社の株価に、受注の本格的な回復期待が織り込み済みだとすれば、ここから上値を追えるかどうかは微妙だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:21 | 特集

「JR3社、お盆期間の利用者数減少」複合的影響が原因

「JR3社、お盆期間の利用者数減少」複合的影響が原因 JR旅客各社は19日、夏季期間(7月7日〜8月18日)と、お盆期間(8月7日〜18日)の輸送実績を発表した。お盆期間で見れば、新幹線と在来線の主要48区間の利用者数は前年比8%減少し、1992年以降で最大の落ち込みとなった。このうち新幹線は前年比6%減少だった。景気悪化、高速道路料金割引制度、新型インフルエンザ、天候不順、台風9号接近に伴う大雨、静岡県・駿河湾を震源とする地震などが複合的に影響したとみられている。

 このうち、東日本旅客鉄道(9020)西日本旅客鉄道(9021)東海旅客鉄道(9022)の上場3社で、新幹線の利用者数を見ると、東日本旅客鉄道(9020)は夏季期間が9%減少、お盆期間が6%減少、西日本旅客鉄道(9021)は夏季期間が10%減少、お盆期間が9%減少、東海旅客鉄道(9022)は夏季期間が10%減少、お盆期間が8%減少だった。

■通期業績予想の下振れの可能性も

 3社の2009年4〜6月期の決算では、鉄道運輸収入が想定を下回った。流通業など非運輸事業も低調で、3社ともに通期業績の下振れ懸念が高まっていた。西日本旅客鉄道(9021)は通期業績予想を下方修正したが、他の2社は挽回可能として、東海旅客鉄道(9022)は通期売上高だけを小幅下方修正し、東日本旅客鉄道(9020)は通期業績予想を据え置いた。
 夏季期間、お盆期間の利用者数を見ると、やはり想定を下回る水準である。新型インフルエンザが大流行の兆しを見せていることなども考慮すれば、通期の利用者数が想定を下回り、通期業績も大幅に下振れる可能性が高まったと言わざるを得ない。20日の株価は、3社揃って堅調な値動きとなっている。お盆期間の利用者数が減少したことには反応薄で、通期業績の下振れ懸念は織り込み済みと考えられる。3社ともに実績PBRが1倍近辺であることも株価の下支え要因と考えられる。ただし、通期業績予想の下振れの可能性が高いことには注意しておきたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:13 | 特集
2009年08月17日

第2波か2番底か?秋風次第で新型インフルエンザ関連株に先回りの再トライ余地も=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 前週末は何だか気持ち悪いニュースが続いた。一つは、米地銀大手のコロニアルバンクグループ(アラバマ州)の経営破たんであり、もう一つは、新型インフルエンザの感染による国内初の死者発生である。いずれも、今年春に経済的にも社会的にもパニックを与え、いったんは小康状態となったあとも、秋以降にはその第2波、2番底が懸念されていた問題である。前倒しでのパニック再来かと思わず身構えてしまう。

 コロニアルの経営破たんは、すでに8月初めに同行株が急落したときに、同行の資金計画の不透明化が伝わっていたから、織り込み済みとなっているのかどうか、週明けの米国市場の動向をウオッチすれば明らかである。身近で厄介なのは、新型インフルエンザである。夏休みが終わり新学期入りとともに、小学校、中学校などで一斉に集団感染が広がるなどと観測するコメントが専らとなっており、今度こそ強毒化、パンデミック(大流行)かと不安が高まる。

 それでなくとも今年の夏は異常気象である。梅雨が長居をして集中豪雨、竜巻続きで、明けたと思ったら、今度は立秋の暦通りに、日陰に吹く風に秋風の気配が色濃い。季節性インフルエンザの流行するシーズンの前倒しも懸念されるところで、ドラッグストアやコンビニ店の陳列棚から感染防止用のマスクが消えた今年春の大混乱再現も想定される。

 となれば先回り買いのターゲットとし、新型インフルエンザ関連株が再浮上する。7−8月の決算発表に際して、新型インフルエンザ関連で業績を上方修正したのは、みらかホールディングス(4544)栄研化学(4549)大幸薬品(4574・東2)の3銘柄である。このほか塩野義製薬(4507)日油(4403)中外製薬(4519)第一三共(4568)花王(4452)ユニ・チャーム(8113)リンテック(7966)などと関連株は幅広く、秋の深まりとともに要注目ということになる。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:40 | 特集
2009年08月16日

衆院選本格化!油断すると民も国も滅びる道へ:妻と夫の株ロマン


■日本は、どんな道を歩もうとしているのか?

