ユーグレナ<2931>(東マ)の株価は軟調展開だったが、3月4日にはジェット燃料を材料視して動意付いた。1000円近辺で下値を確認した形であり、中期成長力も評価して反発局面だろう。
59種類の豊富な栄養素を有する微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)の食品用途屋外大量培養をコア技術として、ユーグレナを利用したバイオジェット燃料やバイオフィルムなど関連分野への研究開発も進めている。13年3月にユーグレナ粉末受託生産と微細藻類クロレラ生産の八重山殖産、13年11月にバイオベンチャーの植物ハイテック研究所を子会社化した。
ユーグレナを活用して「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価の高い分野から参入する「バイオマスの5F」を基本戦略としている。現在は機能性食品や化粧品を製造販売するヘルスケア事業(OEM供給、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」直販など)で安定的キャッシュフローを創出しながら、バイオジェット燃料などエネルギー・環境事業への投資を進めている。エネルギー・環境事業のバイオジェット燃料は18年の低コスト生産技術確立と20年の実用化を目指している。
13年11月発表の中期経営計画では、18年までにユーグレナの食品国内市場300億円規模、国内ヘルスケア事業の売上高150億円、営業利益30億円以上、ユーグレナの食品海外市場300億円規模を目指している。ヘルスケア事業では、13年12月にユーグレナを活用したペット用食品(ドッグフード)分野に参入し、14年3月からスキンケアシリーズ「B.C.A.D.(ビー・シー・エー・ディー)」で自社ブランド化粧品事業を開始する。海外は、中国で「新食品原料」登録を取得したため伊藤忠商事<8001>との連携で拡販を強化する。またユーグレナとクロレラがイスラム教のハラール認証を取得したため、60兆円と推測されるハラール食品市場への輸出も可能になった。
なお2月14日には、佐賀市と「藻類培養に関する共同研究」についての契約締結を発表した。佐賀市の施設から生じるバイオマス資源等を活用して、ミドリムシなど藻類培養技術の検討およびコスト評価を行う予定としている。
2月13日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は売上高が7億円、営業利益が41百万円、経常利益が15百万円、純利益が6百万円だった。営業外費用では一般募集による新株式発行に伴う株式交付費29百万円を計上した。単純比較はできないが前年同期の非連結業績との比較で見ると80.2%増収、95.0%営業増益、15.7%経常減益だった。
セグメント別に見ると、ヘルスケア事業は売上高が6億99百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1億55百万円だった。高利益率の自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での自社製品販売を強化して安定収益源となった。エネルギー・環境事業は売上高が受託研究の1百万円、営業利益が30百万円の赤字だった。
通期見通しは前回予想(11月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比48.8%増の31億13百万円、営業利益が同横ばいの1億76百万円、経常利益が同9.0%減の2億40百万円、純利益は負ののれん発生益が一巡して同70.1%減の1億44百万円としている。今期は売上総利益増加分を中期成長に向けた先行投資として、広告宣伝費や研究開発費に充当する方針のため営業利益は横ばいだが、収益性の高い自社ECサイト直販での購入者数が増加基調であり、全体収益を牽引する。
株価の動きを見ると徐々に上値を切り下げる展開となり、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響も受けて、2月4日に昨年4月以来の安値水準となる935円まで急落する場面があった。直後に1200円台まで一旦反発した後は再び水準を切り下げる形だったが、3月4日に動意付いて前日比293円(28.9%)高の1306円まで急反発する場面があった。ジェット燃料を材料視したようだ。3月4日の終値は1152円だった。週足チャートで見ると3月4日の急反発によって1000円近辺で下値支持線を形成した形だ。中期成長力に変化はなく、下値を確認して反発展開だろう。
●[アナリスト銘柄分析]の記事一覧
(ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナはジェット燃料材料視し動意、下値確認で反発局面
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本アジアグループは収益改善等を見直して反発のタイミング
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ダイキアクシスは切り返しの動き、好業績や割安感を評価
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】京写は反発のタイミング、好業績や低PERが支援材料
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】久世は売り一巡感、低PERと低PBRを見直して出直り展開
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルコニックスは割安感見直す流れに変化なく押し目買い好機
(03/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】IMVは切り返して1月戻り高値に接近、エコカー関連等支援材料
(03/04)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマンは高値更新の動き、足元の反落局面は押し目買い好機
(03/04)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】資生堂は収益改善を評価する流れに変化なく上値追い
(03/04)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サンコーテクノは中期的に事業環境良好、押し目買い好機
(03/04)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートの足元の調整局面は押し目買い好機
(03/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】三洋貿易は好業績や割安感を評価する流れに変化なし
(03/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは悪材料続いたが売られ過ぎ感、調整の最終局面
(03/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは低PBRを評価してモミ合い上放れのタイミング接近
(03/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゼリア新薬工業は売られ過ぎ感、好業績に変化なし
(03/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】陽光都市開発は収益基盤着実に改善、動意の可能性
(03/02)【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】週末7日に米2月雇用統計、ウクライナ情勢も警戒してリスク回避の動きを強める可能性も
(02/28)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは足元の調整局面は押し目買いの好機
(02/28)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは軟調展開だが売られ過ぎ
(02/28)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は1月高値後の調整局面は押し目買い好機
(ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)




















2014年03月05日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナはジェット燃料材料視し動意、下値確認で反発局面
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本アジアグループは収益改善等を見直して反発のタイミング
社会インフラ関連やメガソーラー関連の日本アジアグループ<3751>(東マ)の株価は軟調展開だが、収益改善基調に見直し余地が大きく、売り一巡して反発のタイミングだろう。多彩なテーマ性も支援材料だ。
インフラ・環境・エネルギーにグループ経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業の防災・減災・社会インフラ関連事業)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水保全コンサルティング、戸建住宅・不動産関連、太陽光発電施設設計施工など)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・運営・売電)、ファイナンシャルサービス事業(日本アジア証券など)を展開している。
震災復興・防災・減災・社会インフラ更新関連、メガソーラー関連、環境・エネルギー関連などテーマ性は多彩である。傘下の国際航業は上下水道分野で13年6月にメタウォーター、13年11月に水道機工<6403>と業務提携し、14年2月にはAMEC Asiaと業務提携して除染業務おける放射線計測技術を強化した。
2月13日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比19.8%増の483億68百万円、営業利益が14億38百万円(前年同期は17億64百万円の赤字)、経常利益が12億33百万円(同24億66百万円の赤字)、純利益が5億47百万円(同24億30百万円の赤字)だった。増収効果や生産性向上効果で営業損益が大幅に改善し、営業外収益での為替差益なども寄与した。
セグメント別に見ると空間情報コンサルティング事業は公共投資増加を背景に同11.6%増収、グリーンプロパティ事業は同12.3%増収、グリーンエネルギー事業はメガソーラーの開発進展で同2.1倍増収、ファイナンシャルサービス事業は国内外の株式市場の活況で同65.4%増収となり、営業損益面では空間情報コンサルティング事業とファイナンシャルサービス事業の大幅改善が牽引した。
第3四半期累計時点での国内太陽光発電事業に関する進捗状況は、売電事業が稼働・竣工16.0MW、案件確保84.5MW、交渉中396.0MW、開発・運営受託事業が稼働・竣工13.9MW、案件確保45.7MW、交渉中28.9MWとしている。
通期見通し(11月12日に売上高と営業利益を増額修正、経常利益と純利益を開示)については2月13日に売上高、営業利益、経常利益を増額修正した。売上高は10億円増額して前期比14.9%増の740億円、営業利益は6億円増額して同2.5倍の38億円、経常利益は6億円増額して同3.9倍の26億円、純利益は据え置いて同44.5%増の15億円とした。空間情報コンサルティング事業の受注拡大と生産性向上、ファイナンシャルサービス事業の収益拡大が牽引して前回予想を上回る。純利益については法人税負担や特別損益の影響を精査中のため据え置いた。
第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造を考慮すれば、通期営業利益は3回目の増額の可能性があるだろう。空間情報コンサルティング事業は防災関連の公共投資増加が追い風であり、グリーンエネルギー事業はメガソーラー開発・運営の積み上げで国内売電収入の拡大期入りが接近している。中期的に良好な事業環境を背景に収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、戻り高値圏900円台から反落後は水準切り下げの展開となり、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月4日に474円まで急落する場面があった。その後は2月7日に671円、そして2月24日に678円まで戻す場面があったが、やや上値が重く足元ではウクライナ情勢緊迫化の影響で500円台に水準を切り下げた。ただし2月安値まで下押す動きは見られない。
3月4日の終値580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円35銭で算出)は10倍近辺、実績PBR(前期実績に株式10分割を考慮した連結BPS744円59銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形となったが、週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。収益改善基調に見直し余地が大きく、指標面には割安感も台頭している。売り一巡して反発のタイミングだろう。
>>日本アジアグループのMedia−IR企業情報
インフラ・環境・エネルギーにグループ経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業の防災・減災・社会インフラ関連事業)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水保全コンサルティング、戸建住宅・不動産関連、太陽光発電施設設計施工など)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・運営・売電)、ファイナンシャルサービス事業(日本アジア証券など)を展開している。
震災復興・防災・減災・社会インフラ更新関連、メガソーラー関連、環境・エネルギー関連などテーマ性は多彩である。傘下の国際航業は上下水道分野で13年6月にメタウォーター、13年11月に水道機工<6403>と業務提携し、14年2月にはAMEC Asiaと業務提携して除染業務おける放射線計測技術を強化した。
2月13日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比19.8%増の483億68百万円、営業利益が14億38百万円(前年同期は17億64百万円の赤字)、経常利益が12億33百万円(同24億66百万円の赤字)、純利益が5億47百万円(同24億30百万円の赤字)だった。増収効果や生産性向上効果で営業損益が大幅に改善し、営業外収益での為替差益なども寄与した。
セグメント別に見ると空間情報コンサルティング事業は公共投資増加を背景に同11.6%増収、グリーンプロパティ事業は同12.3%増収、グリーンエネルギー事業はメガソーラーの開発進展で同2.1倍増収、ファイナンシャルサービス事業は国内外の株式市場の活況で同65.4%増収となり、営業損益面では空間情報コンサルティング事業とファイナンシャルサービス事業の大幅改善が牽引した。
第3四半期累計時点での国内太陽光発電事業に関する進捗状況は、売電事業が稼働・竣工16.0MW、案件確保84.5MW、交渉中396.0MW、開発・運営受託事業が稼働・竣工13.9MW、案件確保45.7MW、交渉中28.9MWとしている。
通期見通し(11月12日に売上高と営業利益を増額修正、経常利益と純利益を開示)については2月13日に売上高、営業利益、経常利益を増額修正した。売上高は10億円増額して前期比14.9%増の740億円、営業利益は6億円増額して同2.5倍の38億円、経常利益は6億円増額して同3.9倍の26億円、純利益は据え置いて同44.5%増の15億円とした。空間情報コンサルティング事業の受注拡大と生産性向上、ファイナンシャルサービス事業の収益拡大が牽引して前回予想を上回る。純利益については法人税負担や特別損益の影響を精査中のため据え置いた。
第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造を考慮すれば、通期営業利益は3回目の増額の可能性があるだろう。空間情報コンサルティング事業は防災関連の公共投資増加が追い風であり、グリーンエネルギー事業はメガソーラー開発・運営の積み上げで国内売電収入の拡大期入りが接近している。中期的に良好な事業環境を背景に収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、戻り高値圏900円台から反落後は水準切り下げの展開となり、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月4日に474円まで急落する場面があった。その後は2月7日に671円、そして2月24日に678円まで戻す場面があったが、やや上値が重く足元ではウクライナ情勢緊迫化の影響で500円台に水準を切り下げた。ただし2月安値まで下押す動きは見られない。
3月4日の終値580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円35銭で算出)は10倍近辺、実績PBR(前期実績に株式10分割を考慮した連結BPS744円59銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形となったが、週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。収益改善基調に見直し余地が大きく、指標面には割安感も台頭している。売り一巡して反発のタイミングだろう。
>>日本アジアグループのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:20
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ダイキアクシスは切り返しの動き、好業績や割安感を評価
家庭用合併処理浄化槽など「水」に係る事業を軸とするダイキアクシス<4245>(東2)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から急反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。好業績や指標面の割安感を評価して高値を目指す展開だろう。
05年7月、ダイキ(現DCMホールディングス<3050>創業時の水回り事業を継承して設立し、13年12月東証2部市場に新規上場した。環境機器関連事業(家庭用合併処理浄化槽、排水処理システム、中水道システム、地下水飲料化の上水事業)と、住宅機器関連事業(住宅関連商材、公共施設商材、外壁工事他)を2本柱として、その他事業(クリクラ事業、バイオディーゼル燃料事業、ペット関連商品、小型風力発電装置事業)を展開し、M&Aも積極活用している。
