[特集]の記事一覧
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記事一覧 (06/15)株式投資もまず「出口戦略」の検討から。後発医薬品株で「入るを量って出ずるを制す」
記事一覧 (06/13)トヨタ自動車のモミ合い相場の行方と全体相場=犬丸正寛の相場の視点
記事一覧 (06/13)新型インフルエンザ関連銘柄の狙い方=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (06/13)来週はどう動く?:夏場のバカンス入りを前に目が離せない内部要因
記事一覧 (06/12)日経平均株価1万円台乗せとGSユアサの1000円大台乗せ
記事一覧 (06/11)「温暖化ガス削減目標」から連想した銘柄
記事一覧 (06/11)日経平均1万円回復の意味と展望=犬丸正寛の相場の視点
記事一覧 (06/08)「金融立国相場」では「下から目線」で「中二階銘柄」の割り負け修正買いも一考余地
記事一覧 (06/06)日経平均とNYダウの関係を「NN倍率」で見る=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (06/06)来週はどう動く?:NYダウ9000ドル奪回で日経平均1万円挑戦へ
記事一覧 (06/05)インフレヘッジで石油株上昇は必然!?
記事一覧 (06/05)相場を探る:銀行、保険セクターの出遅れ感に注目=相場けん引役交代の可能性
記事一覧 (06/04)「GMの『ハマー』を中国企業が買収」から連想した銘柄
記事一覧 (06/01)マネー主導の根拠ある「金へん相場」の渦中で出遅れ非鉄商社株も存在感をアップ
記事一覧 (05/30)日経平均は1万円乗せなるか?前半のフシ6月相場を考える=妻と夫の株ロマン
記事一覧 (05/30)来週はどう動く?:危惧された5月危機なく日経平均は1万円台も
記事一覧 (05/29)上昇相場に死角はあるか?悪いインフレ懸念が景気回復に水をさす!
記事一覧 (05/28)映画の怪傑ゾロを観て連想した、資源株の優良銘柄
記事一覧 (05/27)相場の行方と展望:「200日線」抜いた日経平均=3人の株式評論家に聞く
記事一覧 (05/25)定番パターン復活で「第2の大幸薬品」を期待して直近IPO銘柄マークも
2009年06月15日

株式投資もまず「出口戦略」の検討から。後発医薬品株で「入るを量って出ずるを制す」

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 日経平均株価が、年初来安値から43%高して1万円台を回復しても、市場からはカンカンの強気観測は聞こえてこないようだ。上昇ピッチが急、一部指標に過熱感などと後ろ向きの後講釈付きで、「八百屋で売っているカブ以外は全部カイ」などとする万年強気のセールストークにもお目にかからなくなってしまった。相場コメントのなかには、見出しだけは強気を打ち出しているが、本文では懸念材料のオンパレードとなっている例もあり、まさに羊頭狗肉である。
 無理もない。マインド先行型の景気底割れ懸念の後退であり、金子国土交通省ではないが、「うなぎのかば焼きの匂いをかがされている」段階で、ファンダメンタルズに回復の実感はまだだ。それなのに前週末にイタリアで開催されたG8財務相会合の共同声明では、もう財政・金融政策の「出口戦略」の検討が不可欠と言及される始末であり、サブプライムローン・バブル破たんからは逃げ切ったのか、それともなお渦中にいるのか疑心暗鬼にならざるを得ない。
 なかでも先進国中もっとも経済成長率が落ち込んでいる日本は、危機脱出がこれまで通りに米国や中国などへの輸出拡大をテコにする外需依存型で実現できるものなのかはなはだ心許ない。内需主導型への経済構造の改革で、持続可能な回復を図るのが本筋だが、定額給付金の支給や高速道路の1000円への値下げ、エコポイント付与、エコカー減税、まんが博物館などでは役不足、息切れ必至である。7月以降に発表される主力株の第1四半期決算の動向への懸念が先に立ち、株式投資でも「出口戦略」の検討優先となる。
 となればローテイション通りにディフェンシブ株の出番となる。なかでもバイオ関連株である。主力の薬品株は、海外市場進出やM&Aに成長戦略の要としているが、後発医薬品関連株は医療費抑制の内需主導型で最高業績が続くだけに狙い目となる。日医工<4541>東和薬品<4553>沢井製薬<4555>富士製薬工業<4554>(JQ)や後発医薬品に注力の田辺三菱製薬<4508>などなら、「入るを量りて出ずるを制す」ことにそう苦心は必要ないはずである。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:31 | 特集
2009年06月13日

トヨタ自動車のモミ合い相場の行方と全体相場=犬丸正寛の相場の視点

■まもなくモミ合い3ヶ月で上放れの時期接近

トヨタ自動車のモミ合い相場の行方と全体相場=犬丸正寛の相場の視点 トヨタ自動車<7203>(東1)の株価が4月2日に4000円台へ乗せて以降、2ヶ月間強、高値圏でモミ合っている。高値は5月7日に4080円があったが瞬間。特に、動きをシンプルに見ることのできる日足「終値」では3500〜4000円のモミ合い。「上げそうで上げない。しかし、下げそうで下げない。いったい、どっちへ行くのか」と、投資家の苛立ちの声も聞こえ始めた。
 今度の日経平均1万円回復への先導役を果たしたのは同社株であることは多くの投資家が認める。たとえば、底入れ時期にもその点が出ている。日経平均は今年3月10日の7021円が底値だったが、トヨタ株は全体より約3ヶ月早く08年12月8日の2585円。
 さらに、相場のフシとされる「安値から3割高水準」の時期についてもトヨタ株既には3月27日に達成。日経平均が3割高したのは5月7日。しかも、安値からの上昇率はトヨタ株が5月7日の高値まで57.8%。日経平均は6月12日の高値1万170円で44.8%。なお、日経平均の出遅れが目立つ。こうした点が、先行したトヨタ株がモミ合いに入っている最大の理由。野球なら打順が今は下位に回っている。
 そこで、(1)トヨタ株の割り負けが再度、表面化するか、(2)あるとすれば「いつか」、(3)その場合、トヨタ株はどこまで上がるか、(4)その後、さらに日経平均を引っ張ることになるか。

■日経平均の出遅れ修正も一巡感で再度出番も

 既に、トヨタ株のモミ合い期間は2ヶ月強。モミ合い期間としては、そろそろ限界だろう。6月後半から7月には3ヶ月ていどとなるので上放れが予想されるタイミング。一方、日経平均のトヨタ株に対する割り負け感はどうか。仮に、トヨタ株と同じ上昇率57.8%なら日経平均は1万1079円。そこまで行けばトヨタ株と同じ動きとなるが、出遅れの場合は割り引いて考えなくてはいけない。トヨタ株の57.8%上昇に対し、日経平均の上昇率44.8%はそろそろ、いいところまで来たと言える水準。
 トヨタ株のモミ合い期間、日経平均の出遅れ水準の一巡感等を考えるとトヨタ株の再度の出番は非常に近いといえるだろう。ただし、こうしたモミ合いを上放れた場合は、「上ヒゲ天井」となる可能性が極めて高い。4800円から5000円をうかがう動きはあるかもしれないが、上値での持続力は難しいだろう。ハイブリット車の受注好調はあるが、これによって同社の4―9月期の業績が急速に上向くことを期待するのは早い。恐らく、トヨタ株のモミ合い上放れが、全体相場についても、今年前半相場のピークとなる可能性が強い。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:06 | 特集

