2006年12月11日

米国株式市況 強い雇用統計を受けて反転

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月8日(金)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12307.49(△29.08)
◎ナスダック総合株価指数: 2437.36(△9.67)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.55(△0.07)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.03(▼0.46)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎シティーグループ(△2.25%):マネジメントの入れ替えと事業再構築のうわさ。
◎バークレイズ銀行(ADS)(△4.41%):バンク・オブ・アメリカが買収を計画と。
◎EMIグループ(ロンドン市場)(△3.23%):プライベート・ファンドによる買収合意近いと。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■バンク・オブ・アメリカ(▼1.58%):バークレイズ買収計画中との報で株式希薄化を嫌気。
■3M(▼1.26%):プルデンシャルが投資判断を引き下げ。
■Xiリンクス(▼6.09%):業績見通しを下方修正。JPモルガンが投資判断を引き下げ。

《NY株式市場》
 12月8日(金)のニューヨーク株式市場は、雇用統計の発表で就業者数の伸びが予想を超えたことから景気失速懸念が薄れ、ダウ平均、ナスダック指数ともに反転となった。原油価格の下落も追い風となり、ダウ平均は前日の下げ幅の殆どを、ナスダック指数はそのほぼ半分を回復した。ダウ平均は1週間で0.9%%の上昇となり、週足チャート上では3週間ぶりに陽線が実現した。

 発表された11月の就業者数の増加数は13万2千人と、予想の11万人を2万人強上回った。どう見るかは意見の分かれるところだが、市場は景気が持続していることの証、そして伸び幅も連銀のインフレ警戒態勢に刺激を加えるほど大きなものではない、ととりあえず前向きに捉えた格好だ。しかし9月の就業者数の伸びも同時に大幅に上方修正され、雇用統計の信憑性を疑う声も出始めてきた。当初発表された速報値の15万2千人が20万3千人となったからだ。待たれた雇用統計だが、ふたを開けてみればとりわけ大きな材料にはならなかった。むしろ火曜日のFOMC会議後の声明に何が盛りもまれるか、それを見てからでも遅くはないと、様子見姿勢をいっそう強める結果しかもたらさなかったようだ。

 この日はEMIグループ(ロンドン市場)やバークレーズ銀行(ADS)などの英国企業が、M&Aの報道で買われたことで話題を集めていた。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:50 | 今日のマーケット
2006年12月08日

米国株式市況 雇用統計の発表を控え、やや神経質に

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月7日(木)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12278.41(▼30.84)
◎ナスダック総合株価指数: 2427.69(▼18.17)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.48(0.00)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.49(△0.30)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ファニー・メイ(△1.90%):過去の売上高水増し額が予想以下であったと発表。
◎ヴァンダ・ファーマシューティカル(△68.71%):開発中の統合失調症治療薬に有効性を認めたと。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■アップル・コンピューター(▼3.11%):アイフォーンの出荷開始が遅れそうとの報道を嫌気。
■ホーム・デポ(▼2.48%):ストック・オプションの処理に過去20年間不備があったと公表。
■オラクル(▼2.13%):リーマン・ブラザーズの売り推奨を引き続き嫌気される。
■トール・ブラザーズ(▼3.54%):住宅市場底入れ期待で買われた後の利益確定。

《NY株式市場》
 11月7日(木)のニューヨーク株式市場は続落。強含みでスタートした朝方、ダウ平均が取引時間中の史上最高値までわずか1ドル足らずの水準まで上昇したものの程なく失速。その後は前日終値をはさんでの横ばいの動きとなった。雇用統計の発表を翌日に控え手仕舞い売りが優勢となった結果、取引終了にかけては下げ幅をやや拡大、ほぼこの日の安値圏での終了となった。

 今回の雇用統計の発表には市場の関心がとりわけ高い。住宅、自動車を中心に景気減速が明らかになっているにもかかわらず、連銀がインフレ懸念のメッセージを送り続けているからだ。景気減速よりもインフレの芽を摘むことを優先する姿勢を明らかにしている連銀が注視するのは賃金の動向。もしも就業者数の伸びが予想(11万人)を大きく越えれば、賃金上昇圧力が強いと見られ、再び利上げ懸念が高まることになる。また、欧州中央銀行が利上げを決定したことで更にドル安が進むようなら、利上げ懸念材料がもうひとつ加わることになる。

 来週水曜日は今年最後のF0MC会議が行われる。金利の変更は無いと見られ、関心は会議後に公表される声明。その中で、連銀の懸念がインフレから景気にシフトしたと取れるような表現を見つけることが出来れば、やや神経質な動きを見せ始めた市場も活気づくだろう。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:10 | 今日のマーケット
2006年12月07日

米国株式市況 雇用統計の発表を控え様子見

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月6日(水)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12309.25(▼22.35)
◎ナスダック総合株価指数: 2445.86(▼6.52)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.47(△0.03)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.19(▼0.24)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ホーム・デポ(△1.40%):米住宅市場底入れの兆しを先取りか。
◎コカコーラ(△0.79%):メリルの目標株価引き上げで新高値後も騰勢を維持。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■フォード(▼4.17%):転換社債発行額を50%上乗せするとの発表を嫌気。
■GM(ゼネラル・モーターズ)(▼2.55%):フォードの資金調達拡大で自動車株全般にネガティブな見方。
■ヤフー(▼2.08%):トップ・マネジメントの入れ替えも市場に驚きを与えず、材料出尽くし感。
■メルク(▼0.75%):07年業績見通しがアナリスト予想を下回る。
■オラクル(▼5.20%):リーマン・ブラザーズが売り推奨と。

《NY株式市場》
 12月6日(水)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに反落。前日にダウ平均が史上最高値目前の水準に達したことで利益確定機運が強まったこと、さらに金曜日には雇用統計の発表を控えていることなどから、全般は様子見気分の強い展開となった。午前中に前日終値をわずかに上回る場面が瞬時見られただけで、ほぼ終日小安い展開。午後遅くには一段安となり12300ドルを割り込む場面があったものの、終了間際の押し目買いで同水準を回復して終了した。

