[アナリスト銘柄分析]の記事一覧
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記事一覧 (11/06)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】電算システムは急騰後の短期調整一巡、好業績評価して上値追い
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2013年11月06日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトホールディングスは急騰の反動調整局面だが再動意のタイミング、ネット通販市場拡大が追い風

 ECサイト構築のソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)の株価は急騰の反動調整局面だが、過熱感が薄れて再動意のタイミングが接近しているようだ。ネット通販市場の拡大が追い風であり、中期成長期待に変化はないだろう。

 ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」販売、ECサイト運用、ECプロモーションサービスなど)を主力に、SI事業(自社グループ開発ソフト「X−point」「AgileWorks」「Assetment」「L2Blocker」販売、基幹系システム受託開発など)や、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 顧客のEC事業立ち上げの戦略コンサルティングから、ECサイト構築・運用・プロモーションサービスまで、総合的なサービスを提供していることが強みであり、前期までのECサイト構築実績は国内断トツ首位の750社超である。アライアンス戦略も強化して、13年5月には日本ユニシス<8056>と資本・業務提携した。また10月には子会社エイトレッドがサイボウズ<4776>のクラウド型サービスウェアとの連携サービスを開始した。

 11月1日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、前年同期比11.6%増収、同8.2%営業増益、同7.8%経常増益、同7.6%最終減益だった。純利益はデータセンター移転費用の特別損失計上が影響して減益だったが、主力のECサイト構築ビジネスが順調に拡大し、デジタルマーケティング分野の拡大も寄与して増収営業増益だった。

 通期見通しは前回予想を据え置き、売上高が前期比12.5%増の113億円、営業利益が同24.2%増の13億59百万円、経常利益が同10.1%増の13億80百万円、そして純利益が同10.0%増の7億10百万円としている。開発費、広告宣伝費、人件費などが増加し、データセンター移転費用を特別損失として計上するが、機能を一段と向上させた「ecbeingプラスワンシリーズ」が好調であり、新規顧客獲得も寄与する。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が45.1%、経常利益が45.9%、純利益が41.0%だが、第2四半期累計の営業利益と経常利益は期初計画を上回る水準であり、特にネガティブ要因とはならないだろう。ネット通販市場の拡大を背景としてECサイト構築・運用の需要は拡大基調であり、市場シェア圧倒的1位の優位性に加えて、高付加価値サービスの投入などで中期的にも収益拡大基調だろう。

 9月25日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限37万5000株、取得価額総額の上限3億円、取得期間13年9月26日〜14年3月31日)については、10月31日時点の累計で、取得株式総数3万9000株、取得価額総額3067万800円となっている。

 株価の動き(7月1日付で株式3分割)を見ると、10月上旬の700円台前半の水準から動意付いて5月高値を突破し、10月21日には年初来高値となる1017円まで上値を伸ばした。その後は反落して急騰の反動調整局面となったが、11月5日は9営業日ぶりに反発した。中期成長力を評価する流れに変化はなく、調整がほぼ一巡したようだ。

 11月5日の終値893円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円29銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS401円55銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近している。過熱感が薄れて再動意のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:14 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】電算システムは急騰後の短期調整一巡、好業績評価して上値追い

 情報サービスの電算システム<3630>(東1)の株価は、急騰後の短期調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。今期(13年12月期)好業績見通しを評価して、上値を追う流れに変化はないだろう。

 情報サービス事業(システムソリューション、情報処理サービス、システムインテグレーション・商品販売)と、収納代行サービス事業(コンビニ収納代行、郵便振替決済代行、ネットショッピング決済、電子マネー決済)を展開している。クラウドサービスや電子マネーへの対応を強化して、12年にはコンビニを窓口とする国際送金サービスも開始している。

 10月11日にはNTTドコモ<9437>との業務提携を発表した。「Google Apps(TM)」を中心としたGoogleの企業向けクラウドビジネスに関する戦略的パートナーとして、スマートデバイスによるクラウド活用の分野で連携し、両社のビジネス拡大を図るとしている。

 10月30日発表の第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は前年同期比5.3%増収、同24.2%営業増益、同19.9%経常増益、同24.9%最終増益だった。セグメント別に見ると情報サービス事業は同2.3%増収だった。システムソリューションがやや低調だったが、情報処理サービスでは郵便局関連、システムインテグレーション・商品販売ではGoogle関連が順調だった。収納代行サービス事業は同8.4%増収だった。新規取引先の獲得に加えて、既存取引先の収納件数増加も寄与した。

 通期の見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比8.3%増の253億円、営業利益が同11.8%増の10億10百万円、経常利益が同8.8%増の10億10百万円、純利益が同11.8%増の5億78百万円としている。新データセンターの費用が発生するが、情報サービス事業の採算改善なども寄与して増収増益見込みだ。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.6%、営業利益が72.5%、経常利益が72.3%、純利益が73.4%である。概ね順調な水準だろう。情報サービス事業、収納代行サービス事業とも順調に業容を拡大しており、来期(14年12月期)についても好業績が予想される。

 株価の動き(7月1日付で株式2分割)を見ると、10月中旬に動意付く形となり、1100円台の水準から10月15日の年初来高値1540円まで急騰した。10月11日に発表したNTTドコモとの業務提携を材料視したようだ。その後も概ね高値圏1400円〜1500円近辺で堅調に推移している。

 11月5日の終値1437円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円30銭で算出)は22〜23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式分割を考慮した年間20円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS681円64銭で算出)は2.1倍近辺である。日足チャート見ると右肩上がりの25日移動平均線が接近して過熱感が解消された。急騰後の短期調整が一巡した形であり、好業績を評価して上値追いの流れに変化はないだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:08 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船は出直り本格化、今期再増額の可能性や洋上風力発電関連が支援材料

 川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は出直りが本格化している。今期(14年3月期)業績の再増額の可能性、海洋資源開発・洋上風力発電関連のテーマ性、指標面の割安感が支援材料であり、3月高値を試す動きだろう。

 石炭・木材・鋼材などの輸送が主力の近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品などの輸送やフェリー輸送が主力の内航部門を展開している。13年5月に発表した中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を目標値として掲げている。

 8月には新規分野としてオフショア・オペレーションとの業務提携を発表した。日本沿岸・近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わる支援船業務を行う合弁会社を設立し、海洋開発に関わる本格的なオフショア支援船の運航を目指す。