新型インフルエンザ関連銘柄の狙い方=妻と夫の株ロマン


■WHOの警戒水準最高へ引き上げも今年の夏は響かない

妻世界保健機関(WHO)が、ついに、週末、新型インフルエンザの警戒水準を最高のレベル6に引き上げました。メキシコから始まって、あっという間でした。関連した銘柄の動きは、今年の2、3月のような大きい動きはありませんが、これから、どのように見ておけばいいのでしょう。

夫たとえば、代表的なダイワボウ<3107>の動きを見ていると、しばらくの間、少なくとも今年の夏は大きく動くことはなさそうだ。ダイワボウは昨年12月に514円に最初の高値をつけている。この時は、「インフルエンザが流行しそうだ」という社会不安、同社株にとってはプラス材料で買われた。その後、実際に世界的に患者数が増えてたものの、株価は3月には200円割れまで下げた。4月に戻したが449円までだった。最初の高値までは無理だったことを見ていると、しばらくは期待できない。

妻最高の警戒レベルでも動かないのは、好材料に鈍感ということですか。

夫そうだと思う。季節的な要因もあると思われる。


■ウイルスの好む低気温・乾燥の冬場に「新型」から「改良型」へ変身も

妻そうですね。インフルエンザに関連した銘柄が動いているのは「冬」です。夏風邪もありますが、冬の風邪に比べると症状はひどくありません。

夫風邪ウイルスは気温が低く、湿度の低い状態で動きが活発になる。今のような日本独特の高温でじめじめした夏場は風邪ウイルスもバテているはず。今年の冬、どうなるか非常に心配だ。

>>全文を読む(新型インフルエンザ関連銘柄の狙い方−株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:00 | 特集

来週はどう動く?:夏場のバカンス入りを前に目が離せない内部要因

■26週線乖離も03年、05年以来の高水準

来週はどう動く?:夏場のバカンス入りを前に目が離せない内部要因 日経平均は週末・終値ベースでも1万135円と、昨年10月3日以来の1万円台に乗せた。景気回復への期待もあるが、それ以上に、日米とも、「夏場のバカンス入り」を前に商いを活発化させておきたい気持ちが強い。
 来週(6月15〜19日)は、「外部材料より内部要因」注視。特に過熱感に注目が大切。その際に注目しておく点は、(1)日経平均の週足陽線数、(2)日経平均の26週線乖離率、(3)東証1部の新高値数、(4)日々の値上り銘柄数、など。
 日経平均の週足は、前週まで4本連続の陽線。来週も陽線なら、5本連続となって、過去に照らすと高値警戒が必要となる。26週線との乖離率も直近で約19%。過去のピーク水準である、「2003年7〜8月」、「2005年10〜12月」につけた乖離20%ラインへ接近。要警戒水準。過去2回とも景気の回復期待局面にあったことは、現在と似ているが、いずれも調整入りしている。

■新高値銘柄数が急増、値上り銘柄数も1000社超えで過熱感台頭

 東証1部の日々の新高値銘柄数が最近、200社を超えることが目立つ。週末12日(金)には290社に達し、今年最高を記録。この新値数は相場天底圏の有力な指標。「新安値」が200社以上続いた今年3月は、日経平均が7021円の安値をつけた。その反対が今、来ている。また、日々の値上り銘柄数も同様。今年3月には値下り数が1000社を超えた。現在は値上り数が1000社を超える日が目立つ。
 「新高値数」の増加と、「値上り数」の多いことは相場の全面高を意味する。バスに乗り遅れまいと全員の足取りがあわただしくなっていること。『全面高は相場の天井圏なり』、の格言にも通じる。

●データで見るこの1週間の動き
6.05 6.12 比較%
日経平均(円) 9768 10135 △3.7
TOPIX 916 950 △3.8
大型株指数 918 952 △3.7
小型株指数 1361 1408 △3.4
ジャスダック平均(円) 1128 1161 △2.9
売買高(百万株) 2317 3997 △72.5
売買代金(億円) 15058 29561 △96.3
売買単価(6日平均) 648 739 △14.0
時価総額(兆円) 300 311 △3.6
1株利益(円) 235 234 ▼0.4
PER(倍) 41.5 43.1
PBR(倍) 1.2 1.3
利回り(%) 1.5 1.45
円・ドル 96.7 98
NYダウ(ドル) 8763 8799 △0.4
上海総合 1428
トヨタ 3860 3860 0
新日鉄 369 395 △7.0
三菱商事 1908 2020 △7.0
東京電力 2385 2385 0
住友鉱山 1520 1577 △3.7
日清製粉 1058 1103 △4.2
JT 270000 303000 △12.2
シャープ 1097 1106 △0.8
ソニー 2695 2685 ▼0.3
日本郵船 449 468 △4.2
大林組 430 463 △7.6
積水ハウス 891 982 △10.2
ダイワボウ 261 295 △13.0
東武鉄道 519 532 △2.5
三菱東京UFJ 624 652 △4.4
野村HD 763 917 △20.1
東レ 493 503 △2.0
三菱ガス化 547 552 △0.9
武田薬品 3730 3770 △1.0
コマツ 1472 1604 △8.9

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:32 | 特集
2009年06月12日

日経平均株価1万円台乗せとGSユアサの1000円大台乗せ

日経平均株価1万円台乗せとGSユアサの1000円大台乗せ 日経平均株価は、154円49銭高の1万0135円82銭と反発。1万円大台の引けとなった。日経平均株価は、前期末3月31日の終値8109円53銭から2026円29銭(25%)と上昇した。
 その間、代表的な225採用銘柄で上昇が続く、住友金属鉱山<5713>(東1)は、前期末3月31日の終値941円から1577円まで636円(68%)上昇した。ハイブリッド車・電気自動車関連として賑わっているジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>(東1)は、前期末3月31日の終値484円から1029円(6月12日終値)まで545円(113%)上昇した。
 
 心理的には、日経平均株価の1万円台乗せとGSユアサの1000円大台で、当面の課題はクリアした感がある。
 
 麻生政権にとって衆院選を控え、景気回復はなんとしても成し遂げたい至上命題。とすれば、日経平均株価の1万円回復は当面の目標でもあったハズ。景気回復策は、米オバマ政権と同じく、環境・エネルギーを重点とした政策に変わりなく、エコカー減税による販売促進はその一環。
 
 なぜ電気自動車関連が人気付いたかといえば、それは第2のGMを日本から出してはいけないという強い意志表示だったと推測される。利益剰余金がマイナスで、有利子負債を3341億円を抱える三菱自動車<7211>(東1)は、このままだと第2のGMになりかねない。そのような意志表れがこの上昇相場を生んだと勝手に解釈している。
 
 ここから日経平均株価が1万2000円ヘ上昇する条件として、GSユアサの1200円にかかっていると断定するぐらいの気持ちで相場を見てもいいのではないだろうか。環境・エネルギーは地球が再生するまでの長い「テーマ」と考えれば頷けるだろう。
 
