[アナリスト銘柄分析]の記事一覧
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2014年03月04日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマンは高値更新の動き、足元の反落局面は押し目買い好機

 作業服チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価は2月の昨年来高値から一旦反落したが、今期(14年3月期)好業績を評価する流れに変化はなく、足元の反落局面は押し目買いの好機だろう。

 ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴であり、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。今期第3四半期累計(4月〜12月)チェーン全店売上高のEDLP商品比率は45.8%で、前年同期に比べて3.2ポイント上昇した。13年12月末時点の店舗数はFC店619店舗、直営店106店舗、合計1都2府36県下に725店舗を展開し、22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。

 今期の業績(非連結)見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて、チェーン全店売上高が前期比6.0%増の676億90百万円、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗およびS&B2店舗として出店エリアも拡大する。

 新テレビCM放映効果、新規出店効果、EDLP商品の構成比上昇効果、竜王流通センター稼働による西日本エリアの物流効率化効果などで、増収増益見込みである。また通期見通しに対する第3四半期累計(4月〜12月)の進捗率は、売上高が77.5%、営業利益が80.7%、経常利益が80.4%、純利益が75.7%と高水準である。

 3月3日発表の月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)動向を見ると、14年2月は全店116.3%、既存店114.1%だった。東日本を中心とする記録的な大雪の影響で雨具類や防寒商品が急伸し、作業関連商品も好調だった。既存店は10月の107.8%大きく上回り今期最も高い伸び率だった。13年4月〜14年2月累計は全店106.4%、既存店104.0%となった。14年1月および2月の好調も考慮すれば通期増額の可能性があるだろう。

 株価の動きを見ると、2月中旬に4000円近辺の上値フシを突破し、概ね3500円〜4000円近辺のボックスレンジから上放れた。そして2月24日には昨年来高値となる4470円まで上値を伸ばした。その後一旦は反落したが素早く切り返しの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 3月3日の終値4125円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を回復し、日足チャートで見ると足元の反落は25日移動平均線近辺から反発した。強基調への転換を確認して上値追いの展開が期待され、足元の反落局面は押し目買いの好機だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】資生堂は収益改善を評価する流れに変化なく上値追い

 資生堂<4911>(東1)の株価は1月下旬〜2月上旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して足元では昨年来高値更新の動きとなった。収益改善を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。

 中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討する。また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。

 なお13年10月にフランス子会社の株式および資産について仏ロレアル社から譲渡提案を受けて交渉していたが、2月19日に「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドの譲渡契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため、来期(15年3月期)に計上予定としている。

 今期(14年3月期)の連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月〜3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収する。営業外では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭として、地域別売上高は国内が同1.7%減の3670億円、海外が同25.8%増の3830億円の計画だ。

 国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年1月はセルフ化粧品がやや低調だったが、カウンセリング化粧品は「エリクシール」が伸長し、トイレタリーも前年を上回った。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が79.4%、経常利益が80.4%、純利益が88.1%であり、利益面では上振れ余地を残しているようだ。

 株価の動きを見ると、昨年10月〜11月の1700円〜1800円近辺でのモミ合いから一旦反落し、1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて1月27日に1557円、2月5日に1555円まで調整する場面があった。しかし2月5日安値から反発してほぼ一本調子の上昇となり、2月25日には1807円を付けて昨年9月1796円を突破した。さらに3月3日には全般軟調地合いの中でも1828円まで上値を伸ばす場面があった。収益改善を評価する動きだろう。

 3月3日の終値1823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円69銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、52週移動平均線近辺から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復し、昨年来高値を更新した。強基調への転換を確認して上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サンコーテクノは中期的に事業環境良好、押し目買い好機

 アンカー大手のサンコーテクノ<3435>(JQS)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から反落したが、中期的に事業環境は良好だ。好業績を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 ファスニング事業(あと施工アンカーなど)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類であり、需要は震災復興・耐震補強工事、老朽化インフラ補修・更新工事など建設工事の増加が追い風となる。太陽光発電関連商材もメガソーラーの増加が追い風だ。

 2月14日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比14.5%増収、同55.8%営業増益、同57.0%経常増益、同81.5%最終増益だった。セグメント別に見るとファスニング事業は同12.4%増収、リニューアル事業は同23.4%増収、センサー事業は16.4%増収だった。ファスニング事業であと施工アンカー、リニューアル事業で太陽光発電関連商材など主力製品が好調に推移し、増収効果で大幅増益だった。

 通期見通しについては2月14日に増額修正(9月13日に次いで2回目の増額修正)を発表した。売上高は4億20百万円増額して前期比10.9%増の167億60百万円、営業利益は1億80百万円増額して同44.1%増の12億50百万円、経常利益は1億70百万円増額して同42.8%増の12億円、純利益は1億円増額して同60.2%増の7億10百万円とした。あと施工アンカーや太陽光発電関連商材の受注が高水準に推移して、高付加価値製品の好調や販管費の抑制なども寄与する。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.2%、営業利益が85.1%、経常利益が86.7%、純利益が87.2%と高水準である。公共投資関連で第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことを考慮すれば、通期3回目の増額が濃厚だろう。

 株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2221円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日に1799円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返して、足元は概ね1900円台で堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。

 3月3日の終値1980円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円47銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1757円28銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認して強基調を維持しているようだ。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートの足元の調整局面は押し目買い好機

 EC事業を展開するインフォマート<2492>(東マ)の株価は全般地合い悪化の影響を受けて1月高値から反落したが、中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間電子商取引(BtoB)の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」などを提供し、システム使用料収入が収益柱である。子会社ではクラウドサービス事業(インフォライズ)および海外事業(インフォマートインターナショナル)を展開している。

 中期成長に向けては、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォーム提供によるフード業界BtoBの強化、子会社2事業の黒字化に加えて、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」など事業領域を拡大する。アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウスとデータ連携を開始した。

 また14年2月には子会社のインフォライズと協同で、国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F−Marketing」を開始した。フード業界関連企業のニーズに応じたWeb広告、マーケティング、ニーズ調査、試作品・新商品評価サービスなどから最適なプランを提案する新しいソリューションサービスとしている。

 2月14日に発表した前期(13年12月期)連結業績は売上高が前々期比14.7%増の43億39百万円、営業利益が同34.3%増の10億94百万円、経常利益が同35.8%増の11億07百万円、純利益が同27.1%増の6億31百万円だった。各システムの利用拡大でシステム使用料収入が順調に増加した。次世代プラットフォームのリリースおよび既存プラットフォームの償却期間短縮で減価償却費が増加したが、増収効果で大幅増益となり、利益は計画を上回った。

 13年12月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、12年12月末に比べて2723社増加の3万4202社(売り手企業が同2482社増加の2万7257社、買い手企業が同241社増加の6945社)と増加基調である。

 今期(14年12月期)連結業績見通しは、売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、純利益が同92.4%増の12億14百万円としている。各システムの利用数増加に伴ってシステム使用料収入が増加基調であり、既存プラットフォームの償却完了に伴う減価償却費減少も寄与して大幅増益見込みだ。