妻 衆議院選挙、いよいよですね。今年は、政局不安を思わせる天候不順の夏でした。秋の訪れと共に新しい日本のスタートです。どうなるのでしょうね、日本は。

夫 いろいろな観点はあると思う。日本が、これから先、第1次産業、第2次産業、第3次産業の、どこに力を置いてやって行くのか。災害の増えている日本列島をどのように強化改造して行くのか。今後もアメリカ寄りで行くのか、あるいは中国寄りで行くのか。引き続き「核」のない国で行くのか、反対に核を持つのか。考えなくてはいけないことは沢山あるね。

妻 そうですね。私たちが子供の頃は、日本が「豊かになる」ことが全員の目標でした。全員で、「ガンバロウ」だったのですが、豊かになると、「どうぞ、お好きなように」、各人、それぞれです。個人を大切にすることは基本でしょうけど、まとめるのは大変ね。まさに、真の政治家が求められる時代なんでしょうね。

夫 自分たちの立場、権益を守るということではなく、日本をどうするか、身を投げ出してでも、やってもらえる政治家がほしいね。

妻 政治は「国民の生命と財産を守る」ことが一番の役目でしょ。民主党の政権公約は、国民の生活を守ろうとしています。これは、自民党にはなかったことよね。

夫 「生活」に目を向けているけど、「生命を守る」ということではないと思う。「防衛」面のことは心もとない。今の社会は、小泉政権での、「競争重視」政策の反動が出ている。競争には、どうしても、勝ち負け、格差が生じる。その陰の部分を突いて、政権を取ろうとしているのが民主党だろう。相手の弱点を攻めるのは戦いのひとつではあるけど。「後のことは政権を取ってから考えればいい」、というところが見える。自民党が失敗したのは、「陽が当たれば、影ができる」、その影の部分に手をつけなかった点にぬかりがあったということだろう。

妻 私たち、か弱い女性から見れば、民主党の言っていることは優しくて、とてもすばらしく聞こえます。

夫 女性がか弱いかどうかは分からないけど、女性、子供が安心して暮らせる社会にすることは男の役目だし、政治の大切なところだと思う。しかし、優しさだけで生きて行くことはできない。たとえば、会社が、「はい、きょうも9時から5時まで、ご苦労さまでした。明日もみんな仲良く、平等に優しくやりましょう。はい、さようなら」ということでは、倒産するよ。

>>全文を読む(衆院選本格化!油断すると民も国も滅びる道へ:妻と夫の株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:59 | 特集
2009年08月15日

日経平均上昇は民主政権期待か?自民巻き返し期待か?=犬丸正寛

日経平均上昇は民主政権期待か?自民巻き返し期待か?=犬丸正寛■本格的な衆議院選挙の戦い始まる

 来週以降、今後の相場のポイントは、『日経平均の上昇は民主党政権の誕生を買っているのか。あるいは、自民党の巻き返しを期待しているのか』、『6月にピークをつけた出来高等のボリューム指標がどうなるか』、『循環買いのリズムは続くか』、などが注目される。
 8月30日の投票日に向けて、本格的な衆議院選挙の戦いが始まる。民主党の優勢は変わらないが、自民党も頑張っている。大衆受けする民主党の政権公約は、果たして、企業、株価にとってどうなのか。十分に吟味されているとは思えない。そのあたりを突いて、自民党が巻き返しているとも言われる。
 今の自民党は老舗企業のようなもの。ノレンにあぐらをかいている、との指摘がある。このため、一度は、政権が変わるのも善し、という空気ではある。しかし、こんなはずではなかった、ということになりはしないか。仮に、そうなると先行きで、大きい下げに繋がる心配がある。そうなっても、「選んだのは、あなたがた国民でしょ」と言われるだろう。
 今度の選挙は、大勝した小泉政権の「競争」社会対するジャッジでもある。競争で、強い勝ち組が出れば、当然、負け組も出る。その格差問題を突いているのが、民主党のやり方である。格差を是正するだけで、国家としての強い日本が期待できるのか。そこは見えて来ない。不祥事を起こして消滅した老舗企業のように、自民党も衰退していくのか。あるいは、雨降って地固まるごとく立ち直るのか。いずれにしても、勝敗の答えは間もなく出る。