 ただ、商品市況の上昇、長期金利の上昇、秋以降は新型インフルエンザが猛威を振るうともいわれ、先行き懸念もちらほら表れ始めている。景気回復の腰折れ、実体経済に及ぼす影響は、まだ先と思われるが(株式市場が堅調なうちは気にしない?)、株式相場も「一寸先は闇」と心したい。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:31 | 特集
2009年06月11日

「温暖化ガス削減目標」から連想した銘柄

田北知見の銘柄ウオッチ 麻生太郎首相が10日の記者会見で「日本の2020年時点の温暖化ガスの中期目標を、2005年比15%削減(1990年比8%減)にする」と表明した。目標実現に必要な政策や家計負担も提示。太陽光発電を現状の20倍、エコカーを新車販売の50%、保有台数の20%、省エネ住宅を新築住宅の80%とした。家計(1世帯あたり年間)の負担増は、成長鈍化による所得減少が4万3000円、電気代などの負担増が3万3000円で、合計7万6000円と試算されている。

 報道などによると、この目標値は地球温暖化に強く危機感を抱く国や人から見れば低すぎ、国民の負担を心配する立場からは高いという見方があるそうだ。確かに、個人的には、年間7万6000円(月割りで6333円)の負担といわれると、「高…」と思う。でも、温暖化をちょっとでも食い止めることができるなら(たとえば、美しい南の島を水没から守るとか)、いいのかな、という気もする。何より、いち早く、国としての目標を掲げたことで、世界へ向けて「環境コンシャスな国、ニッポン」をアピールできるのではないかと思った。

 というわけで、上記のうち、「省エネ住宅」から連想した、優良銘柄。

★ミサワホーム〈1722〉

 ゼロCO2・ゼロエネルギー住宅などを扱っているということで、ミサワホーム<1722>(東1)を入れる。また、大口株主にプリウスのトヨタ自動車<7203>(東1)が入っていることから、「環境」つながりで。ミサワホームの今期連結業績予想は売上高、営業・経常利益が前年比減収減益だが、純損益は前年の損失計上から黒字転換の見込み。

 11日終値は6円高の358円。チャートは3月10日につけた年初来安値183円を底に、上昇トレンドとなっている。11日には一時368円まで買われ、年初来高値を更新した。が、PERは5.55倍と、まだかなりの割安だ。押し目待ち伏せ買いで上値追いといきたい。単位100株の売買しやすさも魅力。

★住友林業〈1911〉

 省エネ住宅だけでなく、カーボンオフセットを目的に、植林活動も行なっていることからの連想で、住友林業<1911>(東1)(主市場:大証1部)を入れる。新築注文住宅と木材・建材事業を行なっている。今期連結業績予想は前年比減収だが、営業・経常・純利益は大幅増益を見込んでいる。大口株主には住友金属鉱山<5713>(東1)住友商事<8053>(東1)、三井住友銀行(三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1))、住友信託銀行<8403>(東1)、住友生命などのほか、信託口も並んでおり、堅い。

 11日終値は前日終値と同額の665円。こちらも株価3ケタ、単位100株なので売買しやすい。PERは28.05倍。チャートは3月3日につけた年初来安値530円からは脱したものの、この2ヵ月ほどは600円台後半でモミ合っている。ドイツ証券は10日付けのレーティングで、投資判断を「Hold」(中立)から「Buy」(買い)へ、目標株価を650円から820円へ引き上げている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:55 | 特集

日経平均1万円回復の意味と展望=犬丸正寛の相場の視点

■100年に一度の大不況不安なくなり、日本の物つくりが見直されてきた

日経平均1万円回復の意味と展望=犬丸正寛の相場の視点 日経平均がザラバ(場中)で11日(木)、9時35分に1万円台に乗せた。08年10月8日以来8ヶ月ぶり。『日経平均1万円乗せの意味と今後を展望』。

 1万円乗せの効果は大きい。(1)100年に一度の大不況に対する景気底割れ感の後退、(2)投資家心理の好転、(3)麻生政権へのプラス効果、などがある。

 振り返って、アメリカの金融パニックで日経平均は、08年10月28日に6694円のザラバ安値をつけた。よもや、下回ることはないと見られていた、03年の安値7603円を切ってしまった。言うまでもなく03年は日本版バブル崩壊。08年は自由主義のお手本としてきた同盟国アメリカのデリバティブ(金融派生商品)バブルの崩壊であった。同盟関係にヒビさえ入るのではないかと危惧されたが、持ちこたえている。賢明の景気対策で麻生政権も盛り返している。このことが、09年3月に日経平均が7021円まで下げたものの昨年10月安値を割り込まなかった背景としてあった。

■証券株が買われ買い一巡感、「6月高値」の公算も

 今度の日経平均1万円回復が一般庶民にどこまで効果があるかは分からない。多くの失業者が溢れている現状では、「株高」は無縁と映るだろう。しかし、マイナス材料ではない。投資家にとっては、言うまでもなく投資心理の改善に結びつく。特に、アメリカGMの経営破たん等により、日本のトヨタ自動車<7203>ホンダ<7267>日産自動車<7201>などがクローズされた。改めて、今後、日本の物つくりの優秀さが見直されてくることは大きな意味がある。方向性を見失いつつあった日本の先行きに、自信と明かりが灯ったといっても過言ではないだろう。

 これから、日経平均がさらに上値を追うか、といえばそう簡単ではない。足元の景気企業業績は依然、厳しい。この手応えが出るには、早くて9月中間決算以降だろう。株式市場の内部要因的にも、日本復活をテーマに自動車株から買い上げた相場は、金融仲介者である証券株の買われてきたことで一巡感がある。野球で言えば、「打順一巡」。これからは、日本の方向性、景気、企業業績等を見極める局面に入って行くだろう。当面、上値はあっても「6月フシ」の可能性は高い。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:38 | 特集
2009年06月08日

