[アナリスト水田雅展の銘柄分析]の記事一覧
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記事一覧 (12/04)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エストラストは700〜800円のモミ合いが4ヶ月、上放れ近かそう
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記事一覧 (12/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワイヤレスゲートは利益確定売り一巡して切り返し、中期成長力を評価して上値追い
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2013年12月04日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エストラストは700〜800円のモミ合いが4ヶ月、上放れ近かそう

 新築分譲マンションの開発・販売を展開するエストラスト<3280>(東マ)の株価は、安値圏で調整局面だが下値は着実に切り上げている。調整のほぼ最終局面だろう。今期(14年2月期)好業績に見直し余地があり、出直りのタイミングが接近しているようだ。

 山口県を地盤とする不動産デベロッパーで12年11月に新規上場した。山口県や福岡県などで、一次取得ファミリー型の新築分譲マンション「オーヴィジョン」シリーズおよび新築戸建住宅の不動産分譲事業、ストック型ビジネスとして収益基盤強化に繋がる不動産賃貸事業や「オーヴィジョン」マンション管理受託の不動産管理事業を展開している。

 中期成長戦略として九州・山口エリアでのNO.1デベロッパーを目指し、福岡県および九州主要都市への進出加速、九州・山口エリアでのマンション年間供給500戸体制構築、山口県での戸建住宅年間供給100戸体制の構築、ストック型ビジネスとなる建物管理戸数の拡大を推進している。13年6月には第三者割当増資を実施して、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>傘下の福岡銀行との関係を強化した。

 今期の連結業績見通しについては10月10日に増額修正して、売上高が前期比18.5%増の103億円、営業利益が同11.8%増の10億10百万円、経常利益が同10.8%増の9億円、純利益が同14.3%増の5億40百万円としている。不動産分譲事業の契約進捗率が計画以上に高水準のため、引渡予定戸数は新築分譲マンションが期初計画に対して20戸上振れの376戸、戸建住宅が2戸上振れの18戸とした。増収効果で来期プロジェクト先行費用などを吸収し、広告宣伝費など販売費圧縮も寄与する。また不動産管理事業の建物管理戸数は、前期末比8棟・375戸増加の38棟・1710戸となる見込みだ。

 なお、来期(15年2月期)の新築分譲マンション引渡予定戸数448戸に対して、今期第2四半期累計(3月〜8月)末時点での契約戸数は234戸、契約進捗率は52%に達している。14年8月建物完成引渡予定の「オーヴィジョン防府駅前セントラルスクエア」プロジェクト(総戸数89戸)の契約進捗率は85%に達しているようだ。また不動産管理事業の建物管理戸数は45棟・2158戸に増加する計画だ。来期も好業績が期待されるだろう。

 さらに中期経営計画で、16年2月期の新築分譲マンション引渡戸数494戸、売上高130億円、営業利益12億50百万円、経常利益12億円、純利益7億20百万円を目標数値として掲げている。計画前倒し達成の可能性も高まっており、収益拡大ペースが加速しそうだ。

 株価の動き(6月1日付で株式3分割)を見ると、5月高値圏から反落後は急騰の反動で日柄整理局面となり、概ね700円〜800円近辺のレンジでボックス展開のようだ。8月安値圏600円台から反発して10月上旬に800円台を回復する場面があったが、足元はやや水準を切り下げて概ね700円〜750円近辺で推移している。

 12月3日の終値725円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS108円18銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は0.8%近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、上場直後の12年12月安値をボトムとして下値は着実に切り上げている。日柄整理のほぼ最終局面であり、好業績を評価して出直りのタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:13 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年12月03日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所 上放れ近い、900円のモミ合い1ヶ月半経過、良好な事業環境

 建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は急伸後の反動調整局面だが、建設ビッグプロジェクトが目白押しという良好な事業環境を背景に好業績が予想され、強基調に変化はなく短期調整一巡後に上値を試す流れだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機となりそうだ。

 総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する。さらに農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアを13年9月に立ち上げた。

 今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。第3四半期累計(1月〜9月)は、受注高が前年同期比21.5%増と好調に推移して大幅増益となり、通期見通しに対する業績進捗率も売上高が74.3%、営業利益が88.1%、経常利益が85.9%、純利益が93.3%と高水準だった。通期増額の可能性が高く、来期(14年12月期)も公共投資増加を追い風に良好な事業環境が続き、好業績が予想される。

 株価の動きを見ると、10月中旬に動意付いて800円近辺から10月25日の年初来高値1010円まで上伸した。その後は急伸の反動調整局面のようだが、急伸前水準まで下押すことなく、900円近辺で推移している。好業績を評価する動きだろう。

 11月28日の終値900円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって、水準切り上げの動きが続いている。強基調に変化はなく、短期調整一巡後に上値を試す流れだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機となりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワイヤレスゲートは利益確定売り一巡して切り返し、中期成長力を評価して上値追い

 ワイヤレスブロードバンドサービスを展開するワイヤレスゲート<9419>(東マ)の株価は、上場来高値更新後に一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。今期(13年12月期)好業績見通しや中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。

 通信事業者からインフラを借り受けてワイヤレスブロードバンドサービス(Wi−Fi、WiMAX)を提供している。月額有料会員数の積み上げに伴って収益が拡大するストック型収益構造である。13年9月末時点の会員数は約40万人となった。重点戦略としてサービス提供エリア拡大、販売チャネル数拡大、サービス拡充を掲げている。