■個人が買えば、プロは売ってくる

 今年最高の出来高は6月12日の39億9700万株。以後、その後の最高は7月24日の26億株弱。20億株そこそこの薄商いが続いている。その中で、日経平均は14日(金)1万630円と年初来の高値を更新している。売買代金も1兆3000億円程度の少ない状態が続いている。薄商いの中を株価だけが値上がっている。
 出来高の少ないことは、(1)売り物が少ない、(2)個人が一斉に買っていない、ことでもある。特に、個人投資家には四季報ベースでの業績回復が基本。この1冊の中における数字が上向かないと本格的には買えない。予想より良かった悪かったは、機関投資家などプロの世界の話。個人投資家にとっては、日経平均が1万2000円となろうが、1万5000円となろうが、四季報で業績が上向かない限り自分たちの出番ではないと思っているはず。過去、何度もプロの巧みな演出に個人は天井つかみの苦い思いをしている。この意味において、今、ガマンの個人が、『ガマンできなくなって買いつく心配はないか』。ここが一番心配である。個人が買えば、プロは売ってくる。仮に出来高が増えるとすれば、個人が買いつく時である。
 プロ達はトヨタ自動車<7203>ホンダ<7267>など自動車株を使って高値更新相場を演出。過熱感が出ると、休養させて、その間に出遅れ株を買う。そしてまた、休ませていた主力株を買い上げる。個人が参加していないプロ同士だから可能とも言える、主力株―出遅れ株のリズムである。マージャン牌を指先でなぞるだけで牌の内容が分かるプロ雀士と同じだ。もともと、アマチュアがプロと麻雀を打っては勝つことは不可能なのだ。
 そのプロ同士の相場も、そろそろ逃げが始まるはずだ。プロには運用ノルマがかかっている。利益確定売りで4〜9月の運用成績を確定したいはず。プロ同士の駆け引きが始まる。ここに個人が引きずりこまれることだけは避けるべきだ。08年10月の暴落のように、プロが投げてきたところを買うのが個人にはもっとも有利な戦い方である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:30 | 特集
2009年08月14日

京都銀行が含み益増大から注目?任天堂で「焼け石に水」との声!

京都銀行が含み益増大から注目?任天堂で「焼け石に水」との声! 地元企業株の活躍で地元金融機関の元締め的存在の京都銀行<8369>(東1)が含み益増大から注目されている。ところが、「本来はジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>(東1)株が上がった時に京都銀行株は、もっと上がっていなくてはいけなかった」と、同社の含みに某株式評論家は首をかしげる。
 その理由について、「京都銀行は任天堂<7974>(東1)の株を638万株保有しています。3月末の任天堂の株価は2万8550円でしたが、8月14日終値は2万5420円。5ヶ月で3130円下がっています。約200億円の含み減少です。少々、他の銘柄が上がっても焼け石に水です。任天堂が上がらないと同社株の上値は難しいでしょう」と指摘する。
 京都銀行株は、GSユアサの活躍に刺激されるように、今年3月以来、900円どころの上値に何度も挑戦している。しかし、未だ突破できていない。やはり、任天堂の影響ということだろう。
 「任天堂が3月末の株価を回復すれば京都銀行は4ケタでしょう」(同氏)。しかし、任天堂の株価は今のところ動く気配は見られない。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:58 | 特集