環境機器関連事業は、設計・製造・施工・販売・メンテナンス・分析までの一貫体制に強みを持ち、国内は埼玉県、千葉県、静岡県など浄化槽の需要の多い地域で営業を強化している。さらに成長分野として上水事業、温度差エネルギー設備事業、バイオディーゼル燃料事業、食品廃棄物のバイオガス化事業なども強化している。住宅機器関連事業は近畿・中国・四国地域に展開し、住宅関連商材はTOTO<5332>の特約店である。海外は工場排水や商業排水から手掛け、その後家庭用浄化槽に展開する計画で、中国とインドネシアにおいて排水処理関連装置の販売・施工・維持管理事業を展開している。
2月13日に発表した前期(13年12月期)連結業績は、売上高が前々期比13.1%増の307億53百万円、営業利益が同56.1%増の5億29百万円、経常利益が同21.9%増の6億88百万円、純利益が同86.0%増の4億03百万円だった。主力製品が好調に推移し、増収効果で販管費の増加や上場関連費用などを吸収して大幅増益だった。
セグメント別に見ると、環境機器関連は新製品投入などで小型合併浄化槽の販売台数が増加して同14.7%増収、同49.0%営業増益だった。住宅機器関連は集合住宅案件の受注増などで同12.3%増収、同10.7%営業増益だった。消費増税前の駆け込み需要も寄与したようだ。その他はクリクラ事業が好調だったが、バイオディーゼル燃料事業がやや低調で同4.4%減収、同0.1%営業減益だった。
今期(14年12月期)連結業績見通しについては売上高が前期比2.8%増の316億円、営業利益が同34.2%増の7億10百万円、経常利益が同16.2%増の8億円、そして純利益が同16.5%増の4億70百万円としている。環境機器関連の主力製品の好調が牽引して増収増見込みだ。上場関連費用の一巡も寄与する。なお配当予想は同5円増配の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。
セグメント別の計画を見ると、環境機器関連は小型合併浄化槽の好調にインドネシア子会社の連結開始も寄与して同10.7%増収、同29.0%営業増益の見込みだ。住宅機器関連は大型案件を見込まず、消費増税の影響も考慮して同6.8%減収、同37.0%営業減益の計画だ。その他事業は、バイオディーゼル燃料事業の回復や小型風力発電装置の販売開始などで同40.3%増収だが、同31.7%営業減益の見込みとしている。
株価の動き(13年12月公開価格1300円に対して初値1351円)を見ると、上場直後のモミ合いから上放れる形で1月23日に上場来高値となる1520円まで上伸したが、利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日の1120円まで調整した。ただし2月4日安値をボトムとして切り返しの動きとなり、足元では1300円台に戻している。
3月4日の終値1343円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS151円51銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1668円36銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して上伸している。強基調に転換した形であり、好業績や指標面の割安感を評価して高値を目指す展開だろう。
05年7月、ダイキ(現DCMホールディングス<3050>創業時の水回り事業を継承して設立し、13年12月東証2部市場に新規上場した。環境機器関連事業(家庭用合併処理浄化槽、排水処理システム、中水道システム、地下水飲料化の上水事業)と、住宅機器関連事業(住宅関連商材、公共施設商材、外壁工事他)を2本柱として、その他事業(クリクラ事業、バイオディーゼル燃料事業、ペット関連商品、小型風力発電装置事業)を展開し、M&Aも積極活用している。
環境機器関連事業は、設計・製造・施工・販売・メンテナンス・分析までの一貫体制に強みを持ち、国内は埼玉県、千葉県、静岡県など浄化槽の需要の多い地域で営業を強化している。さらに成長分野として上水事業、温度差エネルギー設備事業、バイオディーゼル燃料事業、食品廃棄物のバイオガス化事業なども強化している。住宅機器関連事業は近畿・中国・四国地域に展開し、住宅関連商材はTOTO<5332>の特約店である。海外は工場排水や商業排水から手掛け、その後家庭用浄化槽に展開する計画で、中国とインドネシアにおいて排水処理関連装置の販売・施工・維持管理事業を展開している。
2月13日に発表した前期(13年12月期)連結業績は、売上高が前々期比13.1%増の307億53百万円、営業利益が同56.1%増の5億29百万円、経常利益が同21.9%増の6億88百万円、純利益が同86.0%増の4億03百万円だった。主力製品が好調に推移し、増収効果で販管費の増加や上場関連費用などを吸収して大幅増益だった。
セグメント別に見ると、環境機器関連は新製品投入などで小型合併浄化槽の販売台数が増加して同14.7%増収、同49.0%営業増益だった。住宅機器関連は集合住宅案件の受注増などで同12.3%増収、同10.7%営業増益だった。消費増税前の駆け込み需要も寄与したようだ。その他はクリクラ事業が好調だったが、バイオディーゼル燃料事業がやや低調で同4.4%減収、同0.1%営業減益だった。
今期(14年12月期)連結業績見通しについては売上高が前期比2.8%増の316億円、営業利益が同34.2%増の7億10百万円、経常利益が同16.2%増の8億円、そして純利益が同16.5%増の4億70百万円としている。環境機器関連の主力製品の好調が牽引して増収増見込みだ。上場関連費用の一巡も寄与する。なお配当予想は同5円増配の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。
セグメント別の計画を見ると、環境機器関連は小型合併浄化槽の好調にインドネシア子会社の連結開始も寄与して同10.7%増収、同29.0%営業増益の見込みだ。住宅機器関連は大型案件を見込まず、消費増税の影響も考慮して同6.8%減収、同37.0%営業減益の計画だ。その他事業は、バイオディーゼル燃料事業の回復や小型風力発電装置の販売開始などで同40.3%増収だが、同31.7%営業減益の見込みとしている。
株価の動き(13年12月公開価格1300円に対して初値1351円)を見ると、上場直後のモミ合いから上放れる形で1月23日に上場来高値となる1520円まで上伸したが、利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日の1120円まで調整した。ただし2月4日安値をボトムとして切り返しの動きとなり、足元では1300円台に戻している。
3月4日の終値1343円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS151円51銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1668円36銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して上伸している。強基調に転換した形であり、好業績や指標面の割安感を評価して高値を目指す展開だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:16
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】京写は反発のタイミング、好業績や低PERが支援材料
プリント配線板大手の京写<6837>(JQS)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月の戻り高値圏から急反落したが、売り一巡して反発のタイミングだろう。好業績や予想PERの割安感が支援材料だ。
生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。中期経営計画では重点戦略としてLED照明関連など環境対応製品の強化、片面配線板分野での圧倒的市場シェアの獲得、海外生産の拡大、コスト低減による収益力強化、新製品PALAPなど新規事業の確立を掲げている。目標数値は16年3月期売上高200億円、営業利益率6%、ROE15%以上、ROA6%以上を掲げている。
今期(14年3月期)連結業績見通しは前回予想(10月23日に経常利益と純利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比10.1%増の165億円、営業利益が同35.5%増の7億50百万円、経常利益が同13.5%増の7億50百万円、純利益が同67.5%増の5億30百万円としている。片面プリント配線板の需要が好調であり、コスト低減効果や下期から供給開始する自動車関連の新製品も寄与する。家電製品関連の需要も回復傾向だ。
第3四半期累計(4月〜12月)は負ののれん減少で経常減益だったが、片面プリント配線板の国内外での好調が牽引して増収営業増益となり、通期見通しに対する進捗率も売上高が73.0%、営業利益が74.7%、経常利益が76.5%、純利益が71.7%と概ね順調な水準である。通期の想定為替レートは1米ドル=97円と保守的であり好業績が期待される。
株価の動きを見ると、1月6日と1月21日に戻り高値となる348円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日に254円まで下押す場面があった。ただし売り一巡後は概ね280円〜300円近辺で推移している。足元はウクライナ情勢緊迫化でリスク回避の動きを強めたが、2月安値まで下押す動きは見られなかった。
3月4日の終値274円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円98銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS266円28銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋りの動きを強めている。予想PERの割安感も支援材料であり、売り一巡して反発のタイミングだろう。
>>京写のMedia−IR企業情報
生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。中期経営計画では重点戦略としてLED照明関連など環境対応製品の強化、片面配線板分野での圧倒的市場シェアの獲得、海外生産の拡大、コスト低減による収益力強化、新製品PALAPなど新規事業の確立を掲げている。目標数値は16年3月期売上高200億円、営業利益率6%、ROE15%以上、ROA6%以上を掲げている。
今期(14年3月期)連結業績見通しは前回予想(10月23日に経常利益と純利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比10.1%増の165億円、営業利益が同35.5%増の7億50百万円、経常利益が同13.5%増の7億50百万円、純利益が同67.5%増の5億30百万円としている。片面プリント配線板の需要が好調であり、コスト低減効果や下期から供給開始する自動車関連の新製品も寄与する。家電製品関連の需要も回復傾向だ。
第3四半期累計(4月〜12月)は負ののれん減少で経常減益だったが、片面プリント配線板の国内外での好調が牽引して増収営業増益となり、通期見通しに対する進捗率も売上高が73.0%、営業利益が74.7%、経常利益が76.5%、純利益が71.7%と概ね順調な水準である。通期の想定為替レートは1米ドル=97円と保守的であり好業績が期待される。
株価の動きを見ると、1月6日と1月21日に戻り高値となる348円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日に254円まで下押す場面があった。ただし売り一巡後は概ね280円〜300円近辺で推移している。足元はウクライナ情勢緊迫化でリスク回避の動きを強めたが、2月安値まで下押す動きは見られなかった。
3月4日の終値274円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円98銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS266円28銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋りの動きを強めている。予想PERの割安感も支援材料であり、売り一巡して反発のタイミングだろう。
>>京写のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:12
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】久世は売り一巡感、低PERと低PBRを見直して出直り展開
業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価は1月高値から急反落したが、足元では売り一巡感を強めている。低PERと低PBRを見直して出直り展開だろう。
首都圏を地盤として、ファーストフード・ファミレス・カフェ、居酒屋・パブ、ディナーレストラン・ホテル・会館、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングなど外食・中食産業向けに業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンも主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。
中期経営計画では創業85周年の20年3月期売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大、全国物流ネットワークの強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、海外事業の基盤確立などを掲げ、中国・成都の子会社は来期(15年3月期)単年度黒字化の見込みだ。
M&Aやアライアンス戦略も活用し、中京圏では12年6月に酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携して販路を拡大している。14年1月には水産物取引強化を目的として、水産物中卸会社の旭水産の全株式を取得して子会社化(株式引渡実行日は4月1日予定)すると発表した。旭水産は高級飲食店に対する販売比率が高いことを特徴としている。
2月13日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比11.5%増収、同81.2%営業減益、同54.9%経常減益、同59.4%最終減益だった。新規顧客獲得なども寄与して2桁増収だったが、円安に伴う商品仕入価格上昇、物流費や人件費の増加などで減益だった。主要セグメントの状況を見ると、食材卸売事業は同11.2%増収、同53.4%営業減益、食材製造事業は同15.1%増収、同18.1%営業増益だった。
通期の見通しは前回予想(5月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得が牽引する。円安に伴う商品仕入価格上昇などで下振れに注意が必要となるが、販売価格転嫁や代替商品提案による粗利益率改善、新システム導入による物流効率化などを推進している。下期には営業外収益の増加も期待される。
株価の動きを見ると、年初に750円近辺の上値フシを突破して水準を切り上げ、1月30日には旭水産を子会社化するとの発表を好感して昨年来高値となる927円まで急進する場面が合った。その後は第3四半期累計業績を嫌気する形で2月19日に700円まで調整したが、足元では750円近辺まで戻している。
3月4日の終値743円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると1月高値で上ヒゲを付けて急反落したが、52週移動平均線近辺から反発して26週移動平均線を回復する動きを強めている。低PERや低PBRに見直し余地があり、売り一巡して出直り展開だろう。
首都圏を地盤として、ファーストフード・ファミレス・カフェ、居酒屋・パブ、ディナーレストラン・ホテル・会館、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングなど外食・中食産業向けに業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンも主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。
中期経営計画では創業85周年の20年3月期売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大、全国物流ネットワークの強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、海外事業の基盤確立などを掲げ、中国・成都の子会社は来期(15年3月期)単年度黒字化の見込みだ。
M&Aやアライアンス戦略も活用し、中京圏では12年6月に酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携して販路を拡大している。14年1月には水産物取引強化を目的として、水産物中卸会社の旭水産の全株式を取得して子会社化(株式引渡実行日は4月1日予定)すると発表した。旭水産は高級飲食店に対する販売比率が高いことを特徴としている。
2月13日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比11.5%増収、同81.2%営業減益、同54.9%経常減益、同59.4%最終減益だった。新規顧客獲得なども寄与して2桁増収だったが、円安に伴う商品仕入価格上昇、物流費や人件費の増加などで減益だった。主要セグメントの状況を見ると、食材卸売事業は同11.2%増収、同53.4%営業減益、食材製造事業は同15.1%増収、同18.1%営業増益だった。
通期の見通しは前回予想(5月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得が牽引する。円安に伴う商品仕入価格上昇などで下振れに注意が必要となるが、販売価格転嫁や代替商品提案による粗利益率改善、新システム導入による物流効率化などを推進している。下期には営業外収益の増加も期待される。
株価の動きを見ると、年初に750円近辺の上値フシを突破して水準を切り上げ、1月30日には旭水産を子会社化するとの発表を好感して昨年来高値となる927円まで急進する場面が合った。その後は第3四半期累計業績を嫌気する形で2月19日に700円まで調整したが、足元では750円近辺まで戻している。
3月4日の終値743円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると1月高値で上ヒゲを付けて急反落したが、52週移動平均線近辺から反発して26週移動平均線を回復する動きを強めている。低PERや低PBRに見直し余地があり、売り一巡して出直り展開だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:10