 販売チャネルはヨドバシカメラでの販売、住友商事<8053>との業務提携による最大手携帯販売会社ティーガイア<3738>での販売に加えて、取扱携帯販売会社数を増やす方針だ。サービス拡充では、13年6月にオプションサービス第1号として「電話リモートサービス」の提供を開始した。ARPU(顧客1人当たり売上高)向上や顧客基盤拡大につなげるため、追加オプションサービスも検討している。

 なお電通<4324>、OOHメディア・ソリューション、シーエスイーと共同で参画している一般社団法人銀座通連合会の無線LAN環境構築支援プロジェクトについては、銀座通りで実施しているG・Free(銀座フリーWi−Fi)を晴海通りに拡大した。こうした体制を活用して、新たな屋外型公衆無線LANの市場を積極的に開拓していく方針だ。

 今期の連結業績見通しは売上高が前期比27.6%増の70億17百万円、営業利益が同34.1%増の8億円、経常利益が同39.0%増の8億円、純利益が同9.4%増の4億63百万円としている。販売チャネル数拡大などの効果で会員数の増加ペースが加速し、6月開始のオプション「電話リモートサービス」の売上も想定以上のようだ。ストック型の収益構造であることも考慮すれば通期上振れの可能性があるだろう。

 株価の動き(9月1日付で株式2分割)を見ると、11月中旬に急伸の形となって水準を切り上げた。11月11日に5月高値3350円を突破して上場来高値を更新し、11月15日には4740円まで上伸する場面があった。目先的な過熱感を強めたこともあり一旦は3700円近辺まで反落したが、12月2日には前日比295円(7.42%)高の4270円まで戻す場面があった。利益確定売りが一巡して切り返す動きだろう。

 12月2日の終値4170円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円72銭で算出)は44倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS314円23銭で算出)は13倍近辺である。

 日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消され、切り返しの動きとなった。週足チャートで見ると新たな上昇チャネル入りした可能性があり、今期好業績や中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルコニックスは水準切り上げの中で動き煮詰まる、5月高値を試す

 非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は、出直り歩調の展開で水準を切り上げている。指標面の割安感に見直し余地があり、5月高値を試す動きだろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。

 M&A戦略も積極化して、13年1月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研(13年9月に中間持株会社アルコニックス・オオバを吸収合併して当社が直接出資の形態に変更)を連結子会社化した。

 13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13〜15%程度などを掲げている。重点戦略としては、川上・川中・川下でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化に取り組む方針だ。

 今期(14年3月期)の連結業績見通しについては、10月22日に売上高と営業利益を減額修正、経常利益を据え置き、純利益を増額修正して、売上高が前期比9.2%増の1800億円、営業利益が同0.4%増の33億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同88.7%増の27億円としている。

 レアメタル・レアアースの市況回復は緩慢だが自動車関連を中心に需要が回復基調だろう。円安進行メリット、新規連結効果、特別利益での負ののれん発生益計上も寄与する。通期見通しに対する第2四半期累計(4月〜9月)の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が56.9%、経常利益が54.5%、純利益が66.7%と高水準であり、通期増額の可能性もあるだろう。

 株価の動きを見ると、9月中旬以降は概ね2000円〜2100円近辺の短期モミ合い展開だったが、足元ではレンジから上放れて水準切り上げの動きを強めている。11月20日には2170円まで上伸する場面があり、出直り歩調に変化はないようだ。

 12月2日の終値2123円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS424円78銭で算出)は5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。水準を切り上げて5月高値2398円を試すだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:45 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セプテーニ・ホールディングスは水準切り上げ継続、好業績評価して上値追い

 ネット広告代理店のセプテーニ・ホールディングス<4293>(JQS)の株価は水準切り上げの展開が続いている。スマホ向けなどネット広告市場の拡大が追い風であり、好業績を評価して上値追いの展開だろう。

 ネット広告販売やウェブソリューションなどで包括的なマーケティング支援サービスを提供するネットマーケティング事業を主力として、ソーシャルゲーム・書籍・動画・占いなどデジタルコンテンツ企画・開発・販売のメディアコンテンツ事業、その他事業(販促ダイレクトメール発送代行のDM事業など)を展開している。

 ネットマーケティング事業はフェイスブック関連に強みを持ち、成長分野のスマートフォンとソーシャルに注力して業容拡大と収益力向上を進めている。メディアコンテンツ事業は、ソーシャルゲーム関連の経営資源をネイティブアプリの協業や受託開発にシフトし、新規分野はマンガコンテンツ関連(子会社のコミックスマートが事業運営)を中心に積極投資する方針だ。海外は米国とシンガポールに続いてベトナムに現地法人を設立し、本格事業展開の基盤構築を進めている。

 翌四半期までの予想開示として、今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績見通しは売上高が前年同期比13.8%増の124億円、営業利益が同99.5%増の5億80百万円、経常利益が同74.5%増の5億90百万円、純利益が同82.2%増の3億40百万円としている。ネットマーケティング事業が好調に推移し、一時的な売上総利益増加要因も営業利益を押し上げるようだ。メディアコンテンツ事業はゲームの新タイトル投入予定がないため減収だが、費用抑制などで営業赤字が縮小する見込みだ。

 なお前四半期(13年7月〜9月)との比較で見ると売上高が3.6%増、営業利益が16.2%増、経常利益が11.5%増、純利益が14.9%増となる。四半期ベースでの増収増益基調に回帰しており、通期ベースでも、ネットマーケティング事業で注力分野のスマホ向け売上やファイスブック関連売上の好調が牽引するだろう。メディアコンテンツ事業での新規事業関連の先行投資負担を吸収し、好業績が期待される。新規分野のマンガコンテンツ関連の早期収益化も期待したい。