仕事時間が長くなった「職人さん」から連想した建設・住宅銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 私がいま住んでいるところの隣家が、家の建て替え工事を行なっている。住宅街なので、低騒音型の重機や建機などを使っているようだが、それでもかなりうるさい。「まいったなあ」という感じである。また、もうひとつ気になるのは、朝は8〜9時くらいから工事が始まり、夜の6時とか7時まで、作業をしている点だ。
 昔の建設現場というか、職人さんというか…は、だいたい4時とか5時には、仕事を切り上げていたものだった。が、現在は経費節減のため、仕事時間を延ばしているのだろうか。建設・住宅関係の、とくに現業分野は、公共事業の削減などから、かなり厳しい状況だと、ひところ話題になっていたが・・・。という上記の文とはあまり関係なく、建設・住宅をキーワードに探した、優良銘柄。

★大成建設<1801>

 ゼネコンのゼロイチ銘柄、大成建設<1801>(東1)を入れる。今期2010年3月期連結業績予想は、売上高1兆6100億円(前年比1.9%減)、営業利益330億円(前年は6億5500万円の損失)、経常利益220億円(同110億5700万円の損失)、純利益100億円(同244億円の損失)と、好転する見込み。『会社四季報』には、次期2011年3月期は微減収増益との予想値が出ている。
 チャートは3月4日につけた年初来安値163円から反発し、上昇トレンド。6月15日につけた直近高値251円からは調整局面となっているが、まずは戻り高値250円ライン奪回を目指す。中期チャートではまだまだ安値圏にある。

★住友林業<1911>

 住友林業<1911>(東1、主市場大証1部)は木材・建材事業と、新築注文住宅事業を行なっている。今期2010年3月期連結業績予想は、売上高8000億円(前年比2.9%減)、営業利益90億円(同31.6%増)、経常利益85億円(同38.0%増)、純利益45億円(同337.6%増)。チャートは3月3日につけた年初来安値530円から反発し、調整を挟みながらも下値抵抗線を切り上げてきている。6月30日につけた年初来高値838円更新を目指す。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:45 | 特集
2009年08月10日

業績分析はシンプルにソロバン片手の「算数問題」=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー■「オール5」の薬品株シフトが最適解か?

 主力株の決算発表が終わり、お盆休み入りとなり、高校野球の甲子園大会が開幕したら、株価は予定通り(?)上値が丸くなり胸突き八丁に差し掛かってきた。相場が、間髪を入れず第2弾ロケットに再点火するかどうかは、米国景気や株価、さらにはこのところ積極的な買い越しを続けている外国人投資家次第となるが、もちろんこれをサポートするのは業績動向で、今後も改善傾向が続くのかがカギとなる。

 その動向を予知するには、発表が終わった3月期決算の第1四半期(4−6月、1Q)業績の分析が欠かせないが、何もややこしくコンピュータ解析をする必要はない。極くシンプルに「算数問題」を解くソロバン片手の足し算、引き算の方が分かりやすい。例えば新光総合研究所が、8月7日現在でまとめた決算集計では、第2四半期(4−9月、2Q)の上方修正会社数は138社で、通期12カ月業績の上方修正会社は75社となった。

 単純に引き算をすれば、通期業績の上方修正会社は、2Q業績より63社少なくなる。この引き算からは、63社は2Q業績を上方修正しながら、通期業績は据え置いたことを浮き彫りにする。ということは、通期据え置き会社は2Q業績を上方修正した分だけ、下期6カ月の業績を逆に下方修正したことを意味する。パナソニック<6752>など大手電機株は、ほとんどがこのケースの上方修正であり、通期業績を上方修正したトヨタ自動車<7203>ホンダ<7267>にしても、下期6カ月業績自体は下方修正した計算になる。

 これは多分、発射台の違いにあるに違いない。多くの企業は、四半期ベースで前期第4四半期(1−3月)を最悪期とした。発射台が低かった分だけ、1Q、2Qは原価低減、経費節減のリストラ効果も、経済対策特需が大きく表面化するが、上方修正して発射台が高くなった下期以降は、効果も特需も、業績インパクトを弱めることになるわけだ。円安転換や経済対策の継続などの追い風が期待されるところで、7−9月期3カ月の業績動向が、業績再上方修正のポイントとなってくる。