 なお配当については個別業績に基づく配当性向50%を基本方針として、今期配当予想については年間19円38銭(第2四半期末9円69銭、期末9円69銭)とした。13年7月1日付けおよび14年1月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比17円63銭の増配となる。

 株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2000円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日に1360円、2月17日に1363円、そして2月27日には1390円まで調整する場面があったが、終値では1400円台を維持している。1400円近辺で下値を確認した形だろう。3月3日は軟調地合いの状況でも終値で前日比94円(6.33%)高と続伸した。好業績を評価する動きのようだ。

 3月3日の終値1578円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は14倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇チャネルを維持している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

>>インフォマートのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:18 | アナリスト銘柄分析
2014年03月03日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】三洋貿易は好業績や割安感を評価する流れに変化なし

 ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易<3176>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響も受けて1月の上場来高値圏から一旦反落したが、12年10月新規上場からの上昇トレンドを維持している。好業績や指標面の割安感を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。3月期末に向けて3%台の配当利回りも注目点だ。

 1947年設立で、12年10月東証2部市場に新規上場し、13年10月東証1部市場に指定替えとなった。ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社で、メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営も特徴だ。海外は米国、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナムなどに展開し、13年10月にはメキシコにも現地法人を設立した。

 業界別売上構成比は自動車関連が約5割を占め、OA・家電関連、塗料・インキ関連、プラスチック関連などが続いている。自動車関連向けは各種合成ゴム・添加剤の他に、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品のレザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーといった、高付加価値の特殊な部品を主力としていることが特徴だ。また飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。

 中期の目標数値として15年9月期売上高610億円、営業利益30億円を掲げ、成長戦略としては自動車関連商材を中心としたグローバル展開の強化に加えて、医薬・医療・バイオなどの生活関連分野、木質バイオマス発電や太陽光発電素材などの環境関連分野、地熱・海洋資源開発などの資源エネルギー関連分野への事業展開にも注力する方針だ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 2月12日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比16.9%増収、同29.3%営業増益、同33.0%経常増益、同38.7%最終増益だった。前年同期は尖閣諸島問題の影響を受けたが、その反動増も寄与して自動車関連が国内外で好調に推移した。円安効果で海外売上高の円換算額も増加した。増収効果で大幅営業増益となり、営業外収益では受取配当金や為替差益の増加、営業外費用では株式公開関連費用の一巡も寄与した。

 セグメント別売上高を見ると、ゴム・化学品は自動車関連向け合成ゴムや塗料・インキ関連向け添加剤などが好調で同6.0%増の62億11百万円、機械資材は飼料・環境用ペレットミルなどがやや低調だったが、自動車シート用各種部品や公的研究機関向け各種分析機器などが好調で同31.0%増の34億93百万円、海外現地法人は米国、上海、タイの自動車用シート部品の好調などで同86.1%増の34億08百万円、国内子会社はアロマンの半導体・電子部品関連が低調で同33.4%減の13億25百万円だったが、コスモス商事の掘削用機材は好調だった。

 通期の見通しは前回予想(11月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.7%増の555億円、営業利益が同10.6%増の27億円、経常利益が同2.8%増の28億50百万円、純利益が同5.7%増の15億60百万円としている。自動車関連各種合成ゴムやシート用部品の好調が牽引して増収増益見込みだ。セグメント別にはゴム・化学品が同7.4%増収、機械資材が同13.8%増収、海外現地法人が同28.7%増収、国内子会社が同26.5%減収の計画だ。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が27.9%、経常利益が31.9%、純利益が31.9%と高水準である。資材・機材セグメントの設備投資関連商材については上期(10月〜3月)の構成比が高くなる傾向があることに加えて、4月からの消費増税の影響が不透明として通期見通しを据え置いているが、上振れの可能性があるだろう。

 株価の動き(13年10月、東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、新規上場の12年10月安値427円をボトムとして、適度な自律調整を挟みながら水準を切り上げる展開だ。年初の1月6日には上場来高値となる1000円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で、2月4日に853円まで調整する場面があったが、素早く切り返して900円台を回復している。売り一巡して出直り態勢だろう。

 2月28日の終値914円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円56銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は3.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1027円32銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線が目先の戻りを押さえているが、大勢としては26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだろう。3%台の配当利回りなど指標面の割安感も強いだけに押し目買いの好機だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:49 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは悪材料続いたが売られ過ぎ感、調整の最終局面

 国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター<2483>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響、今期(14年3月期)業績見通しの減額修正、そして株式売出発表と悪材料が続いて水準を切り下げたが、足元では売られ過ぎ感も強めている。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。

 特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。12年には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは国際会議運営の実績が豊富であり、通訳の分野も20年東京夏季五輪開催に向けて有望だ。13年6月にはアイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。

 2月21日に、教育ビジネスを展開しているウィザスとの業務・資本提携契約の解消、および株式売出を発表した。ウィザスが保有している当社株式35万6000株(持株比率21.13%)のうち31万株の売出、およびオーバーアロットメントによる4万6000株の売出を行う。売出価格は3月3日から3月5日までの間のいずれかの日に決定する。なお提携解消は一定の成果が得られたためとしている。今回の売出によって、現在2位株主で当社株式34万5000株を保有しているエムスリー<2413>が第1位株主となる。

 2月6日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比25.5%増収、同2.8%営業増益、同1.3%経常増益、同2.2%最終増益だった。翻訳事業の人員増加などで営業利益の伸びは小幅にとどまったが、翻訳事業では医薬分野と金融分野を中心に好調で、ISSグループの好調も寄与して大幅増収だった。セグメント別に見ると翻訳事業は同4.9%増収、派遣事業は同2.0倍増収、通訳事業は同2.8倍増収、語学教育事業は同2.7倍増収、その他は同2.1倍増収だった。

 通期の見通しは2月6日に減額修正を発表した。売上高は20百万円減額して前期比20.8%増の87億80百万円、営業利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、経常利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、純利益は50百万円減額して同13.7%減の1億90百万円とした。翻訳事業の特許分野と工業分野の売上が想定を下回り、収益性の高い翻訳事業の売上構成比が低下するため減額修正した。ただし翻訳事業の医薬分野と金融分野、およびISSグループの業績は好調のようだ。

 株価の動きを見ると、1月8日の戻り高値5790円から反落し、2月上旬には全般地合い悪化も影響して、2月4日に4135円まで調整する場面があった。その後一旦は4700円台に切り返す場面があったが、今期業績見通しの減額修正が嫌気され、さらに株式売出による需給悪化も懸念されて水準切り下げの展開となった。2月28日には3930円まで調整した。

 2月28日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は2.7倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度に拡大して、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線に接近した。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:46 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは低PBRを評価してモミ合い上放れのタイミング接近