 株価の動き(10月1日付で株式200分割)を見ると、自律的な短期調整を挟みながら水準を切り上げて高値を更新する展開が続いている。11月27日には年初来高値となる1179円まで上伸する場面があった。そして12月2日の終値は前日比42円(3.72%)高の1171円となり、年初来高値に接近した。日足チャートで見ると25日移動平均線、また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。好業績を評価して上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:38 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティー・ワイ・オーは調整一巡して出直り強める、収益改善や高配当利回りに見直し余地

 広告代理店向けTV−CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東2)の株価はやや軟調な展開だったが、足元で調整一巡感を強めている。今期(14年7月期)の収益改善や高配当利回りに見直し余地があり、12月11日予定の第1四半期(8月〜10月)業績発表も接近して出直りの動きとなりそうだ。

 広告代理店向けのTV−CM企画・制作事業を主力として、WEB広告やプロモーションメディア広告の企画・制作などマーケティング・コミュニケーション事業も展開している。不採算事業の縮小・撤退・売却などによって事業構造改革を推進し、13年5月にはマーケティング・コミュニケーション事業内で不採算だったテオーリア事業部を譲渡した。

 13年9月に発表した新中期経営計画では目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円などを掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示している。広告市場は拡大基調であり、広告代理店や広告主が安心感や信用力を求める動きを背景として、TV−CM制作業界では当社を含む大手制作会社3社による寡占化傾向を強めている。20年東京夏季五輪も追い風となり、中期的な事業環境は良好と言えそうだ。

 今期の連結業績見通しは売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円としている。TV−CM事業は自動車、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続いている。さらに1件当たり金額が上昇傾向であり、大口広告主からの直接受注も増加している。人件費の先行投資が一巡したことに加えて、不採算事業撤退など事業構造改革の効果も本格寄与して収益が一段と改善する見込みだ。なお12月11日に第1四半期業績の発表を予定している。

 株価の動き(10月25日付で東証2部に市場変更)を見ると、10月の戻り高値圏から反落してやや軟調展開となり、11月12日に144円まで調整する場面があった。ただし10月9日の142円を割り込むことなく、足元では150円台まで戻している。12月2日には前日比7円(4.67%)高の157円まで上伸する場面があった。調整が一巡した可能性があるだろう。

 12月2日の終値156円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、140円台で下値支持線を形成したようだ。また週足チャートで見ると、52週移動平均線がサポートラインとなって反発し、26週移動平均線を突破する動きを強めている。高配当利回りにも見直し余地があり、調整が一巡して出直り展開となりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:26 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クレスコはマド開け上放れ後の強さ抜群、好業績割安で上値追い

 受託ソフトウェア開発のクレスコ<4674>(東1)の株価は自己株式取得を好感した買いが続いている。今期(14年3月期)好業績や指標面の割安感も支援材料であり、上値追いの展開だろう。

 ソフトウェア開発(ビジネス系)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売など)を展開している。収益力向上に向けてERPコンサルティング、オンラインストレージサービス、クラウド関連サービスを強化し、得意分野を持つビジネスパートナーとのアライアンスやM&Aも積極活用している。13年4月にソリューション事業のクリエイティブジャパンを子会社化し、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化した。そして9月には三谷産業<8285>とクラウドサービス事業で協業体制を構築している。

 今期連結業績見通しは売上高が前期比15.6%増の220億円、営業利益が同13.5%増の14億10百万円、経常利益が同8.5%増の15億30百万円、純利益が同12.5%増の8億60百万円としている。ソフトウェア開発事業は金融関連、クラウド関連、組込型ソフトウェア開発事業は情報家電関連が好調であり、クリエイティブジャパンの新規連結も寄与する。通期見通しに対する第2四半期累計(4月〜9月)の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が40.9%、経常利益が46.3%、純利益が50.9%である。下期の構成比が高いことを考慮すれば順調な水準であり好業績が期待される。

 なお11月25日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限40万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合3.7%)、取得価額総額の上限3億4百万円、取得期間13年11月26日〜14年5月30日としている。

 株価の動きを見ると、概ね750円〜800円近辺で推移していたが、11月26日に5月高値894円を一気に突破して年初来高値となる930円まで急伸する場面があった。自己株式取得発表を好感した形だ。その後一旦は利益確定売りが優勢になる場面もあったが、12月2日には切り返しの動きを強めている。

 12月2日の終値891円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円68銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS786円92銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると窓を空けて急伸したため目先的な過熱感はあるが、短期モミ合い展開から上放れた形であり、今期好業績や指標面の割安感も支援材料として上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:21 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリーク・アンド・リバー社は出直り鮮明、好業績評価して5月高値も視野

 クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は出直りの動きを鮮明にしている。好業績を評価して5月高値も視野に入るだろう。

 クリエイティブ分野では映像・TV、ゲーム、Web、広告などの分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業、制作請負事業、電子書籍関連事業、アジア市場向け出版エージェンシー事業などを展開し、韓国のクリエイティブ分野や、医療・IT・法曹・会計分野のエージェンシー事業にも領域を広げている。さらに新規分野として建築関連やファッション関連のエージェンシー事業も展開する方針だ。テレビ番組制作やSNSゲーム開発などプロフェッショナルに対するニーズは拡大基調が予想される。