 胸突き八丁相場での銘柄選別は難しいが、やはり新光総合研究所の集計でいわば「オール5」の業績推移を示した薬品株が、最適解となるかもしれない。1Qも2Q、さらに通期業績も、売り上げ、経常利益、純利益とも増収増益の満点となっているからである。業績を上方修正したあすか製薬(4514)小野薬品工業(4528)テルモ(4543)第一三共(4568)大幸薬品(4574・東2)などを中心の薬品株シフトも一考余地がありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:17 | 特集
2009年08月09日

来週はどう動く?NYダウ1万ドル乗せが見所!=犬丸正寛

来週はどう動く?NYダウ1万ドル乗せに期待=犬丸正寛 今週は、ほとんどの「指標」が上昇したものの、しかし、前週までのような2ケタの上昇率はゼロ。日経平均、TOPIXは1%を切る、コンマ台の小さいものだった。逆に、売買高と売買代金は18〜20%の大幅な減少だった。「商いが大きく減少する中で指数だけが堅調だった」とみることができる。
 日経平均+0.5%、TOPIX+0.6%、大型株指数+0.9%、小型株指数+0.2%、ジャスダック平均+−0、売買高−20.8%、売買代金−18.9%、時価総額+0.6%、売買単価+1.0%、NYダウ+2.1%、上海総合−4.4%(7月31日終値と8月7日終値比較)
 一方、定番主要・20銘柄でも、2ケタの上昇率はなかった。東レ<3402>の8.6%上昇が最高で、次いで、JT<2914>の3.9%、シャープ<6753>の3.7%上昇が目立った程度。主力のトヨタ自動車<7203>は2.5%上昇にとどまった。
 ただ、20銘柄中、14銘柄が上昇。さらに、そのうち11銘柄が日経平均の上昇率を上回ったことから「20銘柄単純平均」は30、967円と前週末より3.4%上昇した。定番20銘柄に投資していれば、日経平均、TOPIXを上回る成果だったといえる。
 こうした日本マーケットに対し、NYダウ2.1%上昇、上海総合は4.4%下落した。仮に、NYダウの上昇がなかったら日本マーケットは下落となっていた可能性があったと思われる。
 来週は、「NYダウの動きがどうなるか」。「前週に続いて商いがどうなるか」。このあたりが、見所となろう。仮に、NYダウが一気に1万ドルに乗せるようなら、日本も出来高を膨らませて上伸となるだろう。しかし、NYダウの動きが止まるようだと、商いの減少が目立つ日本市場は調整も予想される。

●データで見るこの1週間の動き
7月31日 8月7日 比較(%)
日経平均(円) 10,356 10,412 △0.5
TOPIX 950 956 △0.6
大型株指数 945 954 △0.9
小型株指数 1,430 1,434 △0.2
ジャスダック平均(円) 1,211 1,212 △0.1
売買高(百万株) 2,394 1,896 ▼20.8
売買代金(億円) 17,434 14,133 ▼18.9
売買単価(6日平均) 700 734 △4.8
時価総額(兆円) 315 317 △0.6
1株利益(円) 243 255 △4.9
PER(倍) 42.5 40.8
PBR(倍) 1.3 1.3
利回り(%) 1.43 1.42
円・ドル 94.9 95.1
NYダウ(ドル) 9,171 9,370 △2.1
上海総合 3,412 3,260 ▼4.4
トヨタ自動車 <7203> 3,990 4,090 △2.5
新日本製鐵 <5401> 379 378 ▼0.2
三菱商事 <8058> 1,890 1,938 △2.5
東京電力 <9501> 2,425 2,439 △0.5
住友金属鉱山 <5713> 1,425 1,477 △3.6
日清製粉 <2002> 1,151 1,190 △3.3
JT <2914> 274,000 284,800 △3.9
シャープ <6753> 1,053 1,093 △3.7
ソニー <6758> 2,675 2,695 △0.7
日本郵船 <9101> 405 407 △0.4
大林組 <1802> 423 422 ▼0.2
積水ハウス <1928> 892 866 ▼2.9
ダイワボウ <3107> 372 369 ▼0.8
東武鉄道 <9001> 575 589 △2.4
三菱UFJFG <8306> 566 596 △5.3
野村HD <8604> 829 786 ▼5.1
東レ <3402> 474 515 △8.6
三菱ガス化 <4182> 583 521 ▼10.6
武田薬品 <4502> 3,830 3,850 △0.5
コマツ <6301> 1,549 1,586 △2.3