 金曜日に発表される11月の雇用統計が株価動意のきっかけとなりそうだ。とりわけ非農業部門就業者数の伸びに注目が集まる。市場予想は11万人の増加。予想を大きく下回れば市場は再び景気失速(ハードランディング)懸念を強めることになり、逆に大きく上回れば連銀がインフレ警戒感を高めることになる。どちらにしても予想と大きくかけ離れた数値が出ればひと波乱は免れないだろう。ただこのところの市場は、景気失速懸念に対してより敏感に反応する傾向が強い。多少のブレならば上ブレの方が望ましそうだ。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:08 | 今日のマーケット
2006年12月06日

米国株式市況 続伸、新高値更新が視野に

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月5日(火)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12331.60(△47.75)
◎ナスダック総合株価指数: 2452.38(△3.99)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.44(△0.02)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.42(▼0.01)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎コカコーラ(△2.5%):メリル・リンチが07年、08年の業績見通しと目標株価を上方修正
◎トール・ブラザーズ(△3.0%):第4四半期大幅減益決算、07年の大幅悪化予想を発表するも、同時に住宅市場の底入れを示唆。
◎ホヴナニアン・エンタープライズ(△3.4%):住宅市場の底打ち観測で買われる
◎クロガー(△%):第4四半期決算が予想を上回り、通期予想も上方修正 
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ファイザー(▼%):昨日の新薬開発中止決定を受けた売り物が継続

《NY株式市場》
12月5日(火)のニューヨーク株式市場はダウ平均が続騰、11月17日につけた終値ベースの史上最高値12342.55まであと11ドル弱の水準に迫ってきた。ナスダック指数も小幅ながら続伸。ISM(サプライ・、マネジメント協会)が発表した11月のサービス業指数が予想を上回ったことで景気失速懸念が緩和、一方では労働省が発表した3四半期の単位労働コストの上昇率が予想を下回ったことでインフレ懸念も後退、などの支援材料に支えられた。ただ前日の急進後だけに利益確定売りも見え、上昇幅はやや限定的だった。

早朝に大幅な減益決算と07年の大幅悪化見通しを発表した高級住宅建設の大手トール・ブラザーズの株価が注目されたが結果は大幅上昇。同社が、住宅市場の軟化が始まった地域から底が見え始めているとしたことで、住宅市場の底打ち観への期待が高まったもの。住宅関連株は軒並み高となり、フィラデルフィア住宅株指数は2%高となった。

ダウ平均の新高値更新を目前に控えたいま、最大の注目点は金曜日発表予定の10月の雇用統計。市場が予想する非農業部門の就業者数の伸びは11万人。このところの市場はインフレ懸念よりも景気動向の方に敏感に反応する。上ブレが望ましそうだ。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:15 | 今日のマーケット
2006年12月05日

米国株式市況 効果絶大のM&A

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月4日(月)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12283.85(△89.72)
◎ナスダック総合株価指数: 2448.39(△35.18)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.42(▼0.01)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.44(▼0.99)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎バンク・オブ・ニューヨーク(△12.03%):メロン・ファイナンシャルとの合併を計画中と。 
◎メロン・ファイナンシャル(△6.82%):バンク・オブ・ニューヨークとの統合を好感。
◎アメリカン・エクスプレス(△2.29%):金融再編の思惑。
◎MGMミラージュ(△4.99%):カーコリアン氏が買い増しの意向を表明。
◎USスチール(△4.78%):鉄鋼原料メーカーの買収を計画中との発表で鉄鋼業界再編の思惑が再燃。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ファイザー(▼10.62%):期待の高かったコレステロール治療薬の開発を中止すると発表。
■バレロ・エナジー(▼0.29%):原油価格の下落を嫌気。
■スノコ(▼2.20%): 同上
 
《NY株式市場》
12月4日のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに大幅高。景気悪化懸念の高まりからモタツキを見せた前週とは様変わりに好調なスタートとなった。ボニー(BONY)の愛称で親しまれるバンク・オブ・ニューヨークがメロン・ファイナンシャルとの合併を計画中との報で金融業界再編の思惑に火がつき、ハイテク株もLSIロジック社がアギアー・システムの買収に合意したと伝えられて全般活況となるなど、相次ぐM&Aが相場に活気を呼び込んだ格好だ。原油価格が久しぶりに下落したことも支援材料となった。

ファイザーが大型新薬の開発中止を発表したことで市場への悪影響が懸念されたが、大きく売り込まれたのはファイザーばかり。市場はファイザー独自の問題と割り切った格好だ。むしろ市場にとってはM&Aの大型薬効果の方がはるかに大きかったようだ。強気のムードが支配する市場に、弱気の材料が及ぼす影響は限定的だ。この日も、シカゴ連銀のモスコー総裁がCNBCのインタビューで、「景気は堅実に推移。連銀の最大の関心事はインフレだ」と述べたが、市場はインフレに関する後半部分は無視、前半の「景気は堅実」との部分のみを前向きに捉えた格好だ。

USスチールをはじめとして鉄鋼株も大幅高となった。USスチールが原料メーカーの買収を計画中と伝えられたことで鉄鋼業界再編の思惑が再燃したものだ。ダウ鉄鋼株指数は5.8%の上昇となっている。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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2006年12月04日

米国株式市況 最終月、軟調スタート

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年12月1日(金)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12194.13(▼27.80)
◎ナスダック総合株価指数: 2413.21(▼18.56)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.43(▼0.04)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 63.43(△0.30)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ホーム・デポ(△2.63%):KKR他の投資ファンドが買収を計画との報道。実現すれば1千億ドル規模のM&Aとなる。
◎ロウズ(△2.42%):ホーム・デポ買収の報道で連れ高。
◎GM(ゼネラル・モーターズ)(△1.57%):11月の売り上げ台数6.1%増を好感。カーコリアン氏が全株売却との報道も。 
◎クレアーズ・ストアーズ(△4.54%):企業売却に向けてゴールドマン・サックスをアドバイザーに選定と。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■AMD(アドバンスト・マイクロ・テクノロジーズ)(▼4.08%):独占禁止法の疑いで司法省が同社を召還と。
■インテル(▼2.17%):司法省によるAMDへの召還で連想売り。
■フォード(▼1.11%):11月の売り上げ9.6%減。