 今期(14年2月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比14.1%増の200億円、営業利益が同20.9%増の12億円、経常利益が同15.9%増の12億円、純利益が同64.4%増の5億50百万円としている。大幅増収増益だった第2四半期累計(3月〜8月)の通期見通しに対する進捗率は、売上高が52.5%、営業利益が61.8%、経常利益が61.9%、純利益が60.0%と高水準である。映像・TV・ゲームなど主力のクリエイティブ分野が好調に推移しており、通期増額の可能性が高いだろう。

 株価の動き(3月1日付で株式100分割)を見ると、連結子会社の不適切な取引と会計処理を嫌気した9月安値圏350円台をボトムとして反発し、足元では470円〜480円近辺まで水準を切り上げて出直りの動きを鮮明にしている。12月2日は前日比29円(6.43%)高の480円まで上伸する場面があった。今期好業績見通しを評価する動きだろう。

 12月2日の終値473円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は0.8%近辺、実績PBR(訂正後の前期実績連結BPS162円60銭で算出)は2.9倍近辺である。日足チャートで見ると右肩上がりの25日移動平均線がサポートラインの形だ。また週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって26週移動平均線も突破した。好業績を評価して5月高値600円も視野に入るだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:18 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは高値更新、良好な事業環境も追い風に上値追い

 建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は高値を更新した。今期(14年3月期)好業績に加えて中期的にも良好な事業環境が追い風であり、上値追いの展開だろう。

 足場部材など建設用仮設機材の販売・レンタル事業を展開している。20年東京夏季五輪、リニア中央新幹線、国土強靭化など目白押しの建設ビッグプロジェクトが追い風であり、戦略商品として施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」も開発している。ソーラー用太陽光パネル設置架台の需要も拡大している。13年8月には、子会社ホリーが新たな製造拠点としてベトナムに100%出資の現地法人を設立した。

 今期連結業績見通しについては11月8日に2回目の増額修正を発表した。売上高は12億90百万円増額して前期比11.3%増の313億円、営業利益は4億30百万円増額して同63.8%増の26億30百万円、経常利益は5億円増額して同67.4%増の26億円、純利益は4億50百万円増額して同92.0%増の15億50百万円としている。

 震災復旧・復興関連、社会インフラ更新関連、首都圏を中心とした再開発関連、学校や高層マンションの耐震補強関連など建設工事増加を背景として、クランプやクサビ式住宅用足場など主力商品の需要が高水準である。ソーラー向け太陽光パネル設置架台の需要も拡大している。大手住宅メーカー向け住宅用構造金物や制振装置の需要増加も寄与する。レンタル価格も上昇傾向を強めているようだ。増収効果に加えて、効率化による収益性向上も寄与する。

 大幅増益だった第2四半期累計(4月〜9月)の通期見通しに対する進捗率は売上高が46.7%、営業利益が44.2%、経常利益が45.1%、純利益が41.6%である。第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことを考慮すれば高水準であり、3回目の増額修正の可能性もあるだろう。来期(15年3月期)から本格寄与する新名神高速道路関連など受注残は豊富である。目白押しの建設ビッグプロジェクトを背景に、中期的にも事業環境は良好と言えるだろう。

 株価の動き(4月1日付で株式2分割)を見ると、9月30日に戻り高値となる945円を付け、その後は概ね800円〜900円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、11月下旬に短期モミ合いから上放れの動きとなった。そして11月26日と12月2日に980円まで上伸した。5月の高値970円を突破して1000円台も射程圏である。好業績を評価する動きだろう。

 12月2日の終値980円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS324円08銭で算出)は3.0倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げた。強基調の形であり、好業績を評価して上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:16 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】OBARA GROUPが再上昇開始、早くも今9月期に上振れ期待

 溶接機器のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は11月に急伸し、その後も戻り高値圏で堅調に推移している。今期(14年9月期)業績は減益見通しとしているが、上振れ期待で5月高値を試す流れだろう。

 自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、およびエレクトロニクス業界向け平面研磨装置を主力とする研磨装置関連事業を展開している。

 今期の連結業績見通しは売上高が前期比1.1%増の390億円、営業利益が同4.5%減の60億円、経常利益が同19.7%減の59億円、純利益が同12.9%減の40億円としている。セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、溶接機器関連事業は売上高が同0.5%減の260億円、営業利益が同11.0%減の44億70百万円、研磨装置関連事業は売上高が同4.3%増の130億円、営業利益が同15.9%増の18億30百万円としている。

 前期との比較で設備投資需要がやや落ち着いた状況になるとして、保守的な見通しのようだ。ただし、世界の自動車メーカーの増産投資を背景として溶接機器関連事業が好調に推移し、研磨装置関連事業も回復傾向を強めているようだ。会社見通しには上振れ余地があり好業績が期待される。なお想定為替レートは1米ドル=98円60銭(1円の変動による影響は経常利益段階で約15百万円)であり、足元の円安進行も上振れ要因となりそうだ。

 株価の動きを見ると、前期決算発表翌日の11月12日は安値圏の2340円で寄り付いた後に急動意の展開となり、2750円まで急騰する場面があった。そして11月14日には3000円台を回復し、その後も概ね戻り高値圏の3000円〜3100円近辺で堅調に推移している。今期業績の上振れを期待する動きのようだ。

 12月2日の終値3130円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS205円86銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1596円45銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると短期モミ合いから上放れて、13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。強基調へ転換した形であり、5月の高値3465円を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:02 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年12月01日

【水田雅展の為替&株式相場展望】円安・株高基調だが、6日の米11月雇用統計を睨んで波乱含みも

<為替&株式相場展望>(12月2日〜6日)

