[アナリスト水田雅展の銘柄分析]の記事一覧
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2013年08月27日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューコンポネンツはリバウンド近い、下値水準に到達

 ネットワーク関連製品のネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)の株価は軟調展開だが、売られ過ぎ感も強めている。失望売りが一巡して目先的にはリバウンドのタイミングだろう。

 セキュリティ、モバイル、クラウド、サービスを重点分野として、ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業を展開し、新規事業としてコンテンツ配信分野にも取り組んでいる。4月には米国ニュータニックス社の仮想インフラアプライアンス製品についての販売代理店契約締結、5月には新日鉄住金ソリューションズ<2327>との資本・業務提携を発表している。アライアンス戦略も寄与して事業基盤強化が期待される。

 8月8日発表の今期(13年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)連結業績は、前年同期比13.2%減収、同65.1%営業減益、同76.8%経常減益で、純利益は4百万円の赤字(前年同期は70百万円の黒字)だった。無線LAN関連製品を中心に受注は順調だったが、出荷が第3四半期(7月〜9月)以降の案件が多く、第2四半期累計の売上高、利益ともに計画を下回った。

■今12月期は営業利益44.8%増益、PER9倍台

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比6.2%増の28億31百万円、営業利益が同44.8%増の1億78百万円、経常利益が同37.4%増の1億69百万円、純利益が同31.5%増の1億44百万円としている。クラウドストレージ製品やセキュリティ関連製品の好調を見込んでいる。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が39.8%、営業利益が19.7%、経常利益が14.2%と低水準のため通期下振れに注意が必要だが、第3四半期以降の出荷案件に期待したい。

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏25万円近辺から反落し、第2四半期累計の業績下振れを嫌気して急落した。足元も軟調展開である。8月26日には14万8600円まで下落して、6月27日の安値15万500円を割り込んだ。ただし失望売りはほぼ一巡した可能性があるだろう。

 8月26日の終値14万9100円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1万5321円85銭で算出)は9〜10倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3万0305円37銭で算出)は5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%を超えて、短期的には売られ過ぎ感を強めている。通期の下振れに注意は必要だが、目先的には失望売りがほぼ一巡してリバウンドのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

>>ネットワークバリューコンポネンツのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:42 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】科研製薬は主力の「アルツ」「セプラフィルム」が好調、配当利回り3%超

 科研製薬<4521>(東1)の株価は出直り感を強めてきた。短期調整が一巡したようだ。

 医薬品・医療機器・農業薬品を展開する医薬品メーカーである。医薬品は生化学工業<4548>からの仕入品である関節機能改善剤「アルツ」を主力として、術後癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」、経皮吸収型鎮痛消炎貼布剤「アドフィード」、慢性動脈閉塞症治療剤「プロサイリン」、高脂血症治療剤「リピディル」などを展開し、ジェネリック医薬品も拡大している。

 開発中には、爪真菌症を適応症とするKP−103(外用剤)(海外はバリアント社が申請中)、腰部脊柱管狭窄症を適応症とするTRK−100STP(東レ<3402>と共同開発)、腱・靱帯付着部症を適応症とするSI−657(生化学工業と共同開発、アルツの効能追加)などがある。

 8月5日に発表した今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は前年同期比2.4%増収、同0.2%営業増益、同1.8%経常増益、同5.0%最終増益だった。「アルツ」や「セプラフィルム」が好調だったが、「アドフィード」や「プロサイリン」がやや低調で、全体としてはほぼ横這いだった。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比3.6%増の902億円、営業利益が同2.7%増の150億円、経常利益が同2.5%増の146億円、純利益が同3.4%増の93億円としている。研究開発費が増加するため利益の伸びは小幅だが、主力の「アルツ」「セプラフィルム」が伸張し、ジェネリック医薬品も寄与する見込みだ。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が23.6%、営業利益が23.2%、経常利益が23.7%、純利益が23.7%である。概ね順調な水準だろう。

 なお5月13日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限120万株、取得価額総額の上限23億円、取得期間13年5月14日〜12月27日)については、7月24日時点で累計取得株式総数が75万株、累計取得価額総額が11億5913万5000円となった。

■株価は1500円近辺で短期調整が一巡して出直り歩調

 株価の動きを見ると、戻り高値圏の1600円近辺から反落したが、6月の安値圏1400円近辺まで下押すことなく反発した。1500円近辺で短期調整が一巡して出直り歩調だろう。

 8月26日の終値1557円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS108円66銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS771円10銭で算出)は2.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復する動きを強めている。週足チャートで26週移動平均線を回復すれば出直り本格化が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヤーマン頑強にモミ合う、1段上げ後の中段保ち合い2ヶ月

 家庭用美容・健康機器のヤーマン<6630>(東1)の株価は安値圏でモミ合い展開だが、煮詰まり感も強めてきた。

 脱毛器や痩身器具など家庭用の美容・健康機器事業、および化粧品事業を展開し、大手家電量販店との直接取引きやブランド戦略を強化している。7月には「スマート家電グランプリ2013summer」理美容家電部門で、当社の「no!no!HAIR DX」「プラチナホワイトトルネードローラーEMS」「フェイササイズPlus」が金賞を受賞している。

■2014年4月期は16.1%増収、営業利益29.5%増益

 今期(14年4月期)の連結業績見通しについては売上高が前期比16.1%増の225億50百万円、営業利益が同29.5%増の9億円、経常利益が同56.9%増の8億10百万円、純利益が同51.6%増の4億60百万円としている。取引形態変更に伴う出荷減少の影響などが前期に一巡したことに加えて、ブランドイメージ向上に向けた取組強化や、新製品投入の効果などで収益の大幅改善を見込んでいる。なお9月13日に第1四半期(5月〜7月)連結業績の発表を予定している。

 株価の動きを見ると、7月上旬の戻り高値圏1300円台から反落して徐々に水準を切り下げ、足元は概ね1200円台半ばで推移している。ただし6月の年初来安値1100円の水準まで下押す動きも見られない。小動きのモミ合い展開が続き、煮詰まり感も強めてきた。