《NY株式市場》
 12月1日(金)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに続落、06年の最終月はやや軟調なスタートとなった。サプライ・マネジメント協会(ISM)の発表した11月の製造業指数が3年半ぶりに50を割り込んだことで、改めて景気悪化懸念が強まったもの。ただ、午後半ば頃に前日比130ドル強の安値をつけた後は一気に回復の動き、終了までの一時間ほどで100ドル強戻して終了した。前日比安値で終了したとはいえ、取引終了が近づくにつれ強い動きを見せたことで押し目買い意欲の強さをうかがわせた。

 金利市場もISM指数に敏感に反応した。同指数の50は景況感の分かれ目とされ、連銀がこれまで50を割る度に利下げに動いた経緯があることから、今回の発表は再び利下げ期待を高めることにもなった。10年物米国国債の利回りは一気に4.4%台のローまで低下、またシカゴ商品先物取引所のフェデラルファンド金利先物市場では連銀が来年3月までに利下げに動く確率が73%から96%に上昇、今月12日のFOMC会議で利下げの確率も6.6%から13.3%へと倍増となっている。

 住宅ホーム・センター、ホーム・デポの買収計画が浮上。買収を計画しているといわれるのは企業買収の著名ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)、テキサス・パシフィック・グループなど。ホーム・デポはウォルマート・ストアーズに次ぐ全米第2位の小売企業、買収金額は1千億ドル(約11兆5千億円)に上るとみられている。景気悪化懸念とインフレ懸念の混在でやや神経質さを隠せない市場、来週以降はM&Aが再び活気を呼び込むかもしれない。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:04 | 今日のマーケット
2006年12月01日

米国株式市況 方向感欠き、保ち合い

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月30日(木)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12221.93(▼4.80)
◎ナスダック総合株価指数: 2431.77(▼0.46)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.46(▼0.06)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 63.13(△0.67)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ファイザー(△1.55%):通期業績予想を上方修正 
◎レナー(△5.17%):バンク・オブ・アメリカが住宅建設セクターの投資判断と目標株価を引き上げ。
◎ゴールド・フィールズ(△5.23%):金価格の上昇を受けた金鉱株買い。
◎エクソン・モービル(△1.03%):原油価格の続騰を好感
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ゼネラル・モーターズ(GM)(▼0.92%):大株主のカーコリアン氏が持ち株を追加売却との報。
■ギャップ(▼1.84%):11月の既存店売上高が前年比減少となる
■コストコ(▼1.86%):11月の売上高が前年比増加となるも、アナリスト予想を下回る
■ウォルマート・ストアーズ(▼1.68%):11月既存店売上高、前年比0.1%減を確認。12月も横ばいを予想。

《NY株式市場》
 11月30日(木)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数とも小幅安。比較的しっかりで始まったが、シカゴ購買部協会景気指数が事前予想(54.5)を大きく下回る49.9と発表されたことを受けて景気の先行き懸念が再び頭をもたげ、午前10:00頃を境に急落場面となった。小売業界の売り上げの伸びが予想されたほどではないこと、原油価格が上昇したことなども嫌気され売り物が優勢となった。しかし昼前の約64ドル安を底に反転、午後は前日比でプラスに転じた。値ごろ感からの買い物に弾みがついた格好だ。しかし全体的には方向感に欠ける展開。今週いっぱいは景気指標の発表が目白押しとなっており一気に買い上がる状況ではないということか。明日からいよいよ12月入り、年末商戦の動向がますます注目されそうだ。

 ゼネラル・モーターズが続落中だ。背景は大株主のカーコリアン氏による同社株の追加売却の動き。新たに1400万株を売却し、同氏の(投資会社トラシンダ名義)持ち株比率は5%割れとピークから半減する。売却価格は28.75ドル、金曜日には完了予定と伝えられている。今年のGM株の動きはカーコリア氏の動向と一致する。日産・ルノーグループとの提携交渉中はカーコリアン氏の買い増しを囃して急騰、その後の交渉決裂と同時に同氏は売却に進み株価は一転軟調に。大株主の影響が薄れていくことで同社の経営の自主性が高まると考えて良いのではないだろうか。ハイブリッド車、エタノールエンジン車の積極拡大で失地回復を狙う同社、30ドル割れの水準なら長期視点で買ってみたい気もする。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:40 | 今日のマーケット
2006年11月30日

米国株式市況 GDPの上方修正を受け続騰

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月29日(水)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12226.73(△90.28)
◎ナスダック総合株価指数: 2432.23(△19.62)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.52(△0.02)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 62.46(△1.47)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ティファニー(△6.37%):第3四半期の純利益が23%の大幅増、通期見通しも上方修正
◎ニューヨーク・タイムズ(△7.49%):AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が同社株の大量買いを開始との報。
◎ダイナヴァックス・テクノロジーズ(△32.30%):B型肝炎治療薬、臨床試験の最終段階で好結果と。
◎アエロポスタール(△6.80%):当四半期の純利益25%増、11月も好調と。
◎アストラゼネカ(△2.88%):ライバル、ファイザー社の人削減計画を受けた連想買い。

《NY株式市場》
 11月29日(水)のニューヨーク株式市場は第3四半期のGDPが上方修正されたことから続伸、ダウ平均、ナスダック指数ともに大幅続騰となった。発表された改定値は2.2%の伸びと予想の1.8%を上回り、株価調整のきっかけとなった10月公表の速報値からも大幅な上方修正となった。景気失速懸念が薄らぐ一方で、利下げ期待の後退にもつながる材料だが、この日も市場は景気面でのプラス評価を優先した。原油価格の続騰も一時は株価の頭を抑えたものの、まもなく切り返して結局はこの日の高値圏での終了、原油価格の高騰によるインフレ懸念よりもエネルギー連株の上昇を後押しした格好だ。