 カーテンレールやブラインド大手のトーソー<5956>(東2)の株価は全般地合い悪化の状況でも戻り高値圏で堅調に推移している。低PBRに評価余地が大きく、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。

 なお2月3日に、取引先のタナハシ(大阪府大阪市)が1月31日付で破産申し立てを行う見通しとなったことに伴い、売掛債権について取立不能または取立遅延の恐れが生じたと発表したが、2月13日には同社に対する債権を全額引当処理して、今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績および通期見通しの訂正を発表した。訂正後の第3四半期累計連結業績は前年同期比5.8%増収、同11.0%営業減益、同11.0%経常減益、同64.8%最終減益となった。特別損失には貸倒引当金繰入額2億32百万円を計上した。

 通期の見通しについては、前回予想(希望退職者募集による退職特別加算金等3億円を特別損失に計上のため12月11日に純利益を減額)に対して、売上高が1億円減額して前期比4.7%増の234億円、営業利益が50百万円減額して同41.9%増の12億50百万円、経常利益が50百万円減額して同33.4%増の11億50百万円、純利益が2億円減額して同34.2%減の2億70百万円とした。

 特別損失に貸倒引当金繰入額を計上した影響で最終減益見通しとなったが、高水準の新設住宅着工や住宅リフォーム需要も追い風に、遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移する。営業強化の効果や高付加価値製品の好調で、配送費、人件費、販売促進費などの増加を吸収して増収営業増益見込みだ。

 株価の動きを見ると、昨年9月以降は戻り高値圏の概ね480円〜500円近辺でモミ合う展開が続いている。昨年12月25日に458円まで下押す場面があったが、素早く切り返して1月17日には508円まで上伸する場面があった。足元は全般地合い悪化の影響も受けて上げ一服の形だが、概ね490円台で推移して大きく下押す動きは見られない。2月13日発表の業績訂正に対する反応も限定的であり、比較的堅調な動きと言えるだろう。

 2月28日の終値494円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS26円00銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きであり、下ヒゲを付けながら徐々に下値を切り上げている。低PBRに評価余地が大きく、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゼリア新薬工業は売られ過ぎ感、好業績に変化なし

 医薬品メーカーのゼリア新薬工業<4559>(東1)の株価は1月高値から利益確定売りで反落し、自己株式処分・売出も嫌気されて水準を切り下げたが、売られ過ぎ感も強めている。好業績に変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 消化器分野が中心の医療用医薬品事業と、一般用医薬品などのコンシューマーヘルスケア事業を展開している。医療用医薬品事業では潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、13年6月には自社オリジナル新薬の機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」を発売した。コンシューマーヘルスケア事業は「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」「ウィズワン群」を主力として、コンビニエンスストア向け「ヘパリーゼW」(清涼飲料水)の売上が急拡大している。

 M&Aやアライアンス戦略を活用してグローバル展開にも取り組んでいる。08年10月に基礎化粧品のイオナ、09年9月に「アサコール」の開発会社ティロッツ社(スイス)、10年9月にコンドロイチン原料のZPD社(デンマーク)を子会社化した。13年8月には、ビフォーファーマ社(スイス)と鉄欠乏症治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発・販売契約を締結するとともに、ZPD社の株式を追加取得して完全子会社化した。

 2月5日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比16.1%増収、同71.3%営業増益、同65.2%経常増益、同39.5%最終増益だった。増収効果で研究開発費や広告宣伝費の増加などを吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、医療用医薬品事業は「アサコール」の国内外での好調などで同16.4%増収、コンシューマーヘルスケア事業は「ヘパリーゼ群」の好調などで同15.9%増収だった。

 通期見通しについては2月5日に増額修正(11月8日に次いで3回目の増額修正)した。売上高は5億円増額して前期比14.4%増の610億円、営業利益は1億円増額して同41.0%増の65億円、経常利益は1億円増額して同39.0%増の65億円、純利益は1億円増額して同20.5%増の48億円とした。配当予想も前回予想に対して1円増額の年間29円(第2四半期末14円済み、期末15円)とした。前期との比較では株式分割を考慮すると実質的に3円50銭増配となる。

 医療用医薬品事業では「アサコール」が国内外で好調に推移し、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」はアステラス製薬<4503>との共同販促を強化している。コンシューマーヘルスケア事業ではテレビCM効果などで「ヘパリーゼ群」の好調が続き、植物性便秘薬「ウィズワン群」も売上が拡大している。研究開発費や広告宣伝費は増加するが、増収効果に加えて原価率改善や経費効率的運用も寄与する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が76.7%、営業利益が91.8%、経常利益が93.4%、純利益が95.2%と高水準であり、通期4回目の増額修正の可能性がありそうだ。

 2月21日に自己株式の処分および株式売出を発表した。公募による自己株式処分666万株、オーバーアロットメントによる自己株式売出99万株で、処分・売出価格は3月3日から3月6日の間のいずれかの日に決定するとしている。調達資金(手取概算額合計の上限約186億84百万円)は設備投資資金と研究開発資金に充当する。

 株価の動き(13年10月1日付で1株を1.1株に分割)を見ると、1月21日の上場来高値3170円から利益確定売りで反落し、2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月6日の2310円まで調整した。その後2月14日には2700円台まで戻す場面があったが、2月21日発表の自己株式処分・売出を嫌気して水準を切り下げ、2月28日には2219円まで調整した。目先的に需給悪化懸念を強めた形だ。

 2月28日の終値2220円を指標面(自己株式処分・売出前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS105円57銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間29円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS807円64銭で算出)は2.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感も強めている。好業績に変化はなく反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:39 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】陽光都市開発は収益基盤着実に改善、動意の可能性

 陽光都市開発<8946>(JQS)の株価は、人気が続かず大勢としてボックス展開のようだが、収益基盤は着実に改善している。きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。

 投資用マンション「グリフィンシリーズ」の企画・販売事業を縮小して、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへの事業構造転換を進めている。13年8月にはアパマンショップホールディングス<8889>の子会社アパマンショップネットワークとFC加盟契約を締結した。

 13年10月にはストライダーズ<9816>と資本業務提携し、ストライダーズの子会社で東京を中心に不動産賃貸管理事業を展開するトラストアドバイザーズとの相互補完関係構築やシナジー効果を目指している。また中国の大手不動産デベロッパーである上海地産グループ、当社の資本提携先である徳威企業発展有限公司(上海)、および当社の協業による中国でのワンルームマンション開発の可能性についても検討しているようだ。

 1月17日に柏雅資本集団控股有限公司(香港)を連結子会社化すると発表し、1月31日には会社登記等に係る手続が継続しているため株式取得実行日を変更するとしていたが、2月28日に子会社化が完了したと発表した。香港柏雅の子会社および孫会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司および上海柏雅投資管理有限公司も連結子会社となる。酒店管理および投資管理は、徳威企業発展有限公司(上海)が不動産デベロッパーと共同で開発したサービスアパートメントの運営・管理を受託しており、今回のM&Aで中国における不動産関連事業に進出する。

