電子書籍関連のスターティア<3393>(東マ)の株価は調整が一巡して出直り感を強めている。強基調へ転換して高値圏回帰を目指す流れだろう。
電子ブック作成ソフト「ActiBook」を主力として、Webアプリケーション開発などのウェブソリューション事業、クラウド関連サービスなどのネットワークソリューション事業、OA機器・MFP(複合機)販売などのビジネスソリューション事業を展開している。アジア市場への事業展開で「ActiBook」の多言語対応の開発も進めている。電子書籍関連市場の拡大も追い風として中期的に収益拡大基調だろう。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比22.9%増の81億60百万円、営業利益が同21.9%増の8億円、経常利益が同22.0%増の8億円、純利益が同2.3%増の4億円としている。第1四半期(4月〜6月)は人件費増加などで営業損益が悪化したが、需要は拡大基調であり、主力のウェブソリューション事業が好調である。通期ベースではストック型サービス強化も寄与して営業損益の改善が期待される。
株価の動きを見ると、8月以降は概ね1100円〜1200円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、9月中旬に動意付いて9月18日には1490円まで急伸する場面があった。足元は上げ一服の形だが概ね1300円台で堅調に推移している。10月2日も全般地合い悪の中で前日比37円(2.78%)高と堅調だった。調整が一巡して出直り態勢のようだ。
10月2日の終値1367円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円81銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円98銭で算出)は0.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS605円71銭で算出)は2.3倍近辺である。
日足チャートで見ると、戻りを押さえていた75日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ても、26週移動平均線を回復して強基調へ転換の動きを強めている。当面のターゲット水準は5月の戻り高値1794円だが、出直り本格化して12年11月高値圏への回帰を目指す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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(10/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】スターティアは『三角保合い』、チャート妙味、電子書籍関連が好調
(10/03)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは急騰後の調整良好、再動意近い
(10/02)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトホールディングス5月高値に接近、ネット通販市場拡大が追い風で上値試す
(10/02)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマン逆行高、4000円に接近
(10/02)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事5月高値に接近、上げ一服局面は押し目買い好機
(10/02)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は高値圏モミ合い3ヶ月経過、好業績で上放れ近い
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2013年10月03日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】スターティアは『三角保合い』、チャート妙味、電子書籍関連が好調
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:42
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは急騰後の調整良好、再動意近い
国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター<2483>(JQS)の株価は急騰後の反動調整局面だが、目先の過熱感が解消して再動意のタイミングが接近している。20年東京夏季五輪のテーマ性や中期成長力を評価して上値を試す展開だろう。
特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。
12年8月には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは13年6月に横浜で開催された「第5回アフリカ開発会議」の全体運営を担当するなど国際会議運営の実績は豊富である。アベノミクス成長戦略では30年までにアジア1の国際会議開催国となることを掲げており、20年東京夏季五輪開催で活躍の場が一段と広がる。また13年6月には、アイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比21.0%増の88億円、営業利益が同11.1%増の4億70百万円、経常利益が同11.1%増の4億70百万円、純利益が同9.0%増の2億40百万円としている。東京本部移転増床費用が発生し、人材採用などの先行投資負担も利益圧迫要因となるが、主力の翻訳事業は医薬分野や金融分野を中心に好調している。ISSグループの通期連結も寄与する。第1四半期(4月〜6月)は大幅増収増益であり、通期ベースでも好業績が期待されるだろう。
株価の動き(4月1日付で株式100分割)を見ると、20年東京夏季五輪開催の決定を受けて動意付き、直前の9月6日終値3555円から9月17日の年初来高値7800円まで急騰した。足元は急騰後の反動調整局面となり9月25日に4795円、10月2日に4760円まで調整したが、利益確定売り一巡感も強めている。
10月2日の終値4865円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円40銭で算出)は34倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は3.3倍近辺である。