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルコニックスは割安感見直す流れに変化なく押し目買い好機
非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は、1月高値から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落したが、下値は限定的のようだ。指標面の割安感を見直す流れに変化はなく押し目買いの好機だろう。
軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。M&A戦略で13年1月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化した。
13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13〜15%程度などを掲げている。重点戦略としては、川上・川中・川下の各分野でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化、日本を経由しない三国間取引の拡大などに取り組む。
2月10日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比6.4%増収、同4.9%営業増益、同1.3%経常増益、同75.4%最終増益だった。自動車関連の好調や新規連結子会社の寄与などで増収増益だった。純利益は負ののれん発生益も寄与した。
セグメント別に見ると軽金属・銅製品事業は国内外で自動車関連素材が堅調に推移し、新規連結も寄与して同18.4%増収、同69.9%増益だった。電子・機能材事業はレアメタル・レアアースの価格下落などで同10.4%減収、同26.7%減益だった。非鉄原料事業は新規連結が寄与して同32.1%増収だったが、円安に伴う輸入アルミ合金塊の仕入コスト上昇で同15.1%減益だった。建設・産業資材事業は公共投資増加や東南アジア向け好調などで同5.8%増収、同67.8%増益だった。
通期見通しは前回予想(10月22日に売上高と営業利益を減額、経常利益を据え置き、純利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期比9.2%増の1800億円、営業利益が同0.4%増の33億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同88.7%増の27億円としている。主力のレアメタル・レアアースの需要・市況は低調だが、自動車部品用アルミ再生魂や空調向け銅管などの需要が好調であり、新規連結も寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が76.2%、営業利益が87.6%、経常利益が81.4%、純利益が91.0%と高水準である。通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、1月21日に昨年来高値2424円を付けたが、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日の2080円まで調整した。しかし切り返しの動きを強めて足元は概ね2200円台で推移している。売り一巡した形だろう。
3月4日の終値2263円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS424円78銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けた。下値は限定的でサポートラインを確認した形のようだ。指標面の割安感を見直す流れに変化はなく押し目買いの好機だろう。
>>アルコニックスのMedia−IR企業情報
軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。M&A戦略で13年1月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化した。
13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13〜15%程度などを掲げている。重点戦略としては、川上・川中・川下の各分野でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化、日本を経由しない三国間取引の拡大などに取り組む。
2月10日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比6.4%増収、同4.9%営業増益、同1.3%経常増益、同75.4%最終増益だった。自動車関連の好調や新規連結子会社の寄与などで増収増益だった。純利益は負ののれん発生益も寄与した。
セグメント別に見ると軽金属・銅製品事業は国内外で自動車関連素材が堅調に推移し、新規連結も寄与して同18.4%増収、同69.9%増益だった。電子・機能材事業はレアメタル・レアアースの価格下落などで同10.4%減収、同26.7%減益だった。非鉄原料事業は新規連結が寄与して同32.1%増収だったが、円安に伴う輸入アルミ合金塊の仕入コスト上昇で同15.1%減益だった。建設・産業資材事業は公共投資増加や東南アジア向け好調などで同5.8%増収、同67.8%増益だった。
通期見通しは前回予想(10月22日に売上高と営業利益を減額、経常利益を据え置き、純利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期比9.2%増の1800億円、営業利益が同0.4%増の33億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同88.7%増の27億円としている。主力のレアメタル・レアアースの需要・市況は低調だが、自動車部品用アルミ再生魂や空調向け銅管などの需要が好調であり、新規連結も寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が76.2%、営業利益が87.6%、経常利益が81.4%、純利益が91.0%と高水準である。通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、1月21日に昨年来高値2424円を付けたが、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日の2080円まで調整した。しかし切り返しの動きを強めて足元は概ね2200円台で推移している。売り一巡した形だろう。
3月4日の終値2263円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS424円78銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けた。下値は限定的でサポートラインを確認した形のようだ。指標面の割安感を見直す流れに変化はなく押し目買いの好機だろう。
>>アルコニックスのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:07
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】IMVは切り返して1月戻り高値に接近、エコカー関連等支援材料
振動試験・計測装置のIMV<7760>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響で水準を切り下げる場面があったが、素早く切り返して1月の戻り高値に接近している。エコカー関連や防災・減災関連などのテーマ性も支援材料であり、1月の戻り高値を試す展開だろう。
振動に係る試験・計測装置や振動問題に対するコンサルティングなど、総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーである。振動シミュレーションシステム(振動試験装置)のDSS事業を主力として、メジャリングシステム(振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置)のMES事業、テスト&ソリューションサービス(振動試験受託)のTSS事業を展開している。
12年12月に新製品の無線型振動計測装置「カードバイブロAir2」を発売し、大手計装システムメーカーと安全計装(監視システム)関連の共同開発も進めている。海外展開を強化する方針で、DSS事業では13年2月にIMVヨーロッパ(英国)を設立し、13年5月に中国・上海の駐在員事務所を開設した。MES事業では地震頻度の高いフィリピンやトルコへ進出する方針だ。海外展開の加速で中期成長に対する期待が高まる。
2月7日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比6.4%減収、同4.7%営業減益、同3.2%経常減益、同9.8%最終減益だった。DSS事業で多軸振動シミュレーションシステムの大型案件が少なかったことなどで減収減益だったが、受注は自動車関連や宇宙航空関連を中心に堅調に推移しているようだ。品目別に見るとDSS事業は同12.8%減収、MES事業は同17.0%減収、TSS事業は同28.6%増収だった。
通期の見通しは前回予想(11月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.4%増の70億円、営業利益が同8.1%増の7億円、経常利益が同3.6%減の7億円、純利益が同4.2%減の4億30百万円としている。品目別に見るとDSS事業は同17.9%増収、MES事業は同4.2%増収、TSS事業は同10.1%増収の計画だ。自動車関連や宇宙航空関連を中心に受注が好調であり、名古屋ラボへの大型試験装置設置も寄与して、海外展開強化に伴う人件費の増加、成長に向けた研究開発投資の増加、減価償却費の増加などを吸収する。
株価の動きを見ると、1月16日の戻り高値409円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げ、2月7日に301円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返しの動きとなり、2月27日には385円まで戻している。
3月4日の終値371円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円31銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS188円83銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復する動きを強めている。強基調に転換して1月戻り高値409円、さらに昨年7月高値438円を目指す展開だろう。
振動に係る試験・計測装置や振動問題に対するコンサルティングなど、総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーである。振動シミュレーションシステム(振動試験装置)のDSS事業を主力として、メジャリングシステム(振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置)のMES事業、テスト&ソリューションサービス(振動試験受託)のTSS事業を展開している。
12年12月に新製品の無線型振動計測装置「カードバイブロAir2」を発売し、大手計装システムメーカーと安全計装(監視システム)関連の共同開発も進めている。海外展開を強化する方針で、DSS事業では13年2月にIMVヨーロッパ(英国)を設立し、13年5月に中国・上海の駐在員事務所を開設した。MES事業では地震頻度の高いフィリピンやトルコへ進出する方針だ。海外展開の加速で中期成長に対する期待が高まる。
2月7日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比6.4%減収、同4.7%営業減益、同3.2%経常減益、同9.8%最終減益だった。DSS事業で多軸振動シミュレーションシステムの大型案件が少なかったことなどで減収減益だったが、受注は自動車関連や宇宙航空関連を中心に堅調に推移しているようだ。品目別に見るとDSS事業は同12.8%減収、MES事業は同17.0%減収、TSS事業は同28.6%増収だった。
通期の見通しは前回予想(11月13日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.4%増の70億円、営業利益が同8.1%増の7億円、経常利益が同3.6%減の7億円、純利益が同4.2%減の4億30百万円としている。品目別に見るとDSS事業は同17.9%増収、MES事業は同4.2%増収、TSS事業は同10.1%増収の計画だ。自動車関連や宇宙航空関連を中心に受注が好調であり、名古屋ラボへの大型試験装置設置も寄与して、海外展開強化に伴う人件費の増加、成長に向けた研究開発投資の増加、減価償却費の増加などを吸収する。
株価の動きを見ると、1月16日の戻り高値409円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げ、2月7日に301円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返しの動きとなり、2月27日には385円まで戻している。
3月4日の終値371円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円31銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS188円83銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復する動きを強めている。強基調に転換して1月戻り高値409円、さらに昨年7月高値438円を目指す展開だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:03
| アナリスト銘柄分析
2014年03月04日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマンは高値更新の動き、足元の反落局面は押し目買い好機
作業服チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価は2月の昨年来高値から一旦反落したが、今期(14年3月期)好業績を評価する流れに変化はなく、足元の反落局面は押し目買いの好機だろう。
ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴であり、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。今期第3四半期累計(4月〜12月)チェーン全店売上高のEDLP商品比率は45.8%で、前年同期に比べて3.2ポイント上昇した。13年12月末時点の店舗数はFC店619店舗、直営店106店舗、合計1都2府36県下に725店舗を展開し、22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。
今期の業績(非連結)見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて、チェーン全店売上高が前期比6.0%増の676億90百万円、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗およびS&B2店舗として出店エリアも拡大する。
新テレビCM放映効果、新規出店効果、EDLP商品の構成比上昇効果、竜王流通センター稼働による西日本エリアの物流効率化効果などで、増収増益見込みである。また通期見通しに対する第3四半期累計(4月〜12月)の進捗率は、売上高が77.5%、営業利益が80.7%、経常利益が80.4%、純利益が75.7%と高水準である。
3月3日発表の月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)動向を見ると、14年2月は全店116.3%、既存店114.1%だった。東日本を中心とする記録的な大雪の影響で雨具類や防寒商品が急伸し、作業関連商品も好調だった。既存店は10月の107.8%大きく上回り今期最も高い伸び率だった。13年4月〜14年2月累計は全店106.4%、既存店104.0%となった。14年1月および2月の好調も考慮すれば通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、2月中旬に4000円近辺の上値フシを突破し、概ね3500円〜4000円近辺のボックスレンジから上放れた。そして2月24日には昨年来高値となる4470円まで上値を伸ばした。その後一旦は反落したが素早く切り返しの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
3月3日の終値4125円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を回復し、日足チャートで見ると足元の反落は25日移動平均線近辺から反発した。強基調への転換を確認して上値追いの展開が期待され、足元の反落局面は押し目買いの好機だろう。
>>ワークマンのMedia−IR企業情報
ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴であり、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。今期第3四半期累計(4月〜12月)チェーン全店売上高のEDLP商品比率は45.8%で、前年同期に比べて3.2ポイント上昇した。13年12月末時点の店舗数はFC店619店舗、直営店106店舗、合計1都2府36県下に725店舗を展開し、22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。
今期の業績(非連結)見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて、チェーン全店売上高が前期比6.0%増の676億90百万円、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗およびS&B2店舗として出店エリアも拡大する。
新テレビCM放映効果、新規出店効果、EDLP商品の構成比上昇効果、竜王流通センター稼働による西日本エリアの物流効率化効果などで、増収増益見込みである。また通期見通しに対する第3四半期累計(4月〜12月)の進捗率は、売上高が77.5%、営業利益が80.7%、経常利益が80.4%、純利益が75.7%と高水準である。