 10月31日発表の第2四半期累計(4月〜9月)連結業績(9月13日に増額修正)は前年同期比6.0%増収、同32.3%営業増益、同46.4%経常増益、同7.2%最終増益だった。近海部門は同5.6%増収だった。国内セメントメーカーの活発な生産活動が追い風となり、インドネシア向け鋼材・雑貨輸送の増加も寄与した。内航部門は同6.3%増収だった。不定期船輸送では石灰石専用船や石炭専用船が安定的に稼働し、フェリー輸送での新造船投入効果も寄与した。

 第2四半期累計の好調を受けて通期見通し増額修正し、売上高は16億円増額して前期比6.2%増の451億円、営業利益は1億円増額して同5.0%増の18億50百万円、経常利益は2億円増額して同9.3%増の18億円、純利益は1億50百万円増額して同7.3%増の11億50百万円とした。減益見通しから一転して増益見通しとなった。第3四半期(10月〜12月)以降の前提条件は1ドル=100円(前回公表時90円)、燃料のC重油価格7万5600円/KL(同7万3000円/KL)としている。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が50.2%、営業利益が68.2%、経常利益が69.3%、純利益が73.1%と高水準である。燃料価格の上昇が利益圧迫要因となるが、公共投資増加や景気回復などでセメント、鋼材、石灰石、石炭などの輸送量は高水準推移が予想される。通期再増額の可能性もあるだろう。

 株価の動きを見ると出直りの動きが本格化している。6月安値242円、8月安値256円、9月安値262円、10月安値271円と下値を切り上げる一方で、上値は10月31日に301円まで上昇して5月23日以来の300円台を回復する場面があった。好業績を評価する動きだろう。

 11月5日の終値295円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円17銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破後は、13週移動平均線がサポートラインとなって強基調に転換している。今期業績の再増額の可能性、海洋資源開発・洋上風力発電関連のテーマ性、指標面の割安感が支援材料であり、3月高値333円を試す動きだろう。終値で300円台を回復すれば上げ足に弾みがつきそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:51 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ラクーンはEC市場拡大を追い風に好業績、再動意のタイミング

 電子商取引(EC)サイトを運営するラクーン<3031>(東マ)の株価は急騰後の反動で戻り一服の形だが、再動意のタイミングのようだ。EC(電子商取引)市場拡大を背景に好業績見通しであり、4月高値圏回帰を目指す動きに変化はないだろう。

 アパレル・雑貨分野の企業間電子商取引サイト「スーパーデリバリー」を運営するEC事業を主力として、締め支払い決済サービスの「Paid」サービス、売掛債権保証事業など周辺分野に事業領域を広げている。主力の「スーパーデリバリー」では質の高い会員小売店と出展企業を獲得し、利便性の高いサービス提供などによって客単価や稼働率の向上に取り組んでいる。

 今期(14年4月期)連結業績見通しは、レンジ予想で売上高が103億円〜106億円(前期比5.2%増〜8.3%増)、営業利益が2億20百万円〜2億30百万円(同21.5%増〜27.1%増)、経常利益が2億10百万円〜2億20百万円(同19.3%増〜25.0%増)、純利益が1億25百万円〜1億35百万円(同6.0%減〜1.5%増)としている。純利益は税負担正常化で横ばいだが、会員数や取扱高の増加で増収営業増益見込みだ。

 第1四半期(5月〜7月)は、主力のEC事業で減価償却費が増加したが、売掛債権保証事業の収益改善効果が寄与して増収営業増益だった。13年7月末時点の「スーパーデリバリー」会員小売店数は3万7570店舗(13年4月末比1030店舗増加)で、出展企業数は952社(同9社減少)、商材掲載数は38万3771点(同1万4052点増加)と好調に推移している。通期ベースでも好業績が期待されるだろう。なお11月27日に第2四半期累計(5月〜10月)の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、10月上旬の300円台から10月17日の戻り高値562円まで急騰した。その後は反動調整局面で戻り一服の形だが、450円〜460円近辺で下げ渋り、反発の構えを見せている。11月5日には前日比47円(9.98%)高の518円まで急反発する場面があった。

 11月5日の終値483円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値23円86銭で算出)は20倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS246円54銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して強基調に転換した形であり、4月の高値圏回帰を目指す動きに変化はないだろう。また日足チャートで見ると右肩上がりの25日移動平均線が接近して過熱感が解消した。再動意のタイミングのようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:49 | アナリスト銘柄分析
2013年11月05日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマンは好業績評価、10月売上の好調も刺激材料で押し目買い好機

 作業服チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価は高値圏で上げ一服の形だが、今期(14年3月期)好業績見通しを評価して上値追いの流れに変化はなく、11月1日に発表した10月月次売上の好調も刺激材料となりそうだ。押し目買いの好機だろう。

 ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴で、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。13年9月末時点の店舗数はFC店610店舗、直営店111店舗、合計は1都2府35県下に721店舗で、22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。

 10月31日発表の第2四半期累計(4月〜9月)業績(非連結)は、チェーン全店売上高が前年同期比4.3%増、既存店売上高が同2.0%増、営業総収入が同3.0%増、営業利益が同4.4%増、経常利益が同3.6%増、純利益が同3.7%増だった。夏物商戦が天候不順の影響を受けたため計画をやや下回ったが、増収増益だった。EDLP商品の構成比は同3.1ポイント上昇して47.1%となった。新規出店は島根県への初出店など11店舗で、期末店舗数は721店舗となった。

 通期見通しは前回予想を据え置いてチェーン全店売上高が前期比6.0%増の676億90百万円、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗、S&B2店舗として出店エリアも拡大する。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.9%、営業利益が41.8%、経常利益が42.4%、純利益が39.8%とやや低水準だが、期中の新規出店効果に加えて、10月中旬以降の気温低下で秋冬商戦が好調であり、好業績が予想される。

 11月1日発表の月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比、速報値)を見ると、13年10月単月は全店110.0%、既存店107.8%で全店、既存店ともに今期最も高い伸び率となった。10月は降雨日が多かったことで雨具類や作業靴、中旬以降の気温低下で秋冬商品が好調だった。13年4月〜10月累計は全店105.2%、既存店102.9%となった。10月の新規出店は1店舗(4月〜10月累計12店舗)で、10月末時点の合計店舗数は722店舗となった。