 8月26日の終値1237円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円84銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1138円92銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形となり、週足チャートで見ると再び52週移動平均線を割り込んで調整局面だ。ただし指標面に割高感はなく、9月13日の第1四半期連結業績の発表が接近して期待感が高まる可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:20 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船は海洋資源開発関連で注目、指標面も割安

 川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は調整一巡感を強めている。指標面の割安感に加えて、海洋資源開発関連も支援材料となって出直り展開が期待される。

 石炭・木材・鋼材などの輸送が主力の近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品などの輸送やフェリー輸送が主力の内航部門を展開している。5月に発表した中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を目標として、新造船など3年合計投資額115億円も掲げている。

 今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.7%増収で、営業利益は1億59百万円(前年同期は1億46百万円の赤字)、経常利益は1億85百万円(同2億11百万円の赤字)、純利益は同22.5%減の1億52百万円だった。近海部門では石炭輸送、内航部門の不定期船では石灰石輸送などが堅調であり、新造船投入効果も寄与して営業損益が大幅改善した。純利益は前期計上の固定資産売却益一巡で減益だった。

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比2.4%増の435億円、営業利益が同0.7%減の17億50百万円、経常利益が同2.8%減の16億円、純利益が同6.7%減の10億円としている。燃料費高などで営業微減益見込みとしている。また通期見通しに対する第1四半期の進捗率も低水準だが、第1四半期の営業損益の大幅改善を考慮すれば通期見通しの達成は可能だろう。会社見通しは保守的な印象も強い。

■日本沿岸・近海の海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わる支援船業務

 なお新規分野として、海底エネルギー・金属資源の探査・採掘、洋上風力発電などの物資輸送関連への参入を検討していたが、8月26日にオフショア・オペレーションと業務提携に合意したと発表した。日本沿岸・近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わる支援船業務を発展させる目的で合弁会社を設立し、日本の領海内での海洋開発に関わる本格的なオフショア支援船の運航を目指すとしている。

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏270円台から反落して水準を切り下げた。ただし6月の安値242円近辺まで下押すことなく、260円近辺で調整一巡感を強めている。

 8月26日の終値262円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、指標面の割安感が強いうえに、海洋資源開発関連としても注目度が増すだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:17 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本マニュファクチャリングサービスは2020年に1000億円企業、PER割安

 製造請負大手の日本マニュファクチャリングサービス<2162>(JQS)の株価はやや軟調展開だったが、目先的に底入れの動きを強めている。ほぼ底値圏だろう。

 事業戦略コンセプトとして「neo EMS」を掲げ、製造請負・派遣のIS(インラインソリューション)事業、修理・検査受託のCS(カスタマーサービス)事業、技術者派遣のGE(グローバルエンジニアリング)事業、そして子会社の志摩グループとTKRグループの開発・製造受託のEMS(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス)事業を展開し、20年3月期の売上高1000億円を目指している。

 8月8日発表の今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は売上高が99億41百万円で前年同期比21.7%増収だったが、営業利益は2億30百万円の赤字、経常利益は29百万円の赤字、純利益は1億55百万円の赤字だった。海外EMS事業の好調が牽引して売上高は計画(90億90百万円)を上回ったが、国内IS事業の生産調整の影響などで粗利益率が低下して、営業利益は計画(2億02百万円の赤字)をやや下回った。

 通期の見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比15.8%増の450億円、営業利益が同2.1倍の8億20百万円、経常利益が同77.1%増の10億円、純利益が同2.1倍の5億円としている。新規受注や生産回復などで主力の国内IS事業とEMS事業で2桁増収を見込んでいる。海外IS事業では中国とベトナムの新規連結が寄与する。

 7月には子会社TKRが日立メディアエレクトロニクスの電源事業、トランス事業、車載チューナー事業、映像ボード事業を譲り受けるとともに、同社のチューナー製品を製造している水沢工場(岩手県奥州市)の建物・生産設備を取得した。さらに8月1日には、既存のCS事業を強化するため、消費者の個別ニーズ対応したBtoCのビジネスインフラ構築に向けて、クラウドマニュファクチャリングを開始すると発表している。事業領域拡大で中期成長が期待される。

■12月31日付けで株式100分割

 なお5月22日に株式分割と単元株制度の採用を発表している。13年12月31日を基準日(効力発生日14年1月1日)として1株を100株に分割し、単元株数を100株とする。この株式分割に伴い、今期の配当予想は年間3円(期末一括)となる。

 株価の動きを見ると、6月の安値3万6450円から反発して7月には一旦5万円台を回復したが、その後反落して足元は4万円台前半でモミ合う展開のようだ。ただし4万円台を割り込んで下押す動きは見られない。目先的には底入れしたようだ。

 8月26日の終値4万2000円を指標面(14年1月1日の株式100分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS4890円45銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間300円で算出)は0.7%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS3万6745円45銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、ほぼ底値圏だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:15 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年08月26日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エフティコミュニケーションズは反発のタイミング、売られ過ぎ感

 OA機器販売のエフティコミュニケーションズ<2763>(JQS)の株価は軟調展開が続いている。ただし売られ過ぎ感も強めている。一旦は反発のタイミングだろう。

 TOBで光通信<9435>の連結子会社となった。法人事業(法人向けビジネスホン・OA機器、LED照明機器の販売など)を主力として、コンシューマ事業(一般消費者向け光ファイバ回線サービスの販売、ドコモショップ運営など)、マーキングサプライ事業(プリンタ関連消耗品やファニチャー関連商材の販売など)を展開し、保守サービスなどストック型収益の積み上げを重点戦略としている。

 8月9日発表の今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は前年同期比4.8%増収、同23.3%営業減益、同22.0%経常減益、同1.0%最終減益だった。法人事業とコンシューマ事業は堅調だったが、マーキングサプライ事業で円安に伴って輸入商品仕入れ価格が上昇し、営業損益が悪化した。