「金融立国相場」では「下から目線」で「中二階銘柄」の割り負け修正買いも一考余地

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー よくもまあ、次々と懸念材料が続くものである。GMの破産法適用申請のイベントを大過なく通過したと思ったら、今度は国債の価格下落と長期金利の上昇である。金融システム危機回避の財政出動と国債増発の度が過ぎて、国債の買い手不足が懸念されている。米国のガイトナー財務長官は、ドル紙幣の刷り過ぎ、在米資産の価値下落を懸念する中国に財政赤字半減を公約して米国債のトップセールスをしたと報じられ足元が危うい。
 財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」を抱える米国としては、世界最大の米国債保有国である中国をドル資産につなぎとめておかなくては「双子の赤字」のファイナンスは覚束なくなる。海外からの資本流入こそ現下の米国の命綱にほかならない。最大の製造業のGMの経営破たんと並べると、これこそ「金融立国」政策ということになる。国内の過剰消費・過剰投資を放置したままで財政赤字が半減できるのか、「金融立国」政策が持続可能なのかマーケットが問うところだろう。
 日本の株式市場も、米国に「上から目線」でクレームをつけられる立場にはない。日本市場こそ「金融立国」相場だからである。外国人投資家が買い越しになれば相場は底離れし、売り越しになれば底値を探る売り先行の相場を何度も懲りずに繰り返している。この結果、NYダウの上げ・下げに一喜一憂して「写真相場」を展開し、このところの主力株は、業績悪もドル安・円高の為替相場などファンダメンタルズに何一つ変化はないのに、外資系証券の投資判断・目標株価の変更だけで上昇、下落と振り回され振るい落とされる。
 そこで、個人投資家が中心になって「上から目線」の相場形成に抵抗して「下から目線」で流入するのが、新興市場、第2部市場である。もちろんこの流入資金は、主力株のパフォーマンスが良好なら直ぐに乗り替える長居無用の短期志向で、いつハシゴを外されるか戦々恐々の及び腰である。しかし、小額資金で動き軽快足を誇り、しかも業態も内需関連株が多いことなどを買い手掛かりとしているから、1回転、2回転するくらいのチャンスが循環する可能性は十分に計算できる。
 なかでも1部銘柄と新興市場株に挟まれて「中二階銘柄」といわれる2部銘柄は、PERにしろPBRにしろ配当利回りにしろ1部銘柄や新興市場株より割安水準に放置されて傾向が強い。2部銘柄のなかから最高利益更新のE・Jホールディングス(2153)チムニー(3362)クスリのアオキ(3398)ヒューテックノオリン(9056)内外トランスライン(9384)ケーユーホールディングス(9856)、自己株式取得のフジ日本精糖(2114)デリカフーズ(3392)内海造船(7018)共成レンテム(9680)、材料株としてのM&A関連のグローウェルホールディングス(3141)、豚インフルエンザ関連の川本産業(3604)、原子力関連のトウアバルブグループ本社(6466)、太陽電池関連の石井表記(6336)などをマークしておくことも一考余地がありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:46 | 特集
2009年06月06日

日経平均とNYダウの関係を「NN倍率」で見る=妻と夫の株ロマン


■NYダウ9000ドルなら日経平均1万円は確実?

妻ニューヨークダウも、まもなく9000ドルです。今年3月6日にはザラバ安値6469ドルまで下げていました。一時は、どうなるのだろうと思っていましたが、よく戻しています。

夫まったくだ。同じ3月に、日経平均株価は10日に7021円まで下げた。大手証券あたりから日経平均株価5000〜5500円は避けられない、といった見通しが出ていたことを思い出す。

妻大手さんといえど、間違いましたね。

夫必ずしも、そうとばかりは言えない。

妻どうして。

夫大手は、今度の戻りは読んでいたと思う。しかし、あのままでは、上値で買った株の未整理、いわゆるシコリが残ったままで相場は膠着状態となってしまう。思い切って弱気を打ち出したことで、整理が促進された効果があった。われわれのような、いち個人が言うのと違って、影響力の大きい大手証券が発信するとことで反響は大きい。証券界は「相場の膠着状態」を嫌がる。上でも、下でも動いてくれないと、商売にならないんだ。

妻なるほど。下剤を使ったのね。それで、今度は強精剤ですか。

夫そうでもない。相場が上がる時は、放っておいても周囲がいろいろ、にぎやかになるから、出来高は増える。むしろ、上げ一服となった時に、気のきいた「シナリオ」を出せるかどうかが大切だ。物を売るには宣伝・CMが欠かせない。株を売るのも同じ。黙っていては物は売れないから。ただ、商品の不当表示をしたり、株ならインサイダー取引違反、株価操縦違反、有価証券虚偽記載違反などのルール違反をすると罰せられる。

妻最初の話ですが、NYダウが9000ドルをつけると日経平均株価も当然、高くなりますね。

>>全文を読む(日経平均とNYダウの関係を「NN倍率」で見る−株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 22:50 | 特集

来週はどう動く?:NYダウ9000ドル奪回で日経平均1万円挑戦へ

■NYダウ続伸で東証1部時価総額300兆円回復

 今週(6月1〜5日)は、アメリカGM問題の一巡でNYダウが前週末比263高となった。NYダウに引っ張られて日経平均株価も246円上昇し年初来の高値を更新した。今週の日本市場で一番の特徴は、東証1部時価総額が昨年9月以来の300兆円を回復したこと。今年2月末では246兆円だったから約22%増加。「22%分、投資家の気分が良くなった」。

 来週はいよいよ日経平均株価1万円へ挑戦だろう。北朝鮮問題は依然、くすぶるが、為替相場の落ち着き、3月期決算の発表一巡などがある。これまでの上値のフシだった9500円どころを突破した勢いも続いている。それに、輸出関連と内需関連を上手に物色の波へ乗せている。また、新たに、「小型銘柄」が急動意で全体相場押し上げに寄与してきた。

 今のところNYダウが急落する要因もない。むしろ、NYダウは9000ドル奪回が見込まれる。連れて、日経平均株価の1万円台が見込まれる。

●データで見るこの1週間の動き
5.29 6.05 比較%
日経平均(円) 9522 9768 △2.5
TOPIX 897 916 △2.1
大型株指数 902 918 △1.7
小型株指数 1289 1361 △5.5
ジャスダック平均(円) 1101 1128 △2.4
売買高(百万株) 2606 2317 ▼11.0
売買代金(億円) 17008 15058 ▼11.4
売買単価(6日平均) 642 648 △0.6
時価総額(兆円) 294 300 △2.0
1株利益(円) 235 235
PER(倍) 40.5 41.5
PBR(倍) 1.2 1.2
利回り(%) 1.5 1.5
円・ドル 96.4 96.7
NYダウ(ドル) 8500 8763 △3.0
上海総合 休み 2753
トヨタ 3810 3860 △1.3
新日鉄 364 369 △1.3
三菱商事 1799 1908 △6.0
東京電力 2390 2385 ▼0.2
住友鉱山 1348 1520 △12.7
日清製粉 1076 1058 ▼1.6
JT 272900 270000 ▼1.0
シャープ 1081 1097 △1.4
ソニー 2495 2695 △4.0
日本郵船 456 449 ▼1.5
大林組 433 430 ▼0.6
積水ハウス 921 891 ▼3.2
ダイワボウ 265 261 ▼1.5
東武鉄道 519 519 0
三菱東京UFJ 598 624 △4.3
野村HD 716 763 △6.5
東レ 471 493 △4.6
三菱ガス化 542 547 △0.9
武田薬品 3770 3730 ▼1.0
コマツ 1385 1472 △6.2

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:55 | 特集
2009年06月05日

インフレヘッジで石油株上昇は必然!?

■ゴールドマン・サックス=年末原油価格1バレル85ドル予想

 週末5日(金)の東京株式市場、日経平均株価は99円05銭高の9768円01銭と反発。米株式相場、ダウ工業株30種平均が1月7日以来、約5カ月ぶりの高値となったことや原油相場の反発を好感された。
 ゴールドマン・サックスが、3日付のリポートで、2009年末のWTIの価格見通しを従来の65ドルから85ドルへと引き上げたことがそのキッカケに、4日のニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場は3営業日ぶりに反発。WTI期近7月物が、一時69.60ドルまで上昇、前日比2.69ドル高の一バレル68.81ドルで終了。昨年11月5日以来7カ月ぶりの高値を付けた。
 外為相場は96円台半ば、長期金利1.5%以下で推移する分には、物色意欲の強い展開が続くと思われるが、全般相場は原油動向を意識した動きが一段と強まると予想する。
 国際石油開発帝石<1605>(東1)石油資源開発<1662>(東1)新日鉱ホールディングス<5016>(東1)AOCホールディングス<5017>(東1)が年初来高値を更新している。
  上記の4銘柄は、何れも9月移動平均線平均を上回り、24月移動平均線、或いは52週移動平均線を視野に入れている。

■中国政府系ファンドがインフレヘッジで介入も?
 