 株価の動きを見ると、9月9日に年初来高値となる4180円を付けた。その後は上げ一服の形だが、概ね高値圏の3800円〜4000円近辺で堅調に推移している。好業績見通しを評価する動きだろう。11月1日は前日比60円(1.56%)安と続落したが、全般地合い悪の影響も受けたようだ。

 11月1日の終値3780円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、週足チャートで見ると26週移動平均線が接近して反発のタイミングだろう。好業績見通しを評価して上値追いの流れに変化はなく、4000円割れ水準は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:55 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォマートは週足チャート好展開、好業績

 EC事業を展開するインフォマート<2492>(東マ)は10月31日に第3四半期累計(1月〜9月)業績を発表した。11月1日の株価は6営業日続落となったが、全般地合い悪の影響を受けた形だ。好業績を評価して5月高値を試す流れに変化はなく、押し目買いの好機だろう。

 フード業界向け企業間電子商取引(BtoB)プラットフォームで「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」などを提供し、システム使用料収入が収益柱である。プラットフォーム「FOODS info Mart」の利用企業数(海外事業除く)は、13年9月末時点で12年12月末比1870社増加の3万3349社(売り手企業が同1734社増加の2万6509社、買い手企業が同136社増加の6840社)となり増加基調である。

 中期成長に向けて「ASP受発注システム」など各システムの利用拡大を図る取り組みを強化するとともに、次世代「BtoB&クラウド」プラットフォームの開発、海外展開の本格化、美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」など事業領域の拡大を推進している。

 データ連携でのアライアンス戦略も推進し、13年5月にはJFEシステムズ<4832>と「ASP規格書システム」、13年6月には東芝テック<6588>と「ASP受発注システム」、13年11月には東京システムハウスと「ASP規格書システム」でデータ連携を開始した。また13年9月にはオザックスと共同でフード業界の海外進出応援サイトを開設している。

 10月31日に発表した今期(13年12月期)第3四半期累計の連結業績は、前年同期比15.1%増収、同55.8%営業増益、同58.8%経常増益、同2.2倍最終増益だった。売上高はほぼ計画水準で、利益は計画を大幅に上回った。主力の「ASP受発注システム」など各システム事業の好調やクラウドサービス事業の拡大で2桁増収となり、ソフトウェア償却費や人件費の増加を吸収して大幅増益だった。

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比16.0%増の43億88百万円、営業利益が同22.3%増の9億97百万円、経常利益が同21.2%増の9億88百万円、純利益が同19.8%増の5億94百万円としている。既存プラットフォームの償却期間短縮や次世代プラットフォームのリリースに伴い償却負担が増加するが、利用企業数増加や利用拡大に伴ってシステム使用料収入が順調に増加する。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が72.4%、営業利益が83.4%、経常利益が84.6%、純利益が83.8%と高水準だ。登録・利用店舗数増加に伴ってシステム使用料収入は増加基調であり、利益面では通期増額の可能性があるだろう。さらに来期(14年12月期)は、既存プラットフォームの償却完了で償却負担が減少することも寄与して好業績が期待される。

 なお10月31日には株式分割も発表している。13年12月31日を基準日(効力発生日14年1月1日)として1株を2株に分割する。

 株価の動き(13年7月1日付で株式2分割)を見ると、8月以降は概ね戻り高値圏2000円〜2400円近辺のレンジでボックス展開のようだ。足元では11月1日に前日比95円(4.41%)安の2060円まで調整する場面が合ったが、終値では前日比24円安まで戻している。全般地合い悪の影響を受けて急落したが、レンジ下限に到達して反発の形となった。

 11月1日の終値2131円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円21銭で算出)は53倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に7月の株式分割を考慮した年間換算21円13銭で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績に7月の株式分割を考慮した連結BPS198円30銭で算出)は11倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、ボックスレンジ下限に到達した形だ。また週足チャートで見ると、26週移動平均線が接近して反発のタイミングだろう。好業績を評価して5月の高値2545円を試す流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事は上値壁からの調整が最終局面、指標割安

 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事<8075>(東1)の株価は、戻り高値圏から反落して調整局面だが、反発のタイミングが接近しているようだ。指標面の割安感も支援材料であり、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、経営数値目標として16年3月期の売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げ、日系自動車部品メーカーの素材調達に対応したメキシコでの現地法人設立、さらにインドでの建設機械向け鉄鋼厚板加工工場の稼働などグローバルビジネスを加速させている。

 10月31日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は前年同期比3.8%増収、同0.7%営業増益、同1.0%経常増益、同3.1倍最終増益だった。売上面では機械・情報セグメントと溶材セグメントが低調だったが、粗鋼生産や自動車生産の増加を受けて鉄鋼セグメント、鉄鋼原料セグメント、非鉄金属セグメントが堅調に推移して、利益は期初計画を上回った。純利益は過年度法人税の一巡が寄与して大幅増益だった。

 通期見通しは前回予想(9月13日に修正)を据え置いて、売上高が前期比10.4%増の8500億円、営業利益が同6.3%増の58億円、経常利益が同9.1%増の53億円、純利益が同54.2%増の29億円としている。中国やインドでの新規事業の創業費用が発生するが、増収効果で吸収する見込みだ。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.5%、営業利益が43.0%、経常利益が41.8%、純利益が34.7%とやや低水準だが、期後半に向けて需要回復や市況改善が期待される。

 株価の動きを見ると、9月24日に戻り高値220円まで上伸して5月高値223円に接近したが、その後は利益確定売りが優勢になって概ね195円〜205円近辺の水準で推移している。11月1日は前日比6円(2.96%)安と続落したが、全般地合い悪の影響も受けた形だろう。

 11月1日の終値197円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円75銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS335円84銭で算出)は0.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んでいるが、週足チャートで見ると下値を切り上げている。さらにサポートラインの26週移動平均線に接近して反発のタイミングのようだ。指標面の割安感も支援材料であり、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】資生堂は調整一巡、13週線で底打ち

 資生堂<4911>(東1)の株価は高値圏で推移している。足元は上げ一服の形だが、今期(14年3月期)収益改善見通しに対する評価は高く、自律的な短期調整を挟みながら上値を追う流れに変化はないだろう。

 国内外での売上低迷、買収した米ベアエッセンシャル社関連の減損損失などで前期(13年3月期)の収益が大幅に悪化したが、生産・研究開発拠点の再編などコスト構造改革を実施して収益改善を進めるとともに、国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出している。また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH−01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。