 2月17日発表の前期(13年12月期)連結業績は前々期比33.9%減収、同27.0%営業減益、同31.9%経常減益、同33.8%最終減益だった。不動産販売物件が中古投資用マンション4戸などにとどまり大幅減収減益だったが、不動産管理事業へのシフトに向けた戦略は着実に進展しているようだ。

 2月28日に公表した今期(14年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比67.1%増の17億60百万円、営業利益が同22.6%増の1億29百万円、経常利益が同66.0%増の1億円、純利益が同62.8%増の90百万円としている。不動産販売事業では投資用マンション1棟(36戸)の引き渡しを予定し、不動産仲介事業ではFC加盟したアパマンショップネットワークの不動産斡旋情報を活用して仲介成約件数の増加を図る。連結子会社化した香港柏雅グループ3社も寄与する。

 また、徳威企業発展有限公司(上海)およびストライダーズの当社新株予約権行使によって、自己資本比率も大幅に改善している。財務基盤が強化されたことでM&Aを積極的に実施する方針であり、ストック型フィービジネスの収益基盤の着実な強化が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、香港柏雅の連結子会社化発表で急騰した1月20日高値270円から反落し、足元は概ね170円近辺で推移している。2月28日には、香港柏雅の連結子会社化完了と今期業績見通し発表を材料視して、一時は前日比23円(13.69%)高の191円まで急伸する場面があった。

 2月28日の終値164円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円50銭)は21〜22倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS19円92銭で算出)は8倍近辺である。週足チャートで見ると人気化しても上ヒゲを付けて反落し、大勢としては概ね140円〜200円近辺でのボックス展開だが、レンジ下限から反発局面だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:34 | アナリスト銘柄分析
2014年03月02日

【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】週末7日に米2月雇用統計、ウクライナ情勢も警戒してリスク回避の動きを強める可能性も

■株式・為替相場展望(3〜7日)

 来週(3月3日〜7日)の株式・為替相場は方向感に乏しく、先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性もあるだろう。6日には追加利下げ観測のあるECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、週末7日には米2月雇用統計を控えている。ウクライナ情勢の緊迫化や中国の金融不安も意識される。米国株は堅調だが、米主要経済指標には寒波の影響もあって強弱感が交錯しているだけに、安心感につながるかは微妙だ。

 前週の株式市場は2月25日に大幅上昇して日経平均株価が1万5000円台を回復する場面があったものの、週間ベースでは日経平均株価が24円60銭(0.17%)の下落、TOPIXが10.65ポイント(0.87%)の下落となった。為替がやや円高方向に傾くだけで過敏に反応するなど、先物の仕掛け的な動きに振られる場面もあった。全体として方向感に乏しく売買代金もやや低水準となった。

 外国為替市場のドル・円相場は、概ね1ドル=101円台後半〜102円台前半のレンジで膠着感を強めた。米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に対する思惑が交錯して、米10年債利回りが小動きだった。ウクライナ情勢緊迫化や中国金融不安への警戒感で、リスク回避の円買いが強まる場面もあったが、株式市場は外国為替市場睨み、外国為替市場は株式市場睨みの展開が続いている。

 前週末2月28日の米国市場では終盤にリスク回避の動きが強まり、株式市場は高安まちまちとなり、為替は1ドル=101円60銭台で終了した。3月1日発表の中国2月製造業PMI(国家統計局)が3カ月連続で前月を下回ったことや、ウクライナ情勢が緊迫度を増していることもあり、週初3月3日の日本市場ではリスク回避の動きを強める可能性がありそうだ。

 その後は、米主要経済指標に対する米国株の反応を睨みながらの展開が基本だが、ウクライナ情勢の緊迫化、中国の金融不安への警戒感、そして6日のECB理事会での追加利下げ観測など、海外要因で為替は円高方向に傾く可能性があり、週末7日の米2月雇用統計を控えて、株式市場・外国為替市場とも先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性があるだろう。

 国内要因としては、1月全国消費者物価指数を受けて日銀の早期追加金融緩和に対する期待感が一旦後退した。一方では4月からの消費増税まで1カ月を切り、景気への悪影響に対する警戒感は日増しに高まる。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に関しては、2月22日〜25日の閣僚会合で大枠合意が見送られた。14年度予算案が2月28日に衆院を通過して年度内に成立することが確定したとはいえ、安倍晋三首相の熱意は集団的自衛権に向いたままであり、外国人投資家の日本株売りが継続する可能性もあるだろう。

 需給面では裁定買い残の減少や高水準の空売り比率に加えて、外国人投資家の売り越し額がピークアウトしたとの見方もあるが、一方では個人投資家の信用買い残は高水準であり、3月期末に向けて機関投資家の益出しの売りも警戒される。

 ただしチャート面で見ると日経平均株価、TOPIXともに2月28日まで4営業日連続で25日移動平均線を上回った。当面は25日移動平均線が下向きのため強気にはなれないが、下値支持線として意識され、上向きに転じるまで維持できれば安心感に繋がりそうだ。

 株式市場での物色動向としては、消費増税の反動影響や追加金融緩和期待感後退の影響を受けにくいセクターや銘柄として、ゲーム関連、再生エネルギー関連、ロボット関連、公共投資関連などで日替わり物色の傾向が強まり、さらに3月期末が接近して高配当利回りの中小型株に対する配当権利取りの動きが注目され、新興市場ではIPO人気が刺激材料として注目されそうだ。

 その他の注目スケジュールとしては、3月3日の日本10〜12月法人企業統計、中国2月非製造業PMI(国家統計局)、米1月個人所得・消費支出、米1月建設支出、米2月自動車販売台数、米2月ISM製造業景気指数、4日の日本1月毎月勤労統計、日本2月マネタリーベース、豪中銀理事会、豪10〜12月期GDP、中国2月サービス部門PMI(HSBC)、中国・全国人民代表大会(全人代)開幕、ユーロ圏10〜12月期GDP改定値、米2月ADP全米雇用報告、米2月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告、米15年度予算教書、米上院銀行委員会でフィッシャーFRB副議長候補の指名公聴会、5日〜6日の英中銀金融政策委員会、6日の独1月鉱工業受注、米1月製造業新規受注、7日の日本1月景気動向指数、独1月鉱工業生産、米1月貿易収支などがあるだろう。

 その後は8日の中国2月貿易統計、9日の中国2月PPI・CPI、10日の日本10〜12月期GDP2次速報、10日〜11日の日銀金融政策決定会合、18日〜19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)などが予定されている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:14 | アナリスト銘柄分析
2014年02月28日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは足元の調整局面は押し目買いの好機

 建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 建築・土木・橋梁用仮設機材、ソーラー用太陽光パネル設置架台などの販売およびレンタル事業を展開している。13年8月には子会社ホリーがベトナムに新たな製造拠点を設立した。また戦略商品として、施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。