3月3日発表の月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)動向を見ると、14年2月は全店116.3%、既存店114.1%だった。東日本を中心とする記録的な大雪の影響で雨具類や防寒商品が急伸し、作業関連商品も好調だった。既存店は10月の107.8%大きく上回り今期最も高い伸び率だった。13年4月〜14年2月累計は全店106.4%、既存店104.0%となった。14年1月および2月の好調も考慮すれば通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、2月中旬に4000円近辺の上値フシを突破し、概ね3500円〜4000円近辺のボックスレンジから上放れた。そして2月24日には昨年来高値となる4470円まで上値を伸ばした。その後一旦は反落したが素早く切り返しの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
3月3日の終値4125円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を回復し、日足チャートで見ると足元の反落は25日移動平均線近辺から反発した。強基調への転換を確認して上値追いの展開が期待され、足元の反落局面は押し目買いの好機だろう。
>>ワークマンのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】資生堂は収益改善を評価する流れに変化なく上値追い
資生堂<4911>(東1)の株価は1月下旬〜2月上旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して足元では昨年来高値更新の動きとなった。収益改善を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。
中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討する。また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。
なお13年10月にフランス子会社の株式および資産について仏ロレアル社から譲渡提案を受けて交渉していたが、2月19日に「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドの譲渡契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため、来期(15年3月期)に計上予定としている。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月〜3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収する。営業外では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭として、地域別売上高は国内が同1.7%減の3670億円、海外が同25.8%増の3830億円の計画だ。
国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年1月はセルフ化粧品がやや低調だったが、カウンセリング化粧品は「エリクシール」が伸長し、トイレタリーも前年を上回った。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が79.4%、経常利益が80.4%、純利益が88.1%であり、利益面では上振れ余地を残しているようだ。
株価の動きを見ると、昨年10月〜11月の1700円〜1800円近辺でのモミ合いから一旦反落し、1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて1月27日に1557円、2月5日に1555円まで調整する場面があった。しかし2月5日安値から反発してほぼ一本調子の上昇となり、2月25日には1807円を付けて昨年9月1796円を突破した。さらに3月3日には全般軟調地合いの中でも1828円まで上値を伸ばす場面があった。収益改善を評価する動きだろう。
3月3日の終値1823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円69銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、52週移動平均線近辺から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復し、昨年来高値を更新した。強基調への転換を確認して上値追いの展開だろう。
>>資生堂のMedia−IR企業情報
中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討する。また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。
なお13年10月にフランス子会社の株式および資産について仏ロレアル社から譲渡提案を受けて交渉していたが、2月19日に「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドの譲渡契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため、来期(15年3月期)に計上予定としている。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月〜3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収する。営業外では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭として、地域別売上高は国内が同1.7%減の3670億円、海外が同25.8%増の3830億円の計画だ。
国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年1月はセルフ化粧品がやや低調だったが、カウンセリング化粧品は「エリクシール」が伸長し、トイレタリーも前年を上回った。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が79.4%、経常利益が80.4%、純利益が88.1%であり、利益面では上振れ余地を残しているようだ。
株価の動きを見ると、昨年10月〜11月の1700円〜1800円近辺でのモミ合いから一旦反落し、1月下旬〜2月上旬には全般地合い悪化の影響を受けて1月27日に1557円、2月5日に1555円まで調整する場面があった。しかし2月5日安値から反発してほぼ一本調子の上昇となり、2月25日には1807円を付けて昨年9月1796円を突破した。さらに3月3日には全般軟調地合いの中でも1828円まで上値を伸ばす場面があった。収益改善を評価する動きだろう。
3月3日の終値1823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円69銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、52週移動平均線近辺から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復し、昨年来高値を更新した。強基調への転換を確認して上値追いの展開だろう。
>>資生堂のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サンコーテクノは中期的に事業環境良好、押し目買い好機
アンカー大手のサンコーテクノ<3435>(JQS)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から反落したが、中期的に事業環境は良好だ。好業績を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
ファスニング事業(あと施工アンカーなど)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類であり、需要は震災復興・耐震補強工事、老朽化インフラ補修・更新工事など建設工事の増加が追い風となる。太陽光発電関連商材もメガソーラーの増加が追い風だ。
2月14日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比14.5%増収、同55.8%営業増益、同57.0%経常増益、同81.5%最終増益だった。セグメント別に見るとファスニング事業は同12.4%増収、リニューアル事業は同23.4%増収、センサー事業は16.4%増収だった。ファスニング事業であと施工アンカー、リニューアル事業で太陽光発電関連商材など主力製品が好調に推移し、増収効果で大幅増益だった。
通期見通しについては2月14日に増額修正(9月13日に次いで2回目の増額修正)を発表した。売上高は4億20百万円増額して前期比10.9%増の167億60百万円、営業利益は1億80百万円増額して同44.1%増の12億50百万円、経常利益は1億70百万円増額して同42.8%増の12億円、純利益は1億円増額して同60.2%増の7億10百万円とした。あと施工アンカーや太陽光発電関連商材の受注が高水準に推移して、高付加価値製品の好調や販管費の抑制なども寄与する。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.2%、営業利益が85.1%、経常利益が86.7%、純利益が87.2%と高水準である。公共投資関連で第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことを考慮すれば、通期3回目の増額が濃厚だろう。
株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2221円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日に1799円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返して、足元は概ね1900円台で堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。
3月3日の終値1980円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円47銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1757円28銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認して強基調を維持しているようだ。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>サンコーテクノのMedia−IR企業情報
ファスニング事業(あと施工アンカーなど)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類であり、需要は震災復興・耐震補強工事、老朽化インフラ補修・更新工事など建設工事の増加が追い風となる。太陽光発電関連商材もメガソーラーの増加が追い風だ。
2月14日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比14.5%増収、同55.8%営業増益、同57.0%経常増益、同81.5%最終増益だった。セグメント別に見るとファスニング事業は同12.4%増収、リニューアル事業は同23.4%増収、センサー事業は16.4%増収だった。ファスニング事業であと施工アンカー、リニューアル事業で太陽光発電関連商材など主力製品が好調に推移し、増収効果で大幅増益だった。
通期見通しについては2月14日に増額修正(9月13日に次いで2回目の増額修正)を発表した。売上高は4億20百万円増額して前期比10.9%増の167億60百万円、営業利益は1億80百万円増額して同44.1%増の12億50百万円、経常利益は1億70百万円増額して同42.8%増の12億円、純利益は1億円増額して同60.2%増の7億10百万円とした。あと施工アンカーや太陽光発電関連商材の受注が高水準に推移して、高付加価値製品の好調や販管費の抑制なども寄与する。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.2%、営業利益が85.1%、経常利益が86.7%、純利益が87.2%と高水準である。公共投資関連で第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことを考慮すれば、通期3回目の増額が濃厚だろう。
株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2221円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、2月4日に1799円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返して、足元は概ね1900円台で堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。
3月3日の終値1980円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円47銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1757円28銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認して強基調を維持しているようだ。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>サンコーテクノのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートの足元の調整局面は押し目買い好機
EC事業を展開するインフォマート<2492>(東マ)の株価は全般地合い悪化の影響を受けて1月高値から反落したが、中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間電子商取引(BtoB)の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」などを提供し、システム使用料収入が収益柱である。子会社ではクラウドサービス事業(インフォライズ)および海外事業(インフォマートインターナショナル)を展開している。
中期成長に向けては、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォーム提供によるフード業界BtoBの強化、子会社2事業の黒字化に加えて、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」など事業領域を拡大する。アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウスとデータ連携を開始した。
また14年2月には子会社のインフォライズと協同で、国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F−Marketing」を開始した。フード業界関連企業のニーズに応じたWeb広告、マーケティング、ニーズ調査、試作品・新商品評価サービスなどから最適なプランを提案する新しいソリューションサービスとしている。
2月14日に発表した前期(13年12月期)連結業績は売上高が前々期比14.7%増の43億39百万円、営業利益が同34.3%増の10億94百万円、経常利益が同35.8%増の11億07百万円、純利益が同27.1%増の6億31百万円だった。各システムの利用拡大でシステム使用料収入が順調に増加した。次世代プラットフォームのリリースおよび既存プラットフォームの償却期間短縮で減価償却費が増加したが、増収効果で大幅増益となり、利益は計画を上回った。
13年12月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、12年12月末に比べて2723社増加の3万4202社(売り手企業が同2482社増加の2万7257社、買い手企業が同241社増加の6945社)と増加基調である。
今期(14年12月期)連結業績見通しは、売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、純利益が同92.4%増の12億14百万円としている。各システムの利用数増加に伴ってシステム使用料収入が増加基調であり、既存プラットフォームの償却完了に伴う減価償却費減少も寄与して大幅増益見込みだ。
なお配当については個別業績に基づく配当性向50%を基本方針として、今期配当予想については年間19円38銭(第2四半期末9円69銭、期末9円69銭)とした。13年7月1日付けおよび14年1月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比17円63銭の増配となる。
株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2000円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日に1360円、2月17日に1363円、そして2月27日には1390円まで調整する場面があったが、終値では1400円台を維持している。1400円近辺で下値を確認した形だろう。3月3日は軟調地合いの状況でも終値で前日比94円(6.33%)高と続伸した。好業績を評価する動きのようだ。
3月3日の終値1578円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は14倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇チャネルを維持している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>インフォマートのMedia−IR企業情報
フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間電子商取引(BtoB)の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」などを提供し、システム使用料収入が収益柱である。子会社ではクラウドサービス事業(インフォライズ)および海外事業(インフォマートインターナショナル)を展開している。
中期成長に向けては、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォーム提供によるフード業界BtoBの強化、子会社2事業の黒字化に加えて、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」など事業領域を拡大する。アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウスとデータ連携を開始した。