 来週(12月2日〜6日)の株式・為替相場は、大勢としての円安・株高基調に変化はないだろう。株式市場では日経平均株価が5月23日に付けた取引時間中の高値を突破するかが注目される。ただし週末6日に米11月雇用統計を控えているうえに、売買代金の盛り上がりに欠ける状況では、思惑や仕掛け的な動きで一時的に波乱含みの可能性もあるだろう。米国株の反落に対する警戒感にも注意しておきたい。

 前週は週後半に、外国為替市場で円安が進行して1ドル=102円台、1ユーロ=139円台まで円が下落した。そして株式市場でも円安を好感する形で買いの動きが強まり、11月28日には日経平均株価が終値ベースでの年初来高値を更新した。基本的には前週の円安・株高の流れに大きな変化はないだろう。

 当面の関心は米FRB(連邦準備制度理事会)のテーパリング(量的緩和縮小)開始時期である。11月14日の米上院銀行委員会公聴会でのイエレン米FRB副議長の発言を受けて量的緩和の長期化観測が優勢になったが、11月20日公表の米FOMC(連邦公開市場委員会)10月29日〜30日開催分議事録を受けて早期のテーパリング観測も台頭している。

 為替に関しては量的緩和長期化ならリスクオンで円売り、12月FOMCでのテーパリング開始なら米長期金利上昇と日米金利差拡大で円売り、いずれにしても円売りという基本的なシナリオに変化はないだろう。6日の米11月雇用統計の結果次第では、17日〜18日の米FOMCと記者会見に向けて一段と円安が進行する可能性もありそうだ。

 米国株に関しては量的緩和長期化ならリスクオンで株高だが、史上最高値更新中のダウ工業株30種平均株価とS&P500株価指数は8週連続で上昇しており、一本調子の上昇に対する警戒感も強まっている。一旦は利益確定売りが優勢になって反落に転じてもおかしくない状況だ。そして12月FOMCでのテーパリング開始なら米長期金利上昇を嫌気する可能性があり、金融相場から業績相場へのシフトが焦点となる。

 日本株に関しては、大勢としては円安と米国株高を好感する流れだろう。日本の追加金融緩和に対する期待感も急速に高まっており、一段の円安進行は輸出関連企業の業績上振れ余地を広げることになる。ただし売買代金は高水準とは言えず、なんとなく盛り上がりに欠けることが気がかりだ。先物主導での日経平均株価という指数だけの上昇という見方も根強いだけに、円安進行が一服して米国株の利益確定売りが優勢になった場合には、日本株にも一時的に影響しそうだ。

 物色面では、為替が1ドル=103円台へと円安進行した場合には、自動車や電機・精密など主力の輸出関連が注目される。ただし6日の米11月雇用統計を控えて、為替の円安進行一服や米国株の上昇一服などで様子見ムードを強める可能性も高いだけに、出遅れ感の強い銘柄や材料系の銘柄の個別物色に引き続き注目したい。

 その他の注目スケジュールとしては、2日の米10月建設支出、米11月ISM製造業景気指数、3日の日本10月毎月勤労統計、日本11月マネタリーベース、豪中銀理事会、中国11月非製造業PMI(国家統計局)、4日の中国11月サービス部門PMI(HSBC)、ユーロ圏第3四半期GDP改定値、米10月貿易収支、米10月新築一戸建て住宅販売件数、米11月ADP全米雇用報告、米11月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告、4日〜5日の英中銀金融政策委員会、5日のECB理事会と記者会見、米第3四半期GDP改定値、6日の独10月鉱工業受注、米10月個人所得・消費支出、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。その後は8日の中国11月貿易統計、9日の日本10月経常収支、日本7〜9月期GDP2次速報値、中国11月PPI・CPIなどが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:28 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年11月29日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは自律調整一巡して動意のタイミング、中期成長力を評価して強基調

 キムチ製品など漬物最大手のピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、10月高値後の自律調整が一巡して動意のタイミングのようだ。中期成長力を評価して強基調に変化はなく1000円台が視野に入る。

 キムチ製品、あさづけ、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が向上し、新製品投入も積極化している。広島工場の稼働(13年6月)で中国・四国地方での拡販を進めるとともに、契約栽培拡大による原料野菜の安定調達を推進する方針だ。ブランド力向上に伴って中期成長期待が高まる。

 今期(14年2月期)連結業績見通し(9月30日に増額修正)は、売上高が前期比6.0%増の255億18百万円、営業利益が同22.0%増の11億16百万円、経常利益が同21.9%増の11億87百万円、そして純利益が同27.3%増の7億26百万円としている。売上高、利益ともに過去最高を更新する見込みだ。広島工場稼動などで費用が増加するが、増収効果で吸収する。

 売上高、利益ともに過去最高だった第2四半期累計(3月〜8月)の通期見通しに対する進捗率は、売上高が52.8%、営業利益が69.0%、経常利益が72.7%、純利益が74.7%と高水準である。白菜など原料野菜価格の動向に不透明感があるため下期を保守的な予想としているが、キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上に伴って販売は好調であり、通期再増額の可能性が高いだろう。

 株価の動きを見ると、水準を切り上げて高値を更新する展開が続いている。10月28日の年初来高値995円後は自律調整局面だが、900円近辺で堅調に推移している。今期好業績や中期成長力を評価して強基調に変化はないだろう。そして足元では自律調整一巡感を強めている。動意のタイミングが接近しているようだ。

 11月8日の終値910円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円67銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1058円84銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャート見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して動意のタイミングだろう。通期再増額の可能性、指標面の低PERや低PBRも支援材料であり、1000円台が視野に入る。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:03 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【ジャーナリスト&アナリスト水田雅展】資生堂は高値圏で堅調推移、収益改善を評価して上値試すタイミング接近