週足チャートで見ると高値圏で上ヒゲを付けて急騰後の反動調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線近辺まで調整して目先の過熱感は解消された。再動意のタイミングが接近しているようだ。20年東京夏季五輪のテーマ性や中期成長力を評価して上値を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。
12年8月には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは13年6月に横浜で開催された「第5回アフリカ開発会議」の全体運営を担当するなど国際会議運営の実績は豊富である。アベノミクス成長戦略では30年までにアジア1の国際会議開催国となることを掲げており、20年東京夏季五輪開催で活躍の場が一段と広がる。また13年6月には、アイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比21.0%増の88億円、営業利益が同11.1%増の4億70百万円、経常利益が同11.1%増の4億70百万円、純利益が同9.0%増の2億40百万円としている。東京本部移転増床費用が発生し、人材採用などの先行投資負担も利益圧迫要因となるが、主力の翻訳事業は医薬分野や金融分野を中心に好調している。ISSグループの通期連結も寄与する。第1四半期(4月〜6月)は大幅増収増益であり、通期ベースでも好業績が期待されるだろう。
株価の動き(4月1日付で株式100分割)を見ると、20年東京夏季五輪開催の決定を受けて動意付き、直前の9月6日終値3555円から9月17日の年初来高値7800円まで急騰した。足元は急騰後の反動調整局面となり9月25日に4795円、10月2日に4760円まで調整したが、利益確定売り一巡感も強めている。
10月2日の終値4865円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円40銭で算出)は34倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は3.3倍近辺である。
週足チャートで見ると高値圏で上ヒゲを付けて急騰後の反動調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線近辺まで調整して目先の過熱感は解消された。再動意のタイミングが接近しているようだ。20年東京夏季五輪のテーマ性や中期成長力を評価して上値を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:26
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2013年10月02日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトホールディングス5月高値に接近、ネット通販市場拡大が追い風で上値試す
ECサイト構築のソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)の株価は水準を切り上げて5月高値に接近している。ネット通販市場の拡大が追い風であり、9月25日発表の自己株式取得も支援材料に上値を試す流れだろう。
ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」販売、ECサイト運用、ECプロモーションサービスなど)を主力に、SI事業(自社グループ開発ソフト「X−point」「AgileWorks」「Assetment」「L2Blocker」販売、基幹系システム受託開発など)や、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。
顧客のEC事業立ち上げの戦略コンサルティングから、ECサイトの構築・運用・プロモーションサービスまで、総合的なサービスを提供していることが強みであり、前期までのECサイト構築実績は国内断トツ首位の750社超である。
アライアンス戦略も強化する方針で、13年5月には日本ユニシス<8056>と資本・業務提携した。また10月1日には、子会社エイトレッドがサイボウズ<4776>のクラウド型サービスウェアとの連携サービスを開始したと発表している。
今期(14年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比12.5%増の113億円、営業利益が同24.2%増の13億59百万円、経常利益が同10.1%増の13億80百万円、純利益が同10.0%増の7億10百万円としている。開発費、広告宣伝費、人件費などの増加、データセンター移転費用の特別損失計上などが利益圧迫要因だが、機能を一段と向上させた「ecbeingプラスワンシリーズ」が好調であり、新規顧客獲得も寄与する。
ネット通販市場の拡大を背景として、ECサイト構築・運用の需要は拡大基調である。競争力の高さと市場シェア圧倒的1位の優位性に加えて、高付加価値サービスの投入などで中期的な収益拡大が期待される。
9月25日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限37万5000株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合2.78%)、取得価額総額の上限3億円、取得期間13年9月26日〜14年3月31日としている。なお9月26日〜9月30日の取得株式数は0株だった。
株価の動き(7月1日付で株式3分割)を見ると、680円〜700円近辺でのモミ合いから上放れて水準を切り上げた。9月17日には777円まで上伸して、5月の年初来高値798円に接近している。中期成長力を評価する動きだろう。
10月1日の終値765円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円29銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS401円55銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。5月の高値798円に接近して上値を試す流れだろう(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」販売、ECサイト運用、ECプロモーションサービスなど)を主力に、SI事業(自社グループ開発ソフト「X−point」「AgileWorks」「Assetment」「L2Blocker」販売、基幹系システム受託開発など)や、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。
顧客のEC事業立ち上げの戦略コンサルティングから、ECサイトの構築・運用・プロモーションサービスまで、総合的なサービスを提供していることが強みであり、前期までのECサイト構築実績は国内断トツ首位の750社超である。