 通期見通しについては、ハイブリッド・サービス<2743>に対するTOBに応募して、同社が連結対象外になった(7月26日付)ことに伴い、7月23日に減額修正を発表した。修正後の売上高は前期比30.3%減の320億円、営業利益は同4.2%増の32億40百万円、経常利益は同3.5%増の34億円、純利益は同2.3%増の18億円としている。

 ハイブリッド・サービスが連結対象外となって大幅減収となり、関係会社売却損約2億円も発生するが、法人向けビジネスホン・OA機器の販売が好調であり、ストック型サービスの営業強化も寄与して増益を維持するようだ。ただし、通期見通しに対する第1四半期の利益の進捗率はやや低水準であり、下振れの可能性に注意が必要かもしれない。利益率の高いストック型収益の拡大を期待したい。

■10月1日付けで株式100分割

 なお5月20日に株式分割と単元株制度の採用を発表している。9月30日を基準日(効力発生日10月1日)として1株を100株に分割し、単元株式数を100株とする。このため期末の1株当たり配当金は20円となる。

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値20万円近辺から反落して大幅に水準を切り下げた。8月23日には12万100円まで調整する場面があった。7月23日の減額修正の影響は一時的だったが、第1四半期の営業減益を嫌気したうえに、15万円近辺の下値支持線を割り込む形となって下げ足を速めたようだ。

 8月23日の終値12万2200円を指標面(株式分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1万5909円00銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3000円で算出)は2.5%近辺、そして実績PBR(前期実績の連結BPS5万2830円82銭で算出)は2.3倍近辺である。

 日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が18%を超えて、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると、ちょうど52週移動平均線に到達した。通期下振れの可能性を織り込んだとも考えられる。一旦は反発のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:59 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリーク・アンド・リバー社の今期業績に増額の可能性、高い進捗率

 クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は下値を固めて出直り態勢のようだ。今期(14年2月期)好業績見通しに評価余地があり、増額の可能性も支援材料だろう。

 クリエイティブ分野(日本)は映像・TV、ゲーム、Web・モバイル、広告・出版などで活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業、制作請負事業、電子書籍関連事業、アジア市場向け出版エージェンシー事業などを展開し、韓国のクリエイティブ分野や、医療・IT・法曹・会計分野のエージェンシー事業にも領域を広げている。新分野として建築関連やファッション関連のエージェンシー事業も展開する。テレビ番組制作やSNSゲーム開発関連などプロフェッショナルに対するニーズは拡大基調だろう。

 今期の連結業績見通しは、売上高が前期比5.3%増の200億円、営業利益が同14.7%増の12億円、経常利益が同10.2%増の12億円、純利益が同16.7%増の5億50百万円としている。第1四半期(3月〜5月)は売上高、営業利益ともに過去最高となり、通期の見通しに対する進捗率も売上高が24.9%、営業利益が32.8%、経常利益が32.9%、純利益が38.0%と高水準だった。主力のクリエイティブ分野(日本)を始めとして各分野ともに好調に推移しており、通期増額の可能性が高いだろう。

■第1四半期の営業利益進捗率は32.8%

 株価の動き(3月1日付で株式100分割)を見ると、500円近辺の戻り高値圏から反落して、足元は概ね430円〜450円近辺の狭いレンジでモミ合う展開だ。ただし8月23日には前日比15円(3.45%)高と動きを見せた。430円近辺で下値固めが完了して、出直りのタイミングが接近しているようだ。

 8月23日の終値450円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS173円48銭で算出)は2.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んでいるが、サポートラインの52週移動平均線が接近して動きを見せた形である。好業績見通しや通期増額の可能性が支援材料であり、出直りが期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは9月期末一括の配当取りに妙味、利回り3.2%

 ソフトウェア開発やシステム運用のインフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)の株価は下値を切り上げて、短期モミ合いから上放れの動きを強めている。9月期末一括配当で3%台の配当利回りにも妙味があるだろう。

 ソフトウェア・ソリューション、ネットワーク・ソリューション、運用サービス・ソリューション、クラウド・ソリューション、システム・インテグレーション、プロダクト・ソリューションなど、情報サービス分野におけるトータル・ソリューション事業を展開している。顧客別には、日立システムズや日立ソリューションズなど日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めている。

 8月9日に発表した今期(13年9月期)第3四半期累計(12年10月〜13年6月)の業績(非連結)は、前年同期比7.1%増収、同16.1%営業減益、同10.7%経常減益、同10.7%最終増益だった。クラウドサービス関連や車載用組込ソフトウェア関連を中心に受注が好調である。受注単価抑制の影響などで営業減益だが、純利益は投資有価証券評価損の一巡なども寄与した。

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比6.2%増の62億56百万円、営業利益が同8.7%増の3億52百万円、経常利益が同4.9%増の3億71百万円、純利益が同18.2%増の1億96百万円としている。受注の好調に加えて稼働率上昇効果も寄与するようだ。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が63.1%、経常利益が68.2%、純利益が80.1%である。営業利益はやや低水準だが、純利益は高水準である。

 株価の動きを見ると、概ね700円〜750円近辺でモミ合う展開だが、7月以降は徐々に下値を切り上げて、上放れの動きを強めている。調整が一巡して高値圏へ回帰する動きのようだ。

 8月23日の終値751円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS51円41銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は3.2%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS759円54銭で算出)は1.0倍近辺である。

 週足チャートで見ると、足元で一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線をすぐに回復し、高値圏へ回帰の動きを強めている。9月期末一括配当で3%台の高配当利回りも支援材料であり、5月の高値801円を試す可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:42 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】松田産業は貴金属関連事業が牽引、今期11%増益、自己株取得も

 貴金属リサイクル事業が主力の松田産業<7456>(東1)の株価は、短期調整が一巡して出直り感を強めている。自己株式取得も支援材料だろう。

 貴金属リサイクル事業を主力として、農林水産品を扱う食品関連事業も展開している。エレクトロニクス産業が成長している東アジアを中心に海外拠点網の拡充を推進しており、貴金属関連事業では中国、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、食品関連事業では中国、タイに展開している。

