アメリカでの金融機関に対する明るい見通し。これに伴い、NYダウの急伸が日経平均株価に波及した。掲載指数は1株利益とPERの算出不能以外はすべて上昇。特に、東証1部の時価総額は290兆円台に乗せ300兆円へ迫る勢い。
掲載の定番主力20銘柄はすべて上昇。特徴は、先駆したトヨタ自動車<7203>の上昇率が2.0%、ホンダ<7267>も3.3%と伸び率がやや鈍化。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が22.8%上昇、、野村ホールディングス<8604>も15.4%の2ケタの上昇となった。全面高の中で内需関連銘柄が出遅れ感から買われたのが特徴。
来週(11〜15日)は見所は、(1)先駆したトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>などの動きがどうなるか、(2)日経平均株価が昨年11月5日の9521円を抜くかどうか、(3)売り方の買戻しがどうなるか、などだろう。
トヨタ自動車<7203>は4000円台に乗せたものの、一気に上値を追う動きにはなっていない。昨年11月の4250円など、上値には厚い上値の壁が待ち構えていることがある。仮に、上値があってもヒゲ足となる可能性がある。主力株が大きく上値が見込めないとなれば、出遅れ銘柄が活発化する可能性がある。内需関連だけでなく、「新興系の小型銘柄」にまで物色のホコ先が向かう可能性がある。
日経平均株価は30日線との乖離率が8%まで拡大。危険水準の10%ラインへ近づいている。また、日足での陽線が4日連続となっており、上昇ピッチが速くなっている。仮に、昨年11月の9521円を抜いてもヒゲ足で終わる可能性がある。
売り方の「空売り」買戻しは、日経平均株価の9000円乗せで、かなり進んだ。ここまでは、売り方の買戻しの力を借りた相場だったといえる。ここから、一段高のためには、買い方独自の「自力型」相場が必要となる。そのためには、企業業績の上向きが必要条件。期中、増額修正が期待できるとしても、まだ先のこと。日経平均株価が1万円以上を目指すには第1四半期〜第2四半期が発表となるまで、おあずけだろう。
●データで見るこの1週間の動き
2009.05.01 | 2009.05.08 | 比較% | |
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日経平均(円) | 8,977 | 9,432 | △5.0 |
TOPIX | 846 | 895 | △5.7 |
JQ平均(円) | 1,037 | 1,053 | △1.5 |
大型指数 | 854 | 910 | △6.5 |
小型指数 | 1,220 | 1,265 | △3.6 |
売買高(億株) | 22.4 | 28.6 | △27.6 |
売買単価(円) | 647 | 673 | △4.0 |
1株利益(円) | ナシ | ナシ | |
時価総額(兆円) | 277.9 | 292.9 | △5.3 |
PER(倍) | ナシ | ナシ | |
利回り(%) | 1.91 | 1.79 | |
PBR(倍) | 1.04 | 1.11 | |
NY(ドル) | 8,212 | 8,574 | △4.4 |
上海 | 2,477 | 2,625 | △5.9 |
トヨタ(7203) | 3,900 | 3,980 | △2.0 |
新日鉄(5401) | 348 | 365 | △4.8 |
三菱商事(8058) | 1,600 | 1,717 | △7.3 |
野村HD(8604) | 602 | 695 | △15.4 |
東京電力(9501) | 2,325 | 2,390 | △2.7 |
日本郵船(9101) | 421 | 455 | △8.0 |
三菱東京UFJ(8306) | 533 | 655 | △22.8 |
東武鉄道(9001) | 513 | 516 | △0.5 |
三菱地所(8802) | 1,322 | 1,418 | △7.2 |
日清粉G(2002) | 996 | 1,034 | △3.8 |
JT(2914) | 231,000 | 247,000 | △6.9 |
ホンダ(7267) | 2,855 | 2,950 | △3.3 |
東レ(3402) | 436 | 463 | △6.1 |
三菱ガス化(4182) | 456 | 495 | △8.5 |
博報堂DY(2433) | 4,510 | 4,740 | △5.0 |
武田薬品(4502) | 3,500 | 3,690 | △5.4 |
住友金属鉱(5713) | 1,081 | 1,176 | △8.7 |
コマツ(6301) | 1,235 | 1,350 | △9.3 |
シャープ(6753) | 1,044 | 1,091 | △4.5 |
ソニー(6758) | 2,580 | 2,735 | △6.0 |