アライアンス戦略も強化する方針で、13年5月には日本ユニシス<8056>と資本・業務提携した。また10月1日には、子会社エイトレッドがサイボウズ<4776>のクラウド型サービスウェアとの連携サービスを開始したと発表している。
今期(14年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比12.5%増の113億円、営業利益が同24.2%増の13億59百万円、経常利益が同10.1%増の13億80百万円、純利益が同10.0%増の7億10百万円としている。開発費、広告宣伝費、人件費などの増加、データセンター移転費用の特別損失計上などが利益圧迫要因だが、機能を一段と向上させた「ecbeingプラスワンシリーズ」が好調であり、新規顧客獲得も寄与する。
ネット通販市場の拡大を背景として、ECサイト構築・運用の需要は拡大基調である。競争力の高さと市場シェア圧倒的1位の優位性に加えて、高付加価値サービスの投入などで中期的な収益拡大が期待される。
9月25日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限37万5000株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合2.78%)、取得価額総額の上限3億円、取得期間13年9月26日〜14年3月31日としている。なお9月26日〜9月30日の取得株式数は0株だった。
株価の動き(7月1日付で株式3分割)を見ると、680円〜700円近辺でのモミ合いから上放れて水準を切り上げた。9月17日には777円まで上伸して、5月の年初来高値798円に接近している。中期成長力を評価する動きだろう。
10月1日の終値765円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円29銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS401円55銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。5月の高値798円に接近して上値を試す流れだろう(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:46
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマン逆行高、4000円に接近
作業服チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価はは全般安の中で70円高の3970円と買われ4000円に接近している。今期(14年3月期)好業績見通しを評価して上値追いの流れだろう。
ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴で、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。前期(13年3月期)末の店舗数はFC591店舗、直営119店舗の合計710店舗で、22年3月期に1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。
今期業績(非連結)見通しはチェーン全店売上高が前期比6.0%増、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗、S&B2店舗として出店エリアも拡大する。新規出店効果や既存店の好調で好業績が予想される。なお10月31日に第2四半期累計(4月〜9月)業績の発表を予定している。
■直近9月の月間売上は全店104.9%、既存店102.8%と好調
10月1日に発表した月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高の合計、前年比、速報値)を見ると、13年9月は全店104.9%、既存店102.8%となり、8月に続いて好調だった。9月は全国的に雨が多かったことで雨具類などが好調で、客単価は全店、既存店ともに4月以来のプラスに転じた。13年4月〜9月累計では全店104.3%、既存店102.0%となった。なお9月の新規出店は3店舗(4月〜9月累計では11店舗)で、9月末時点の合計店舗数は721店舗となった。
株価の動きを見ると、7月〜8月の短期モミ合いから上放れて5月高値を突破し、9月9日に年初来高値となる4180円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、高値圏の4000円近辺で堅調に推移している。好業績見通しを評価する動きが続いているようだ。
10月1日の終値3900円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.2倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。好業績見通しを評価して上値追いの流れであり、4000円割れ水準は押し目買いの好機だろう(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に展開している。ローコスト経営が特徴で、他社との差別化戦略としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品を強化している。前期(13年3月期)末の店舗数はFC591店舗、直営119店舗の合計710店舗で、22年3月期に1000店舗、28年3月期に全国1300店舗を目指している。
今期業績(非連結)見通しはチェーン全店売上高が前期比6.0%増、既存店売上高が同3.8%増、営業総収入が同5.8%増の476億90百万円、営業利益が同8.2%増の80億円、経常利益が同7.4%増の90億60百万円、純利益が同6.9%増の53億90百万円としている。新規出店25店舗、S&B2店舗として出店エリアも拡大する。新規出店効果や既存店の好調で好業績が予想される。なお10月31日に第2四半期累計(4月〜9月)業績の発表を予定している。
■直近9月の月間売上は全店104.9%、既存店102.8%と好調
10月1日に発表した月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高の合計、前年比、速報値)を見ると、13年9月は全店104.9%、既存店102.8%となり、8月に続いて好調だった。9月は全国的に雨が多かったことで雨具類などが好調で、客単価は全店、既存店ともに4月以来のプラスに転じた。13年4月〜9月累計では全店104.3%、既存店102.0%となった。なお9月の新規出店は3店舗(4月〜9月累計では11店舗)で、9月末時点の合計店舗数は721店舗となった。