 なお10月18日には、カリタ事業およびデクレオール事業を展開しているフランスの子会社の株式および資産について、フランスのロレアル社から譲渡提案(提案価格2億3000万ユーロ)を受け、独占交渉契約を締結して交渉を開始したと発表している。事業の選択と集中を進める方針だ。

 10月31日に発表した第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績(10月17日に修正)は前年同期比8.1%増収、同2.4倍営業増益、同2.5倍経常増益、同7.1%最終増益だった。報告セグメント別売上高は、国内化粧品事業が店頭在庫適正化に向けた出荷抑制などで同2.6%減収だったが、グローバル事業は円安が寄与して円換算後で同20.1%増収、その他事業は同2.5%増収だった。

 利益面では、下期に実施する売上下位商品の店頭在庫回収に係る営業費用約40億円、生産終了品の店頭在庫回収に伴う特別損失約63億円を引当計上したため純利益は小幅増益にとどまったが、コスト構造改革による費用削減効果で営業損益と経常損益は大幅に改善した。グローバル事業の営業利益は、中国におけるコスト構造改革の効果などで前年同期の営業損失60億57百万円から19億55百万円の営業黒字に転換した。

 通期見通しは前回予想(7月31日に増額修正)に対して、売上高を130億円増額して前期比9.2%増の7400億円、営業利益を10億円増額して同53.6%増の400億円、経常利益を20億円増額して同44.3%増の410億円、純利益は店頭在庫回収に伴う特別損失の計上で50億円減額して150億円(前期は146億85百万円の赤字)とした。

 報告セグメント別売上高の見通しについては、国内化粧品事業が同1.7%減の3400億円、グローバル事業が同21.0%増の3900億円、その他事業が同5.3%増の100億円としている。利益面では円安や事業構造改革効果が寄与して営業損益が大幅に改善する。通期の想定為替レートは1米ドル=97円、1ユーロ=127円、1中国人民元=15.7円とした。

 株価の動きを見ると、9月30日に年初来高値1796円を付けた後は上げ一服の形だが、概ね高値圏の1650円〜1750円近辺で推移している。大きく下押す動きは見られず、自律的な短期調整の局面のようだ。事業構造改革による収益改善を評価する動きに変化はないだろう。

 11月1日の終値1670円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円66銭で算出)は44倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.3倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、75日移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。また週足チャートで見ると、サポートラインの13週移動平均線が接近して反発のタイミングのようだ。強基調に変化はなく、自律的な短期調整を挟みながら上値を追う流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は建設ビッグプロジェクト目白押し、押し目買い好機

 建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は動意後の反動局面のようだ。ただし建設ビッグプロジェクトが目白押しという良好な事業環境を背景に好業績が予想される。上値を追う流れに変化はなく、足元の反動調整局面は押し目買いの好機だろう。

 総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。さらに農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアを9月に立ち上げた。

 10月25日発表の今期(13年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は前年同期比5.4%増収、同38.1%営業増益、同36.3%経常増益、同69.3%最終増益だった。受注高は同21.5%増の366億19百万円と好調だった。公共投資の増加を追い風に良好な事業環境が続いている。高水準の受注残高に加えて、売上高販管費比率が同1.0ポイント低下して大幅営業増益となった。

 通期の見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.3%、営業利益が88.1%、経常利益が85.9%、純利益が93.3%と高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。来期(14年12月期)についても、公共投資増加が追い風となって好業績が予想される。

 株価の動きを見ると10月中旬に動意付き、800円近辺の短期モミ合いから上放れの形となって5月高値883円を突破した。10月25日には年初来高値となる1010円まで上伸した。その後は反落して800円台後半まで調整している。第3四半期累計業績の発表で一旦は好材料出尽くしとなり、急騰後の反動調整局面のようだ。

 11月1日の終値872円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に接近して下げ渋りの動きを強めている。また週足チャートで見ても13週移動平均線が接近して目先的な過熱感は解消された。上値を追う流れに変化はなく、足元の反動調整局面は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:45 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは13週線に沿った上昇、上放れのタイミング

 カーテンレールやブラインド大手のトーソー<5956>(東2)の株価は戻り高値圏で堅調に推移している。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングだろう。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略としては、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅物件の獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。

 10月31日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、前年同期比6.0%増収、同5.9%営業増益、同13.1%経常増益、同13.5%最終増益だった。売上面では介護用品事業がやや低調だったが、主力の室内装飾関連事業は新製品を中心とする営業強化も奏功して、同6.4%増収と好調に推移した。利益面で見ると為替の影響で売上原価率が0.9ポイント悪化し、販売促進費用も増加したが、増収効果で吸収した。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比5.1%増の235億円、営業利益が同47.5%増の13億円、経常利益が同39.2%増の12億円、純利益が同58.5%増の6億50百万円としている。新設住宅着工や住宅リフォーム需要が高水準に推移し、省エネ意識の高まりも背景として遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移する。配送費、人件費、販売促進費などの増加が利益圧迫要因だが、高付加価値製品の好調、新製品の積極投入、さらに営業強化策の効果で好業績が期待される。

 なお9月27日に東京都家具厚生年金基金の特例解散を発表している。同基金の解散に伴って費用の発生が見込まれるが、費用の金額と業績への影響について現時点では不確定要素が多いため、見積金額が判明した時点で速やかに公表するとしている。

 株価の動きを見ると、9月24日に戻り高値となる498円を付けた。その後は戻り高値圏の概ね480円〜490円近辺で堅調に推移している。11月1日は前日比8円(1.62%)安と反落したが、全般地合い悪の影響を受けた形だろう。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 11月1日の終値485円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円48銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると500円近辺でやや上値が重くなっているが、13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調に変化はないようだ。指標面の割安感や好業績見通しを評価して、5月の高値549円を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | アナリスト銘柄分析
2013年11月04日

【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】米、ユーロ、中国の金融政策不透明感で不安定な相場に、6日のトヨタ決算が最大の注目

<株式・為替相場展望>(5日〜8日)

 来週(11月5日〜8日)の株式・為替相場は、海外の金融政策や国内の企業業績に敏感で不安定な地合いが継続しそうだ。外国為替市場では米国・ユーロ・中国の金融政策に対する不透明感や思惑がかく乱要因となり、株式市場では為替動向や国内主要企業の9月中間決算発表に敏感に反応する形だろう。注目材料は6日のトヨタ自動車の決算発表、7日のECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、7日の米第3四半期(7〜9月期)GDP速報値、8日の米10月雇用統計だ。