 8月9日発表の今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は前年同期比3.2%増収、同35.5%営業増益、同22.6%経常増益、同19.7%最終増益だった。食品関連事業は低価格化や円安による原価上昇で同3.0%減収、同4.6%営業減益とやや低調だったが、貴金属関連事業が半導体・電子部品業界の生産回復で同5.5%増収、同43.9%営業増益と好調だった。

 通期の見通しは前回予想を据え置き、売上高が前期比4.6%増の1750億円、営業利益が同11.3%増の62億円、経常利益が同6.8%増の65億円、純利益が同3.3%増の41億40百万円としている。セグメント別には貴金属関連事業が同4.1%増収、同7.1%営業増益、食品関連事業が同6.3%増収、同51.5%営業増益見込みとしている。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.7%、営業利益が22.7%、経常利益が21.3%、純利益が21.0%である。食品関連事業の市況改善などもポイントになりそうだが、半導体・電子部品関連の生産が回復傾向を強めているため、貴金属関連事業が牽引して達成可能だろう。

 なお6月10日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限8万株、取得価額総額の上限1億円、取得期間6月11日〜7月11日)については、7月5日に累計取得株式総数が8万株(累計取得価額総額9835万9700円)に達して終了したが、8月9日には新たに自己株式取得を発表した。今回は取得株式総数の上限8万株、取得価額総額の上限1億円、取得期間8月12日〜9月12日としている。

 株価の動きを見ると、8月5日の1373円から反落して水準を切り下げ、8月19日に1244円まで調整する場面があった。全般地合い悪化も影響したようだ。しかし6月の安値圏まで下押すことなく反発し、足元では1300円台を回復して出直り感を強めている。自己株式取得も支援材料となっているようだ。

■PER8倍台、26週線奪回が近い

 8月23日の終値1313円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS153円26銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1643円09銭で算出)は0.8倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線をすぐに回復した。指標面には割安感があり、週足チャートで26週移動平均線を回復すれば、出直り本格化が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:36 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年08月25日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】電算システムは下値に届く、株式分割後2ヶ月経過

 情報サービスの電算システム<3630>(東1)は、6月26日の株式分割権利落後2ヶ月が経過し短期売りはほぼ一巡し株価は底打ちとなっている。今期(13年12月期)業績上振れの可能性も支援材料だろう。

 情報サービス事業(情報処理、情報システム構築、ソフトウェア受託開発)と、収納代行サービス事業(コンビニ収納代行、郵便振替決済代行、ネットショッピング決済、電子マネー決済)を展開している。クラウドサービスや電子マネーへの対応を強化し、12年にはコンビニを窓口とする国際送金サービスも開始した。


 7月30日発表の第2四半期累計(1月〜6月)連結業績(7月23日に増額修正)は前年同期比5.3%増収、同51.7%営業増益、同44.1%経常増益、同51.7%最終増益だった。情報サービス事業が同1.5%増収、収納代行サービス事業が同9.3%増収と順調だったことに加えて、情報サービス事業の採算が想定以上に改善したため計画を上回った。

■第2四半期の営業利益51%増益で通期上振れの可能性

 通期の見通しは前回予想を据え置き、売上高が前期比8.3%増の253億円、営業利益が同11.8%増の10億10百万円、経常利益が同8.8%増の10億10百万円、純利益が同11.8%増の5億78百万円としている。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が52.2%、経常利益が51.5%、純利益が51.0%である。

 新データセンターの費用が発生するが、情報サービス事業では郵便局関連の情報処理サービスやオートオークション向けシステム案件などが順調だ。収納代行サービスでは既存取引先の収納件数増加に加えて新規取引先獲得が寄与する。情報サービス事業の採算改善で第2四半期累計が計画を上回ったことを考慮すれば、通期上振れの可能性があるだろう。

 なお7月30日に発表した立会外分売(8月5日に分売予定期間の変更を発表)は、8月22日に実施(分売株式数35万株、分売値段942円)した。

 株価の動き(7月1日付で株式2分割)を見ると、7月17日に戻り高値となる1250円を付ける場面があったが、その後は水準を切り下げて軟調展開となり、8月21日には971円まで調整する場面があった。立会外分売に対する思惑も影響したようだ。ただし6月27日の安値952円を割り込むことなく、8月22日は前日比55円(5.66%)高の1026円まで急反発する場面があった。

 8月23日の終値1029円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円30銭で算出)は16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式分割を換算した年間20円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS681円64銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発する形であり、下値支持線を確認して反発局面が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:41 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】朝日ラバー頑強にモミ合う、5月高値に対し9合目

 車載照明用ゴム製品の朝日ラバー<5162>(JQS)の株価は小動きだが堅調に推移している。5月の年初来高値320円に対し290円前後で頑強にモミ合っている。指標面の低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第でレンジ上放れが期待される。

 自動車向けなどの工業用ゴム製品を主力として、スポーツ用ゴム製品(卓球ラケット用ラバー)や、医療・衛生用ゴム製品(点滴輸液バッグ用ゴム栓)などにも展開している。シリコーンゴムをベースにした製品開発に強みを持ち、車載用の小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用のLED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」などを主力製品としている。

■第1四半期は営業利益58%増益、第2四半期を増額

 8月9日に発表した今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は前年同期比13.4%増収、同58.6%営業増益、同3.1倍経常増益、同3.4倍最終増益だった。車載用「ASA COLOR LED」など自動車関連製品が増加し、卓球ラケット用ラバーなども堅調だった。営業外収益での為替差益や補助金収入も寄与した。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計(4月〜9月)の見通しを増額修正し、売上高が前回予想比1億円増額の27億円、営業利益が同32百万円増額の1億20百万円、経常利益が同51百万円増額の1億15百万円、純利益が同34百万円増額の70百万円とした。

 通期の見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比10.7%増の53億円、営業利益が同84.5%増の2億50百万円、経常利益が同39.8%増の1億95百万円、純利益が同43.3%増の1億10百万円としている。

 車載用は米国自動車市場の好調、円安に伴う日系自動車メーカーの生産台数増加などで好調が予想され、前期低調だったスポーツ用や医療用も顧客側の在庫調整の影響が一巡する。円安メリットも寄与して営業損益の大幅な改善が期待される。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が26.0%、経常利益が37.9%、純利益が43.6%であり、通期上振れの可能性があるだろう。