 注目すべきは、ガイトナー米財務長官が今月2日に中国を公式訪問した際、財政赤字を半減させる構想を示し、米国債の安定消化を図ろうとしたことだ。中国にとって、景気回復期待やインフレ懸念が強まるなかでの米国債購入はリスクを伴う。となれば、ドル下落と米国債の価格下落のダブルパンチを避けるために、そのヘッジとして原油などの実物資産を購入する方向へ傾かざるを得ない。
 市場はそういったことを既に先読みする動きとなっている。
 
 また、昨年2月には、中国の政府系ファンド、中国投資有限責任公司(CIC)による国際石油開発帝石株式取得観測が報じられた。ここ最近はこの話題を耳にしていないが、米国債の下落をキッカケに、インフレヘッジで原油価格が上昇、世界的な資源争奪戦が繰り広げられるなか、日中両政府が共同開発で合意した東シナ海のガス田事業に国際石油開発帝石傘下の帝国石油が、参画する方向だけに、国益に関わる問題として、また浮上してくる可能性がある。
 
 国際石油開発帝石の株式は、経済産業大臣(日本政府)が29.3%、石油資源開発が11.3%などが保有し、特定株が54.5%占めているが、特に外国人投資家による買いには神経質にならざるを得ないだろう。
 インフレヘッジ、資源防衛などといった観点から、国債を売って(金利が上昇)、原油或いは、権益を持つ石油会社や商社などを買う動きは強まることが予想される。 
 サブプライローン問題に端を発した金融危機で、資源争奪戦は鳴りを潜めていたが、景気回復を睨んだ財政出動、金融機関への公的資金注入で、財政悪化、長期金利上昇が傾向と、再び、石油関連が騒がしくなってきた。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:43 | 特集

相場を探る:銀行、保険セクターの出遅れ感に注目=相場けん引役交代の可能性

相場を探る:銀行、保険セクターの出遅れ感に注目=相場けん引役交代の可能性 日経平均株価は上値が重いものの、高値圏での堅調な動きとなっている。ニューヨーク原油先物相場の上昇を受けて、国際石油開発帝石<1605>石油資源開発<1662>新日本石油<5001>AOCホールディングス<5017>出光興産<5019>三井物産<8031>三菱商事<8058>など資源関連株、商社株が高い。
 注目度の高いエコカー関連では、主力のジーエス・ユアサコーポレーション<6674>が下落に転じる一方で、三菱自動車<7211>マツダ<7261>富士重工業<7270>が大幅高となっている。個人の物色意欲は依然として強いようだ。
 ただし全体としては買い疲れ感の印象も強く、来週のメジャーSQに向けての思惑もあり、上にも下にも動きにくい展開だろう。また投資尺度で見れば、11年3月期の業績回復まで織り込んだとも考えられる水準であり、ここからは、積極的に買い上げるだけの手掛かりに欠ける。当面は個別株物色の流れだろう。
 そうした状況の中で、三井住友フィナンシャルグループ<8316>東京海上ホールディングス<8766>T&Dホールディングス<8795>など、銀行・保険セクターにも高い銘柄が目立ち始めた。出遅れ感が強く、相場のけん引役交代の可能性も期待されるだけに注目しておきたい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:47 | 特集
2009年06月04日

「GMの『ハマー』を中国企業が買収」から連想した銘柄

田北知見の銘柄ウオッチ 経営破たんした米GM(ゼネラル・モーターズ)傘下のブランド『ハマー』が、中国の重機メーカー、四川騰中重工機械に売却される見通しになった。私がその第一報に接した時、まず思ったのは、「うわー…そういう時代になったんだ…」だった。(なぜか、欧州系の自動車会社が買収するんだろうなと思い込んでいたので。でも確かに、ワイルドなイメージのSUVは欧州市場にはなじみにくいかも)
 昔、バブル時代に、日本企業がアメリカのランドマーク的な不動産を次々と取得した時にも、アラブのオイルマネー系の富豪がイギリスの老舗百貨店を買収したと知った時にも「そういう時代…」と思ったのだった。

 欧米の人たちには、「アジアの脅威」と映るのだろうか。
 でも、報道によると、中国の大手ポータルサイトのウェブアンケート(約5万9000人が参加)によると、四川企業によるハマー買収について、約5割の人が「良いとは思わない。損を出すだけだ」と回答。「中国企業がハマーを救えるか」との問いに対し、約5割が「無理だ」と答えている。中国の国内では、国威発揚?的な、鼻息の荒い雰囲気ではなく、多くの人が冷静に見ているようだ。

 ただ、同じアンケートで「中国企業は多国籍自動車メーカーを買収すべきか」については、約6割が「そう思う」と答えている。実際、市場では、いま世界で経済的になんとか元気があるのは、中国と、いくつかの新興国だけだ、みたいな見方が多いようだ。
 要は、その時その時、景気の良い国や地域が、市場を席巻するだけというか、「諸行無常」的な感じなのだろうか。

 上記の文とはあまり関係なく、自動車関連銘柄。

★デンソー〈6902〉

 GMからの連想で、自動車部品メーカーの代表的な存在、デンソー<6902>(東1)を入れる。4日終値は15円安の2295円。チャートは1月26日につけた年初来安値1505円を底に、凸凹しながらも上昇トレンドとなっている。信用倍率は0.73倍の売り長だが、買い戻しも増えている。今後の地合い等にもよるが、5月7日につけた年初来高値2635円ライン奪回も視野に入る。

 今期2010年3月期連結業績予想は、売上高は前年比2ケタ減収、営業・経常損失は赤字幅拡大、純損失は赤字幅縮小の見込み。『東洋経済オンライン』サイトの3日付け『四季報先取り』には、次期2011年3月期は増収、営業・経常・純損益は黒字転換との予想値が出ている。

★豊田自動織機〈6201〉

 このところ電気自動車関連銘柄がにぎわっている。豊田自動織機<6201>(東1)はプラグインハイブリッド自動車・電気自動車用の充電スタンドを、日東工業<6651>(東1)と共同開発し、7月に発売を予定していることから、ここに入れる。豊田自動織機の4日終値は20円安の2450円。チャートは4月23日につけた年初来高値2780円からの調整局面となっている。しかし5月26日につけた直近安値2340円から、反発のきざしも見える。信用倍率は0.35倍の売り長。今後は買い戻しも押し上げ材料に、ジリ高トレンド維持で年初来高値更新を狙ってみたい。

 今期2010年3月期連結業績予想は、売上高は前年比減収、営業損失は赤字幅拡大、経常損益は前年の利益計上から赤字転落、純損失は赤字幅縮小の見込み。とはいえ、期中に一部上方修正を発表した。また、『東洋経済オンライン』サイトの3日付け『四季報先取り』には、次期2011年3月期は増収、営業・経常・純損益は黒字転換との予想値が出ている。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:44 | 特集
2009年06月01日