 前週の動きを振り返ると、外国為替市場は日米の金融政策会合を控えていたため概ね1米ドル=97円〜98円台で小動きだったが、10月31日の海外市場ではユーロ売りが強まる場面があり、また11月1日の米国市場では1米ドル=98円台後半までドル高・円安方向に傾いた。株式市場は米国株が史上最高値を更新した流れに対して、日本株は上値が重く、為替動向や主要企業の9月中間決算発表などに敏感に反応し、株価指数先物取引が主導する形で急落する動きが目立つなど不安定な地合いだった。

 米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に関しては、テーパリング(量的緩和縮小)開始時期に対する不透明感を強めている。10月前半の米政府機関の一部閉鎖など財政問題を巡る混乱が景気に与えた悪影響を見極める必要があることや、14年2月7日まで先送りした連邦政府債務上限引き上げ問題が控えていることもあり、テーパリング開始時期は14年3月以降との見方が優勢になっている。

 ただし、10月29日〜30日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明文で量的緩和の長期化に言及しなかったとして、次回12月17日〜18日のFOMCでのテーパリング開始との思惑もくすぶっている。このため7日の米第3四半期GDP速報値と8日の米10月雇用統計が注目される。弱い内容だった場合にはテーパリング開始の先送り観測が強まり、為替は一時的にドル安・円高方向に傾く可能性があり、さらに要人発言を受けて乱高下する場面もありそうだ。

 ユーロ圏の金融政策に関しては7日にECB理事会が開催される。ユーロ圏の景気底入れ期待が高まっていたが、10月31日にはユーロ圏10月消費者物価指数速報値など主要経済統計が市場予想より弱い内容だったため、ECBの追加緩和観測が急速に広がってユーロ売りの動きを強めた。7日のECB理事会では金融政策の現状維持との見方が有力だが、理事会後の記者会見でドラギ総裁が年内の追加利下げを示唆するかが注目されている。

 中国の金融引き締め観測に関しては過度な警戒感が一旦は後退しているが、9日〜12日に中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が開催されるため思惑に繋がる可能性があり、引き続き注意が必要となる。このように米国、ユーロ、中国の金融政策に対する不透明感を強めている状況であり、外国為替市場では思惑も絡んで不安定な動きとなる可能性もあるだろう。そして為替の不安定な動きは日本の株式市場に大きな影響を与える。

 国内では13年9月中間期決算発表が本格化し、化学、鉄鋼、機械、電機、自動車、精密、通信セクターを中心に、主力銘柄の発表がほぼ峠を越えた。日立製作所のように上方修正幅がポジティブサプライズとなった銘柄もあるが、一方ではコマツやソニーのように通期見通しを下方修正した銘柄に対する失望売りはもちろん、上方修正しても市場予想を下回ったとして叩き売られる光景は四半期ごとの定例行事となっている。

 そして来週は、市場のムードに大きな影響を与えそうなトヨタ自動車の決算発表が6日に予定されている。通期見通しの上方修正はほぼ確実とみられているだけに、事前の高すぎる市場予想を上回るポジティブサプライズとなって市場のムードを好転させるか、あるいは市場予想に届かなかったとして市場のムードを冷え込ませるかが焦点となる。

 なお日経平均株価をチャートで見れば、上値は7月23日の1万4820円18銭、9月27日の1万4817円50銭、10月23日の1万4799円28銭を結ぶ抵抗線が意識され、下値は6月13日の1万2415円85銭、8月28日の1万3188円14銭、10月8日の1万3748円94銭を結ぶ支持線が意識される三角保ち合いの形だ。上下どちらかに放れるタイミングが接近しているようだが、6日のトヨタ自動車の決算がきっかけになる可能性もあるだろう。

 需給面で見れば売り圧力が強まっている状況だ。高水準の裁定買い残高や信用買い残高に加えて、5月高値の信用期日や海外ヘッジファンドの11月決算が接近している。そして11月5日から空売り規制が緩和され、取引に厚みが増すというメリットもあるが、当面は売り圧力が増すとの見方が有力だ。海外ヘッジファンドなどのポジション調整売り、先物の仕掛け的な売りに伴う裁定解消売り、信用期日接近に伴う見切り売りに加えて、年内の証券優遇税制廃止に向けた利益確定売りも徐々に増えそうだ。売買代金が膨らみ、こうした売りを吸収できるかも焦点だろう。

 物色面では引き続き政策関連銘柄や、9月中間期決算あるいは通期見通しで好業績を発表した銘柄への個別物色が中心となるが、好業績見通しを発表しながらも市場予想に届かなかったとして売り叩かれた銘柄に対する見直し買いも入りやすいタイミングだろう。

 その他の注目スケジュールとしては、11月4日の米9月製造業新規受注、5日の日本10月マネタリーベース、豪中銀理事会、中国10月サービス部門PMI(HSBC)、米10月ISM非製造業景気指数、6日の米9月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、6日〜7日の英中銀金融政策委員会、7日の日本9月景気動向指数CI速報値、米9月消費者信用残高、8日の中国10月貿易統計、米9月個人所得・消費支出、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。

 その後は、9日の中国10月主要経済統計(PPI、CPI、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資)、11日の日本9月経常収支、14日の日本7〜9月期GDP1次速報値、ユーロ圏7〜9月期GDP速報値などが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:49 | アナリスト銘柄分析
2013年11月01日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは煮詰まり感強まり動意のタイミング接近、指標面の割安感に見直し余地

 合成樹脂専門商社のプラマテルズ<2714>(JQS)の株価はモミ合い展開だが、指標面の割安感に見直し余地があり、煮詰まり感を強めて動意のタイミングが接近しているようだ。

 双日<2768>グループの合成樹脂原料・製品・関連機器の専門商社で、エンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂を主力としている。需要先を業種別に見るとOA・事務機器、家電・電子部品を中心として、建材、医療、自動車向けなど幅広い。高付加価値商材の拡販とともにタイ、インド、台湾などアジア市場への展開を加速している。