また14年2月には子会社のインフォライズと協同で、国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F−Marketing」を開始した。フード業界関連企業のニーズに応じたWeb広告、マーケティング、ニーズ調査、試作品・新商品評価サービスなどから最適なプランを提案する新しいソリューションサービスとしている。
2月14日に発表した前期(13年12月期)連結業績は売上高が前々期比14.7%増の43億39百万円、営業利益が同34.3%増の10億94百万円、経常利益が同35.8%増の11億07百万円、純利益が同27.1%増の6億31百万円だった。各システムの利用拡大でシステム使用料収入が順調に増加した。次世代プラットフォームのリリースおよび既存プラットフォームの償却期間短縮で減価償却費が増加したが、増収効果で大幅増益となり、利益は計画を上回った。
13年12月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、12年12月末に比べて2723社増加の3万4202社(売り手企業が同2482社増加の2万7257社、買い手企業が同241社増加の6945社)と増加基調である。
今期(14年12月期)連結業績見通しは、売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、純利益が同92.4%増の12億14百万円としている。各システムの利用数増加に伴ってシステム使用料収入が増加基調であり、既存プラットフォームの償却完了に伴う減価償却費減少も寄与して大幅増益見込みだ。
なお配当については個別業績に基づく配当性向50%を基本方針として、今期配当予想については年間19円38銭(第2四半期末9円69銭、期末9円69銭)とした。13年7月1日付けおよび14年1月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比17円63銭の増配となる。
株価の動きを見ると、急伸して付けた1月の高値2000円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で急反落し、2月4日に1360円、2月17日に1363円、そして2月27日には1390円まで調整する場面があったが、終値では1400円台を維持している。1400円近辺で下値を確認した形だろう。3月3日は軟調地合いの状況でも終値で前日比94円(6.33%)高と続伸した。好業績を評価する動きのようだ。
3月3日の終値1578円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は14倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇チャネルを維持している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>インフォマートのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:18
| アナリスト銘柄分析
2014年03月03日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】三洋貿易は好業績や割安感を評価する流れに変化なし
ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易<3176>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響も受けて1月の上場来高値圏から一旦反落したが、12年10月新規上場からの上昇トレンドを維持している。好業績や指標面の割安感を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。3月期末に向けて3%台の配当利回りも注目点だ。
1947年設立で、12年10月東証2部市場に新規上場し、13年10月東証1部市場に指定替えとなった。ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社で、メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営も特徴だ。海外は米国、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナムなどに展開し、13年10月にはメキシコにも現地法人を設立した。
業界別売上構成比は自動車関連が約5割を占め、OA・家電関連、塗料・インキ関連、プラスチック関連などが続いている。自動車関連向けは各種合成ゴム・添加剤の他に、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品のレザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーといった、高付加価値の特殊な部品を主力としていることが特徴だ。また飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。
中期の目標数値として15年9月期売上高610億円、営業利益30億円を掲げ、成長戦略としては自動車関連商材を中心としたグローバル展開の強化に加えて、医薬・医療・バイオなどの生活関連分野、木質バイオマス発電や太陽光発電素材などの環境関連分野、地熱・海洋資源開発などの資源エネルギー関連分野への事業展開にも注力する方針だ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
2月12日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比16.9%増収、同29.3%営業増益、同33.0%経常増益、同38.7%最終増益だった。前年同期は尖閣諸島問題の影響を受けたが、その反動増も寄与して自動車関連が国内外で好調に推移した。円安効果で海外売上高の円換算額も増加した。増収効果で大幅営業増益となり、営業外収益では受取配当金や為替差益の増加、営業外費用では株式公開関連費用の一巡も寄与した。
セグメント別売上高を見ると、ゴム・化学品は自動車関連向け合成ゴムや塗料・インキ関連向け添加剤などが好調で同6.0%増の62億11百万円、機械資材は飼料・環境用ペレットミルなどがやや低調だったが、自動車シート用各種部品や公的研究機関向け各種分析機器などが好調で同31.0%増の34億93百万円、海外現地法人は米国、上海、タイの自動車用シート部品の好調などで同86.1%増の34億08百万円、国内子会社はアロマンの半導体・電子部品関連が低調で同33.4%減の13億25百万円だったが、コスモス商事の掘削用機材は好調だった。
通期の見通しは前回予想(11月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.7%増の555億円、営業利益が同10.6%増の27億円、経常利益が同2.8%増の28億50百万円、純利益が同5.7%増の15億60百万円としている。自動車関連各種合成ゴムやシート用部品の好調が牽引して増収増益見込みだ。セグメント別にはゴム・化学品が同7.4%増収、機械資材が同13.8%増収、海外現地法人が同28.7%増収、国内子会社が同26.5%減収の計画だ。
通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が27.9%、経常利益が31.9%、純利益が31.9%と高水準である。資材・機材セグメントの設備投資関連商材については上期(10月〜3月)の構成比が高くなる傾向があることに加えて、4月からの消費増税の影響が不透明として通期見通しを据え置いているが、上振れの可能性があるだろう。
株価の動き(13年10月、東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、新規上場の12年10月安値427円をボトムとして、適度な自律調整を挟みながら水準を切り上げる展開だ。年初の1月6日には上場来高値となる1000円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で、2月4日に853円まで調整する場面があったが、素早く切り返して900円台を回復している。売り一巡して出直り態勢だろう。
2月28日の終値914円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円56銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は3.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1027円32銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線が目先の戻りを押さえているが、大勢としては26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだろう。3%台の配当利回りなど指標面の割安感も強いだけに押し目買いの好機だろう。
1947年設立で、12年10月東証2部市場に新規上場し、13年10月東証1部市場に指定替えとなった。ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社で、メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営も特徴だ。海外は米国、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナムなどに展開し、13年10月にはメキシコにも現地法人を設立した。
業界別売上構成比は自動車関連が約5割を占め、OA・家電関連、塗料・インキ関連、プラスチック関連などが続いている。自動車関連向けは各種合成ゴム・添加剤の他に、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品のレザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーといった、高付加価値の特殊な部品を主力としていることが特徴だ。また飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。
中期の目標数値として15年9月期売上高610億円、営業利益30億円を掲げ、成長戦略としては自動車関連商材を中心としたグローバル展開の強化に加えて、医薬・医療・バイオなどの生活関連分野、木質バイオマス発電や太陽光発電素材などの環境関連分野、地熱・海洋資源開発などの資源エネルギー関連分野への事業展開にも注力する方針だ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
2月12日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比16.9%増収、同29.3%営業増益、同33.0%経常増益、同38.7%最終増益だった。前年同期は尖閣諸島問題の影響を受けたが、その反動増も寄与して自動車関連が国内外で好調に推移した。円安効果で海外売上高の円換算額も増加した。増収効果で大幅営業増益となり、営業外収益では受取配当金や為替差益の増加、営業外費用では株式公開関連費用の一巡も寄与した。
セグメント別売上高を見ると、ゴム・化学品は自動車関連向け合成ゴムや塗料・インキ関連向け添加剤などが好調で同6.0%増の62億11百万円、機械資材は飼料・環境用ペレットミルなどがやや低調だったが、自動車シート用各種部品や公的研究機関向け各種分析機器などが好調で同31.0%増の34億93百万円、海外現地法人は米国、上海、タイの自動車用シート部品の好調などで同86.1%増の34億08百万円、国内子会社はアロマンの半導体・電子部品関連が低調で同33.4%減の13億25百万円だったが、コスモス商事の掘削用機材は好調だった。
通期の見通しは前回予想(11月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.7%増の555億円、営業利益が同10.6%増の27億円、経常利益が同2.8%増の28億50百万円、純利益が同5.7%増の15億60百万円としている。自動車関連各種合成ゴムやシート用部品の好調が牽引して増収増益見込みだ。セグメント別にはゴム・化学品が同7.4%増収、機械資材が同13.8%増収、海外現地法人が同28.7%増収、国内子会社が同26.5%減収の計画だ。
通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が27.9%、経常利益が31.9%、純利益が31.9%と高水準である。資材・機材セグメントの設備投資関連商材については上期(10月〜3月)の構成比が高くなる傾向があることに加えて、4月からの消費増税の影響が不透明として通期見通しを据え置いているが、上振れの可能性があるだろう。
株価の動き(13年10月、東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、新規上場の12年10月安値427円をボトムとして、適度な自律調整を挟みながら水準を切り上げる展開だ。年初の1月6日には上場来高値となる1000円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響で、2月4日に853円まで調整する場面があったが、素早く切り返して900円台を回復している。売り一巡して出直り態勢だろう。
2月28日の終値914円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円56銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は3.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1027円32銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線が目先の戻りを押さえているが、大勢としては26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだろう。3%台の配当利回りなど指標面の割安感も強いだけに押し目買いの好機だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:49
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは悪材料続いたが売られ過ぎ感、調整の最終局面
国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター<2483>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響、今期(14年3月期)業績見通しの減額修正、そして株式売出発表と悪材料が続いて水準を切り下げたが、足元では売られ過ぎ感も強めている。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。
特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。12年には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは国際会議運営の実績が豊富であり、通訳の分野も20年東京夏季五輪開催に向けて有望だ。13年6月にはアイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。
2月21日に、教育ビジネスを展開しているウィザスとの業務・資本提携契約の解消、および株式売出を発表した。ウィザスが保有している当社株式35万6000株(持株比率21.13%)のうち31万株の売出、およびオーバーアロットメントによる4万6000株の売出を行う。売出価格は3月3日から3月5日までの間のいずれかの日に決定する。なお提携解消は一定の成果が得られたためとしている。今回の売出によって、現在2位株主で当社株式34万5000株を保有しているエムスリー<2413>が第1位株主となる。
2月6日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比25.5%増収、同2.8%営業増益、同1.3%経常増益、同2.2%最終増益だった。翻訳事業の人員増加などで営業利益の伸びは小幅にとどまったが、翻訳事業では医薬分野と金融分野を中心に好調で、ISSグループの好調も寄与して大幅増収だった。セグメント別に見ると翻訳事業は同4.9%増収、派遣事業は同2.0倍増収、通訳事業は同2.8倍増収、語学教育事業は同2.7倍増収、その他は同2.1倍増収だった。
通期の見通しは2月6日に減額修正を発表した。売上高は20百万円減額して前期比20.8%増の87億80百万円、営業利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、経常利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、純利益は50百万円減額して同13.7%減の1億90百万円とした。翻訳事業の特許分野と工業分野の売上が想定を下回り、収益性の高い翻訳事業の売上構成比が低下するため減額修正した。ただし翻訳事業の医薬分野と金融分野、およびISSグループの業績は好調のようだ。
株価の動きを見ると、1月8日の戻り高値5790円から反落し、2月上旬には全般地合い悪化も影響して、2月4日に4135円まで調整する場面があった。その後一旦は4700円台に切り返す場面があったが、今期業績見通しの減額修正が嫌気され、さらに株式売出による需給悪化も懸念されて水準切り下げの展開となった。2月28日には3930円まで調整した。
2月28日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は2.7倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度に拡大して、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線に接近した。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。
>>翻訳センターのMedia−IR企業情報
特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。12年には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは国際会議運営の実績が豊富であり、通訳の分野も20年東京夏季五輪開催に向けて有望だ。13年6月にはアイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。