株価の動きを見ると、7月〜8月の短期モミ合いから上放れて5月高値を突破し、9月9日に年初来高値となる4180円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、高値圏の4000円近辺で堅調に推移している。好業績見通しを評価する動きが続いているようだ。
10月1日の終値3900円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS264円20銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間75円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績のBPS1754円22銭で算出)は2.2倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を維持している。好業績見通しを評価して上値追いの流れであり、4000円割れ水準は押し目買いの好機だろう(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事5月高値に接近、上げ一服局面は押し目買い好機
鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事<8075>(東1)の株価は、短期モミ合いから上放れて5月高値に接近している。指標面の割安感も支援材料に上値を試す動きだ。足元の上げ一服局面は押し目買い好機だろう。
鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、経営数値目標として16年3月期の売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。メキシコでの販売会社立ち上げ、中国での自動車向け部品加工会社の収益化、アセアン・インド域内での三国間取引拡大などグローバルビジネスを加速させる方針だ。
9月13日に今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績見通しの修正を発表した。粗鋼生産や自動車生産の増加を追い風とする鉄鋼セグメントの好調を主因に、第2四半期累計の利益は期初計画を上回る見込みだ。通期については、中国やインドにおける新規事業の創業費用増加などで、営業利益と純利益を減額、経常利益を増額した。
修正後の通期連結業績見通しは、売上高が前回予想に対して200億円減額の8500億円(前期比10.4%増)、営業利益が2億円減額の58億円(同6.3%増)、経常利益が2億円増額の53億円(同9.1%増)、純利益が1億円減額の29億円(同54.3%増)とした。純利益は過年度法人税の一巡も寄与する。なお配当予想は年間6円(第2四半期末3円、期末3円)で据え置いた。
株価の動きを見ると、9月中旬に200円近辺の短期モミ合い展開から上放れの形となり、9月24日には220円まで上伸して5月の高値223円に接近した。9月13日の業績見通し修正も好感したようだ。その後は利益確定売りが優勢になって上げ一服の形だが、強基調に変化はないだろう。
10月1日の終値209円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS32円75銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS335円84銭で算出)は0.6倍近辺である。
足元は上げ一服の形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して反発のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料に5月の高値を試す動きであり、足元の上げ一服局面は押し目買い好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、経営数値目標として16年3月期の売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。メキシコでの販売会社立ち上げ、中国での自動車向け部品加工会社の収益化、アセアン・インド域内での三国間取引拡大などグローバルビジネスを加速させる方針だ。
9月13日に今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績見通しの修正を発表した。粗鋼生産や自動車生産の増加を追い風とする鉄鋼セグメントの好調を主因に、第2四半期累計の利益は期初計画を上回る見込みだ。通期については、中国やインドにおける新規事業の創業費用増加などで、営業利益と純利益を減額、経常利益を増額した。
修正後の通期連結業績見通しは、売上高が前回予想に対して200億円減額の8500億円(前期比10.4%増)、営業利益が2億円減額の58億円(同6.3%増)、経常利益が2億円増額の53億円(同9.1%増)、純利益が1億円減額の29億円(同54.3%増)とした。純利益は過年度法人税の一巡も寄与する。なお配当予想は年間6円(第2四半期末3円、期末3円)で据え置いた。
株価の動きを見ると、9月中旬に200円近辺の短期モミ合い展開から上放れの形となり、9月24日には220円まで上伸して5月の高値223円に接近した。9月13日の業績見通し修正も好感したようだ。その後は利益確定売りが優勢になって上げ一服の形だが、強基調に変化はないだろう。
10月1日の終値209円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS32円75銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS335円84銭で算出)は0.6倍近辺である。
足元は上げ一服の形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して反発のタイミングだろう。指標面の割安感も支援材料に5月の高値を試す動きであり、足元の上げ一服局面は押し目買い好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は高値圏モミ合い3ヶ月経過、好業績で上放れ近い
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、戻り高値圏からやや水準を切り下げたが、今期(14年3月期)好業績見通しに評価余地があり、短期調整が一巡して4月の高値を試す流れだろう。