 10月30日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は前年同期比1.7%増収、同11.1%営業減益、同8.9%経常減益、同83.1%最終減益だった。売上高は増収を確保したが、売上総利益率がやや低下して営業減益だった。純利益は厚生年金基金からの脱退に伴う脱退時特別掛金2億66百万円を特別損失に計上したことが影響した。

 通期見通しは前回予想(7月26日に厚生年金基金からの脱退に伴う特別損失計上で純利益を減額修正)を据え置き、売上高が前期比4.3%増の580億円、営業利益が同6.4%増の8億70百万円、経常利益が同7.2%増の8億40百万円、純利益が同14.3%減の3億60百万円としている。エンジニアリング系樹脂の高付加価値商材が堅調に推移する。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.6%、営業利益が44.1%、経常利益が44.4%、純利益が10.6%である。期後半の需要回復を考慮すれば概ね順調な水準だろう。下期は特別損失が発生しない見込みだ。

 株価の動きを見ると、8月以降は概ね400円近辺のレンジでボックス展開であり、足元はレンジ下限に到達した形のようだ。10月30日は軟調地合いの影響も受けて前日比5円(1.25%)安の395円まで続落する場面があったが、終値では前日比1円(0.25%)安の399円まで戻している。第2四半期累計業績に対する反応は限定的のようだ。

 10月31日の終値399円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円11銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS795円07銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると410円近辺で上値が重く、26週移動平均線を挟む展開だが、足元では52週移動平均線が接近して動意のタイミングが接近しているようだ。高配当利回り、低PBRに見直し余地があり、煮詰まり感を強めて上放れの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】チムニーは年初来高値更新、12月期末に向けて上値追いの流れ

 大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東2)の株価は5月高値を突破して上値追いの展開だ。株主優待制度を現金換算した総合利回りに依然として評価余地があり、12月期末に向けて上値を追う流れだろう。

 業界5位規模の大手居酒屋チェーンで、飲食事業では主力の居酒屋業態「はなの舞」「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」の出店も強化している。コントラクト事業は居酒屋事業で培った店舗運営ノウハウを活用して、官公庁施設などで受託食堂を展開している。M&Aを積極活用して漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括して管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを一段と強化する方針だ。

 今期(13年12月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.7%増の448億20百万円、営業利益が同7.0%増の35億20百万円、経常利益が同4.3%増の34億40百万円、純利益が同20.8%増の15億26百万円としている。第2四半期累計(1月〜6月)は既存店売上高がやや低調で、人員増などの先行投資負担も利益圧迫要因だったが、通期ベースでは新規出店効果などで好業績が期待される。

 月次売上(直営店部門)動向を見ると、13年9月単月は既存店(既存直営店365店舗)93.0%、全社(直営店全業態409店舗)102.2%、13年1月〜9月累計では既存店95.0%、全店106.7%である。既存店は客数がやや伸び悩んでいるようだが、客単価は13年3月から7ヶ月連続で100.0%以上となっている。なお9月末時点の店舗数は直営店が409店舗、FC店が290店舗で合計699店舗となった。

 株価の動きを見ると、10月中旬に1000円近辺でのモミ合いから上放れの展開となり、10月21日に1065円を付けて年初来高値を更新した。さらに10月22日には1093円まで上値を伸ばし、足元も高値圏で堅調に推移している。好業績見通しや株主優待制度を評価する動きだろう。

 10月31日の終値1083円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS78円91銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS558円26銭で算出)は1.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して強基調に転換した形だ。また日足チャートで見ても、25日移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。今期好業績見通しに加えて、株主優待制度を現金換算した総合利回りの高さに依然として評価余地があり、12月期末に向けて短期的な自律調整を挟みながら上値を追う流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:38 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本エム・ディ・エムは久々の300円台乗せ、収益改善基調を評価して4月高値目指す

 医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の株価は出直り歩調の展開で、5月と6月に付けた戻り高値に接近している。収益改善基調や成長分野の医療関連のテーマ性を評価して、4月の高値を目指す流れだろう。

 骨接合材料、人工関節、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器輸入商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が前期に終了したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と自社製品比率上昇によって収益改善基調だ。13年6月にはODEV社製造の脊椎固定器具の薬事承認を取得した。ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得しており、中国の高齢化社会到来で収益寄与が期待される。

 10月30日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.3%増の41億68百万円、営業利益が42百万円(前年同期は2億29百万円の赤字)、経常利益が45百万円の赤字(同3億84百万円の赤字)、純利益が20百万円の赤字(同3億07百万円の赤字)だった。利益は期初計画を大幅に上回った。ODEV社製の人工関節製品や脊椎固定器具の販売が日本および米国で好調であり、自社製品比率が前年同期の53.1%から73.9%に上昇した効果で、売上総利益が大幅に増加した。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比15.6%増の94億円、営業利益が5億40百万円(前期は1億52百万円の赤字)、経常利益が4億40百万円(同3億95百万円の赤字)、純利益が2億円(同3億97百万円の赤字)の黒字としている。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了の影響が一巡し、ODEV社製の人工関節製品や脊椎固定器具の日本および米国での販売好調、ODEV社と共同開発の骨接合材新製品「MODE」の日本での拡販、自社製品比率上昇による売上総利益率改善などで営業損益が黒字化する見込みだ。なお想定為替レートは1米ドル=93円としている。

 株価の動きを見ると、9月2日の直近安値231円をボトムに反発して出直り歩調の展開となっている。10月3日に295円を付けた後に一旦は260円台に反落する場面があったが、すぐに切り返して10月31日には306円まで上伸する場面があった。収益改善基調を評価する動きだろう。

 10月31日の終値300円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円56銭で算出)は40倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS409円58銭で算出)は0.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインであり、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸している。強基調に転換した形だろう。5月1日と6月24日に付けた戻り高値318円は射程圏であり、収益改善基調を評価して4月1日の高値350円を目指す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは収益改善基調や低PBRを評価して下値切り上げ

 ファッション専門店のセキド<9878>(東2)の株価は、9月30日の急伸から一旦反落したが下値を着実に切り上げている。収益改善基調や低PBRに加えて、外国人旅行客の増加も支援材料であり、きっかけ次第で上値を試す動きとなりそうだ。

 12年10月に家電の店舗販売事業から撤退し、海外ブランド品を中心とするファッション専門店事業に経営資源を集中して収益改善を進めている。ファッション専門店「銀座ラブラブ」を直営店で展開し、店舗数は10月に2店舗を新規出店して24店舗となった。ECサイトについてはストリーム<3071>と業務提携している。