 月曜日の急落後の翌日からすかさず反転しこの日は急騰。「弱気筋はもっと売り込んでも良かったはず。そうならなかったところに相場の強さが見える」と、月曜日の急落を見ても落ち着き払っていた市場参加者は年末に向けての更なる上昇を予想する。地区連銀の経済報告(ベージュ・ブック)も穏やかな景気減速を示唆、連銀がインフレ指標として最も注目するPCE(個人消費支出)も僅かに下方修正と、弱気派を勢いづかせる材料は見つけにくい。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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2006年11月29日

米国株式市況 強い基調の復活か

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月28日(火)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12136.45(△14.74)
◎ナスダック総合株価指数: 2412.69(△6.69)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.50 (▼0.03)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 60.99(△0.67)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ボーイング(△0.65%):エアー・ベルリンから85機、総額57億ドルを受注と。
◎エクソン・モービル(△2.33%):原油価格の連騰を好感。
◎シスコ・システムズ(△4.61%):ハイテク株買いの流れを受けて人気化。
◎EMIグループ(△10.39%):投資ファンド、コールバーグ・クラビスとゴールドマン・サックス連合が買収を計画中との報道。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ゼネラル・モーターズ(▼1.28%):前日の弱地合い継続。
■パーム(▼7.68%):新製品の出荷遅れから収益見通しを下方修正。
■ジャクソン・ヒューイット・タックス・サービス(▼1.48%):最終損失が拡大。

《NY株式市場》
 11月28日(火)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに小幅反発。前日の大幅安が尾を引くこと無く、落ち着いた動きが見られた。朝方発表となった複数の経済指標が予想以上に悪化、景気鈍化懸念の高まりから小安く始まったものの、逆に利下げ期待につながるとの思惑に変化、間もなく買い物勝ちとなり切り返しの動きとなった。また、午後に入ってバーナンキ連銀議長のインフレ懸念は高いとの発言を受けて、一時弱含む場面があったものの再び切り返した。原油価格高も相場全体へのマイナス材料とはならず、逆に石油関連株を押し上げる格好となった。

 朝方売られたのは、耐久消費財受注が予想を大きく下回って6年ぶりの大幅減となったこと、コンファレンスボードによる消費者信頼感指数がプラスの予想に反してマイナスとなったこと、そして中古住宅の中間価格が記録上最大の下げ幅を見せたことなどからだ。身代わりの速さがとりえの市場とはいえ、朝方の売り材料が直ちに買い材料としてポジティブな評価に変わるあたり、相場の基調が強いことの証といえるかもしれない。早期利下げが遠のいたと見られるバーナンキ議長の発言にも市場はほとんど関心を払わなかった格好だ。「明日の動きを見るべきだ」と、大幅安となった昨日も強気のスタンスを崩さなかった市場参加者の面目躍如といったところか。


>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)

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2006年11月28日

米国株式市況 連休明けは利益確定から

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月27日(月)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12121.79(▼158.38)
◎ナスダック総合株価指数: 2405.92(▼54.34)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.53 (▼0.02)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 60.32(△1.08)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ロウズ(△1.33%):バンクオブ・アメリカ証券が、住宅関連株もバリューエーションでは割安になったとして投資判断をニュートラルから買いに引き上げ。
◎スウィフト・トランスポーテーション(△2.72%):経営陣が提案中の買収価格は低すぎると。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ボーンイング(▼2.67%):直近で新高値をつけた銘柄の利益確定売り
■ゼネラル・モーターズ(▼2.79%):同上
■ウォルマート・ストアーズ(▼2.69%):11月の既存店売上高が前年同月をわずかに下回る見通しと発表。
■コンチネンタル航空(▼7.29%):原油価格の急上昇がマイナスに。
■グーグル(▼4.01%):バロンズ誌が割高と。

《NY株式市場》
 感謝祭の連休明け初日となった11月27日(月)のニューヨーク株式市場は売りからスタート。ウォルマート・ストアーズが11月の売上高が前年をわずかに下回るとの見通しを発表したことから大幅安となったほか、小売株全般にも波及。さらに原油価格の急上昇にドル安が加わり、景気の悪化とインフレ懸念が混在する最悪の組み合わせ。ダウ平均は4ヵ月半ぶりの大幅下落、ナスダック指数も約3年強ぶりの大幅安となった。ただ株価が急降下したのは昼過ぎまで、その後はほぼ横ばいで推移し、それ以上売り込む気配は見られなかった。

 例年になく強かった9月、10月。いつ調整があってもおかしくないとの警戒感が強まっていたところにウォルマートの発表。ひとまず利益を確定しようとの空気が一気に強まったようだ。あるアナリストは「きっかけは何でも良かった。マーケットは調整をしたがっていた。薄商いを見ても明らかなように、まだ市場に戻っていない投資家が多い。戻ってみたら絶好の買い場ということになるかもしれない。明日以降の動きを見なければ」とい言う。 注目されたブラック・フライデー。ウォルマート以外の小売業では好調な滑り出しが伝えられている。

今週は経済指標の発表が目白押し、先週とは対照的だ。発表予定は次のとおり:

火曜日(28):耐久消費財受注
 同上 :消費者信頼感指数
 同上 :中古住宅販売件数
水曜日(29):新築住宅販売件数
 同上 :GDP予測値
木曜日(30):個人所得および個人消費支出
 同上 :シカゴPMI
金曜日(31):建設支出
 同上 :ISM指数

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:25 | 今日のマーケット
2006年11月23日

米国株式市況 心はもうホリデー

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月22日(水)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12326.95(△5.36)
◎ナスダック総合株価指数: 2465.98(△11.14)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.56(▼0.01)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 59.24(▼0.93)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎デル(△9.31%):前日引け後に発表された決算が予想を上回ったことを好感。
◎アルコア(△4.25%):10%の人員削減と事業再構築プランを公表
◎MGMミラージュ(△10.63%):大株主のカーコリアン氏が同社株の買い増しを計画中と伝わる。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ゼネラル・モーターズ(GM)(▼4.66%):大株主のカーコリアン氏による同社株の大量売却が明らかに。
■ボーイング(▼1.10%):薄商いのなか利益確定売りに押される