2月21日に、教育ビジネスを展開しているウィザスとの業務・資本提携契約の解消、および株式売出を発表した。ウィザスが保有している当社株式35万6000株(持株比率21.13%)のうち31万株の売出、およびオーバーアロットメントによる4万6000株の売出を行う。売出価格は3月3日から3月5日までの間のいずれかの日に決定する。なお提携解消は一定の成果が得られたためとしている。今回の売出によって、現在2位株主で当社株式34万5000株を保有しているエムスリー<2413>が第1位株主となる。
2月6日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比25.5%増収、同2.8%営業増益、同1.3%経常増益、同2.2%最終増益だった。翻訳事業の人員増加などで営業利益の伸びは小幅にとどまったが、翻訳事業では医薬分野と金融分野を中心に好調で、ISSグループの好調も寄与して大幅増収だった。セグメント別に見ると翻訳事業は同4.9%増収、派遣事業は同2.0倍増収、通訳事業は同2.8倍増収、語学教育事業は同2.7倍増収、その他は同2.1倍増収だった。
通期の見通しは2月6日に減額修正を発表した。売上高は20百万円減額して前期比20.8%増の87億80百万円、営業利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、経常利益は70百万円減額して同5.4%減の4億円、純利益は50百万円減額して同13.7%減の1億90百万円とした。翻訳事業の特許分野と工業分野の売上が想定を下回り、収益性の高い翻訳事業の売上構成比が低下するため減額修正した。ただし翻訳事業の医薬分野と金融分野、およびISSグループの業績は好調のようだ。
株価の動きを見ると、1月8日の戻り高値5790円から反落し、2月上旬には全般地合い悪化も影響して、2月4日に4135円まで調整する場面があった。その後一旦は4700円台に切り返す場面があったが、今期業績見通しの減額修正が嫌気され、さらに株式売出による需給悪化も懸念されて水準切り下げの展開となった。2月28日には3930円まで調整した。
2月28日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は2.7倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度に拡大して、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線に接近した。調整のほぼ最終局面で一旦は反発のタイミングだろう。
>>翻訳センターのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:46
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは低PBRを評価してモミ合い上放れのタイミング接近
カーテンレールやブラインド大手のトーソー<5956>(東2)の株価は全般地合い悪化の状況でも戻り高値圏で堅調に推移している。低PBRに評価余地が大きく、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。
カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。
なお2月3日に、取引先のタナハシ(大阪府大阪市)が1月31日付で破産申し立てを行う見通しとなったことに伴い、売掛債権について取立不能または取立遅延の恐れが生じたと発表したが、2月13日には同社に対する債権を全額引当処理して、今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績および通期見通しの訂正を発表した。訂正後の第3四半期累計連結業績は前年同期比5.8%増収、同11.0%営業減益、同11.0%経常減益、同64.8%最終減益となった。特別損失には貸倒引当金繰入額2億32百万円を計上した。
通期の見通しについては、前回予想(希望退職者募集による退職特別加算金等3億円を特別損失に計上のため12月11日に純利益を減額)に対して、売上高が1億円減額して前期比4.7%増の234億円、営業利益が50百万円減額して同41.9%増の12億50百万円、経常利益が50百万円減額して同33.4%増の11億50百万円、純利益が2億円減額して同34.2%減の2億70百万円とした。
特別損失に貸倒引当金繰入額を計上した影響で最終減益見通しとなったが、高水準の新設住宅着工や住宅リフォーム需要も追い風に、遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移する。営業強化の効果や高付加価値製品の好調で、配送費、人件費、販売促進費などの増加を吸収して増収営業増益見込みだ。
株価の動きを見ると、昨年9月以降は戻り高値圏の概ね480円〜500円近辺でモミ合う展開が続いている。昨年12月25日に458円まで下押す場面があったが、素早く切り返して1月17日には508円まで上伸する場面があった。足元は全般地合い悪化の影響も受けて上げ一服の形だが、概ね490円台で推移して大きく下押す動きは見られない。2月13日発表の業績訂正に対する反応も限定的であり、比較的堅調な動きと言えるだろう。
2月28日の終値494円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS26円00銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きであり、下ヒゲを付けながら徐々に下値を切り上げている。低PBRに評価余地が大きく、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。
>>トーソーのMedia−IR企業情報
カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。
なお2月3日に、取引先のタナハシ(大阪府大阪市)が1月31日付で破産申し立てを行う見通しとなったことに伴い、売掛債権について取立不能または取立遅延の恐れが生じたと発表したが、2月13日には同社に対する債権を全額引当処理して、今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績および通期見通しの訂正を発表した。訂正後の第3四半期累計連結業績は前年同期比5.8%増収、同11.0%営業減益、同11.0%経常減益、同64.8%最終減益となった。特別損失には貸倒引当金繰入額2億32百万円を計上した。
通期の見通しについては、前回予想(希望退職者募集による退職特別加算金等3億円を特別損失に計上のため12月11日に純利益を減額)に対して、売上高が1億円減額して前期比4.7%増の234億円、営業利益が50百万円減額して同41.9%増の12億50百万円、経常利益が50百万円減額して同33.4%増の11億50百万円、純利益が2億円減額して同34.2%減の2億70百万円とした。
特別損失に貸倒引当金繰入額を計上した影響で最終減益見通しとなったが、高水準の新設住宅着工や住宅リフォーム需要も追い風に、遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移する。営業強化の効果や高付加価値製品の好調で、配送費、人件費、販売促進費などの増加を吸収して増収営業増益見込みだ。
株価の動きを見ると、昨年9月以降は戻り高値圏の概ね480円〜500円近辺でモミ合う展開が続いている。昨年12月25日に458円まで下押す場面があったが、素早く切り返して1月17日には508円まで上伸する場面があった。足元は全般地合い悪化の影響も受けて上げ一服の形だが、概ね490円台で推移して大きく下押す動きは見られない。2月13日発表の業績訂正に対する反応も限定的であり、比較的堅調な動きと言えるだろう。
2月28日の終値494円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS26円00銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きであり、下ヒゲを付けながら徐々に下値を切り上げている。低PBRに評価余地が大きく、モミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。
>>トーソーのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゼリア新薬工業は売られ過ぎ感、好業績に変化なし
医薬品メーカーのゼリア新薬工業<4559>(東1)の株価は1月高値から利益確定売りで反落し、自己株式処分・売出も嫌気されて水準を切り下げたが、売られ過ぎ感も強めている。好業績に変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
消化器分野が中心の医療用医薬品事業と、一般用医薬品などのコンシューマーヘルスケア事業を展開している。医療用医薬品事業では潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、13年6月には自社オリジナル新薬の機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」を発売した。コンシューマーヘルスケア事業は「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」「ウィズワン群」を主力として、コンビニエンスストア向け「ヘパリーゼW」(清涼飲料水)の売上が急拡大している。
M&Aやアライアンス戦略を活用してグローバル展開にも取り組んでいる。08年10月に基礎化粧品のイオナ、09年9月に「アサコール」の開発会社ティロッツ社(スイス)、10年9月にコンドロイチン原料のZPD社(デンマーク)を子会社化した。13年8月には、ビフォーファーマ社(スイス)と鉄欠乏症治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発・販売契約を締結するとともに、ZPD社の株式を追加取得して完全子会社化した。
2月5日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比16.1%増収、同71.3%営業増益、同65.2%経常増益、同39.5%最終増益だった。増収効果で研究開発費や広告宣伝費の増加などを吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、医療用医薬品事業は「アサコール」の国内外での好調などで同16.4%増収、コンシューマーヘルスケア事業は「ヘパリーゼ群」の好調などで同15.9%増収だった。
通期見通しについては2月5日に増額修正(11月8日に次いで3回目の増額修正)した。売上高は5億円増額して前期比14.4%増の610億円、営業利益は1億円増額して同41.0%増の65億円、経常利益は1億円増額して同39.0%増の65億円、純利益は1億円増額して同20.5%増の48億円とした。配当予想も前回予想に対して1円増額の年間29円(第2四半期末14円済み、期末15円)とした。前期との比較では株式分割を考慮すると実質的に3円50銭増配となる。
医療用医薬品事業では「アサコール」が国内外で好調に推移し、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」はアステラス製薬<4503>との共同販促を強化している。コンシューマーヘルスケア事業ではテレビCM効果などで「ヘパリーゼ群」の好調が続き、植物性便秘薬「ウィズワン群」も売上が拡大している。研究開発費や広告宣伝費は増加するが、増収効果に加えて原価率改善や経費効率的運用も寄与する。
第3四半期累計の進捗率は売上高が76.7%、営業利益が91.8%、経常利益が93.4%、純利益が95.2%と高水準であり、通期4回目の増額修正の可能性がありそうだ。
2月21日に自己株式の処分および株式売出を発表した。公募による自己株式処分666万株、オーバーアロットメントによる自己株式売出99万株で、処分・売出価格は3月3日から3月6日の間のいずれかの日に決定するとしている。調達資金(手取概算額合計の上限約186億84百万円)は設備投資資金と研究開発資金に充当する。
株価の動き(13年10月1日付で1株を1.1株に分割)を見ると、1月21日の上場来高値3170円から利益確定売りで反落し、2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月6日の2310円まで調整した。その後2月14日には2700円台まで戻す場面があったが、2月21日発表の自己株式処分・売出を嫌気して水準を切り下げ、2月28日には2219円まで調整した。目先的に需給悪化懸念を強めた形だ。
2月28日の終値2220円を指標面(自己株式処分・売出前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS105円57銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間29円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS807円64銭で算出)は2.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感も強めている。好業績に変化はなく反発のタイミングだろう。
>>ゼリア新薬工業のMedia−IR企業情報
消化器分野が中心の医療用医薬品事業と、一般用医薬品などのコンシューマーヘルスケア事業を展開している。医療用医薬品事業では潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、13年6月には自社オリジナル新薬の機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」を発売した。コンシューマーヘルスケア事業は「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」「ウィズワン群」を主力として、コンビニエンスストア向け「ヘパリーゼW」(清涼飲料水)の売上が急拡大している。
M&Aやアライアンス戦略を活用してグローバル展開にも取り組んでいる。08年10月に基礎化粧品のイオナ、09年9月に「アサコール」の開発会社ティロッツ社(スイス)、10年9月にコンドロイチン原料のZPD社(デンマーク)を子会社化した。13年8月には、ビフォーファーマ社(スイス)と鉄欠乏症治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発・販売契約を締結するとともに、ZPD社の株式を追加取得して完全子会社化した。
2月5日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比16.1%増収、同71.3%営業増益、同65.2%経常増益、同39.5%最終増益だった。増収効果で研究開発費や広告宣伝費の増加などを吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、医療用医薬品事業は「アサコール」の国内外での好調などで同16.4%増収、コンシューマーヘルスケア事業は「ヘパリーゼ群」の好調などで同15.9%増収だった。
通期見通しについては2月5日に増額修正(11月8日に次いで3回目の増額修正)した。売上高は5億円増額して前期比14.4%増の610億円、営業利益は1億円増額して同41.0%増の65億円、経常利益は1億円増額して同39.0%増の65億円、純利益は1億円増額して同20.5%増の48億円とした。配当予想も前回予想に対して1円増額の年間29円(第2四半期末14円済み、期末15円)とした。前期との比較では株式分割を考慮すると実質的に3円50銭増配となる。
医療用医薬品事業では「アサコール」が国内外で好調に推移し、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」はアステラス製薬<4503>との共同販促を強化している。コンシューマーヘルスケア事業ではテレビCM効果などで「ヘパリーゼ群」の好調が続き、植物性便秘薬「ウィズワン群」も売上が拡大している。研究開発費や広告宣伝費は増加するが、増収効果に加えて原価率改善や経費効率的運用も寄与する。
第3四半期累計の進捗率は売上高が76.7%、営業利益が91.8%、経常利益が93.4%、純利益が95.2%と高水準であり、通期4回目の増額修正の可能性がありそうだ。
2月21日に自己株式の処分および株式売出を発表した。公募による自己株式処分666万株、オーバーアロットメントによる自己株式売出99万株で、処分・売出価格は3月3日から3月6日の間のいずれかの日に決定するとしている。調達資金(手取概算額合計の上限約186億84百万円)は設備投資資金と研究開発資金に充当する。
株価の動き(13年10月1日付で1株を1.1株に分割)を見ると、1月21日の上場来高値3170円から利益確定売りで反落し、2月上旬の全般地合い悪化も影響して2月6日の2310円まで調整した。その後2月14日には2700円台まで戻す場面があったが、2月21日発表の自己株式処分・売出を嫌気して水準を切り下げ、2月28日には2219円まで調整した。目先的に需給悪化懸念を強めた形だ。
2月28日の終値2220円を指標面(自己株式処分・売出前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS105円57銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間29円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS807円64銭で算出)は2.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感も強めている。好業績に変化はなく反発のタイミングだろう。
>>ゼリア新薬工業のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:39
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】陽光都市開発は収益基盤着実に改善、動意の可能性
陽光都市開発<8946>(JQS)の株価は、人気が続かず大勢としてボックス展開のようだが、収益基盤は着実に改善している。きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。
投資用マンション「グリフィンシリーズ」の企画・販売事業を縮小して、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへの事業構造転換を進めている。13年8月にはアパマンショップホールディングス<8889>の子会社アパマンショップネットワークとFC加盟契約を締結した。
13年10月にはストライダーズ<9816>と資本業務提携し、ストライダーズの子会社で東京を中心に不動産賃貸管理事業を展開するトラストアドバイザーズとの相互補完関係構築やシナジー効果を目指している。また中国の大手不動産デベロッパーである上海地産グループ、当社の資本提携先である徳威企業発展有限公司(上海)、および当社の協業による中国でのワンルームマンション開発の可能性についても検討しているようだ。