マネー主導の根拠ある「金へん相場」の渦中で出遅れ非鉄商社株も存在感をアップ

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー だんだん相場の輪郭が、浮かび上がってきたようだ。売り方の買い戻しのショートカバーでも、白川日銀総裁がいう景気の一時的な回復を背景にした「偽りの夜明け」でもなく、「金へん相場」らしい。マネー資本主義の復活、過剰流動性が牽引する需給相場である。そうでなければ、株価が、実体経済に景気回復の実感が乏しく、経済指標にも景気底打ちと景気悪化の明暗マチマチのまだら模様が続くにもかかわらず、年初来高値を更新することの説明がつかない。
 カネがまたジャブジャブとグローバルに溢れ出しているのである。サブプライムローン・バブル破たんによる金融システム危機回避のために、G20各国が競って財政出動を積極化し金利を引き下げた。しかも、米国の金融機関救済のために注入された公的資金も、多くがCDS取引先の投資ファンドやヘッジファンドに支払われ、市場退場するはずの投機マネーが生き永らえたフシもある。デフレ経済が、インフレ経済化する思惑も高まってきた。
 となれば、サブプライムローン・バブル発生の張本人と指弾されたグリーンスパンFRB前議長が、かつて株高に対して警告した「根拠なき熱狂」が息を吹き返してくる。各国軒並みの財政赤字拡大や米国債の格下げ懸念でドルの下ぶれリスクが強まって金融商品離れが生じれば、投機マネーはコモディティ(実物商品)選好のオルタナティブ(代替)投資に傾くことになる。商品市況が一斉に反騰に転じ、代表格の原油先物(WTI)価格は、この5月のわずか1カ月間で32%高の急騰を演じた。昨年7月の史上最高値147ドルから30ドル台まで急落したのが、底値からは倍化水準である。
 バブル破たんはバブル再生でしか修復できないことは、日本の「失われた10年」で証明済みである。80年代の資産バブル崩壊は、その後のITバブル、REIT(不動産投信)バブル、経済改革バブルでしか乗り切れなかった。「毒をもって毒を制する」しかない。
 この相場シナリオに乗ってすでに商社株、非鉄金属株、鉱業株、海運株のコモディティ関連の常連株が動意付いている。やや出遅れ投資家には小型の非鉄商社株が狙い目で、白銅(7637)豊田通商(8015)阪和興業(8078)アルコニックス(3036・JQ)なども存在感をアップさせそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:38 | 特集
2009年05月30日

日経平均は1万円乗せなるか?前半のフシ6月相場を考える=妻と夫の株ロマン


■6月は日経平均の1万円台乗せはほぼ確実視されるが、当面の高値となる

妻今年も6月、早いですね。年の半分のフシ目です。今年の大発会、1月5日の日経平均株価はザラバベースで8991円で始まって、7日には9325円までつけて滑り出し好調でした。しかし、年初が高値となって下げに転じ、3月10日には7021円まで下げました。7000円を割って、そのまま下に行くかと心配されましたが、反発に転じて、週末(5月29日)は9522円と年初来の高値更新です。こうしてみると、今年前半は「V字型」の相場だったと思います。あなたの印象はいかがですか。

夫まさしく、典型的なV字型の相場だったね。もうひとつ印象を加えるとすれば、久々に「政治主導」の相場だったとも思う。100年に一度と言われる大不況でマーケットは弱気一色となって急落した。3月危機説に続いて5月危機説が流れ、日経平均株価は5000円まで下げるという見方が強まった。実際、3月には7000円割れ寸前まで下げた。ここで政治が登場した。特に、100年に1度の大不況を麻生内閣は見逃さなかった。支持率が低下し政権維持が危なかった内閣には巻き返す絶好のチャンスと捉えた。定額給付金から始まって、週末の高速道路料金の引き下げ、エコカー、エコ電気製品買い替えの補助金。週末には大型の補正予算も成立させた。しかも、日本だけでなく、世界が一斉に景気テコ入れを打ち出したから、相場への効果は大きかった。政治が久々に前面に登場した相場だったと思う。

妻下げると思って、空売りしていた人が、あわてて買い戻したことも日経平均株価の急反発につながったと思います。こうした5月末までの動きから「6月相場」をどのように見ますか。

夫思い切って言うなら、前半1〜6月相場での高値になると思っているよ。


■日経平均1万円回復で景気対策総仕上げで選挙迎える

妻6月が高値ですか。空売りの買戻しが一巡するためですか。

夫それもある。他にも、いくつか理由があるけど、最大の理由は、現政権が日経平均株価の1万円回復で、これから予想される選挙に望みたい気持がある。これまで、打ってきた景気対策効果を日経平均株価の1万円大台乗せで印象づけしたい気持ちは強いと思う。

>>全文を読む(日経平均は1万円乗せなるか?前半のフシ6月相場を考える−株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:42 | 特集

来週はどう動く?:危惧された5月危機なく日経平均は1万円台も

今週はこう動いた■次は日経平均1万円乗せで景気回復を打ち上げ選挙に臨む

 今週(5月25〜29日)は、危惧された「5月危機」がなかったことで、日経平均株価は前週末に比べ300円上昇。昨年11月以来、6ヶ月ぶりに9500円台に乗せた。「赤字」継続となっていた「1株利益」(日経平均ベース)が、前週から黒字に転換。来週は6月相場入りで、日経平均は待望の1万円奪回を目指すものとみられる。
 今週は内需関連の一角で、ダイワボウ<3107>大林組<1802>三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>JT<2914>などが安くなったが、外需型の主力銘柄は軒並み上昇したのが特徴。特に、注目のトヨタ自動車<7203>は前週末比240円高と大きい週足陽線となって来週に期待を抱かせる動きとなった。また、住友金属鉱山<5713>三菱商事<8058>など資源関連も急動意となってきた。
 特に、資源株高は世界各国の景気テコ入れ効果が現れ始めてきたと見ることができる。国内でも「定額給付金」から始まって、「休日の高速道路料金引き下げ」、「エコ製品購入支援」、「補正予算成立」など、麻生内閣の景気対策が、ほぼ出揃った。この効果をバックに選挙へ臨むみたい気持ちは強いはず。となれば、これまでの景気対策を広く知らしめるためにも、政権としては日経平均の1万円台乗せは望みやすいところだろう。大々的に報道され、景気対策効果をアナウンスできる。公的資金の買いも強まるのではないか。
 それに、例年、3月安値の6月高値の動きがある。今年も恐らく、このパターンだろう。今、来週にも1万台が期待できそうだ。