 2月7日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比17.1%増収、同96.2%営業増益、同2.1倍経常増益、同2.2倍最終増益だった。建設工事増加や太陽光発電市場拡大を背景に販売・レンタルとも好調に推移した。セグメント別に見ると販売事業は売上高(内部売上含む)が同35.9%増の125億46百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同35.6%増の14億91百万円、レンタル事業は売上高が同5.0%増の127億05百万円、営業利益が同90.5%増の13億69百万円だった。

 通期見通しは前回予想(11月8日に2回目の増額修正)を据え置いて、売上高が前期比11.3%増の313億円、営業利益が同63.8%増の26億30百万円、経常利益が同67.4%増の26億円、純利益が同92.0%増の15億50百万円としている。建設工事増加でクランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場(リフクトクライマー)などの需要が高水準であり、ソーラー向け太陽光パネル設置架台の需要も大幅に増加している。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮なども寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が80.0%、経常利益が80.8%、純利益が77.2%である。通期3回目の増額修正は濃厚だろう。

 震災復興関連、社会インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、学校や高層マンションの耐震補強関連などに加えて、来期(15年3月期)から本格寄与する新名神高速道路関連など受注残は豊富である。さらに20年東京夏季五輪や国土強靭化計画などが追い風となる。中期的に事業環境は良好であり収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると高値更新の展開が続き、1月中旬には上げ足を加速して1月28日の1763円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや全般地合い悪化の影響などでやや乱高下の展開となった。2月4日には1200円まで急落したが、素早く切り返して2月10日には1729円まで戻した。足元は概ね1400円台で推移しているが、好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 2月27日の終値1439円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS324円08銭で算出)は4.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは軟調展開だが売られ過ぎ

 キムチ製品など漬物最大手のピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、1月の戻り高値圏から急反落して軟調展開となったが、売られ過ぎ感も強めている。今期(14年2月期)については天候不順による原料野菜価格上昇という一過性要因の影響が警戒されるが、中期成長力に変化はなく反発のタイミングだろう。

 キムチ製品、あさづけ、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が向上し、独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」など新製品投入も積極化している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>などが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入の効果で中期成長期待が高まる。コスト面では契約栽培拡大による原料野菜の安定調達を推進し、広島新工場が13年6月から製品出荷を開始して拡販体制も強化された。

 今期(14年2月期)連結業績見通しは前回予想(9月30日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比6.0%増の255億18百万円、営業利益が同22.0%増の11億16百万円、経常利益が同21.9%増の11億87百万円、純利益が同27.3%増の7億26百万円としている。

 第3四半期累計(3月〜11月)は前年同期比7.4%増収ながら、台風の影響などで原料野菜価格が高騰したことに加えて、テレビCMなどの広告宣伝を全国規模で実施したことに伴って販管費が増加し、同15.8%営業減益だった。通期見通しに対する第3四半期累計の利益進捗率がやや低水準となり、第4四半期(12月〜2月)も、全国的な寒波や2月に太平洋側を襲った大雪の影響で原料野菜価格が上昇することを考慮すれば、通期下振れの可能性に注意が必要となるだろう。

 ただしキムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、新規取引先開拓、新製品投入などで販売は好調に推移している。来期(15年2月期)は、天候不順による原料野菜価格上昇という一過性要因が一巡して、収益拡大基調に回帰するだろう。

 株価の動きを見ると、年初の1月8日に戻り高値978円を付けたが、第3四半期累計の営業減益が嫌気され、さらに全般地合い悪化の影響も受けて2月4日の700円まで急落した。その後一旦は700円台後半まで戻す場面があったが、太平洋側を大雪が襲った2月中旬以降は再び水準切り下げの展開となり、2月27日には681円まで下押した。ただし1月8日の戻り高値から約3割下落して売られ過ぎ感も強めている。

 2月27日の終値698円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円67銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1058円84銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで軟調展開だが、指標面に割安感が台頭して売られ過ぎ感も強めている。一旦は反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:44 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は1月高値後の調整局面は押し目買い好機

 関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景にアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。

 09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603(一般名コンドリアーゼ)、アルツの適応症追加SI−657、変形性膝関節症改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。1月30日にはSI−6603の製造販売承認申請を発表し、今後は米国で実施中の第V相臨床試験の進捗にも注力していくとしている。

 2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比11.9%増収、同67.6%営業増益、同47.4%経常増益、同56.9%最終増益だった。国内アルツや中国向けアルツの伸び率がやや鈍化し、営業外収益では受取ロイヤリティーが減少したが、米国向けジェル・ワンの数量増加、円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)、特別利益での投資有価証券売却益計上、高萩工場の優遇税制対象継続などで増収増益だった。セグメント別売上高を見ると、医薬品事業は国内医薬品が同1.9%増収、海外医薬品が同40.9%増収、医薬品原体が同42.7%増収、LAL事業が同18.7%増収だった。

 通期見通しは前回予想(11月6日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、ジェル・ワンなど海外医薬品の数量増加と円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、さらに営業外収益での保有外貨建て資産評価に係る為替差益なども寄与して、大幅増収増益見込みだ。第3四半期以降(10月〜3月)の想定為替レートは1米ドル=97円である。

 なお12年8月に当社が勝訴したジェル・ワン特許侵害訴訟に関して、米ジェンザイム社が13年10月に提起した連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国におけるジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定した。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.6%、営業利益が103.7%、経常利益が104.1%、純利益が104.5%で利益は超過達成している。通期利益再増額は濃厚だろう。

 株価の動きを見ると、1月20日の昨年来高値1641円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月5日に1310円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね1400円近辺で推移して調整一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 2月27日の終値1388円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。13年の上値フシだった1400円近辺が下値支持線として意識されている可能性もあるだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機だ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:36 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】リンテックは好業績等を評価し昨年10月高値を目指す

 粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響を受ける場面もあったが、足元では出直りの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はなく自己株式取得も支援材料だ。強基調に転換して昨年10月高値を目指す展開だろう。

 高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。

 2月12日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比4.2%増収、同29.0%営業増益、同25.7%経常増益、同21.5%最終増益だった。電子・光学関連の好調が牽引して大幅増益だった。

 セグメント別に見ると、印刷材・産業工材は同1.8%増収、同8.1%営業減益だった。ウインドーフィルムがやや低調だったが印刷用粘着製品は堅調だった。電子・光学は同5.6%増収、同93.7%営業増益だった。半導体関連粘着製品、積層セラミックコンデンサー製造用コートフィルム、液晶関連粘着製品など、スマートフォン・タブレット関連製品が好調だった。洋紙・加工材は同6.9%増収、同3.3%営業増益だった。カラー封筒用紙、建材用紙、炭素繊維複合材料用工程紙などが好調だった。

 通期見通しについては前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比10.0%増の2100億円、営業利益が同42.0%増の150億円、経常利益が同36.6%増の150億円、純利益が同36.7%増の105億円としている。第3四半期累計の進捗率は、売上高が71.7%、営業利益が73.0%、経常利益が72.8%、純利益が73.3%と概ね順調な水準である。電子・光学関連は第3四半期(10月〜12月)に好調を加速した形であり、想定為替レートは1米ドル=92円と保守的である。好業績が期待されるだろう。