1月17日に柏雅資本集団控股有限公司(香港)を連結子会社化すると発表し、1月31日には会社登記等に係る手続が継続しているため株式取得実行日を変更するとしていたが、2月28日に子会社化が完了したと発表した。香港柏雅の子会社および孫会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司および上海柏雅投資管理有限公司も連結子会社となる。酒店管理および投資管理は、徳威企業発展有限公司(上海)が不動産デベロッパーと共同で開発したサービスアパートメントの運営・管理を受託しており、今回のM&Aで中国における不動産関連事業に進出する。
2月17日発表の前期(13年12月期)連結業績は前々期比33.9%減収、同27.0%営業減益、同31.9%経常減益、同33.8%最終減益だった。不動産販売物件が中古投資用マンション4戸などにとどまり大幅減収減益だったが、不動産管理事業へのシフトに向けた戦略は着実に進展しているようだ。
2月28日に公表した今期(14年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比67.1%増の17億60百万円、営業利益が同22.6%増の1億29百万円、経常利益が同66.0%増の1億円、純利益が同62.8%増の90百万円としている。不動産販売事業では投資用マンション1棟(36戸)の引き渡しを予定し、不動産仲介事業ではFC加盟したアパマンショップネットワークの不動産斡旋情報を活用して仲介成約件数の増加を図る。連結子会社化した香港柏雅グループ3社も寄与する。
また、徳威企業発展有限公司(上海)およびストライダーズの当社新株予約権行使によって、自己資本比率も大幅に改善している。財務基盤が強化されたことでM&Aを積極的に実施する方針であり、ストック型フィービジネスの収益基盤の着実な強化が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、香港柏雅の連結子会社化発表で急騰した1月20日高値270円から反落し、足元は概ね170円近辺で推移している。2月28日には、香港柏雅の連結子会社化完了と今期業績見通し発表を材料視して、一時は前日比23円(13.69%)高の191円まで急伸する場面があった。
2月28日の終値164円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円50銭)は21〜22倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS19円92銭で算出)は8倍近辺である。週足チャートで見ると人気化しても上ヒゲを付けて反落し、大勢としては概ね140円〜200円近辺でのボックス展開だが、レンジ下限から反発局面だろう。
>>陽光都市開発のMedia−IR企業情報
投資用マンション「グリフィンシリーズ」の企画・販売事業を縮小して、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへの事業構造転換を進めている。13年8月にはアパマンショップホールディングス<8889>の子会社アパマンショップネットワークとFC加盟契約を締結した。
13年10月にはストライダーズ<9816>と資本業務提携し、ストライダーズの子会社で東京を中心に不動産賃貸管理事業を展開するトラストアドバイザーズとの相互補完関係構築やシナジー効果を目指している。また中国の大手不動産デベロッパーである上海地産グループ、当社の資本提携先である徳威企業発展有限公司(上海)、および当社の協業による中国でのワンルームマンション開発の可能性についても検討しているようだ。
1月17日に柏雅資本集団控股有限公司(香港)を連結子会社化すると発表し、1月31日には会社登記等に係る手続が継続しているため株式取得実行日を変更するとしていたが、2月28日に子会社化が完了したと発表した。香港柏雅の子会社および孫会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司および上海柏雅投資管理有限公司も連結子会社となる。酒店管理および投資管理は、徳威企業発展有限公司(上海)が不動産デベロッパーと共同で開発したサービスアパートメントの運営・管理を受託しており、今回のM&Aで中国における不動産関連事業に進出する。
2月17日発表の前期(13年12月期)連結業績は前々期比33.9%減収、同27.0%営業減益、同31.9%経常減益、同33.8%最終減益だった。不動産販売物件が中古投資用マンション4戸などにとどまり大幅減収減益だったが、不動産管理事業へのシフトに向けた戦略は着実に進展しているようだ。
2月28日に公表した今期(14年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比67.1%増の17億60百万円、営業利益が同22.6%増の1億29百万円、経常利益が同66.0%増の1億円、純利益が同62.8%増の90百万円としている。不動産販売事業では投資用マンション1棟(36戸)の引き渡しを予定し、不動産仲介事業ではFC加盟したアパマンショップネットワークの不動産斡旋情報を活用して仲介成約件数の増加を図る。連結子会社化した香港柏雅グループ3社も寄与する。
また、徳威企業発展有限公司(上海)およびストライダーズの当社新株予約権行使によって、自己資本比率も大幅に改善している。財務基盤が強化されたことでM&Aを積極的に実施する方針であり、ストック型フィービジネスの収益基盤の着実な強化が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、香港柏雅の連結子会社化発表で急騰した1月20日高値270円から反落し、足元は概ね170円近辺で推移している。2月28日には、香港柏雅の連結子会社化完了と今期業績見通し発表を材料視して、一時は前日比23円(13.69%)高の191円まで急伸する場面があった。
2月28日の終値164円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円50銭)は21〜22倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS19円92銭で算出)は8倍近辺である。週足チャートで見ると人気化しても上ヒゲを付けて反落し、大勢としては概ね140円〜200円近辺でのボックス展開だが、レンジ下限から反発局面だろう。
>>陽光都市開発のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:34
| アナリスト銘柄分析
2014年03月02日
【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】週末7日に米2月雇用統計、ウクライナ情勢も警戒してリスク回避の動きを強める可能性も
■株式・為替相場展望(3〜7日)
来週(3月3日〜7日)の株式・為替相場は方向感に乏しく、先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性もあるだろう。6日には追加利下げ観測のあるECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、週末7日には米2月雇用統計を控えている。ウクライナ情勢の緊迫化や中国の金融不安も意識される。米国株は堅調だが、米主要経済指標には寒波の影響もあって強弱感が交錯しているだけに、安心感につながるかは微妙だ。
前週の株式市場は2月25日に大幅上昇して日経平均株価が1万5000円台を回復する場面があったものの、週間ベースでは日経平均株価が24円60銭(0.17%)の下落、TOPIXが10.65ポイント(0.87%)の下落となった。為替がやや円高方向に傾くだけで過敏に反応するなど、先物の仕掛け的な動きに振られる場面もあった。全体として方向感に乏しく売買代金もやや低水準となった。
外国為替市場のドル・円相場は、概ね1ドル=101円台後半〜102円台前半のレンジで膠着感を強めた。米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に対する思惑が交錯して、米10年債利回りが小動きだった。ウクライナ情勢緊迫化や中国金融不安への警戒感で、リスク回避の円買いが強まる場面もあったが、株式市場は外国為替市場睨み、外国為替市場は株式市場睨みの展開が続いている。
前週末2月28日の米国市場では終盤にリスク回避の動きが強まり、株式市場は高安まちまちとなり、為替は1ドル=101円60銭台で終了した。3月1日発表の中国2月製造業PMI(国家統計局)が3カ月連続で前月を下回ったことや、ウクライナ情勢が緊迫度を増していることもあり、週初3月3日の日本市場ではリスク回避の動きを強める可能性がありそうだ。
その後は、米主要経済指標に対する米国株の反応を睨みながらの展開が基本だが、ウクライナ情勢の緊迫化、中国の金融不安への警戒感、そして6日のECB理事会での追加利下げ観測など、海外要因で為替は円高方向に傾く可能性があり、週末7日の米2月雇用統計を控えて、株式市場・外国為替市場とも先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性があるだろう。
国内要因としては、1月全国消費者物価指数を受けて日銀の早期追加金融緩和に対する期待感が一旦後退した。一方では4月からの消費増税まで1カ月を切り、景気への悪影響に対する警戒感は日増しに高まる。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に関しては、2月22日〜25日の閣僚会合で大枠合意が見送られた。14年度予算案が2月28日に衆院を通過して年度内に成立することが確定したとはいえ、安倍晋三首相の熱意は集団的自衛権に向いたままであり、外国人投資家の日本株売りが継続する可能性もあるだろう。
需給面では裁定買い残の減少や高水準の空売り比率に加えて、外国人投資家の売り越し額がピークアウトしたとの見方もあるが、一方では個人投資家の信用買い残は高水準であり、3月期末に向けて機関投資家の益出しの売りも警戒される。
ただしチャート面で見ると日経平均株価、TOPIXともに2月28日まで4営業日連続で25日移動平均線を上回った。当面は25日移動平均線が下向きのため強気にはなれないが、下値支持線として意識され、上向きに転じるまで維持できれば安心感に繋がりそうだ。
株式市場での物色動向としては、消費増税の反動影響や追加金融緩和期待感後退の影響を受けにくいセクターや銘柄として、ゲーム関連、再生エネルギー関連、ロボット関連、公共投資関連などで日替わり物色の傾向が強まり、さらに3月期末が接近して高配当利回りの中小型株に対する配当権利取りの動きが注目され、新興市場ではIPO人気が刺激材料として注目されそうだ。
その他の注目スケジュールとしては、3月3日の日本10〜12月法人企業統計、中国2月非製造業PMI(国家統計局)、米1月個人所得・消費支出、米1月建設支出、米2月自動車販売台数、米2月ISM製造業景気指数、4日の日本1月毎月勤労統計、日本2月マネタリーベース、豪中銀理事会、豪10〜12月期GDP、中国2月サービス部門PMI(HSBC)、中国・全国人民代表大会(全人代)開幕、ユーロ圏10〜12月期GDP改定値、米2月ADP全米雇用報告、米2月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告、米15年度予算教書、米上院銀行委員会でフィッシャーFRB副議長候補の指名公聴会、5日〜6日の英中銀金融政策委員会、6日の独1月鉱工業受注、米1月製造業新規受注、7日の日本1月景気動向指数、独1月鉱工業生産、米1月貿易収支などがあるだろう。
その後は8日の中国2月貿易統計、9日の中国2月PPI・CPI、10日の日本10〜12月期GDP2次速報、10日〜11日の日銀金融政策決定会合、18日〜19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)などが予定されている。
来週(3月3日〜7日)の株式・為替相場は方向感に乏しく、先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性もあるだろう。6日には追加利下げ観測のあるECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、週末7日には米2月雇用統計を控えている。ウクライナ情勢の緊迫化や中国の金融不安も意識される。米国株は堅調だが、米主要経済指標には寒波の影響もあって強弱感が交錯しているだけに、安心感につながるかは微妙だ。
前週の株式市場は2月25日に大幅上昇して日経平均株価が1万5000円台を回復する場面があったものの、週間ベースでは日経平均株価が24円60銭(0.17%)の下落、TOPIXが10.65ポイント(0.87%)の下落となった。為替がやや円高方向に傾くだけで過敏に反応するなど、先物の仕掛け的な動きに振られる場面もあった。全体として方向感に乏しく売買代金もやや低水準となった。
外国為替市場のドル・円相場は、概ね1ドル=101円台後半〜102円台前半のレンジで膠着感を強めた。米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に対する思惑が交錯して、米10年債利回りが小動きだった。ウクライナ情勢緊迫化や中国金融不安への警戒感で、リスク回避の円買いが強まる場面もあったが、株式市場は外国為替市場睨み、外国為替市場は株式市場睨みの展開が続いている。
前週末2月28日の米国市場では終盤にリスク回避の動きが強まり、株式市場は高安まちまちとなり、為替は1ドル=101円60銭台で終了した。3月1日発表の中国2月製造業PMI(国家統計局)が3カ月連続で前月を下回ったことや、ウクライナ情勢が緊迫度を増していることもあり、週初3月3日の日本市場ではリスク回避の動きを強める可能性がありそうだ。
その後は、米主要経済指標に対する米国株の反応を睨みながらの展開が基本だが、ウクライナ情勢の緊迫化、中国の金融不安への警戒感、そして6日のECB理事会での追加利下げ観測など、海外要因で為替は円高方向に傾く可能性があり、週末7日の米2月雇用統計を控えて、株式市場・外国為替市場とも先物主導で一時的にリスク回避の動きを強める可能性があるだろう。
国内要因としては、1月全国消費者物価指数を受けて日銀の早期追加金融緩和に対する期待感が一旦後退した。一方では4月からの消費増税まで1カ月を切り、景気への悪影響に対する警戒感は日増しに高まる。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に関しては、2月22日〜25日の閣僚会合で大枠合意が見送られた。14年度予算案が2月28日に衆院を通過して年度内に成立することが確定したとはいえ、安倍晋三首相の熱意は集団的自衛権に向いたままであり、外国人投資家の日本株売りが継続する可能性もあるだろう。
需給面では裁定買い残の減少や高水準の空売り比率に加えて、外国人投資家の売り越し額がピークアウトしたとの見方もあるが、一方では個人投資家の信用買い残は高水準であり、3月期末に向けて機関投資家の益出しの売りも警戒される。
ただしチャート面で見ると日経平均株価、TOPIXともに2月28日まで4営業日連続で25日移動平均線を上回った。当面は25日移動平均線が下向きのため強気にはなれないが、下値支持線として意識され、上向きに転じるまで維持できれば安心感に繋がりそうだ。
株式市場での物色動向としては、消費増税の反動影響や追加金融緩和期待感後退の影響を受けにくいセクターや銘柄として、ゲーム関連、再生エネルギー関連、ロボット関連、公共投資関連などで日替わり物色の傾向が強まり、さらに3月期末が接近して高配当利回りの中小型株に対する配当権利取りの動きが注目され、新興市場ではIPO人気が刺激材料として注目されそうだ。
その他の注目スケジュールとしては、3月3日の日本10〜12月法人企業統計、中国2月非製造業PMI(国家統計局)、米1月個人所得・消費支出、米1月建設支出、米2月自動車販売台数、米2月ISM製造業景気指数、4日の日本1月毎月勤労統計、日本2月マネタリーベース、豪中銀理事会、豪10〜12月期GDP、中国2月サービス部門PMI(HSBC)、中国・全国人民代表大会(全人代)開幕、ユーロ圏10〜12月期GDP改定値、米2月ADP全米雇用報告、米2月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告、米15年度予算教書、米上院銀行委員会でフィッシャーFRB副議長候補の指名公聴会、5日〜6日の英中銀金融政策委員会、6日の独1月鉱工業受注、米1月製造業新規受注、7日の日本1月景気動向指数、独1月鉱工業生産、米1月貿易収支などがあるだろう。
その後は8日の中国2月貿易統計、9日の中国2月PPI・CPI、10日の日本10〜12月期GDP2次速報、10日〜11日の日銀金融政策決定会合、18日〜19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)などが予定されている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:14
| アナリスト銘柄分析
2014年02月28日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤは足元の調整局面は押し目買いの好機
建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
建築・土木・橋梁用仮設機材、ソーラー用太陽光パネル設置架台などの販売およびレンタル事業を展開している。13年8月には子会社ホリーがベトナムに新たな製造拠点を設立した。また戦略商品として、施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。
2月7日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比17.1%増収、同96.2%営業増益、同2.1倍経常増益、同2.2倍最終増益だった。建設工事増加や太陽光発電市場拡大を背景に販売・レンタルとも好調に推移した。セグメント別に見ると販売事業は売上高(内部売上含む)が同35.9%増の125億46百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同35.6%増の14億91百万円、レンタル事業は売上高が同5.0%増の127億05百万円、営業利益が同90.5%増の13億69百万円だった。
通期見通しは前回予想(11月8日に2回目の増額修正)を据え置いて、売上高が前期比11.3%増の313億円、営業利益が同63.8%増の26億30百万円、経常利益が同67.4%増の26億円、純利益が同92.0%増の15億50百万円としている。建設工事増加でクランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場(リフクトクライマー)などの需要が高水準であり、ソーラー向け太陽光パネル設置架台の需要も大幅に増加している。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮なども寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が80.0%、経常利益が80.8%、純利益が77.2%である。通期3回目の増額修正は濃厚だろう。