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:35 | 特集
2009年08月08日

4〜6月期決算発表一巡で相場はどうなる:妻と夫の株ロマン


■個人投資家には遠いものになりつつあるアナリスト予想

妻 4〜6月期決算の発表は、ほとんど終わりましたね。次は、アナリストの皆さんの予想ということですか。

夫 そういうことになるけど、しかし、「正式発表」はあくまで会社側が発表するものなんだ。アナリストの予想はあくまで予想なんだ。それに、アナリスト予想は個人投資家には、だんだんと遠いものになりつつある気がする。

妻 どうして、アナリストの皆さんの予想も大切だと思います。違うのですか。

夫 アナリストが所属しているのは証券系が中心ということもある。一応、別会社にはなっているけど、そこには営業的な臭いはぬぐえないことがある。もしもの話だけど、レーティングを引き上げる前に買っておいて、そのあとでマスコミ等に、その引き上げ情報を流して、株価が上がれば、その証券会社の取引顧客は儲けることはできる。もちろん、そういうことはないと思うけど。

妻 その証券会社で取引すれば情報はもらえるのではありませんか。

夫 アナリストを抱えている証券会社すべてと口座を開かなくてはいけない。大変だよ。それに、昔から言われていたことだけど、伝票1枚当りの注文ということもある。

妻 どういうことですか。

夫 商売というものはなんでもそうだと思うけど、小口より大口が大事にされやすい。注文株数の少ない小口の個人より、伝票1枚で数100万株の取引をしてくれる外国投資家、機関投資家を相手とするのが、はるかに効率がいい。情報も当然、そうした大口投資家に優先されると思うのが自然だ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 21:17 | 特集

来週の相場展望:『残り火相場』の展開へ=犬丸正寛

残り火相場■4〜6月期発表一巡で「焚き火」は終わった

 来週は、『残り火相場』の展開だろう。残り火とは、燃え残った薪(まき)に火が入って、ボーッと燃え上がること。しかし、多くの薪は、既に、燃え尽きているので火柱が大きく立ち上がるような燃え方ではない。
 焚き火で言えば、4〜6月期決算発表が、主力の薪に匹敵する。その発表が一巡したので、中心となった薪は燃え尽きて、焚き火は終りである。
 しかし、もう少し残り火はあると思われる。日経平均で言えば、6月12日の1万170円と7月1日の1万86円が上値のフシとなっていた。そこを抜いた割には、その後の高値が1万479円と小幅で、いわゆる燃え尽きていない状態ということがある。上ヒゲであろうと、もう一段上値があれば、今年の夏相場は終りである。
 景気と企業業績の関係は、景気は雰囲気的でありムード的なところが強い。企業業績は、1株利益、配当等を介してずばり株価に響くものである。上場企業は3月期決算が圧倒的に多い。その公式な発表は4〜6月期、7〜9月期、10〜12月期、1〜3月期の年4回である。公式イベントの4〜6月期発表が今週で一巡した。次は11月まで公式発表はない。

■持株は「吹き値売り」スタンスで

 もちろん、アナリスト等の予想・観測によって、個々で動くことはあっても、正式発表は当面無い。となれば、マーケットの目線は企業業績からマクロに向いて行く。特に、この夏のマクロの一大イベントである選挙に関心が移る。民主党政権誕生は間違いなし、と言われているが、『民主党政権による相場への影響は、まだ十分に吟味されていない』。これから、投票日までの期間、マクロへの関心が高まって行くはずである。外国投資家の買いが囁かれている。しかし、個人は、このくすぐりに乗ってはいけない。『持株は吹き値売り』で臨んでほしい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:39 | 特集