 なお2月12日に自己株式取得(取得株式総数の上限300万株で自己株式除く発行済株式総数に対する割合4.02%、取得価額総額の上限50億円、取得期間14年2月13日〜14年3月31日)を発表し、2月13日には自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって140万株(取得価額総額26億6840万円)を取得した。

 株価の動きを見ると、昨年10月高値2157円から反落後は概ね1800円〜2000円近辺のレンジで推移している。1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月4日の1747円まで下押す場面があった。ただし昨年12月安値1727円を割り込まずに反発し、足元は2000円近辺まで戻してボックスレンジ上放れの構えを見せている。好業績を評価する流れに変化はなく、自己株式取得も支援材料となったようだ。

 2月27日の終値2001円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円57銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1909円57銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると2月上旬の急落は長い下ヒゲを付けて反発し、戻りを押さえていた26週移動平均線を回復した。レンジ上放れて強基調に転換し、昨年10月高値を目指す展開となりそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:32 | アナリスト銘柄分析
2014年02月27日

【シニアアナリスト水田雅展の銘柄分析】チムニーは東証1部市場への指定替えを好感して高値更新

 大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東2)の株価は、東証1部市場への指定替え(3月4日付)を好感して動意付き、上場来高値を更新した。高値圏でのモミ合い展開から上放れた形であり、TOBで親会社となったやまや<9994>との連携も注目され、上値追いの展開だろう。

 売上高が業界5位規模の居酒屋チェーンで、漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを強化している。仕入れ面では子会社の魚鮮水産が愛媛県で漁業権を保有し、13年には新たに2つの買参権を取得した。

 飲食事業では、居酒屋業態「はなの舞」「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、13年5月に1号店を出店した軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」を14年までに50店舗出店する計画だ。コントラクト事業は、居酒屋事業で培った店舗運営ノウハウを活用して官公庁の施設内を中心に受託食堂を展開している。また13年7月に新業態を推進する子会社めっちゃ魚が好きを設立し、13年8月には「豊丸」「鶴金」など9店舗の事業を譲り受けた。子会社の紅フーズコーポレーションは「新橋やきとん」13店舗を運営している。

 2月7日発表の前期(13年12月期)業績(非連結)は売上高が前々期比4.9%増の440億55百万円、営業利益が同5.8%減の30億98百万円、経常利益が同2.8%減の32億05百万円、純利益が同13.3%増の14億31百万円だった。既存店売上高が同95.7%にとどまり、水道光熱費や直接人件費の増加などで営業減益、経常減益だった。ただし新規出店効果などで飲食事業、コントラクト事業とも増収だった。なおFC店および非連結子会社を含めたグループ全体の売上高は同2.9%増の676億86百万円だった。期末店舗数は直営店309店舗(前々期末比13店舗増)、コントラクト店98店舗(同1店舗増)、FC店293店舗(同1店舗減)、合計700店舗(同13店舗増)となった。

 今期(14年12月期)の業績は、連結決算(連結子会社3社)に移行して売上高が464億24百万円、営業利益が32億60百万円、経常利益が33億07百万円、純利益が15億87百万円の見通しとしている。単純比較はできないが前期非連結業績に対して5.4%増収、5.2%営業増益、3.2%経常増益、10.9%最終増益となる。既存店売上高は前期比96.0%、グループ全体売上高は同3.4%増の700億円、新規出店は直営30店舗、FC5店舗、閉店は直営10店舗、FC10店舗の計画だ。

 消費増税の影響で客数減少を見込み既存店売上高はマイナスの計画だが、新規出店と店舗改装、仕入価格見直しやメニュー改定による原価安定化、業務効率化や経費コントロール徹底などの効果などで吸収して増収増益見込みだ。飲食事業では継続的な新規出店を実施し、コントラクト事業では16年度の新規受託に向けて入札活動を準備する方針だ。なおTOBで親会社となったやまやとの連携については、酒類の共同調達、新商品の調達、物流、物件開発など広範囲にわたる双方へのメリットが出る施策を進めていく予定としている。連携強化の効果が期待される。

 月次の売上動向(直営店全業態、前年比)を見ると、14年1月は既存店が102.4%、全店が107.6%だった。既存店の客数は99.6%とマイナスだったが、客単価が102.7%と好調だ。なお14年1月は新規出店が1店舗(直営1店舗)、閉店が5店舗(直営4店舗、FC1店舗)で、14年1月末の店舗数は直営404店舗(うちコントラクト98店舗)、FC292店舗、合計696店舗となった。新業態「龍馬軍鶏農場」は14店舗となった。

 なお2月25日に、東京証券取引所から市場1部銘柄指定の承認を受けたと発表した。3月4日付で東証2部市場から東証1部市場へ指定替えとなる。

 株価の動きを見ると、昨年12月中旬以降は高値圏1300円台前半でモミ合う展開だったが、2月25日発表の東証1部市場への指定替えを好感して、2月26日には前日比119円(8.94%)高の1451円まで急伸する場面があり、TOBを材料視して急伸した昨年11月高値1380円を一気に突破した。

 2月26日の終値1425円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS84円38銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績の非連結BPS601円58銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなってモミ合いから上放れた。弾みがついて上値追いの展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:05 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】パシフィックネットは急騰の調整一巡、収益改善の流れに変化なし

 中古パソコンなどのリユース事業を展開するパシフィックネット<3021>(東マ)の株価は急騰の反動調整が一巡したようだ。収益改善を評価する流れに変化はなく出直り態勢だろう。

 パソコン、タブレット端末、スマートフォンなど中古情報機器の引取回収・販売事業を主力として、レンタル事業も展開している。13年10月に旗艦店としてオープンした「PC−NETアキバ本店」など全国主要都市に9店舗を展開し、主要仕入先のリース・レンタル会社や一般法人からの引取回収を強化するとともに、業務プロセス効率化による収益力向上に取り組んでいる。

 今期(14年5月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比12.4%増の38億87百万円、営業利益が同48.1%増の2億13百万円、経常利益が同39.3%増の2億30百万円、純利益が同59.5%増の1億13百万円としている。レンタル需要は購入へシフトする傾向を強めているためやや低調な見込みだが、主力の引取回収・販売事業は米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」サポート終了、一般法人等への引取回収・販売営業強化などで中古パソコンの入荷・販売台数が増加する。さらに抜本的な生産性向上策の効果で売上総利益率が改善する見込みだ。

 「ウインドウズXP」サポート終了に伴う入れ替え需要は14年秋頃まで高水準の見込みだ。通期見通しに対する第2四半期累計(6月〜11月)の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が59.2%、経常利益が60.0%、純利益が71.7%と高水準であり、売上総利益率改善が寄与して通期利益増額の可能性があるだろう。さらに新品パソコン価格下げ止まりなどで中古情報機器市場全体が回復傾向を強めており、抜本的な生産性向上策の効果も寄与して来期(15年5月期)は一段の収益向上が期待される。