 資生堂<4911>(東1)の株価は高値圏で堅調に推移している。自律的な短期調整局面だが、収益改善を評価する流れに変化はなく、上値を試すタイミングが接近しているようだ。

 国内外での売上低迷、買収した米ベアエッセンシャル社関連の減損損失などで前期(13年3月期)の収益が大幅に悪化したが、事業構造改革を実施して収益改善を進めるとともに、国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出している。

 13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH−01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。また10月には、フランスの子会社の株式および資産について、フランスのロレアル社から譲渡提案(提案価格2億3000万ユーロ)を受け、独占交渉契約を締結して交渉を開始したと発表している。

 今期(14年3月期)の連結業績見通し(10月31日に2回目修正、売上高、営業利益、経常利益を増額、純利益を減額)については、売上高が前期比9.2%増の7400億円、営業利益が同53.6%増の400億円、経常利益が同44.3%増の410億円、純利益が150億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。通期の想定為替レートは1米ドル=97円、1ユーロ=127円、1中国人民元=15.7円である。

 売上面ではグローバル事業が円安も寄与して大幅増収となる。利益面では売上下位商品の店頭在庫回収に係る営業費用や、生産終了品の店頭在庫回収に伴う特別損失を計上するが、事業構造改革効果で収益が大幅改善する。通期見通しに対する第2四半期累計(4月〜9月)の進捗率は売上高が48.7%、営業利益が51.0%、経常利益が51.3%、純利益が35.8%である。足元の円安進行に加えて、第2四半期累計に国内化粧品事業の店頭在庫適正化に向けた出荷抑制を実施したことも考慮すれば、通期3回目の増額の可能性があるだろう。

 株価の動きを見ると、9月30日の年初来高値1796円後は自律的な短期調整局面のようだが、概ね高値圏の1650円〜1750円近辺で堅調に推移して、足元では9月高値に接近している。収益改善を評価する流れに変化はなく、上値を試すタイミングのようだ。

 11月28日の終値1767円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円66銭で算出)は47倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復し、上値を試すタイミングが接近している。(アナリスト水田雅展の銘柄分析)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:59 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】テクマトリックスは600円挟んだモミ合いが4ヶ月、ボックス上放れのタイミング

 情報サービスのテクマトリックス<3762>(東1)の株価は、7月中旬以降のボックス展開だが、足元はレンジ上限で堅調に推移している。上放れのタイミングが接近しているようだ。

 ネットワークやセキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、医療・CRM・EC・金融などを重点分野としてシステム構築やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開し、ビッグデータ分析支援のBI(ビジネス・インテリジェンス、データ分析による意思決定支援システム)サービスなども強化している。

 11月18日には、子会社のエヌ・シー・エル・コミュニケーションが米国Pica8(ピカエイト)社との国内総代理店契約締結を発表した。次世代ネットワーク技術「オープンフロー」に完全対応し、他社同等製品に比べて廉価で提供できるとしている。

 今期(14年3月期)連結業績見通し(7月31日に繰延税金資産の追加計上に伴って純利益を増額修正)は、売上高が前期比4.6%増の175億円、営業利益が同3.7%減の11億50百万円、経常利益が同1.9%減の11億50百万円、純利益が同9.7%増の6億90百万円としている。ストック型ビジネスの戦略的拡大に向けた人件費増加などで営業微減益見込みだが、第2四半期累計(4月〜9月)の売上高が過去最高を更新するなど、売上面は好調に推移している。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が47.6%、営業利益が37.4%、経常利益が38.8%、純利益が58.0%である。営業利益と経常利益の進捗率がやや低水準だが、主力の情報基盤事業でサイバー攻撃に対応した負荷分散装置や次世代ファイアウォール製品などが好調であり、公共機関向けや金融機関向けの大型案件の寄与も期待される。

 株価の動き(4月1日付で株式200分割)を見ると、600円近辺では上値が重くなり、7月中旬以降は概ね550円〜600円近辺のレンジでボックス展開だ。ただし下値を着実に切り上げながら、足元ではレンジ上限で堅調に推移している。

 11月28日の終値601円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円82銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円50銭で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS460円26銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げながら、足元では26週移動平均線を突破した。レンジ上放れのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】IMVは調整一巡して出直りのタイミング、テーマ性も支援材料

 振動試験・計測装置のIMV<7760>(JQS)の株価は、7月高値から反落後のモミ合い展開を経て調整局面のようだ。ただし足元では反発の構えを見せている。エコカー関連や防災・減災関連などのテーマ性も支援材料であり、調整が一巡して出直るタイミングだろう。

 振動に係る試験・計測装置や振動問題に対するコンサルティングなど総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーである。振動シミュレーションシステム(振動試験装置)のDSS事業を主力として、メジャリングシステム(振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置)のMES事業、テスト&ソリューションサービス(振動試験受託)のTSS事業を展開している。

 新製品開発は12年12月に、Wi−Fi無線で遠隔操作を可能にした無線型振動計測装置「カードバイブロAir2」を発売し、拡販を推進している。今後の重点戦略としては海外展開を強化する方針で、13年2月には欧州(特にドイツとイギリス)でDSS事業を強化するためイギリスに現地法人IMVヨーロッパを設立し、13年5月には中国でマーケティング活動を展開するため上海に駐在員事務所を開設している。