 株価の動きを見ると、5月14日に年初来高値320円を付けた後は、概ね280円〜300円近辺の狭いレンジでのボックス展開が続いている。ただし第2四半期累計の増額修正を好感して8月9日には302円まで上伸し、レンジ上放れの動きを強めた。

■PBRはわずか0.4倍

 8月23日の終値290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円19銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS652円12銭で算出)は0.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を挟む展開だが、戻り高値圏で堅調に推移している。指標面の低PBRにも見直し余地があり、きっかけ次第でレンジ上放れが期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:37 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【水田雅展の為替&株式相場展望】来週は米国の量的緩和縮小睨み方向感に欠ける展開、9月は重要イベント目白押し

 来週(8月26日〜30日)の株式・為替相場は、前週に比べて状況に変化はなく、引き続き米国の量的緩和縮小睨みで様子見ムードも強く、方向感に欠ける展開となりそうだ。

 ただし、量的緩和縮小はかなり織り込まれたとして、9月17日〜18日の米FOMCで量的緩和縮小開始を決定すればアク抜けとの見方も広がり始めている。アク抜けを先取りする動きも見られそうだ。さらにユーロ圏の景気底入れ感など明るい材料もあり、様子見ムードは強いが日本株の下値は限定的だろう。

 9月に入ると、4日〜5日の日銀金融政策決定会合、5日のECB(欧州中央銀行)理事会、5日〜6日のG20首脳会議、6日の米8月雇用統計、7日の20年夏季五輪開催地決定、9日の日本4〜6月期GDP改定値、17日〜18日の米FOMC(連邦公開市場委員会)と重要イベントが相次ぐ。米国の量的緩和縮小開始時期と縮小ペースの決定、さらに日本の消費増税実施の最終判断に関連するだけに、こうした重要イベントを通過するまで動き難い状況が続く。状況としては前週と大きな変化はない。

■9月は重要イベント目白押し、6日に米国雇用統計、7日にオリンピック決定

 特に米国の量的緩和縮小に関しては、正式決定すれば米国株が調整局面に入るのか、新興国からのマネー流出が加速するのか、米長期金利が上昇してシナリオどおりドル高・円安が進行するのか、さらに日本の消費増税に関しては安倍晋三首相が予定どおり実施を決断するのか、米国の足元の主要経済指標が強弱入り混じっていることもあり、いずれも現時点では確信できず不透明感を強めている。少なくとも6日の米8月雇用統計と9日の日本4〜6月期GDP改定値までは動き難く、様子見ムードを強めそうだ。

 ただし、中国8月製造業PMI(HSBC)やユーロ圏8月製造業PMIの改善が目先的な安心感につながるなど、明るい材料が見え始め、好材料に反応する動きも強め始めた。特にユーロ圏に関しては、13年4〜6月期GDPが7四半期ぶりにプラス成長に転じたことや、8月消費者信頼感指数が11年7月以来の水準に改善したこともあり、景気底入れ感を強めている。ECBの追加利下げ観測も後退するだろう。外国為替市場ではドル・円相場は膠着しそうだが、ユーロ・円相場はユーロがやや強い動きとなりそうだ。

 さらに、7月の訪日外国人数が単月ベースで初の100万人台に乗せたことで観光関連が注目され、9月7日の20年夏季五輪開催地決定に対する期待感も高まりそうだ。米国の量的緩和縮小を市場はかなり織り込んだとして、正式決定すれば一旦はアク抜け感に繋がるとの見方が広がり始めており、アク抜けを先取りする動きも見られそうだ。

 引き続き思惑が交錯して要人発言にも神経質な中で、好材料・好業績・好需給、そして動きの出始めた銘柄の個別物色が中心になるが、ユーロ関連銘柄や観光立国関連銘柄などにも注目しておきたい。

 その他の注目スケジュールとしては、26日の日本7月企業向けサービス価格指数、米7月耐久財受注、27日の独8月IFO業況指数、米6月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、27日〜28日のブラジル中銀金融政策会合、28日の独9月GfK消費者信頼感指数、米7月住宅販売保留指数、29日の日本7月商業販売統計、米第2四半期GDP改定値、30日の日本7月全国・8月東京都区部消費者物価指数、日本7月完全失業率・有効求人倍率、日本7月家計調査、日本7月鉱工業生産速報値、日本7月住宅着工戸数、ユーロ圏7月失業率、ユーロ圏8月消費者物価指数速報値、ユーロ圏8月景況感・業況感指数、米7月個人所得・消費支出、米8月シカゴ地区購買部協会景気指数などがあるだろう。

 その後は9月1日の中国PMI(国家統計局)、2日の中国8月製造業PMI改定値(HSBC)、3日の日本7月毎月勤労統計、中国8月非製造業PMI(国家統計局)、豪中銀理事会、4日〜5日の英中銀金融政策委員会、5日の米8月ADP雇用報告などが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:33 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは100円前後が固まる、収益改善や低PBRに評価余地

 ファッション専門店のセキド<9878>(東2)の株価は6月上旬から100円近辺でモミ合う展開だ。収益改善や低PBRに評価余地があり、上放れが期待される。

 12年10月に家電の店舗販売事業から撤退し、海外ブランド品を中心とするファッション専門店事業に経営資源を集中して収益改善を進めている。ファッション専門店事業は直営22店舗を展開し、店名を「銀座ラブラブ」に統一する方針だ。ECサイトはストリーム<3071>と業務提携して共同運営している。

■家電販売切り離しファッション事業特化で収益急改善、オリジナルブランド専門店も

 中期的な成長戦略としては、高額のナショナルブランド、中・低価格帯のオリジナルブランド、アウトレットブランドなどの品揃え充実を強化するとともに、新業態としてオリジナルブランド専門店の展開も検討しているようだ。またECサイトでは富裕層向けに重点を置いた品揃え、海外は卸売での展開を推進するようだ。