●データで見るこの1週間の動き
09.05.22 09.05.29 比較%
日経平均(円) 9225 9522 △3.2
TOPIX 875 897 △2.5
大型株指数 880 902 △2.5
小型株指数 1253 1289 △2.8
ジャスダック平均(円) 1067 1101 △3.1
売買高(百万株) 2058 2606 △26.6
売買代金(億円) 13008 17008 △30.7
売買単価(6日平均) 642 642
時価総額(兆円) 287 294 △2.4
1株利益(円) 235 235
PER(倍) 39.2 40.5
PBR(倍) 1.2 1.2
利回り(%) 1.6 1.5
円・ドル 94.2 96.4
NYダウ(ドル) 8277 8500 △2.6
上海総合 2597 休み
トヨタ 3570 3810 △6.7
新日鉄 339 364 △7.3
三菱商事 1728 1799 △4.1
東京電力 2395 2390 ▼0.2
住友鉱山 1245 1348 △8.2
日清製粉 1038 1076 △3.6
JT 277400 272900 ▼1.6
シャープ 1019 1091 △7.0
ソニー 2450 2495 △1.8
日本郵船 433 456 △5.3
大林組 441 433 ▼1.8
積水ハウス 911 921 △1.0
ダイワボウ 334 265 ▼20.6
東武鉄道 507 519 △2.3
三菱東京UFJ 609 598 ▼1.8
野村HD 585 716 △22.3
東レ 449 471 △4.8
三菱ガス化 528 542 △2.6
武田薬品 3860 3770 ▼2.3
コマツ 1326 1385 △4.4

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:29 | 特集
2009年05月29日

上昇相場に死角はあるか?悪いインフレ懸念が景気回復に水をさす!

上昇相場に死角はあるか? 今週の日経平均株価、週末は71円11銭高の9522円50銭と3日続伸し5月11日につけた年初来高値9503円91銭を更新した。前週末に比べ296円69銭(3.2%)上昇した。
 
 金価格の上昇を受け、住友金属鉱山<5713>(東1)が連日高値、原油価格の上昇で三菱商事<8058>(東1)をはじめとした大手商社株が年初来高値を更新するなどしたほか、経済産業省が蓄電池の普及に向けた総合対策に乗り出すと報じられジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>(東1)が連日の上場来高値となるなど動きが見られた。

■9601円30銭を抜きされば上昇に弾み
 
 GMに対し、オバマ政権は、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)適用を6月1日に申請させる計画だと報じられたが、相場全体にはほぼ織り込んだと見ていいだろう
 GM破綻処理で、環境規制を考慮すると相対的に優位との見方が出ていたホンダ<7267>(東1)や、「プリウス」好調と伝えられているトヨタ自動車<7203>(東1)が、一皮向けた動きとなるかがポイントとなろう。 
 仮に、ホンダやトヨタがコケても、その後釜として、7月から半年ぶりに生産を元の水準まで引き上げる方針を固めたと報じられた東芝<6502>(東1)が控えている。6月3日の公募増資払い込み以降の動きが市場の関心を集めることになる。

■銀行株が相場の重しとなるか注視すべき

 テクニカル的には、日経平均株価は、200日移動平均線を上回ったことが注目されているが、昨年11月高値9521円24銭を上回っており、同10月高値9601円30銭を抜きされば、一気に上昇に弾みがつく可能性もある。
 ただ、上昇相場に死角があるとすれば、原油・金などの商品市況が上昇していることのみならず、長期金利が上昇傾向にあることなどから、悪いインフレが懸念され始めていることだ。景気回復に、水をさすことも憂慮しなければない。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)や、三井住友フィナンシャルグループ<8316>みずほフィナンシャルグループ<8411>などの銀行株が、このまま冴えない状態が続けば、相場の重しとなるので注視すべきところだろう。
 
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:54 | 特集
2009年05月28日

映画の怪傑ゾロを観て連想した、資源株の優良銘柄

田北知見の銘柄ウオッチ テレビで、映画『マスク・オブ・ゾロ』(1998年アメリカ)を観た。1800年代のメキシコを舞台に、ヒーロー『怪傑ゾロ』が活躍するという内容だ。主演はアントニオ・バンデラス。最初の登場シーンでは、髪もヒゲもモジャモジャで、まるで元サッカー選手のラモス瑠偉のようなワイルドさ。「フェロモン系イケメンの代表みたいなイメージだったバンデラスが…?」とビックリした。
 私は今回初めて知ったのだが、怪傑ゾロは、日本の鞍馬天狗のようなヒーローなんですね。舞台が現代ではないこと。バットマンや仮面ライダーのようにSFは入っておらず、生身の人間であること。強気をくじき、弱きを助ける庶民の味方であること。等々。

 そこから連想して、資源株の優良銘柄を探してみた。映画のなかで、敵役が、金鉱山で奴隷や囚人などを使って金を掘り出すシーンが出てきたからだ。映画はフィクションだが、現実の歴史では、よくあったことなんだろうなと思う。以前、南アフリカへ旅行する前に、同国の歴史について書かれた本を読んだ時にも、そういう写真を見た。

★アサヒホールディングス〈5857〉

 貴金属リサイクル事業を行なうアサヒプリテックスなどを傘下に抱えるアサヒホールディングス<5857>(東1)。4月1日上場時からのチャートは、同月8日につけた「年初来安値」1223円を底に反発し、上昇トレンドとなっている。28日には「上場来高値」1792円をつけた。

 28日終値は85円安の1779円。今期2010年3月期配当金は、9月中間と3月期末それぞれ25円の、年間計50円予想。現在の株価で利回り約2.8%の計算となる。PERは29.30倍。信用倍率は0.34倍の売り長。今後は買い戻しも押し上げ材料に、上値追いといきたい。貴金属リサイクルは今後中長期で需要伸長が期待される分野でもある。

★国際石油開発帝石〈1605〉

 原油・ガスの開発事業を行なっている、国際石油開発帝石<1605>(東1)。筆頭株主は現在も経済産業大臣で、ほかの大口株主には、石油資源開発、三菱商事、三井石油開発、新日本石油、丸紅、三井住友銀行など、大手優良企業が並ぶ。28日終値は1万7000円高の72万5000円。PERは30.53倍。信用倍率は0.77倍の売り長となっている。

 チャートはこの5ヵ月ほど、上値70万円ライン、下値60万円ラインのボックス圏を形成している。野村証券が27日付けレーティングで投資判断を「2」(中立)から「1」(強気)に、目標株価を71万円から90万円へ引き上げた。米長期金利や資源相場の上昇もバネに、ボックス圏上抜けといきたい。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:33 | 特集
2009年05月27日

相場の行方と展望:「200日線」抜いた日経平均=3人の株式評論家に聞く

■相場は本格上昇に転じたか!