震災復興関連、社会インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、学校や高層マンションの耐震補強関連などに加えて、来期(15年3月期)から本格寄与する新名神高速道路関連など受注残は豊富である。さらに20年東京夏季五輪や国土強靭化計画などが追い風となる。中期的に事業環境は良好であり収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると高値更新の展開が続き、1月中旬には上げ足を加速して1月28日の1763円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや全般地合い悪化の影響などでやや乱高下の展開となった。2月4日には1200円まで急落したが、素早く切り返して2月10日には1729円まで戻した。足元は概ね1400円台で推移しているが、好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月27日の終値1439円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS324円08銭で算出)は4.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>エスアールジータカミヤのMedia−IR企業情報
建築・土木・橋梁用仮設機材、ソーラー用太陽光パネル設置架台などの販売およびレンタル事業を展開している。13年8月には子会社ホリーがベトナムに新たな製造拠点を設立した。また戦略商品として、施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。
2月7日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比17.1%増収、同96.2%営業増益、同2.1倍経常増益、同2.2倍最終増益だった。建設工事増加や太陽光発電市場拡大を背景に販売・レンタルとも好調に推移した。セグメント別に見ると販売事業は売上高(内部売上含む)が同35.9%増の125億46百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同35.6%増の14億91百万円、レンタル事業は売上高が同5.0%増の127億05百万円、営業利益が同90.5%増の13億69百万円だった。
通期見通しは前回予想(11月8日に2回目の増額修正)を据え置いて、売上高が前期比11.3%増の313億円、営業利益が同63.8%増の26億30百万円、経常利益が同67.4%増の26億円、純利益が同92.0%増の15億50百万円としている。建設工事増加でクランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場(リフクトクライマー)などの需要が高水準であり、ソーラー向け太陽光パネル設置架台の需要も大幅に増加している。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮なども寄与する。第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が80.0%、経常利益が80.8%、純利益が77.2%である。通期3回目の増額修正は濃厚だろう。
震災復興関連、社会インフラ補修・更新関連、都市再開発関連、学校や高層マンションの耐震補強関連などに加えて、来期(15年3月期)から本格寄与する新名神高速道路関連など受注残は豊富である。さらに20年東京夏季五輪や国土強靭化計画などが追い風となる。中期的に事業環境は良好であり収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると高値更新の展開が続き、1月中旬には上げ足を加速して1月28日の1763円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りや全般地合い悪化の影響などでやや乱高下の展開となった。2月4日には1200円まで急落したが、素早く切り返して2月10日には1729円まで戻した。足元は概ね1400円台で推移しているが、好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月27日の終値1439円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS324円08銭で算出)は4.4倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
>>エスアールジータカミヤのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは軟調展開だが売られ過ぎ
キムチ製品など漬物最大手のピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、1月の戻り高値圏から急反落して軟調展開となったが、売られ過ぎ感も強めている。今期(14年2月期)については天候不順による原料野菜価格上昇という一過性要因の影響が警戒されるが、中期成長力に変化はなく反発のタイミングだろう。
キムチ製品、あさづけ、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が向上し、独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」など新製品投入も積極化している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>などが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入の効果で中期成長期待が高まる。コスト面では契約栽培拡大による原料野菜の安定調達を推進し、広島新工場が13年6月から製品出荷を開始して拡販体制も強化された。
今期(14年2月期)連結業績見通しは前回予想(9月30日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比6.0%増の255億18百万円、営業利益が同22.0%増の11億16百万円、経常利益が同21.9%増の11億87百万円、純利益が同27.3%増の7億26百万円としている。
第3四半期累計(3月〜11月)は前年同期比7.4%増収ながら、台風の影響などで原料野菜価格が高騰したことに加えて、テレビCMなどの広告宣伝を全国規模で実施したことに伴って販管費が増加し、同15.8%営業減益だった。通期見通しに対する第3四半期累計の利益進捗率がやや低水準となり、第4四半期(12月〜2月)も、全国的な寒波や2月に太平洋側を襲った大雪の影響で原料野菜価格が上昇することを考慮すれば、通期下振れの可能性に注意が必要となるだろう。
ただしキムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、新規取引先開拓、新製品投入などで販売は好調に推移している。来期(15年2月期)は、天候不順による原料野菜価格上昇という一過性要因が一巡して、収益拡大基調に回帰するだろう。
株価の動きを見ると、年初の1月8日に戻り高値978円を付けたが、第3四半期累計の営業減益が嫌気され、さらに全般地合い悪化の影響も受けて2月4日の700円まで急落した。その後一旦は700円台後半まで戻す場面があったが、太平洋側を大雪が襲った2月中旬以降は再び水準切り下げの展開となり、2月27日には681円まで下押した。ただし1月8日の戻り高値から約3割下落して売られ過ぎ感も強めている。
2月27日の終値698円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円67銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1058円84銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで軟調展開だが、指標面に割安感が台頭して売られ過ぎ感も強めている。一旦は反発のタイミングだろう。
>>ピックルスコーポレーションのMedia−IR企業情報
キムチ製品、あさづけ、惣菜など漬物製品の最大手メーカーである。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が向上し、独自研究の植物性乳酸菌「ピーネ12」を使用した「生きて腸まで届くピーネ乳酸菌キムチ」など新製品投入も積極化している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>などが主要取引先であり、ブランド力向上や新製品投入の効果で中期成長期待が高まる。コスト面では契約栽培拡大による原料野菜の安定調達を推進し、広島新工場が13年6月から製品出荷を開始して拡販体制も強化された。
今期(14年2月期)連結業績見通しは前回予想(9月30日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比6.0%増の255億18百万円、営業利益が同22.0%増の11億16百万円、経常利益が同21.9%増の11億87百万円、純利益が同27.3%増の7億26百万円としている。
第3四半期累計(3月〜11月)は前年同期比7.4%増収ながら、台風の影響などで原料野菜価格が高騰したことに加えて、テレビCMなどの広告宣伝を全国規模で実施したことに伴って販管費が増加し、同15.8%営業減益だった。通期見通しに対する第3四半期累計の利益進捗率がやや低水準となり、第4四半期(12月〜2月)も、全国的な寒波や2月に太平洋側を襲った大雪の影響で原料野菜価格が上昇することを考慮すれば、通期下振れの可能性に注意が必要となるだろう。
ただしキムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、新規取引先開拓、新製品投入などで販売は好調に推移している。来期(15年2月期)は、天候不順による原料野菜価格上昇という一過性要因が一巡して、収益拡大基調に回帰するだろう。
株価の動きを見ると、年初の1月8日に戻り高値978円を付けたが、第3四半期累計の営業減益が嫌気され、さらに全般地合い悪化の影響も受けて2月4日の700円まで急落した。その後一旦は700円台後半まで戻す場面があったが、太平洋側を大雪が襲った2月中旬以降は再び水準切り下げの展開となり、2月27日には681円まで下押した。ただし1月8日の戻り高値から約3割下落して売られ過ぎ感も強めている。
2月27日の終値698円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円67銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1058円84銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで軟調展開だが、指標面に割安感が台頭して売られ過ぎ感も強めている。一旦は反発のタイミングだろう。
>>ピックルスコーポレーションのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:44
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は1月高値後の調整局面は押し目買い好機
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月高値から一旦反落したが、好業績を評価する流れに変化はなく足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景にアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。
09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603(一般名コンドリアーゼ)、アルツの適応症追加SI−657、変形性膝関節症改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。1月30日にはSI−6603の製造販売承認申請を発表し、今後は米国で実施中の第V相臨床試験の進捗にも注力していくとしている。
2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比11.9%増収、同67.6%営業増益、同47.4%経常増益、同56.9%最終増益だった。国内アルツや中国向けアルツの伸び率がやや鈍化し、営業外収益では受取ロイヤリティーが減少したが、米国向けジェル・ワンの数量増加、円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)、特別利益での投資有価証券売却益計上、高萩工場の優遇税制対象継続などで増収増益だった。セグメント別売上高を見ると、医薬品事業は国内医薬品が同1.9%増収、海外医薬品が同40.9%増収、医薬品原体が同42.7%増収、LAL事業が同18.7%増収だった。
通期見通しは前回予想(11月6日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、ジェル・ワンなど海外医薬品の数量増加と円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、さらに営業外収益での保有外貨建て資産評価に係る為替差益なども寄与して、大幅増収増益見込みだ。第3四半期以降(10月〜3月)の想定為替レートは1米ドル=97円である。
なお12年8月に当社が勝訴したジェル・ワン特許侵害訴訟に関して、米ジェンザイム社が13年10月に提起した連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国におけるジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定した。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.6%、営業利益が103.7%、経常利益が104.1%、純利益が104.5%で利益は超過達成している。通期利益再増額は濃厚だろう。
株価の動きを見ると、1月20日の昨年来高値1641円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月5日に1310円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね1400円近辺で推移して調整一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月27日の終値1388円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。13年の上値フシだった1400円近辺が下値支持線として意識されている可能性もあるだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機だ。
>>生化学工業のMedia−IR企業情報
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景にアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。
09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603(一般名コンドリアーゼ)、アルツの適応症追加SI−657、変形性膝関節症改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。1月30日にはSI−6603の製造販売承認申請を発表し、今後は米国で実施中の第V相臨床試験の進捗にも注力していくとしている。
2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比11.9%増収、同67.6%営業増益、同47.4%経常増益、同56.9%最終増益だった。国内アルツや中国向けアルツの伸び率がやや鈍化し、営業外収益では受取ロイヤリティーが減少したが、米国向けジェル・ワンの数量増加、円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)、特別利益での投資有価証券売却益計上、高萩工場の優遇税制対象継続などで増収増益だった。セグメント別売上高を見ると、医薬品事業は国内医薬品が同1.9%増収、海外医薬品が同40.9%増収、医薬品原体が同42.7%増収、LAL事業が同18.7%増収だった。
通期見通しは前回予想(11月6日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、ジェル・ワンなど海外医薬品の数量増加と円安効果、ジェル・ワン訴訟費用減少、さらに営業外収益での保有外貨建て資産評価に係る為替差益なども寄与して、大幅増収増益見込みだ。第3四半期以降(10月〜3月)の想定為替レートは1米ドル=97円である。
なお12年8月に当社が勝訴したジェル・ワン特許侵害訴訟に関して、米ジェンザイム社が13年10月に提起した連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国におけるジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定した。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.6%、営業利益が103.7%、経常利益が104.1%、純利益が104.5%で利益は超過達成している。通期利益再増額は濃厚だろう。
株価の動きを見ると、1月20日の昨年来高値1641円から利益確定売りで反落し、2月上旬には全般地合い悪化の影響も受けて2月5日に1310円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね1400円近辺で推移して調整一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はないだろう。
2月27日の終値1388円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。13年の上値フシだった1400円近辺が下値支持線として意識されている可能性もあるだろう。足元の調整局面は押し目買いの好機だ。
>>生化学工業のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:36
| アナリスト銘柄分析