《NY株式市場》
 11月22日(水)のニューヨーク株式市場はサンクスギビング・デーの休日を翌日に控え、薄商いのなか小動きに終始した。早々と連休態勢に入った市場参加者が多く、前日に続いて盛り上がりに欠ける展開だった。ただ、相場の基調の強さに変化は見られず、寄り付き直後にダウ平均が取引時間中の史上最高値12361ドルまで上昇する場面があった。しかしGM安に連れて勢いは継続しなかった。一方、ナスダック市場では、デル(コンピューター)が前日発表した好決算を受けて買われ、他のハイテク株にも波及、ナスダック指数は高値を更新して終了した。

 例年この期間に相場が荒れたことは無いとされる。半日立会いとなる金曜日には景気指標の発表も決算発表もない。安心して休暇を取れるというわけだ。市場参加者の最大の注目点はブラック・フライデー(*)の成績だ。それが月曜日には明らかになる。とりわけウォールマート・ストアーズの売り上げ動向が、月曜日以降の相場展開を左右することになるかもしれない。それまでは余計なことを考えずにゆっくり休暇を楽しもうとする空気が市場に満ちている。

(*)ブラック・フライデー:11月21日(火)付のNY株式市場の記事をご参照ください

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:27 | 今日のマーケット
2006年11月22日

米国株式市況 休日を控え様子見

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月21日(火)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12321.59(△5.05)
◎ナスダック総合株価指数: 2454.84(△2.12)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.58(▼0.01)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 60.17(△1.37)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ベライゾン・コミュニケーションズ(△1.33%):クレディ・スイス・ファースト・ボストンが投資判断をニュートラルからアウトパーフォームに引き上げ。
◎キャタピラー(△1.33%):原油価格の急騰を受けての資源開発関連株人気
◎エクソン・モービル(△1.33%):原油価格の急騰。
◎ボーイング(△2.22%):大韓航空から55億ドルの受注。
◎グーグル(△2.95%):初の500ドル乗せ
◎メッドトロニック(△9.40%):医療機器メーカー、四半期決算が予想を上回る
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ゼネラル・モーターズ(▼4.59%):同社首脳が、リストラは未だ道半ばとコメント
■インテル(▼3.14%):先頃までの急上昇をうけて、利食い先行。
■ブロードコム(▼2.62%):同上 

《NY株式市場》
 11月21日(火)のニューヨーク株式市場は、サンクスギビング・デー(感謝祭)の休日を控え薄商いのなか様子見。ダウ平均、ナスダック指数ともに狭いレンジでの動きとなった。すでに長期休暇に入った市場関係者も多いとみられ、前日に続いて部分的な個別材料株の物色にとどまった。記録上、サンクスギビングの週に荒れたことが少ないことから、安心して休暇に入った向きが多そうだ。相場の基調の強さを反映してか、この日の原油価格の急騰は資源関連株にはプラスに働き、キャタピラー、エクソン・モービル、バレロ・エナジーなどが軒並み上昇となった。

 ブラック・フライデー(注)の盛り上がりがどの程度であったか、月曜日には明らかになる。クリスマスまでの年末商戦の開始日となるこのブラック・フライデーの消費者動向によって、ショッピング・シーズンの行方を占えるとあって例年大きな注目を集めている。加えてその金曜日は半日の立会い。静かなマーケットが続きそうだ。本格的な動きは来週以降か。

 (注)ブラック・フライデー:11月第4木曜日がサンクスギビング・デー。その翌日の金曜日を指す。クリスマスに向けた約1ヶ月間のショッピング・シーズンのキックオフとなる日。大幅な売り上げの伸びが見込めることから「黒字の金曜日(ブラック・フライデー)」と呼ばれている。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:23 | 今日のマーケット
2006年11月21日

米国株式市況 相次ぐM&Aも個別物色にとどまる

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月20日(月)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12316.54(▼26.02)
◎ナスダック総合株価指数: 2452.72(△6.86)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.59 (▼0.01)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 58.80(▼0.17)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎エクィティー・オフィス・プロパティー・トラスト(△7.65%):ブラックストーン・グループによる買収で合意と。
◎フェルプス・ドッジ(△26.78%):ライバル社であるフリーポート・マクモランによる買収で合意。
◎オレゴン・スティール(△8.16%):ロシアの鉄鋼メーカー、エヴラツ社が同社買収で合意と発表。
◎チャールズ・シュワブ(2.05%):富裕層向けサービス部門(USトラスト)をバンク・オブ・アメリカに売却。
◎マイクロソフト(1.67%):クレディ・スイス・ファースト・ボストンが投資判断を引き上げ。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ゼネラル・モーターズ(GM)(▼3.36%):同社副社長がスイス紙とのインタビューでフォードとの提携の可能性に言及。
■フリーポート・マクモラン・コパー&ゴールド(▼3.08%):フェルプス・ドッジ社の買収による負担増を懸念。買収する側が売られるいつものパターン。
■メルク (▼1.09%):フィックスホロウ・テクノロジー社への出資を公表。

《NY株式市場》
 11月20日(月)のニューヨーク株式市場はダウ平均が7日ぶりに小反落となった一方、ナスダック指数は小幅反発となった。高値警戒感の強まってきたところに日本発のアジア株式市場連鎖安が重なり弱含みのスタートとなった。相次ぐM&Aの報で一時活気づき、前日比プラスとなる場面があったものの、感謝祭の休日を控えていることから積極的な買いは見送られて再びマイナス圏に。その後もさえない展開のまま結局小幅安での終了となった。M&Aの買収対象となった企業は個別に物色され、大幅上昇となったが全体への波及効果は限定的だった。例年注目を集めるブラック・フライデー(今年は11月24日)。年末商戦のキック・オフとなるこの日の消費者動向に投資家の視線が集まりそうだ。活気付くのは来週以降か。

 11月20日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事「弱気がいかに相場を盛り上げるか」は面白い。「相場が強いのは未だ多くの投資家が弱気でいるからだ。懐疑的な投資家はたっぷりと現金を持っている。皆が強気になって待機資金が枯渇するまでは大丈夫」と単純明快。多くの理屈を並べるよりはるかに納得し易い。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:28 | 今日のマーケット
2006年11月20日