 中期的な成長戦略としては、高額のナショナルブランド、中・低価格帯のオリジナルブランド、アウトレットブランドなどの品揃えを充実し、ECサイトでは富裕層向けに重点を置いた品揃えを強化する方針だ。また新規出店と既存店リニューアルを強化し、新業態としてオリジナルブランド専門店の展開や、海外向け卸売業態の展開を検討するようだ。

 今期(14年2月期)の業績(非連結)見通しについては、9月30日に営業利益を47百万円減額、経常利益を6百万円増額、純利益を81百万円増額して、売上高が前期比17.7%減の123億円、営業利益が93百万円(前期は2億88百万円の赤字)、経常利益が1億06百万円(同2億80百万円の赤字)、純利益が1億51百万円(同12億83百万円の赤字)とした。

 先行き不透明感が強いとして下期の期初計画を据え置いているが、高額の海外ブランド品や好採算のオリジナルブランド「ポメランジェ」の販売が好調であり、ネット通販の売上も大幅に増加している。そして不採算事業撤退の効果も寄与して第2四半期累計(2月21日〜8月20日)の営業損益は大幅に改善した。クリスマス・年末年始商戦で下期の売上構成比が高いこともあり、通期見通しは保守的な予想だろう。さらに来期(15年2月期)は営業損益が一段と改善しそうだ。

 株価の動きを見ると、9月30日に124円まで急伸して、4月と5月に付けた年初来高値124円に面合わせの場面があった。第2四半期累計の営業損益改善を好感した動きだ。その後一旦反落して10月8日に101円まで調整したが、足元では105円〜110円近辺に水準を切り上げている。

 10月31日の終値106円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS10円65銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS253円58銭で算出)は0.4倍近辺である。

 6月安値の89円をボトムとして、8月の93円、9月の98円、10月の101円と着実に下値を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。収益改善基調や低PBRに評価余地があり、きっかけ次第で高値124円を試す動きとなりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:10 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズ戻り高値圏のモミ合いに煮詰まり感、好業績評価して3月高値試す

 業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ<2915>(東1)の株価は、戻り高値圏でのモミ合い展開に煮詰まり感を強めている。好業績を評価して上放れから3月高値を試す流れだろう。

 マヨネーズ・ドレッシング類を主力として、調味料・加工食品事業および総菜関連事業を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」などの事業領域拡大戦略が順調に進展している。サラダカフェ事業の店舗展開は首都圏・関西圏中心に30店舗とする構想だ。静岡県富士市の新工場(14年4月稼働目標)では小型サラダ市場にも本格参入する。海外は中国・杭州の新工場が本格稼働し、インドネシアにも合弁会社を設立した。国内外での事業展開積極化で中期成長期待は高い。

 今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比1.8%増の555億円、営業利益が同2.1%減の27億20百万円、経常利益が同0.2%増の25億80百万円、純利益が同0.8%増の14億20百万円としている。調味料・加工食品事業、総菜関連事業ともに、外食・コンビニエンスストア・量販店向けに好調であり、工場稼働率上昇効果やコスト低減効果なども寄与する。

 原材料価格の上昇や新工場稼働に向けた投資負担などで横ばいの計画だが、第1四半期(4月〜6月)が期初計画を上回る増益となり、通期見通しに対する進捗率も高水準である。原材料価格上昇に伴う価格改定の浸透も寄与して、通期増額の可能性が高いだろう。なお11月8日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、9月以降は戻り高値圏の概ね880円〜900円近辺でモミ合う展開が続いている。全般地合いが悪化しても頑強な動きだ。今期好業績見通しを評価する動きだろう。モミ合い展開に煮詰まり感も強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 10月31日の終値892円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円92銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1041円54銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると、下値を切り上げて強基調の展開であり、サポートラインの13週移動平均線が接近して上放れのタイミングのようだ。3月の高値932円は射程圏であり、好業績見通しや指標面の割安感も支援材料だ。モミ合い上放れから上値を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:59 | アナリスト銘柄分析
2013年10月31日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヤーマン徐々に水準切り上げ、調整一巡し出直りのタイミング

 家庭用美容・健康機器のヤーマン<6630>(東1)の株価は安値圏でモミ合う展開が続いているが、徐々に水準切り上げの動きを強めている。調整が一巡して出直りのタイミングが接近しているようだ。

 脱毛器や痩身器具など家庭用の美容・健康機器事業、および化粧品事業を展開し、大手家電量販店との直接取り引きやブランド戦略を強化している。7月には「スマート家電グランプリ2013summer」理美容家電部門で、当社の「no!no!HAIR DX」「プラチナホワイトトルネードローラーEMS」「フェイササイズPlus」が金賞を受賞した。

 今期(14年4月期)連結業績見通しについては売上高が前期比16.1%増の225億50百万円、営業利益が同29.5%増の9億円、経常利益が同56.9%増の8億10百万円、純利益が同51.6%増の4億60百万円としている。第1四半期(5月〜7月)は大幅減収で営業赤字だったが、大手家電量販店向け卸売事業で、直接取引形態への移行に伴う出荷減少の影響が期後半には一巡する。直販部門は好調であり、ブランドイメージ向上に向けた取組強化や新製品投入の効果なども寄与して収益改善する見込みだ。

 株価の動きを見ると、安値圏でモミ合う展開が続いているが、8月30日と9月2日の直近安値1200円をボトムとして徐々に水準を切り上げている。10月2日には1330円まで上伸する場面があり、足元も1280円近辺で推移している。

 10月30日の終値1289円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円84銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1138円92銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して下値を切り上げている。さらに26週移動平均線を突破する動きを強めており、強基調へ転換の可能性があるだろう。指標面に割高感はなく、調整一巡して出直りのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:03 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フォーカスシステムズは下値堅く調整の最終局面、きっかけ次第で反発

 システム構築・運用のフォーカスシステムズ<4662>(JQS)の株価は安値圏でボックス展開だが、下値は堅く調整のほぼ最終局面だろう。きっかけ次第で反発が期待される。

 公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。顧客別にはNTTデータ<9613>関連が3割〜4割、日本IBM関連が1割〜2割を占める主要顧客である。民間関連事業では従来の関東・近畿圏に加えて、東海圏への拠点展開と営業強化を推進している。