 今期(14年2月期)業績(非連結)見通しは、売上高が前期比17.7%減の123億円、営業利益が1億40百万円(前期は2億88百万円の赤字)、経常利益が1億円(同2億80百万円の赤字)、純利益が70百万円(同12億83百万円の赤字)としている。家電店舗販売事業からの撤退に伴って大幅減収となるが、不採算事業から撤退した効果で営業損益が大幅に改善する見込みだ。事業撤退損失などの特別損失も一巡する。

 第1四半期(2月21日〜5月20日)の業績は、家電店舗販売事業から撤退した影響で前年同期比31.9%減と大幅減収だったが、営業利益は24百万円の赤字で前年同期の1億39百万円の赤字に比べて大幅に改善した。経営資源の集中や間接部門のスリム化など構造改革が順調に進展しているようだ。

 また6月以降の販売動向は、高額の海外ブランド品や好採算のオリジナルブランド「ポメランジェ」が好調で、人気商品の品揃え充実も寄与して計画を上回る状況のようだ。クリスマス・年末年始商戦の売上構成比が高いため、通期見通しに対する第1四半期の進捗率は低水準だが、足元の好調を考慮すれば通期上振れの可能性があるだろう。

 株価の動きを見ると、6月7日の89円をボトムとして反発し、7月は概ね100円〜105円で推移した。8月はやや水準を切り下げて95円〜100円近辺でモミ合う展開だが、下押す動きは見られない。下値は堅いようだ。

 8月23日の終値95円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円94銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS253円58銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形になったが、収益改善や低PBRに評価余地があり、きっかけ次第で動意付く可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:21 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年08月23日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルファ株価に動意、3ヶ月近いモミ合い放れる気配

 店舗販促用POP広告のアルファ<4760>(JQS)の株価は、モミ合いから上放れの動きを強めてきた。日柄整理の最終局面だろう。

 店舗販促用POP広告の企画・制作事業などを展開し、メーカー・小売のタイアップ企画である消費者向け販促キャンペーンの受注、動画POPのようなデジタルサイネージ(デジタル技術を活用した広告媒体)など新販促商品やサービスの企画・提案を強化している。

 今期(13年8月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比2.1%増の73億円、営業利益が同11.3%増の2億25百万円、経常利益が同8.1%増の2億20百万円、純利益が同50.2%増の1億20百万円としている。

 小売店の販促費削減の影響などで自社企画製品がやや低調だが、消費者向け販促キャンペーンの受注増などで別注製品が堅調であり、営業強化、高付加価値化、原価低減などの効果で増収増益見込みだ。通期見通しに対する第3四半期累計(12年9月〜13年5月)の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が72.9%、経常利益が76.8%、純利益が80.0%と概ね順調な水準である。

■今期2ケタ増益、PER12倍、利回り2.8%

 株価の動きを見ると、8月6日に182円まで上伸する場面があったが、足元は概ね170円〜180円近辺の狭いレンジでモミ合う展開だ。ただし8月22日は前日比7円(4.05%)高の180円まで上伸し、モミ合い上放れの動きを強めた。

 8月22日の終値180円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円91銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績BPS279円81銭で算出)は0.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると、25日移動平均線と75日移動平均線を一気に突破した。また週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインの形である。4月から5月にかけて急騰した反動の日柄整理の最終局面だろう。低PBRも支援材料であり、モミ合い上放れの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:27 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トレジャー・ファクトリーは「中段保ち合い」が抜群、秋相場で有望

 リサイクルショップのトレジャー・ファクトリー<3093>(東マ)の株価は6月調整後の「中段保ち合い」が抜群だ。今期(14年2月期)好業績見通しに評価余地があり、反発のタイミングが接近、秋相場で期待できそうだ。

 関東圏を中心に総合リユースショップと服飾専門リユースショップを直営とFCで展開している。前期(13年2月期)末の店舗数は直営「トレジャー・ファクトリー」44店舗、直営「トレジャー・ファクトリー・スタイル」18店舗、FC「トレジャー・ファクトリー」4店舗の合計66店舗である。Webの取り組みも強化する方針で、4月には楽天市場にオンラインストアをオープンした。

■今期、15.7%増収、営業利益8.2%増益、1株利益135.9円

 今期の業績(非連結)見通しは、売上高が前期比15.7%増の92億40百万円、営業利益が同8.2%増の6億80百万円、経常利益が同8.2%増の6億92百万円、純利益が同1.2%増の3億76百万円としている。新規出店は10店舗の計画で、5月には関西1号店となる神戸新長田店がオープンした。

 新規出店費用が計画を下回ったことを主因として、7月10日に第2四半期累計(3月〜8月)の利益見通しを増額修正している。さらに通期見通しに対する第1四半期(3月〜5月)の進捗率も、売上高が23.9%、営業利益が34.1%、経常利益が34.0%、純利益が35.9%と高水準であり、通期の利益見通しも増額の可能性が高まっている。

 月次売上動向(前年比、速報値、FC除く)を見ると、13年7月は全店が112.5%、既存店が101.0%だった。生活家電などが好調だった。7月の新規出店はなく7月末時点の店舗数は合計69店舗である。リユース市場の拡大、既存店の収益力強化、出店エリア拡大、新規出店、原価率の高い業者仕入れ抑制や値下げ販売抑制による売上総利益率改善などで、中期的な収益拡大が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、7月10日の戻り高値1570円から反落して水準を切り下げた。足元は概ね1350円〜1400円近辺で推移している。全般地合悪化も影響しているだろう。ただし深押しする動きは見られない。1350円近辺で下値固めが完了したようだ。

 8月22日の終値1405円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS135円94銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績のBPS745円53銭で算出)は1.9倍近辺である。

 日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を回復した。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋っている。サポートラインを確認した形であり、反発のタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:17 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】毎日コムネット株価波乱も好業績で下値買いに妙味