 株価の動き(効力発生日3月1日付で株式2分割)を見ると、急騰して付けた1月高値1054円から反落し、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月4日に469円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返して足元は概ね600円台まで戻している。反動調整が一巡し、収益改善を評価して再上昇の構えのようだ。

 2月26日の終値633円を指標面(3月1日付株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS21円89銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS323円33銭で算出)は2.0倍近辺である。急騰と急落を繰り返す傾向があるが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発した。サポートラインを確認して出直り態勢だろう。収益改善を評価する流れに変化はなく、13週移動平均線を回復すれば上げ足に弾みが付きそうだ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:35 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インタースペースは調整一巡、好業績を評価し反発のタイミング

 ネット広告のインタースペース<2122>(東マ)の株価は、急騰後の反動に加えて全般地合い悪化の影響も受けたが、調整一巡感を強めている。好業績を評価して反発のタイミングだろう。

 アフィリエイト(成果報酬)型のネット広告事業を主力として、子会社でコンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開し、重点戦略としてスマートフォン向け自社サービスの開発・販売強化、アフィリエイト事業を中心とした既存事業への積極的投資、海外事業展開の早期立ち上げなどを掲げている。

 ネット広告事業は、アフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長している。海外では13年10月、海外3拠点目となるタイに現地法人を設立した。

 アライアンス戦略では、13年10月にモバイル広告ネットワーク事業の米アーキ社と戦略的業務提携し、13年11月にO2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携に合意した。そして13年12月には、中国の子会社ISUC(上海)が中国最大のアフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)との業務提携に合意した。ISUCは「イーチーファー」の日本企業での唯一の代理店として、日本から中国に進出する日系企業に対してアフィリエイトサービスを提供する。

 2月12日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比8.9%増収、同77.8%営業増益、同76.7%経常増益、同2.9倍最終増益だった。ネット広告事業は「アクセストレード」で金融カテゴリーが好調に推移し、売上高は同6.9%増の31億51百万円だった。メディア運営事業の売上高は同33.3%増の3億20百万円で、営業黒字化した。コンテンツ拡充効果で広告売上が増加し、13年7月にリリースした女性向け恋愛ソーシャルゲーム「愛しのショコラティエ」のダウンロード・課金が好調だった。

 通期の見通しは前回予想(11月12日公表)を据え置いて売上高が前期比8.7%増の165億円、営業利益が同8.5%増の6億42百万円、経常利益が同7.1%増の6億39百万円、純利益が同61.7%増の3億19百万円としている。ネット広告事業はスマートフォン向けアプリ広告の好調が牽引して新サービスも寄与する。メディア事業は恋愛シミュレーションゲーム強化や、ママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」のユニークユーザー数拡大などで収益が改善する。

 純利益については子会社ののれん減損損失一巡も寄与する。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が21.0%、営業利益が22.4%、経常利益が22.7%、純利益が26.0%である。概ね順調な水準だろう。ネット広告市場は拡大基調であり、中期成長力に対する期待が高まる。

 株価の動きを見ると、中国EMAR(イーマー)との業務提携発表で急騰した12月高値1716円から反落し、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月4日の888円まで調整した。ただし足元は概ね1000円台で推移している。売り一巡して好業績を評価する動きだろう。

 2月26日の終値1036円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円26銭で算出)は21〜22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS360円24銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、昨年11月安値を割り込まずに下ヒゲを付けた。下値を確認した形であり、好業績を見直して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:31 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インテリジェントウェイブは収益改善を評価して出直り

 システム開発のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は昨年11月高値から反落して軟調展開だったが、調整のほぼ最終局面だろう。収益改善を評価して出直りの動きを強めそうだ。

 クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・保守サービスを主力として、カードビジネスのフロント業務、システムソリューション業務、セキュリティシステム業務、その他業務(パッケージ製品販売などの新規事業分野)を展開している。中期的にはマイナンバー制度導入に伴う開発案件などの受注増加が期待され、フロント業務関連から基幹業務関連への領域拡大、ビッグデータ関連への参入なども目指している。

 新規事業では、企業のウェブサイトの満足度を高める自社開発のコミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化する。簡単な質問には口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が自動応答するシステムで、すでに全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。親会社の大日本印刷<7912>との連携強化で受注拡大が期待される。

 なお2月26日には、ジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携すると発表した。当社の「市況情報配信/分析基盤ソリューション」とGIFIの次世代オンライントレードシステム「SIRIUS」の相乗効果を目指すとしている。

 2月5日発表の今期(14年6月期)第2四半期累計(7月〜12月)連結業績(1月29日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前年同期比14.2%増の30億55百万円、営業利益が1億03百万円の赤字(前年同期は8億34百万円の赤字)、経常利益が88百万円の赤字(同8億31百万円の赤字)、純利益が72百万円の赤字(同8億34百万円の赤字)だった。増収効果や不採算案件に係る経費の減少などで営業赤字が大幅に縮小した。

 累計ベースでは営業赤字が残ったが四半期別に見ると、第1四半期(7月〜9月)は売上高が12億80百万円で営業利益が2億70百万円の赤字、第2四半期(10月〜12月)は売上高が17億77百万円で営業利益が1億67百万円の黒字だった。第1四半期はカードビジネスのフロント業務で前期に発生した不採算案件の手直しで外注費が増加して営業赤字だったが、第2四半期はほぼ通常の経費コントロールに戻って営業黒字化したようだ。

 なお第2四半期累計のセグメント別状況を見ると、カードビジネスのフロント業務は売上高が同48.5%増の20億58百万円、利益が1億65百万円で前年同期(6億69百万円の赤字)から大幅に改善した。クレジットカード会社向けシステム開発・保守が好調で、ハードウェア前倒しも寄与して大幅増収となり、不採算案件発生に伴う外注費増加が第1四半期でほぼ終息した。

 システムソリューション業務は売上高が同22.5%減の8億32百万円だったが、利益は0.5百万円の赤字で前年同期(39百万円の赤字)から改善した。セキュリティ業務は売上高が同27.6%減の1億22百万円となり、利益は1億58百万円の赤字で前年同期(53百万円の赤字)から悪化した。その他は売上高が同11.6%減の42百万円、利益が1億10百万円の赤字(前年同期は72百万円の赤字)だった。

 通期の見通しについては前回予想(8月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.2%増の60億円、営業利益が4億円(前期は6億77百万円の赤字)、経常利益が4億円(同5億87百万円の赤字)、純利益が2億50百万円(同3億49百万円の赤字)としている。不採算案件の一巡などで営業損益が大幅に改善する。