 今期(14年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比1.2%増の125億円、営業利益が同31.7%減の3億円、経常利益が同39.9%減の2億50百万円、純利益が同58.5%減の1億円としている。人材育成や名古屋への拠点展開などの先行投資負担で減益見込みだが、官公庁関連のセキュリティ関連機器や民間関連のインフラ系(ミドルウェアやネットワークなど)の受注は好調のようだ。

 株価の動きを見ると、時折動意付く場面があるが人気が続かず、足元は概ね安値圏500円〜520円近辺のレンジでボックス展開となっている。ただし6月の安値487円まで下押す動きは見られず、500円近辺の下値は堅い。さらに下値も徐々に切り上げている。調整のほぼ最終局面だろう。

 10月30日の終値520円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円44銭で算出)は36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績のBPS703円26銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方では500円近辺で強力な下値支持線を形成し、足元では13週移動平均線を回復した形だ。また日足チャートで見ても、25日移動平均線がサポートラインの形になってきた。調整のほぼ最終局面であり、きっかけ次第で反発が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:48 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォコムは第2四半期を嫌気して急落だが過剰反応の感、電子書籍配信などネットビジネス事業は好調

 ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム<4348>(JQS)の株価は、第2四半期累計(4月〜9月)の減益を嫌気して急落した。しかし電子書籍配信を主力とするネットビジネスは好調であり、過剰なネガティブ反応の感が強い。

 企業(BtoB市場)向けにITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者(BtoC市場)向けに各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。06年に開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は、月間ユニークサイト来訪者500万人を突破して国内トップクラスの規模であり、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。

 中期的な重点事業領域として、電子書籍配信を主力とするネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、企業の業務効率化機能を充実した完全Web−ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げている。さらにクラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域におけるデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。13年10月にはネットビジネス事業の中核として分社化した子会社アムタスが始動した。

 M&Aや戦略的アライアンスも積極活用する方針だ。13年9月には医薬品業界向けCRM事業の強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野でのビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事<9963>との協業を開始した。

 10月29日に発表した今期(14年3月期)第2四半期累計の連結業績はほぼ期初計画水準となり、前年同期比9.3%増収、同10.2%営業減益、同9.8%経常減益、同15.1%最終減益だった。重点事業の成長加速に向けたシステム開発関連の先行投資や、電子書籍関連の広告宣伝費の増加などで営業減益だったが、売上は順調に拡大している。セグメント別に見るとITサービス事業はヘルスケア事業の業容拡大で同3.5%増収、ネットビジネス事業は電子書籍関連の好調で同20.4%増収だった。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長加速に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、ITサービス事業が同6.3%増収、ネットビジネス事業が同8.5%増収と好調に推移する計画だ。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、ITサービス事業の第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造のため、特にネガティブ要因とはならないだろう。さらに来期(15年3月期)以降は、先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待されるだろう。

 株価の動き(10月1日付で株式200分割)を見ると、10月中旬から水準を切り上げる展開となり、10月24日には1085円を付けて年初来高値を更新した。さらに10月25日には1124円まで上伸する場面があった。しかし高値圏から一転し、10月30日には前日比150円(14.78%)安の865円まで急落する場面があった。電子書籍関連が人気化する流れで高値圏にあったこともあり、第2四半期累計の減益を嫌気した売りが膨らんだようだ。

 10月30日の終値884円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は2.0%近辺、実績PBR(株式200分割を考慮した前期実績連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。

 日足チャートで見ると窓を開けて急落し、75日移動平均線近辺まで調整の形となった。ただし週足チャートで見ると、13週移動平均線で下げ止まればサポートラインとして意識されるだろう。第2四半期累計の業績に対して過剰なネガティブ反応の感が強いだけに、反発展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:25 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】JFEシステムズは高値圏モミ合いに煮詰まり感、5月高値を試すタイミングが接近

 システム開発のJFEシステムズ<4832>(東2)の株価は高値圏でモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。きっかけ次第で動意付く可能性があり、5月高値を試すタイミングが接近しているようだ。

 川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離して設立した情報サービス企業で、鉄鋼向け情報システム開発・構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向けSI(システム・インテグレーション)事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業なども展開している。アライアンス戦略を推進して、13年5月には大阪ガス<9532>子会社のオージス総研との協業し、さらにビジネスブレイン太田昭和<9658>と資本・業務提携した。

 競争力強化に向けた中期課題として、鉄鋼事業統合を梃子にした体質の強化(JFEスチールと連携した製鉄所システムの共通化、成長分野のクラウド基盤ビジネスの本格展開)、SI事業基盤の強化・拡大(自動車顧客向け売上の拡大、ERPで不足する原価・購買管理分野での自社ソリューションの拡大)、自社プロダクト・ソリューション事業の成長(帳簿データ保存ソリューション、電子帳票システム「FiBridgeU」のタブレット対応、MQネットによる原料規格書サービス)、および戦略的業務提携の推進を掲げている。

 10月25日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は前年同期比2.2%増収、同46.2%営業減益、同47.3%経常減益、同59.9%最終減益だった。鉄鋼向けが減収だが、外販製造流通向けの好調に加えて、子会社KITシステムズのITインフラサービスで米マイクロソフトの基本OS「ウインドウズXP」からの変更に伴う需要が増加した。案件構成の変化を主因に減益だったが、売上高、利益ともに期初計画を上回った。

 通期の見通しは売上高を10億円増額して前期比4.0%増の351億円とした。利益は前回予想を据え置いて営業利益が同10.6%増の10億20百万円、経常利益が同10.1%増の10億20百万円、純利益が同3.3%増の5億20百万円としている。外販製造流通向けの好調に加えて、JFEスチールの投資が下期に積み増しとなるようだ。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、下期の売上構成比が高い収益構造であり、通期ベースでは好業績が期待される。

 株価の動き(10月1日付で株式100分割のため修正株価)を見ると、やや上値が重く高値圏でのモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げながら足元では概ね840円〜870円近辺で堅調に推移している。第2四半期累計の減益に対する反応も限定的のようだ。今期好業績見通しを評価する動きだろう。

 10月30日の終値850円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円22銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1179円71銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げる形であり、右肩上がりの52週移動平均線が接近してきた。指標面に割高感はなく、モミ合い展開に煮詰まり感も強めている。きっかけ次第で動意付く可能性があり、5月の高値900円を試すタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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