 学生専用マンション向け土地・建物サブリース事業の毎日コムネット<8908>(JQS)の株価が調整一巡感を強めてきた。中期成長力を評価して反発が期待される。

 首都圏での不動産ソリューション事業(不動産開発部門と賃貸・管理業務の学生マンション部門)を主力として、学生生活支援事業(課外活動支援部門と人材ソリューション部門)も展開している。大学との連携による学生寮の開発や、学生マンションを建設して投資家へ販売した後にサブリースで運営を受託する開発も強化している。

 管理受託を含めた前期(13年5月期)末の総管理戸数は前々期比1.9%増加の180棟7463戸である。大学生の首都圏進学志向や女子大生比率の上昇などを背景として、居住場所に安全性・快適性・利便性を求めるニーズは一段と高まっているため、中期的に収益拡大が期待される。

■14年5月期は5.5%増収、営業利益2.2%増益

 今期(14年5月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.5%増の99億円、営業利益が同2.6%増の8億58百万円、経常利益が同7.1%増の8億20百万円、純利益が同10.1%増の4億80百万円としている。前期に人材ソリューション部門の営業機能を持分法適用関連会社ワークス・ジャパンへ全面移管したことが減収要因となるが、自社保有物件、サブリース物件ともに開発は順調であり、景気動向の影響を比較的受けにくい学生マンション部門が好調に推移して全体収益を牽引する。

 株価の動きを見ると、8月7日に動意付いて695円まで急騰する場面があったが、人気が続かず反落した。その後は水準を切り下げてやや軟調展開となった。ただし8月21日は557円、8月22日は556円まで調整した後に切り返す動きを見せている。調整が一巡した可能性があるだろう。

■PER10倍台と割安

 8月22日の終値570円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円33銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS528円70銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、550円近辺が下値支持線として意識されそうだ。調整一巡して出直りの動きを強めるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:56 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】星光PMC株価は煮詰まる、400円前後のモミ合いが2ヶ月

 製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は戻り高値圏から一旦反落したが、戻り歩調に変化はなく、26週移動平均線が接近して反発のタイミングのようだ。低PBRも支援材料だろう。400円前後のモミ合いが7月2日からまもなく2ヶ月となり煮詰まっている。

 DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。中期経営目標として設立50周年にあたる17年度の連結売上高350億円、営業利益率10%を掲げ、高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販に加えて、セルロースナノファイバーや導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など新分野も強化している。

 8月2日に発表した今期(13年12月期、決算期変更で9ヶ月決算)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、前年同期比5.1%減収、同7.8%営業減益、同18.6%経常増益、同37.6%最終増益だった。世界的な景気停滞の影響で製紙用薬品事業が同6.3%減収、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が同2.0%減収となり、営業減益だった。ただし円安進行による外貨建て資産に係る為替差益が寄与して経常増益、最終増益だった。

■今期は決算期変更で9ヶ月決算、前年同期間比較で11.8%増収、営業利益2.2%増益

 通期見通しは前回予想を据え置き、売上高が179億70百万円、営業利益が9億円、経常利益が9億60百万円、純利益が5億90百万円としている。前年同期(12年4月〜12月)との比較で見ると11.8%増収、2.2%営業増益、3.2%経常増益、3.0%最終増益で、実質的に増収増益の見込みだ。

 石油化学品・ロジンなどの原材料価格の上昇がマイナス要因となるが、低調だった製紙用薬品、オフセットインキ用樹脂、トナー用樹脂などの需要が上向き、プロダクトミックス改善やコスト低減などの効果も寄与する。通期見通し(9カ月決算)に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.5%、営業利益が28.5%、経常利益が36.2%、純利益が45.8%である。売上高と営業利益はやや低水準だが、経常利益段階では概ね順調な水準だろう。

 株価の動きを見ると、7月以降は概ね400円近辺で推移していたが、第1四半期業績を好感してモミ合いから上放れ、8月7日には465円まで上伸する場面があった。その後一旦反落して足元では400円近辺まで調整しているが、そこから下押す動きは見られない。

■配当利回り3%、PBRは0.6倍

 8月22日の終値404円を指標面(1株当たりの今期予想数値は12ヶ月換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円95銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は3.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS654円99銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると下値を切り上げて戻り歩調に変化はないようだ。低PBRも支援材料であり、サポートラインの26週移動平均線が接近して反発のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | アナリスト水田雅展の銘柄分析
2013年08月22日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】P&Pホールディングスは6月安値手前で下げ止まり下ヒゲの底打ち足

 販売支援などのP&Pホールディングス<6068>(JQS)の株価は、6月の安値278円を割り込まず280円で下げ止まり、しかも下ヒゲ陽線で下値を確認した形だろう。出直りのタイミングが接近しているようだ。

 傘下にピーアンドピーなどを置く持株会社で、販売支援などのSPO(セールス・プロセス・アウトソーシング・サービス)事業、倉庫・物流業務請負などのBYS(バックヤードサポート・サービス)事業、人材派遣・紹介などのHR(ヒューマンリソース・サービス)事業、その他事業を展開している。

■M&A活用し積極的に事業領域を拡大

 4月には流通向け建築・内装施工などを展開する子会社P&Pデザイン(旧ジャパンプロスタッフを商号変更)を立ち上げ、6月には小売・流通向けセールス・プロモーションや伊藤ハム<2284>生産工場向け人材提供などを展開する藤栄テクノサービスを子会社化した。M&Aも活用した事業領域拡大に加えて、ネット通販市場拡大なども追い風となり中期成長が期待される。

 8月7日発表の今期(14年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は売上高が61億45百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益が77百万円(同5.8%減)、経常利益が78百万円(同8.6%減)、純利益が42百万円(同6.9%増)だった。SPO事業が同11.0%減収と低調だったが、BYS事業がコンビニ向け棚卸需要拡大などで同94.8%増収となり、HR事業も同6.5%増収だった。一部高粗利クライアントの直接雇用化の影響で営業減益だが、繰延税金資産計上で最終増益だった。