米国株式市況 NYMEX上場人気と鉄鋼株M&Aに沸く

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月17日(金)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価:12324.56(△36.74)
◎ナスダック総合株価指数:2445.86(▼3.20)
◎長期金利(10年物国債/%):4.60 (▼0.06)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル):55.81(▼0.45)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎USスティール(△9.29%):ロシア鉄鋼大手セベルスタール連合が買収を計画との噂で急騰。
◎NYMEXホールディングス(−):新規上場、公開価格(59ドル)の2倍以上の初値後も上昇。
◎インターコンチネンタルエクスチェンジ(△7.00%):NYMEXの人気が波及。
◎ジョンソン&ジョンソン(△1.07%):医療機器開発企業のコナー社の買収計画を発表。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■インテル(▼1.03%):プルデンシャル証券による同業のマーベル・テクノロジーの投資判断引き下げの余波。
■スターバックス(▼5.10%):決算および今後の見通しともに予想を下回る。
■ヒューレット・パッカード(▼0.90%):予想以上の好決算と見通しを発表するも材料出尽くし感。

《NY株式市場》
 11月17日(金)のニューヨーク株式市場はダウ平均が続伸、4日連続の史上最高値更新となった。ハイテク株の多いナスダック指数は小幅安と一服。商務省が朝方発表した10月の住宅着工件数が前月比14.6%の減少と、2000年7月以来の低水準となったことから売り先行のスタート。予想をはるかに超える住宅市場の悪化を受けて、ダウ平均は寄り付き直後に一瞬だが86ドルほど下げる場面があった。しかし、住宅市場の悪化が景気全体に及ぼす影響は未だ限定的との判断から、徐々に買い物を集めて昼ごろには前日比プラスに。その後も堅調に推移し、結局この日の高値圏で終了した。この日新規上場となったNYMEXホールディングスの人気や、ロシア企業によるUSスティール買収の噂で広がった鉄鋼株人気も相場全体を後押しした。負け日無しとなったこの一週間の上昇幅は234ドル、上昇率では1.9%となった。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所を運営するNYMEXホールディングスの華々しいデビューが話題を集めた。公開価格の2倍以上の120ドルで寄り付いた後も買われ、終値は132.99ドル。他の取引所株も連れ高となるなど、コモディティー・ブームをストレートに反映した格好だ。ロシア鉄鋼企業によるUSスティール買収計画の噂もこの日のハイライトのひとつ。USスティール高に連れて鉄鋼株が軒並み大幅高となり、世界中の鉄鋼会社を巻き込んだ再編の思惑の渦がますます強まってきそうな気配だ。

 今週は木曜日がサンクスギビング・デーで金融市場は休み、株式市場は金曜日も半日だけの立会いとなる。市場参加者の多くが休暇をとると予想されることに加えて、経済関連指標の公表も殆ど予定されていない。過去のデータによればサンクスギビング・デーをはさんだ水曜日と金曜日を合わせて、値下がりとなったのは1952年以降9回しかなかったという。盛り上がりには欠けるかもしれないが、底堅い一週間となりそうだ。 

お詫びと訂正:11月16日(木)の標題と文中でゴールディロックと表示すべきところを誤ってグリッドロックと表示しました。お詫びとともに訂正いたします。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:19 | 今日のマーケット
2006年11月17日

米国株式市況 グリッドロック・エコノミーを買う

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月16日(木)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12305.82(△54.11)
◎ナスダック総合株価指数: 2449.06(△6.31)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.66 (△0.04)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 56.26(▼2.50)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ボーイング(△1.92%):100億ドル規模の新規受注間近と伝えられる
◎シスコ・システムズ(△2%):自社株買いに70億ドルの追加を発表
◎リーダーズ・ダイジェスト(△7.67%):リップルウッドによる買収提案を受け入れ
◎クリアー・チャネル(△3.63%):ベイン・キャピタル他の投資グループによる買収案受け入れ
★売られた銘柄 (値下がり率)
■エクソン・モービル(▼2.85%):原油価格急落を嫌気。
■デル(▼2.52%):SECの調査による影響による決算発表の遅れを嫌気
■アプライド・マテリアルズ(▼3.59%):増収増益も予想には届かず、今期見通しも慎重と
■BEAシステムズ(▼16.44%):決算が予想を下回る

《NY株式市場》
 11月16日(木)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに続伸、ダウ平均は史上初の12300ドル台で終了した。ナスダック指数は引き続き2001年2月以来の高値を更新した。注目された消費者物価指数(CPI)が前月に続いて予想以上に下落、原油価格は急落、さらに10月の鉱工業生産指数が前月のマイナスからプラスへ好転、など株式市場には願ってもない好材料のオンパレードとなった。インフレ懸念が後退する一方で景気の堅調さが確認され、年末商戦への不安をかき消した格好だ。

 前日発表された卸売物価指数(PPI)の大幅下落にはやや様子見の姿勢だった投資家も、今日のCPIを見てインフレ鎮静化の確信を強めたようだ。また原油価格の急落は年末商戦に向けて消費者が財布の紐を緩める格好の材料だ。また新規失業保険申請件数も予想以下。今日のデータを見る限り、グリッドロック・エコノミー(インフレを伴わない、程良い景気拡大)を正に実現しているとの印象だ。しかし、株価の動きにはやや物足りなさを感じるのも事実。好材料満載の割には上昇幅が限られていたからだ。4連騰の後だけにやや買い疲れ感が出ているのかもしれない。目先の調整局面を予想する向きの意見も無視しがたい。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:24 | 今日のマーケット
2006年11月16日

米国株式市況 利下げ期待後退か

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月15日(水)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12251.71(△33.70)
◎ナスダック総合株価指数: 2442.75 (△12.09)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.62 (△0.05)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 58.76(△0.48)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ USエアウェイズ(△16.83%):デルタ航空への買収提案を評価。
◎ ジェット・ブルー(△7.38%):USエアウェイズのデルタ買収提案で航空業界再編の思惑拡大。
◎ コンチネンタル航空(△12.30%):航空業界の再編思惑
◎ AMR(アメリカン・エアラインズ)(△5.38%):同上
◎ UAL(ユナイテッド・エアラインズ)(△8.96%):同上
◎ グーグル(△0.54%):クレディ・スイスが『アウト・パーフォーム』で投資判断を再開
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ コムヴァース・テクノロジー(▼14.29%):ストック・オプションの取り扱いに加えて、会計処理にも問題があったと。