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、単回投与の米国向け関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は、高齢者人口増加などで拡大基調である。
開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603、アルツの適応症追加SI−657、関節機能改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。8月にはSI−6603の日本における第V相臨床試験において良好な結果を得たと発表している。
今期の連結業績見通しは、売上高が前期比12.2%増の299億円、営業利益が同45.5%増の45億50百万円、経常利益が同16.2%増の50億円、純利益が同24.4%増の40億50百万円としている。営業費や研究開発費の増加、受取ロイヤリティーの減少などがマイナス要因だが、米国向けジェル・ワンの好調や円安メリットなどで大幅増収となり、増収効果に加えてジェル・ワン訴訟費用の一巡なども寄与する。
大幅増収増益だった第1四半期(4月〜6月)の通期予想に対する進捗率も高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。今期配当予想については7月30日に増額修正し、従来予想に比べて1円増額の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)とした。なお11月6日に第2四半期累計(4月〜9月)業績の発表を予定している。
株価の動きを見ると、戻り高値圏1400円近辺に比べると足元はやや水準を切り下げた形だが、大きく下押す動きは見られず、概ね1300円台でモミ合い展開のようだ。ただし煮詰まり感も強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。
10月1日の終値1337円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円29銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。
日足チャートで見ると、モミ合いレンジ下限から反発して25日移動平均線を回復した形だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋っている。モミ合い上放れのタイミングが接近しており、4月高値1436円を突破すれば上値追いの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、単回投与の米国向け関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は、高齢者人口増加などで拡大基調である。
開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603、アルツの適応症追加SI−657、関節機能改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。8月にはSI−6603の日本における第V相臨床試験において良好な結果を得たと発表している。
今期の連結業績見通しは、売上高が前期比12.2%増の299億円、営業利益が同45.5%増の45億50百万円、経常利益が同16.2%増の50億円、純利益が同24.4%増の40億50百万円としている。営業費や研究開発費の増加、受取ロイヤリティーの減少などがマイナス要因だが、米国向けジェル・ワンの好調や円安メリットなどで大幅増収となり、増収効果に加えてジェル・ワン訴訟費用の一巡なども寄与する。
大幅増収増益だった第1四半期(4月〜6月)の通期予想に対する進捗率も高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。今期配当予想については7月30日に増額修正し、従来予想に比べて1円増額の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)とした。なお11月6日に第2四半期累計(4月〜9月)業績の発表を予定している。
株価の動きを見ると、戻り高値圏1400円近辺に比べると足元はやや水準を切り下げた形だが、大きく下押す動きは見られず、概ね1300円台でモミ合い展開のようだ。ただし煮詰まり感も強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。
10月1日の終値1337円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円29銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.3倍近辺である。
日足チャートで見ると、モミ合いレンジ下限から反発して25日移動平均線を回復した形だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋っている。モミ合い上放れのタイミングが接近しており、4月高値1436円を突破すれば上値追いの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:41
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォコムは電子書籍配信などネットビジネス好調、5月高値試す
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム<4348>(JQS)の株価は戻り歩調の展開だ。ネットビジネス事業の好調を評価して5月高値を試す流れだろう。
企業(BtoB市場)向けにITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者(BtoC市場)向けに各種デジタルコンテンツやEコマースを提供するネットビジネス事業を展開している。06年開始の電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は、月間ユニークサイト来訪者500万人を突破して国内トップクラスの規模であり、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。
中期的な重点事業領域としては、電子書籍・音楽系コンテンツ・ゲーム配信などネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、企業の業務効率化機能を充実した完全Web−ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、M&Aや戦略的アライアンスも積極活用してクラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域におけるデータサイエンス関連、農業IT化関連、そして海外展開なども強化している。