 11月13日に発表した前期(13年9月期)連結業績は売上高が前々期比3.7%増の61億19百万円、営業利益が同2.8%減の6億47百万円、経常利益が同10.3%増の7億26百万円、純利益が同24.5%増の4億48百万円だった。人件費や研究開発費の増加で営業利益は減益だったが、売上面では自動車関連が好調に推移し、増収効果に営業外での為替差益計上も寄与して経常利益と純利益は増益だった。

 品目別売上高を見ると、DSS事業は41億08百万円で同6.1%増収だった。自動車関連の電池向けなどが好調で、欧州・ロシア向けも増加した。MES事業は9億54百万円で同9.9%減収だった。プラント向け地震監視装置は順調だったが、震災後の火力発電所向け振動監視装置の需要が一巡して大型案件が減少した。TSS事業は10億56百万円で同8.9%増収だった。自動車業界のHV・EV関連、建機関連、鉄道車両用機器関連が好調だった。

 今期(14年9月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比14.4%増の70億円、営業利益が同8.1%増の7億円、経常利益が同3.6%減の7億円、純利益が同4.2%減の4億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間5円(期末一括)とした。

 自動車関連を中心に受注が好調であり、海外展開強化に伴う人件費の増加、成長に向けた設備・研究開発投資の増加、減価償却費の増加などを吸収する。重点戦略の海外展開に関しては、DSS事業でイギリスでのノックダウン生産開始を予定し、米国市場にも進出する計画だ。MES事業では地震頻度の高いフィリピンやトルコへ進出する方針だ。海外展開の加速で中期成長に対する期待が高まる。

 株価の動きを見ると、7月の高値438円から反落して調整局面のようだ。反落後の380円〜400円近辺のモミ合い展開から下放れの形となり、11月22日には321円まで調整する場面があった。ただし300円台割れの6月安値圏まで下押す動きは見られず、すぐに切り返して350円〜360円近辺まで戻している。短期調整が一巡した可能性があるだろう。

 11月28日の終値350円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円31銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS188円83銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャート見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線が接近して反発の形となった。エコカー関連や防災・減災関連のテーマ性も支援材料であり、調整が一巡して出直るタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは戻り高値圏でモミ合い煮詰まる、100円高の可能性

 カーテンレールやブラインド大手のトーソー<5956>(東2)の株価はモミ合い展開だが、戻り高値圏で堅調に推移している。好業績を評価する動きに変化はないだろう。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略としては、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅物件の獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。

 今期(14年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比5.1%増の235億円、営業利益が同47.5%増の13億円、経常利益が同39.2%増の12億円、純利益が同58.5%増の6億50百万円としている。新設住宅着工件数や住宅リフォーム需要が高水準に推移し、省エネ意識の高まりも背景に、室内装飾関連事業で遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移して、配送費、人件費、販売促進費などの増加を吸収する。高付加価値製品の好調、新製品の積極投入、さらに営業強化策の効果で好業績が期待される。

 株価の動きを見ると、8月下旬以降は戻り高値圏の概ね480円〜490円近辺で堅調に推移している。500円近辺で上値が重い形だが、下押す動きも見られない。好業績を評価する動きに変化はないだろう。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 11月28日の終値484円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円48銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると500円近辺でやや上値が重くなっているが、13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調に変化はなく、今期好業績や指標面の割安感を評価して、5月の高値549円を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:44 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船は狙い場、今期再増額の可能性、海洋資源開発関

 川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は、急騰して付けた11月11日の高値から一旦反落したが、下値切り上げの動きが続いている。今期業績再増額の可能性、海洋資源開発・洋上風力発電関連のテーマ性、指標面の割安感が支援材料だ。強基調に変化はなく上値を試す流れだろう。

 石炭・木材・鋼材などの輸送が主力の近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品などの輸送やフェリー輸送が主力の内航部門を展開している。13年5月に発表した中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を目標値として掲げている。

 新規分野として、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。8月にオフショア・オペレーションと業務提携し、10月には両社均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。海洋開発に関わる本格的な海洋作業支援船運航業務を展開する。設立と同時に、最新鋭のアンカー・ハンドリング・タグ・サプライ(AHTS)を16年2月竣工ベースで新造発注した。

 今期(14年3月期)連結業績見通し(10月31日に増額修正)は売上高が前期比6.2%増の451億円、営業利益が同5.0%増の18億50百万円、経常利益が同9.3%増の18億円、純利益が同7.3%増の11億50百万円としている。セメント・石灰石・石炭などの輸送が高水準に推移して、燃料価格上昇などのコストアップ要因を吸収する。第3四半期(10月〜12月)以降の前提条件は1米ドル=100円、燃料のC重油価格7万5600円/KLとしている。

 第2四半期累計(4月〜9月)が大幅増益となり、通期見通しに対する進捗率も売上高が50.2%、営業利益が68.2%、経常利益が69.3%、純利益が73.1%と高水準である。公共投資増加や景気回復などでセメント、鋼材、石灰石、石炭などの輸送量は高水準推移が予想されるため、通期再増額の可能性があるだろう。

 株価の動きを見ると、今期増額修正も好感して11月11日に年初来高値となる347円まで急伸する場面があった。その後一旦反落して290円台まで調整したが、足元では300円台に戻して下値切り上げの動きが続いている。好業績を評価する動きに変化はないようだ。

 11月28日の終値302円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円17銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は3.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。依然として指標面の割安感が強いことも支援材料であり上値を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は見直し場面が接近、良好な事業環境で好業績、中段保合い上放れへ

 建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は急伸後の反動調整局面だが、建設ビッグプロジェクトが目白押しという良好な事業環境を背景に好業績が予想され、強基調に変化はなく短期調整一巡後に上値を試す流れだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機となりそうだ。