《NY株式市場》
 11月15日(水)のニューヨーク株式市場は続伸、ダウ平均は連日の史上最高値更新となった。朝方にUSエアウェイズがデルタ航空への買収提案を明らかにしたことから、航空業界再編の思惑が一気に拡大、さらにニューヨーク連銀のエンパイヤー・ステート製造業指数が大幅に改善したことから全体は堅調な始まり。その後も徐々に上値を追う動きとなったが、午後に発表された10月のFOMC会議の議事録で、連銀が相変わらずインフレ懸念を緩めていないことが明らかになって早期利下げ期待が後退、全体も息切れとなったまま取引を終了した。インフレ指標としては卸売物価指数よりも注目度の高い消費者物価指数が明日発表される。それを見てから動いても遅くはないとの見方が強まったようだ。

 卸売物価指数の予想外の大幅下落を請けて高まった早期利下げ期待が、FOMC会議議事録の発表で水を差された格好だ。冷静に見れば失業率は4.4%へと大幅に改善し、企業業績も好調だ。早期利下げの実現にクエスチョン・マークがついたと言えるかもしれない。ある市場参加者は「据え置きもしくは利下げ」から「据え置き、場合によっては利上げ」へと市場の見通しが変化したと言う。ただ、相場は強いとの見方は相変わらず優勢。好材料には素直に反応し、消化難の材料にはひとまず目をつぶる格好。「相次ぐ史上最高値の更新を目の当たりにして、投資家は乗り遅れまいとしている。例年11月、12月は最高の時期だから」という心理が強く働いている。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:35 | 今日のマーケット
2006年11月15日

米国株式市況 ダウ平均4日ぶりの高値更新

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月14日(火)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12218.01(△86.13)
◎ナスダック総合株価指数: 2430.66(△24.28)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.57 (▼0.04)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 58.28(▼0.30)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ インテル(△4.19%):4コア・マルチプロセッサーをライバルのADMに先駆けて発売開始。
◎ ウォルマート・ストアーズ(△2.89%):市場予想を上回る利益を計上。
◎ ターゲット(△2.42%):ウォルマート同様、市場予想を上回る利益を達成。
◎ ホーム・デポ(△4.29%):市場予想を上回る減益も、売られ過ぎの反動か。
◎ ゼネラル・モーターズ(△1.20%):首脳がブッシュ大統領と会談、業界の改善を議論。

《NY株式市場》
 11月14日(火)のニューヨーク株式市場は、ダウ平均が利下げ期待の高まりを受けて4日ぶりに高値を更新、ナスダック指数も小型株の活況を中心に大幅続伸となった。朝方発表された卸売物価指数(PPI)が予想以上の下落、とりわけ、変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数がマイナス0.9%の大幅下落となったことから、再び利下げ期待が高まった。原油価格の下落、ウォルマート・ストアーズの予想以上の好決算も堅調な相場の背景。

 やや小高く始まった後は弱含みに転じ、午前中はほとんど水面下での推移。しかし午後半ばごろから勢いづき一気に急騰、この日の高値圏で取引を終了した。卸売物価指もウォルマート・ストアーズの好決算も朝方すでに明らかになっていた材料。ところが株価が反応し始めたのは午後になってから。センチメントが好転した、としか言いようのない動きだ。しばらくの調整を経て、連日の新値更新となった10月中旬以降の朝安、後場高のパターンが復活、つれて強気のモメンタムも復活した、との声も聞かれる。

 この日、ビッグ・スリーのトップが揃ってホワイト・ハウスでブッシュ大統領と会談。大統領のベトナムへの出発間際のあわただしい時間を割いたミーティングは1時間以上に及んだという。伝えられるところ、米自動車産業の復活に向けて、特に日本の為替レートの調整に向けた努力とエタノールなどの代替燃料の促進で一致したという。席上、GMの首脳は「人為的な円安が日本メーカーに有利に働いている」と述べたという。この日のビッグ・スリーの株価は揃って上昇。APEC開催中の日米首脳会談でも為替問題が取り上げられるのは間違いなさそうだ。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:30 | 今日のマーケット
2006年11月14日

米国株式市況 続伸、ナスダック指数は約6年ぶりの高値

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月13日(月)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12131.88(△23.45)
◎ナスダック総合株価指数: 2406.38(△16.66)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.60 (△0.01)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 58.58(▼1.01)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎ ゼネラル・エレクトリック(GE)(△0.54%): シティーグループが買い推奨開始。
◎ インテル(△2.04%): GEと同様、シティーグループが買い推奨リストへ。
◎ アイシス・ファーマシューティカル(△19.75%): 開発中のコレステロール治療薬前進との報。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ ホーム・デポ(▼0.66%): 明日(14日)発表予定の決算を先取りの動き。
■ ウォルマート・ストアーズ(▼0.32%): 明日決算発表予定。

《NY株式市場》
 11月13日(月)のニューヨーク株式市場は、ダウ平均は材料不足のなか原油価格の下落を受けて小幅続伸。一方ハイテク株が幅広く物色されたことからナスダック指数は大幅続伸となり、2001年2月以来約6年ぶりの高値となった。特別な材料が無い中でダウ平均が堅調な動きを見せたほか、原油価格の下落を素直に反映してハイテクが買われ、ナスダック指数が大幅高となるなど、市場は引き続き前向きスタンスを維持している。

 中間選挙が終了し、残る決算発表もあとわずか。今週の注目点は景気指標に絞られそうだ。卸売物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、製造業および住宅関連指数、企業在庫指数などインフレ動向と景気を占う指数の発表が目白押しだ。とりわけ注目されるのがPPIとCPI。ここまでの堅調な相場を後押ししてきたのは、景気のソフト・ランディングへの期待と連銀による早期利下げ期待。景気が相変わらず緩やかに減速中、そしてインフレも沈静化しつつあることをうかがわせるようなデータを市場は望むところ。利下げ期待を固めることになるからだ。一方、景気はいまだ過熱感があり、インフレも収まる気配が見えないと判断せざるを得ないデータが出れば少々厄介なことになる。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:50 | 今日のマーケット
2006年11月07日