9月17日には、医薬品業界向けCRM事業の強化を図るため、ミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立したと発表し、9月24日には、BCP(事業継続計画)分野でのビジネス拡大を目指して、危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事との協業開始を発表した。また10月1日には、ネットビジネス事業の中核会社として分社化した子会社のアムタスが始動した。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。研究開発費増加など中期成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、ITサービス事業、ネットビジネス事業ともに増収見込みだ。来期(15年3月期)以降は先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待される。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式200分割のため修正株価)を見ると、電子書籍配信サービスの1位独占発表を好感した8月29日の945円から一旦反落したが、9月18日には962円まで上伸して戻り高値を更新した。足元は上げ一服の形だが、戻り歩調に変化はないだろう。
10月1日の終値899円を指標面(株式200分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は1.9%近辺、実績PBR(株式200分割を考慮した前期実績連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインのようだ。戻り歩調に変化はなく、5月高値1068円を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
企業(BtoB市場)向けにITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者(BtoC市場)向けに各種デジタルコンテンツやEコマースを提供するネットビジネス事業を展開している。06年開始の電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は、月間ユニークサイト来訪者500万人を突破して国内トップクラスの規模であり、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。
中期的な重点事業領域としては、電子書籍・音楽系コンテンツ・ゲーム配信などネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、企業の業務効率化機能を充実した完全Web−ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、M&Aや戦略的アライアンスも積極活用してクラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域におけるデータサイエンス関連、農業IT化関連、そして海外展開なども強化している。
9月17日には、医薬品業界向けCRM事業の強化を図るため、ミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立したと発表し、9月24日には、BCP(事業継続計画)分野でのビジネス拡大を目指して、危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事との協業開始を発表した。また10月1日には、ネットビジネス事業の中核会社として分社化した子会社のアムタスが始動した。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。研究開発費増加など中期成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、ITサービス事業、ネットビジネス事業ともに増収見込みだ。来期(15年3月期)以降は先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待される。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式200分割のため修正株価)を見ると、電子書籍配信サービスの1位独占発表を好感した8月29日の945円から一旦反落したが、9月18日には962円まで上伸して戻り高値を更新した。足元は上げ一服の形だが、戻り歩調に変化はないだろう。
10月1日の終値899円を指標面(株式200分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は1.9%近辺、実績PBR(株式200分割を考慮した前期実績連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインのようだ。戻り歩調に変化はなく、5月高値1068円を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:35
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】資生堂は3年3ヶ月ぶりの2000円に接近、収益改善を評価
資生堂<4911>(東1)の株価は年初来高値圏で堅調に推移している。今期(14年3月期)収益改善見通しを評価する動きが続いており、短期調整を挟みながら上値追いの流れだろう。
国内外での売上低迷、買収した米ベアエッセンシャル社関連の減損損失などで前期(「13年3月期」の収益が大幅に悪化したが、生産・研究開発拠点の再編などコスト構造改革を実施して収益改善を急ぐとともに、国内、中国、ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出している。
また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH−01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。
■今期の営業利益49.7%増益
今期の連結業績見通しについては7月31日に増額修正して、売上高が前期比7.3%増の7270億円、営業利益が同49.7%増の390億円、経常利益が同37.3%増の390億円とした。純利益は200億円の黒字化(前期は146億85百万円の赤字)で据え置いた。円安メリットが想定以上であり、事業構造改革効果も寄与して営業損益が大幅に改善する。修正後の想定為替レートは1米ドル=90円、1ユーロ=120円、1中国人民元=14.7円だが、依然として保守的であり、通期再増額の可能性があるだろう。