 総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する。さらに農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアを13年9月に立ち上げた。

 今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。第3四半期累計(1月〜9月)は、受注高が前年同期比21.5%増と好調に推移して大幅増益となり、通期見通しに対する業績進捗率も売上高が74.3%、営業利益が88.1%、経常利益が85.9%、純利益が93.3%と高水準だった。通期増額の可能性が高く、来期(14年12月期)も公共投資増加を追い風に良好な事業環境が続き、好業績が予想される。

 株価の動きを見ると、10月中旬に動意付いて800円近辺から10月25日の年初来高値1010円まで上伸した。その後は急伸の反動調整局面のようだが、急伸前水準まで下押すことなく、900円近辺で推移している。好業績を評価する動きだろう。

 11月28日の終値900円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって、水準切り上げの動きが続いている。強基調に変化はなく、短期調整一巡後に上値を試す流れだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機となりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:34 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】京写は水準切り上げて8月の戻り高値に接近、出直り歩調

 プリント配線板大手の京写<6837>(JQS)の株価は、着実に水準を切り上げて8月の戻り高値に接近している。今期(14年3月期)好業績見通しや指標面の割安感も支援材料として出直り歩調だろう。

 生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。中期経営計画では16年3月期売上高200億円、営業利益率6%、ROE15%以上、ROA6%以上を目標としている。重点戦略としては、LED照明関連など環境対応製品の強化、片面配線板分野での圧倒的市場シェアの獲得、海外生産の拡大、コスト低減による収益力強化、新製品PALAPなど新規事業の確立を掲げている。

 今期連結業績見通し(10月23日に経常利益と純利益を増額修正)は売上高が前期比10.1%増の165億円、営業利益が同35.5%増の7億50百万円、経常利益が同13.5%増の7億50百万円、純利益が同67.5%増の5億30百万円としている。

 期後半に向けて家電関連の需要が回復傾向を強め、自動車関連では下期から新製品の供給も開始する。増収効果、コスト削減効果、円安効果などで大幅営業増益見込みであり、純利益は固定資産減損損失一巡も寄与する。通期見通しに対する第2四半期累計(4月〜9月)の進捗率は売上高が47.8%、営業利益が43.5%、経常利益が48.4%、純利益が53.6%であり、概ね順調な水準だろう。

 株価の動きを見ると、8月28日の安値214円をボトムとして下値切り上げの展開が続いている。そして11月25日には271円まで上伸して、8月の戻り高値281円に接近する場面があった。今期好業績見通しを評価して出直り歩調のようだ。

 11月28日の終値261円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円98銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS266円28銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると着実に下値を切り上げる展開で、13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。強基調へ転換する動きを強めており、8月の戻り高値を上抜けば上げ足に弾みがつきそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:12 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フライトホールディングスは急騰の調整一巡、再度、急伸へ

 システム開発のフライトホールディングス<3753>(東マ)の株価が急騰した。目先的には乱高下の展開となりそうだが、収益改善を評価する流れに変化はないだろう。

 フライトシステムコンサルティング(旧)が13年10月1日付で持株会社に移行してフライトホールディングスに商号変更した。事業承継した子会社フライトシステムコンサルティング(新)が、システム開発などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業と電子決済ソリューションなどのサービス事業を展開し、スマートフォンを利用した法人向けソリューションの強化、電子決済ソリューションの新製品投入、プロジェクト管理徹底などで収益改善に取り組んでいる。

 11月7日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の業績(非連結)(10月15日に増額修正)は、売上高が前年同期比3.0倍の10億88百万円、営業利益が1億55百万円(前年同期は1億16百万円の赤字)、経常利益が1億37百万円(同1億23百万円の赤字)、純利益が1億38百万円(同1億24百万円の赤字)だった。

 セグメント別に見るとC&S事業は売上高が3億06百万円で同10.3%減収だったが、サービス事業の売上高が7億82百万円で同39倍増と急増した。新製品のマルチ電子決済端末「インクレディスト」の大型案件を納入し、営業損益も黒字化した。

 通期の見通しについては10月1日付の持株会社移行に伴い、従来の非連結ベース見通しを10月15日に連結ベース見通しに変更して、売上高が19億円〜20億円(前期の非連結は9億96百万円)、営業利益が1億15百万円〜1億65百万円(同1億36百万円の赤字)、経常利益が1億円〜1億50百万円(同1億83百万円の赤字)、純利益が94百万円〜1億40百万円(同2億05百万円の赤字)とした。

 新製品のマルチ電子決済端末「インクレディスト」の大型案件が寄与して収益が大幅に改善する見込みだ。通期見通し上限値に対する非連結ベースの第2四半期累計の進捗率は、売上高が54.4%、営業利益が93.9%、経常利益が91.3%、純利益が98.6%と高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。

 株価の動き(10月1日付で株式100分割)を見ると、10月15日の第2四半期累計業績の増額修正、そして11月7日の第2四半期累計の業績発表を好感して動意付き急騰した。発表前の10月11日終値451円から10月28日の756円まで急伸し、その後一旦反落したが、11月7日終値638円から11月26日には3920円まで急騰する場面があった。さすがに過熱感が強く、11月28日は2650円まで急反落して乱高下する展開だ。

 11月27日の終値2150円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の上限値のEPS16円51銭で算出)は148倍近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮したBPS14円62銭で算出)は168倍近辺である。目先的には過熱感が強く乱高下の展開となりそうだが、収益改善を評価する流れに変化はないだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:06 | アナリスト水田雅展の銘柄分析