米国株式市況 7日ぶりの大幅反発、M&Aが息を吹き込む

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年10月6日(月)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 12105.55(△119.51)
◎ナスダック総合株価指数: 2365.95(△35.16)
◎長期金利(10年物国債/%): 4.71(0.00)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 60.02(△0.88)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎フォー・シーズンズ・ホテルズ(△29.17%):ビル・ゲイツ氏やサウジの王族を含む投資グループが買収を提案。
◎コス・ファーマシューティカル(△53.84%):アボット・ラボラトリーが買収で合意
◎OSIレストラン・パートナーズ(△22.57%):投資ファンド、ベイン・キャピタル等が買収を計画。
◎スイフト・トランスポーテーション(△24.07):前CEOを含む大株主による買収提案を受ける。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■アボット・ラボラトリーズ(▼0.36%):買収される側が上昇するのに対して、買収する側の企業が売られる典型例。

《NY株式市場》
10月6日(月)のニューヨーク株式市場はダウ平均、ナスダック指数ともに大幅高。ダウ平均は7日ぶりの大幅反発となった。中間選挙の前日とあって、模様眺めの動きを予想していた多くの投資家が不意を突かれた格好だ。先週金曜日に発表された失業率の大幅な改善に対する評価の変質、グリーンスパン前連銀総裁の住宅市場は最悪気を脱したとの発言、そして続出したM&Aのニュースなどが相場に息を吹き込んだ格好だ。強含みのスタートの直後に急騰、その後も緩やかな上昇基調を維持し、ほぼこの日の高値で取引を終了した。

この日のハイライトはなんと言っても相次ぐM&Aのニュース。名門ホテルチェーンのフォー・シーズンズがビル・ゲイツ氏やサウジの王族を含む投資グループによる買収で29%高、コス・ファーマシューティカルがアボット・ラボラトリーの買収で5割高、そしてアウトバック・ステーキハウスを運営するOSIレストラン・パートナーズが、投資ファンドによる買収計画で22%高となるなど、買収される企業の株価は軒並み急騰した。相次ぐ買収の動きは、企業の資金が相変わらず潤沢であること、成長力を秘めた企業が数多く残されていることを改めて市場に思い起こさせた。M&Aはいったん動き始めると連鎖が起こるといわれる。潤沢な資金が海を越えることも想像に難くない。

利下げ期待に水を差すことになった先週金曜日発表の失業率の大幅な改善、この日は逆に、相次いだ景気悪化指標にもかかわらず景気の実態はそれほど悪くないことを示すものだ、との評価に変わった。同じデータも相場が変われば評価も変わる。気移ろいの激しさではウォール・ストリートに勝るところは無いといわれるが、その典型例がまた見られた。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:14 | 今日のマーケット
2006年11月04日

米国株式市況 早期利下げ期待の後退で6日続落

米国株式市況 ニューヨーク・ナウ

■2006年11月3日(金)

《主な指標》
◎ダウ30種平均株価: 11986.04(▼32.50)
◎ナスダック総合株価指数: 2330.79(▼3.23)
◎長期金利(10年物国債 %): 4.72(△0.12)
◎ニューヨーク原油 (ドル/バレル): 59.14(△1.26)

《主な話題株》
☆買われた銘柄 (値上がり率)
◎エレクトロニック・アーツ(△11.77%):予想を大きく上回る決算、通期見通しを発表。
◎クァルコム(△0.30%):予想を上回る増収増益。
◎ステレント・インク(△26.18%):オラクルが買収で合意と発表。
★売られた銘柄 (値下がり率)
■ホール・フーズ・マーケット(▼23.05%): ウォルマート・ストアーズ等との競争激化により2007年度の売り上げの伸びの鈍化を予想。
■Caインク(▼9.38%):販売部門のリストラの結果、第2四半期の受注が前年同月比マイナス10%に達したと。
■マクドナルド(▼1.93%):小売り関連株売りの一環。ウォルマート・ストアーズも売られる。

《NY株式市場》
11月3日(金)のニューヨーク株式市場は続落。雇用統計で過去2カ月分の非農業部門の労働者数の伸びが大幅に上方修正され、早期の利下げ期待が後退したことが続落となった主な理由だ。ダウ平均が終値で12000ドルを下回ったのは10月18日以来。『小さな穴から少しずつ空気が洩れて、ゆっくりとしぼんでいく風船のようだ』と評されるこのところのマーケット、未だ小さな穴は開いたままだ。前週金曜日(10月27日)に発表されたGDPの予想外の悪化以降も景気の予想以上の低迷を示す経済指標が相次いだことから6日続落、ついにこの週は久しぶりに勝ち星の無い週となり、週足チャートでは6週間ぶりの陰線となった。

関心を集めていた10月の雇用統計。同月の雇用者数の伸びが9万2千人と予想の12万5千人を大きく下回り、連銀に早期利下げを迫る切り札になるかと見られた。しかし同時に前月および前々月の就業者数の伸びが大幅に上方改定されたことでその期待はいっぺんに覆されてしまった。8月の18万8千人が23万人に、悲壮感さえ漂った9月の5万1千人はなんと14万8千人へと予想外の大幅な修正となったからだ。雇用データが「予想外の波乱」を見せたことに加えて失業率も2001年5月以来の低水準となる4.4%へと改善、市場はたじろがざるを得なかった。中間選挙の直前に労働市場の好調さを伝えるこのデータ、苦戦中の共和党にとっては絶妙のタイミングだったかもしれないが、株式市場にとっては複雑だ。

今日の終値で年初からの上昇率は11.8%。10月16日の史上最高値からの調整は約1.5%。水準的にはそろそろといった感じだが、中間選挙(11月7日)の結果が判明するまでは流れの変化を期待するのは無理か。

>>安藤 孝(SEVEN HILLS 金融部門プロデューサー)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:24 | 今日のマーケット