相場の行方と展望:「200日線」抜いた日経平均=3人の株式評論家に聞く =3人の株式評論家に聞く=

 27日(水)の日経平均株価が中長期相場の判断指標とされる「200日移動平均線」(以下200日線)を抜いた。厳密なデータが取れないため、いつ以来か判らないが、少なくとも2年以上は前のことである。これで、相場は本格上昇に転じたか。3人の株式評論家に聞いた。

【海老原紀雄氏(株式評論家)=商社株に注目】

■200日線自体が上向きとなるまで本格上昇は難しい

 日経平均が久々に200日線を抜いたことは、悪い話ではない。これまで、何度も200日線に頭を押さえられていたからだ。しかし、これで、上昇相場が確認できたとは、まだ決め付けることはできない。200日線自体が、まだ下降状態にある。200日線を抜いたからといって、そのまま日経平均が上に走り始めるとは思えない。200日線自体が下降から横ばい、さらに上向きに転じるには、あと2ヶ月程度の時間が必要だ。それまでは、200日線は抜いたが、依然、上値は重い動きが続く可能性がある。

■「6月」は外部材料から目を離せない

 ただ、2ヶ月後を待たず、動くとすれば、「6月」はポイントの月となりそうだ。特に、日本国内の材料ではなく、アメリカ発の材料がポイントだろう。それは、GM絡みかも知れない。あるいは、北朝鮮問題かもしれない。仮に、GMが日本の再生法のような形となったとしても、再生に対しアメリカ政府がかなりの手を差し延べる可能性はある。また、歴史的にも社会が大きく揺れ動いた後には戦争が起きている。それが、イランなのかアフガンか、あるいは北朝鮮となるか。いずれにしても、軍事問題が起きれば、日本への資金要請が来るだろう。不動産株と商社株あたりが狙い目と思う。

【水田雅展氏(株式評論家)=東洋インキに注目】

■本格上昇トレンド見極めには7月の第1四半期決算発表待ち

 200日線は抜いたことで、1万円挑戦の動きも出るだろう。しかし、月足で見れば1万円強の水準に12ヶ月線が位置している。それ以上の上値を買い上がるには材料不足と思われる。景気、企業業績が底入れから回復するだろうという期待でここまで上げてきた。しかし、現実の状況と照らし合わせると期待が大きすぎる。特に、輸出関連の主力株は戻し過ぎている。ひとことで言えば「先物主導」の相場だったといえる。

■液晶関連の稼働率回復など上ブレ要素も見られる

 本格的な上昇トレンドを見極めるには7月中旬以降だろう。その頃には4―6月期の第1四半期決算が発表される。決算を見てからということになるだろう。既に、液晶関連は稼働率が80〜90%まで回復が見られる。パネル関連は単価下落で厳しいが、液晶関連の部材は注目できる。東洋インキ製造<4634>などは注目できる。

【犬丸正寛氏(株式評論家)=新興系銘柄に注目】

■200日線抜けは「晴れて退院」を意味する

 日経平均が200日線を抜いたことは大いに注目できる。200日といえば6ヶ月強。過去6ヶ月間の買い平均値を現実の株価が上回ってきた。半年前といえば08年秋。アメリカを中心に金融不安の嵐が吹き荒れた時期。経済状況を比較しただけでも、当時より良くなっている。当然、投資家心理も好転している。それが200日線抜けに含まれていると思う。
 03年当時のバブル崩壊時を振り返っても同じようだった。日経平均は03年4月にザラバ安値7603円で底を打ったが、簡単には戻らないだろうとの見方がほとんどだった。同年7月に1万円を回復するまでモタついたが、1万円回復後は1万2000円水準までは早かった。

■大型株から小型株まで幅広い見直し相場へ

 もう一点注目していることがある。日経平均が9000円へ乗せて以降、滞留期間が約1ヶ月に達している。日経平均が今年3月の7000円から大きく戻した後、弱気の多い中で持ちこたえている。『相場は相場に聞け』という教えに従えば強い動きといえる。もちろん病み上がりの相場だから健康体の時のような振る舞いは無理としても、大型株から小型株まで幅広く物色を展開しながら日経平均は1万円奪回へ始動開始といえる。新興系銘柄にも注目したい。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:52 | 特集
2009年05月25日

定番パターン復活で「第2の大幸薬品」を期待して直近IPO銘柄マークも

株式市場相場を探る:官製景気判断は先回りか内向きか?

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 「おいおい、大丈夫?」と問い質したい心配事が二つある。一つは新型インフルエンザである。新型ウイルスの上陸を阻止すると機内検疫だ、停留措置だとハシャギ過ぎといわれるほど意気込んだ舛添要一厚生労働大臣が、国内感染が拡大して患者数が世界第4位の感染大国になった途端に、症状は季節性インフルエンザと変わらないとトーンダウンして、火消しに躍起となっているからだ。ハイリスクからローリスクへ時計の振り子のように大きく振れているようで、かえって不安を高めパニックを助長しないかと懸念される。
 もう一つは、景気判断の上方修正である。前週末の日銀金融決定会合後に白川方明総裁が、景気判断を引き上げ、きょう25日公表の内閣府が公表する月例経済報告にも、同様に同様の内容が盛り込まれると観測報道されている。両方とも景気回復としているわけではなく、悪化テンポが緩やか、下げ止まりつつあるとしている。在庫調整が一巡して一部に減産緩和の動きが出ている現象を捉えて上方修正したわけだが、米国国債に格付け引き下げ懸念が台頭し、GMの経営再建もついに崖っ縁にまで追い込まれて、再びドル安・円高観測が強まっている情勢下での上方修正である。
 もちろん「景気」の「気」は、「気分」の「気」である。定額給付金、高速道路料金の1000円への引き下げ、エコポイント導入に続に続く景気判断の上方修正を受けて、庶民の「気」が好転してサイフのヒモが緩めば、それはそれで景気の持ち直しにいくばくかの寄与をすることは間違いないだろう。
 しかし、いよいよ現実実を帯びてきた解散・総選挙でも、世論の「気」で有権者の1票、1票の行く先が左右されることになる。折も折だけに、もしかして選挙争点の一つになりそうな景気動向に先回りして、景気好転をアピールする政治力学が働いたうえでの上方修正との勘繰りも頭を掠める。とくに月例経済報告は、かつて財政出動積極派の通産省(現経済産業省)と財政出動をためらう大蔵省(現財務省)との間の綱引きで、「月例文学」と称される難渋な文言をちりばめ、内向きの妥協の産物の景気判断を盛り込んだとされただけに、官製景気判断を額面通りに信ずるにはためらわざるを得ないことになる。
 株式相場は、こうした方向感が不透明化する端境期には幕間つなぎ銘柄が次々と日替わり・週替わりメニューで登場することが定番の相場パターンとなっていた。よくいえば循環相場、個別銘柄物色相場、悪くいえば食い散らかしとなるが、内需関連のディフェンシブ銘柄が選好され、IPO(新規株式公開)銘柄買いが強まり、ついにはご意見無用の極低位銘柄物色にまでなだれ込んで一回りする。その相場パターンが、景気敏感の主力ハイテク株の上げ、下げのエレベーター相場に特化し過ぎた咎めで崩れてしまったが、もう一度、定番パターンに立ち返る可能性もないわけではない。
 なかでも注目はIPO株物色である。景気悪化、業績急降下、株価下落でIPOそのものが大きく減少しているが、6月に再々開されて2銘柄が新規上場予定で、来週の6月初めには仮条件が決定される。この関連では3月ー4月に上場された直近IPO7銘柄が狙い目となる。7銘柄のうち前週末終値が公開価格も初値を上回っているのは大幸薬品(4574・東2)テラ(2191・JQ・NEO)の2銘柄で、大幸薬品は公開価格から3倍化した。小田原機器(7314・JQ)JCLバイオアッセイ(2190・HC)のように公開価格も初値も下回ってケースもあるが、3月期決算会社は、6月に株主総会を控えているだけに政治力学が働く株価再動意も想定される。「第2の大幸薬品」を期待して大研医器(7775・東2)ユビキタスエナジー(3150・JQ)ソケッツ(3634・M)も含めてマークすることも一考余地がありそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:41 | 特集