
コラムでは、「家が豊かではないから勉強の場を奪われ、意欲も奪われ、将来の活躍のチャンスも奪われる。こんな『三奪』をはびこらせていては、面白い世の中はやって来ない」「企業だって有為の若者をつかみ損ねることになる」と指摘されている。私もいつも思うのだが、格差自体が悪いのではなく、生まれた瞬間から格差があり、その格差を努力や才能では全く埋められないような、絶望的な世の中になることが怖い。
上記のコラムから連想し、「教育」をキーワードに探した優良銘柄。
★ベネッセコーポレーション〈9783〉
『進研ゼミ』などで有名であり、現在は出版、高齢者、英会話・パソコン教室などの事業も行なっているベネッセコーポレーション<9783>(東1、主市場大証1部)を入れる。今期2010年3月期連結業績予想は、売上高4181億円(前年比1.3%増)、営業利益410億円(同4.8%増)、経常利益416億円(同5.9%増)、純利益221億円(同107.0%増)と増収増益を見込んでいる。『会社四季報』には、次期2011年3月期も増収増益との予想値が出ている。
チャートは3月18日につけた年初来安値3160円から反発し、凸凹しながらも上昇トレンドで来ている。ここ1ヵ月ほどは高値圏4000円台で調整局面となっている。7日終値4140円でPERは19.92倍と、とくに割高・過熱感は見当たらない。信用倍率は売買ほぼ拮抗。まずは次のフシ4400円ラインまでの戻りを目指す。
★ニチイ学館〈9792〉
ニチイ学館<9792>(東1)は医療事務受託の最大手で、人材教育から派遣まで行なっていることから、ここに入れる。最近は介護銘柄としても人気だ。今期2010年3月期連結業績予想は、売上高2360億円(前年比10.5%増)、営業利益54億7000万円(前年実績の約5.4倍)、経常利益53億5000万円(同6.7倍)、純利益25億円(前年は10億9000万円の損失)と、大幅増収増益を見込んでいる。コムスンからの介護事業継承が効いてきている。
また、7日の大引け後には、アドバンスト・メディア<3773>(東マ)との資本・業務提携を発表しており、これも材料になると見たい。ニチイ学館の7日終値は4円安の1029円。PERは30.08倍と高めであり、チャート的にはこの1ヵ月ほどは高値圏1050円前後でモミ合いが続いている。信用倍率は0.71倍の売り長となっており、買い戻しも期待したいところだ。
田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。