 セグメント別売上高の計画は、カードビジネスのフロント業務が同0.3%増の32億10百万円、システムソリューション業務が同3.1%減の19億80百万円、セキュリティ業務が同10.7%増の5億60百万円、その他が同2.1倍の2億50百万円としている。クレジットカード・金融業界のシステム更新需要に加えて、ブランドプリペイド決済関連案件の受注拡大、セキュリティ業務の情報漏洩対策ソリューション「CWAT」や新規事業の「Faceコンシェル」などの販売拡大も期待される。

 株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、昨年11月高値405円から反落後は水準を切り下げる展開となった。さらに1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて急落し、2月5日の239円まで下押す場面があった。ただし足元では270円近辺まで戻している。売り一巡して反発態勢のようだ。

 2月26日の終値275円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円49銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS168円83銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線割れ水準まで調整したが、2月上旬の急落で下ヒゲを付けて調整のほぼ最終局面だろう。収益改善を評価して出直りの動きを強めそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】モブキャストは調整の最終局面で反発のタイミング

 ソーシャルゲームのモブキャスト<3664>(東マ)の株価は、前期業績の減額修正をきっかけに急落して軟調展開が続いたが、調整のほぼ最終局面だろう。四半期ベースで見た収益は底打ちした可能性があり、一旦は反発のタイミングだろう。

 プロ野球ゲーム「モバプロ」やサッカーゲーム「モバサカ」などスポーツ分野に特化して、モバイルスポーツメディア「mobcast」運営とソーシャルゲーム開発・配信を展開している。自社ゲーム開発を強化するとともに、プラットフォームを開放して外部ディベロッパー製のゲーム配信と海外展開も強化している。13年4月には韓国でも「mobcast」をオープンして「モバサカ」の配信を開始し、13年8月には世界でも有数のモバイルゲームディストリビューターであるブースターメディア(オランダ)と業務提携した。

 2月19日には、100%出資連結子会社モブキャストグローバルのPCオンラインゲーム事業を譲渡すると発表した。PCオンラインゲームの構成比が低下しているため、事業譲渡によって経営資源をモバイルエンターテインメント事業に集中する。なおモブキャストグローバルを4月1日付で当社に吸収合併(13年11月公表済み)する。

 2月7日発表の前期(13年12月期)連結業績は売上高が51億79百万円(前々期非連結は49億32百万円)、営業利益が4億45百万円の赤字(同11億27百万円の利益)、経常利益が4億04百万円の赤字(同11億17百万円の利益)、純利益が6億57百万円の赤字(同6億48百万円の利益)だった。既存ゲームは堅調だったが、新規開発ゲームの投入遅れや広告宣伝費の増加を主因として営業損益が悪化した。純利益については減損損失も影響した。

 なお四半期別営業利益を見ると、第1四半期(1月〜3月)が1億10百万円の黒字、第2四半期(4月〜6月)が49百万円の赤字、第3四半期(7月〜9月)が2億05百万円の赤字、第4四半期(10月〜12月)が3億円の赤字となった。第4四半期に赤字幅が拡大した形だが、経費コントロール効果で想定に対しては赤字幅が改善したようだ。営業損益は前期第4四半期がボトムとなった可能性があるだろう。

 今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比2.3%増の53億円、営業利益が1億円(前期は4億45百万円の赤字)、経常利益が1億円(同4億04百万円の赤字)、純利益が1億円(同6億57百万円の赤字)の黒字化としている。今期の重点戦略としてサッカー分野に経営資源を集中し、サッカーゲーム6タイトルを世界25カ国で展開する方針だ。また負けず嫌い男性向けのプラットフォームを構築する方針で、3月12日に新「mobcast」プラットフォーム構想を発表予定としている。

 モバイルスポーツメディア「mobcast」会員数は13年12月末時点で490万人(日本400万人、韓国90万人)を突破して増加基調であり、前期第4四半期に合計19タイトルをリリースした効果、今期投入の新規タイトルの効果、ブースターメディア(オランダ)との業務提携の効果、新規開発に係る業務委託費削減の効果、長期固定広告削減など経費コントロールの効果で収益改善が期待される。

 株価の動きを見ると、昨年11月の前期業績減額修正を嫌気して急落し、その後は反発力の鈍い展開が続いている。1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響も受け、2月4日に910円まで下押して昨年11月安値1006円を割り込む場面があった。ただし足元は1000円近辺で下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面だろう。

 2月26日の終値1011円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円20銭で算出)は140倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS131円96銭で算出)は7.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、2月の急落場面で下ヒゲを付けた。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:23 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】パイプドビッツは調整のほぼ最終局面、好業績を見直し

 情報資産プラットフォーム事業のパイプドビッツ<3831>(東マ)の株価は、2月上旬の全般地合い悪化の影響も受けて軟調展開だったが、足元では下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面だろう。好業績を見直す動きが徐々に強まりそうだ。

 情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業(データ管理などのクラウドサービス提供)、広告事業(アフィリエイトASP一括管理サービス)、ソリューション事業(アパレル・ファッションに特化したECサイト構築・運営受託、子会社ペーパーレススタジオジャパンのBIMコンサルティング事業など)を展開している。

 主力の情報資産プラットフォーム事業では政治・選挙関連、アパレル・ファッション関連、美容師関連、会計関連、人事考課・採用関連、薬剤・医療材料関連、地域密着型SNS関連、建築情報関連などに事業領域を広げている。政治・選挙関連はアイドルグループAKB48の選抜総選挙や政治・選挙プラットフォーム「政治山」を運営している。またソリューション事業のECサイト構築・運営受託も、ネット通販市場拡大を追い風として中期成長が期待される分野だ。

 また2月14日には、ASP/SaaS型コールセンタープラットフォームサービス「BizBase」を提供するアズベイスを株式交換(効力発生日3月14日予定)で完全子会社化すると発表した。当社の情報資産プラットフォームの機能強化や拡充が期待できるとしている。

 今期(14年2月期)連結業績見通し(12月27日に減額修正)は売上高が25億円、営業利益が5億50百万円、経常利益が5億50百万円、純利益が3億30百万円としている。前期の非連結業績との比較で11.9%増収、68.2%営業増益、69.8%経常増益、77.4%最終増益となる。新規分野の「政治山」「美歴」「ジョイブラ」などの売上貢献が想定より遅れるため減額したが、「スパイラル」新バージョン投入効果などで有効アカウント数が増加基調であり増収増益見込みだ。なお3月31日に今期業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、安値圏で軟調展開が続いている。1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて、1600円〜1900円近辺でのボックス展開から下放れの形となり、2月4日には1155円まで急落する場面があった。ただしその後は切り返しの動きとなり、足元では1300円台半ばまで戻している。売りが一巡して調整のほぼ最終局面だろう。

 2月26日の終値1352円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円62銭で算出)は31倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(非連結ベースの前期実績BPS228円91銭で算出)は5.9倍近辺である。週足チャートで見ると、26週移動平均線が抵抗線となってボックスレンジから下放れた形だが、2月上旬の急落場面で下ヒゲを付けて下げ渋り感を強めている。調整一巡して反発のタイミングだろう。

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