■今期は2ケタの増収増益、配当利回り3.4%

 通期見通しは前回予想を据え置き、売上高が250億円〜270億円(前期比8.8%増〜17.5%増)、営業利益が6億円〜7億円(同18.0%増〜37.7%増)のレンジ予想としている。連結月次売上動向(前年比、参考値)を見ると13年7月単月が7.5%増、13年4〜7月累計が9.4%増と好調である。事業領域拡大戦略に加えて、有効求人倍率が改善傾向を強めていることや、ネット通販市場が拡大基調であることも追い風となって好業績が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、戻り高値圏の320円近辺から反落して300円台を割り込んだ。足元は安値圏の290円近辺で推移している。ただし8月21日は280円まで調整して6月7日の安値278円に接近した後、終値では前日比6円(2.08%)高の294円に切り返した。

 8月21日の終値294円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPSは未公表のため営業利益予想のレンジ中間値を基に推定した連結EPS31円50銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS308円39銭で算出)は1.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、8月21日の安値圏での下ヒゲ陽線で下値を確認した形だろう。出直りのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:38 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】チムニーは防衛省内施設の受託に見直しの芽、株価は1000円手前で頑強

 大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東2)の株価は、6月中間期末配当・株主優待の権利落ちで一旦調整したが、影響一巡後は水準を切り上げている。1000円手前で頑強だ。

 売上高が業界5位規模の居酒屋チェーンで、飲食事業では主力の居酒屋業態「はなの舞」「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、コントラクト事業では防衛省の施設内を中心に受託食堂を展開している。13年6月末時点の店舗数は直営305店舗、FC289店舗、コントラクト98店舗の合計692店舗である。

 M&Aも積極活用して、漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括して管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを強化している。仕入れ面では魚鮮水産(非連結子会社)が愛媛県で漁業権を保有し、13年4月には中部飼料<2053>と合弁で中部チムニーを設立した。店舗・業態展開では、主力業態の新規出店や業態転換に加えて、軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」を14年までに50店舗出店する計画だ。

 8月7日に発表した今期(13年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)業績(非連結)は、売上高が214億32百万円、営業利益が16億27百万円、経常利益が16億41百万円、純利益が7億26百万円だった。既存店売上が前年比95.0%で計画を下回り、人員増など先行投資負担で営業利益も計画をやや下回った。ただし支払い利息減少などで経常利益と純利益は計画を上回った。

■店舗数692店、今期は増収増益、1株利益78.9円

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比6.7%増の448億20百万円、営業利益が同7.0%増の35億20百万円、経常利益が同4.3%増の34億40百万円、純利益が同20.8%増の15億26百万円としている。既存店売上高の計画は同96.6%で、飲食事業の新規出店は直営50店舗、FC5店舗としている。新規出店効果などで増収増益の見込みだ。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.8%、営業利益が46.2%、経常利益が47.7%、純利益が47.6%である。期中の新規出店効果や冬場の構成比が高いことなども考慮すれば、概ね順調な水準だろう。月次売上(直営店全業態、前年比)を見ると7月は既存店95.2%、全店104.2%、1月〜7月累計は既存店95.0%、全店107.2%となった。7月の既存店は6月の94.7%に比べてやや改善した。

 5月8日発表の自己株式取得(取得株式総数上限73万5000株、取得価額総額上限7億35百万円、取得期間5月9日〜8月31日)の状況は、7月31日時点の累計で取得株式数54万5500株、取得価額総額5億4289万1500円となった。5月8日には株主優待制度の拡充も発表している。

 株価の動きを見ると、1000円近辺でのモミ合い展開から下放れて、6月27日に881円まで調整する場面があった。6月中間期末の配当・株主優待の権利落ちが影響したようだ。しかし影響一巡後は水準を切り上げ、足元では概ね950円〜960円近辺で推移している。

 8月21日の終値951円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS78円91銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績のBPS558円26銭で算出)は1.7倍近辺である。週足チャートで見ると足元は13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、株主優待も考慮した総合利回りで見れば割安感が強いだけに、出直りが期待される(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:34 | アナリスト水田雅展の銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】急反発したOBARA GROUP、PER10倍強に売られ過ぎ感

 溶接機器のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は3000円前後のモミ合い展開から下放れて軟調展開となったが、売られ過ぎ感を強めている。好業績に再評価余地があり、反発が期待される。

 自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、およびエレクトロニクス業界向け平面研磨装置を主力とする研磨装置関連事業を展開している。

■第3四半期の営業利益は前年同期比42.5%の増益、通期も大幅増益

 8月5日に発表した今期(13年9月期)第3四半期累計(12年10月〜13年6月)の連結業績は、前年同期比15.6%増収、同42.5%営業増益、同66.5%経常増益、同88.8%最終増益だった。溶接機器関連事業は世界の自動車メーカーの積極的な増産投資を背景に同15.7%増収、研磨装置関連事業は販売深耕効果などで同15.7%増収と、いずれも好調に推移した。

 通期見通しは前回予想(4月26日に2回目の増額修正)を据え置き売上高が前期比14.4%増の369億円、営業利益が同38.7%増の62億円、経常利益が同54.2%増の71億円、純利益が同72.9%増の47億円としている。自動車業界向け溶接機器の需要が好調であり、平面研磨装置も半導体関連の設備投資が回復傾向のようだ。増収効果に円安メリットも寄与して大幅増益の見込みである。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が74.8%、経常利益が79.8%、純利益が79.8%である。通期想定為替レートが1ドル=91円であり、一段の円安メリットや米国自動車市場の好調なども考慮すれば、3回目の増額修正の可能性があり、来期(14年9月期)も好業績が期待される。

■21日には129円高と急反発、PER10倍台、売られすぎ感強まる

 株価の動きを見ると、戻り高値圏の概ね3000円近辺でモミ合う展開だったが、第3四半期累計業績発表を受けて急落した。モミ合いから下放れの形となり、6月7日の安値2520円も割り込んで軟調展開となった。ただし8月21日には前日比129円(5.26%)高の2582円まで急反発する場面があった。売られ過ぎ感を強めており、8月15日の安値2401円で底打ちした可能性があるだろう。

 8月21日の終値2548円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS241円88銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は0.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1183円67銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ止まった形であり、サポートラインとして意識されそうだ。好業績に再評価余地があり、反発が期待される(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:23 | アナリスト水田雅展の銘柄分析