なお9月30日に発表した8月の国内販売会社売上高は、前年同月比4%増と好調だった。セルフ化粧品で発売後1年を経過した「アクアレーベル」の反動減があったが、カウンセリング化粧品が「クレ・ド・ポー ボーテ」や「エリクシール」などの好調で全体を牽引した。4月〜8月累計は前年同期比2%増となった。
株価の動きを見ると、8月2日の高値1629円後は上げ一服の展開だったが、9月19日に年初来高値を更新した。以降は1600円近辺の短期モミ合いから上放れの形となり、上値追いの展開だ。9月30日には1796円まで上伸する場面があった。収益改善を評価する動きが続いているようだ。
10月1日の終値1770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円23銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインの形であり、強基調に変化はない。短期調整を挟みながら上値追いの流れだろう。(アナリスト水田雅展の銘柄分析)
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国内外での売上低迷、買収した米ベアエッセンシャル社関連の減損損失などで前期(「13年3月期」の収益が大幅に悪化したが、生産・研究開発拠点の再編などコスト構造改革を実施して収益改善を急ぐとともに、国内、中国、ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出している。
また13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH−01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。
■今期の営業利益49.7%増益
今期の連結業績見通しについては7月31日に増額修正して、売上高が前期比7.3%増の7270億円、営業利益が同49.7%増の390億円、経常利益が同37.3%増の390億円とした。純利益は200億円の黒字化(前期は146億85百万円の赤字)で据え置いた。円安メリットが想定以上であり、事業構造改革効果も寄与して営業損益が大幅に改善する。修正後の想定為替レートは1米ドル=90円、1ユーロ=120円、1中国人民元=14.7円だが、依然として保守的であり、通期再増額の可能性があるだろう。
なお9月30日に発表した8月の国内販売会社売上高は、前年同月比4%増と好調だった。セルフ化粧品で発売後1年を経過した「アクアレーベル」の反動減があったが、カウンセリング化粧品が「クレ・ド・ポー ボーテ」や「エリクシール」などの好調で全体を牽引した。4月〜8月累計は前年同期比2%増となった。
株価の動きを見ると、8月2日の高値1629円後は上げ一服の展開だったが、9月19日に年初来高値を更新した。以降は1600円近辺の短期モミ合いから上放れの形となり、上値追いの展開だ。9月30日には1796円まで上伸する場面があった。収益改善を評価する動きが続いているようだ。
10月1日の終値1770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円23銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインの形であり、強基調に変化はない。短期調整を挟みながら上値追いの流れだろう。(アナリスト水田雅展の銘柄分析)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:31
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2013年10月01日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】大和小田急建設は急騰後の調整が経過良好、出番接近
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は急騰後の反動局面だが、目先の過熱感が解消して再動意のタイミングが接近している。20年東京夏季五輪やリニア中央新幹線など、息の長いテーマとなる建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、上値を試す可能性があるだろう。
今期(14年3月期)の業績(今期から非連結に移行)見通しは、売上高が623億円(前期連結は633億95百万円)、営業利益が5億80百万円(同2億61百万円)、経常利益が4億90百万円(同2億35百万円)、純利益が2億円(同1億98百万円の赤字)としている。前期悪化した工事採算の改善に加えて、前期計上した棚卸資産評価損など特殊要因一巡も寄与する。
第1四半期(4月〜6月)の受注高は116億44百万円となり、前年同期の連結ベースの86億22百万円に比べて実質的に大幅増加した。主要株主である大和ハウス工業<1925>や小田急電鉄<9007>関連の案件に加えて、公共インフラ補修・更新や建物耐震化工事などの受注増加が予想され、コスト削減効果なども寄与して収益改善が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、20年東京夏季五輪開催決定を受けて急騰し、1月の高値258円を一気に突破した。9月11日には329円まで上伸する場面があった。足元は急騰後の反動局面で、概ね260円〜280円近辺で推移している。
9月30日の終値267円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS9円21銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期の連結ベースの実績BPS527円14銭で算出)は0.5倍近辺である。
9月11日の高値で長い上ヒゲを付けたが、日足チャートで見ると右肩上がりの25日移動平均線が接近して目先的な過熱感は解消されてきた。再動意のタイミングが接近しているようだ。息の長いテーマとなる建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、9月11日の高値を試す可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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今期(14年3月期)の業績(今期から非連結に移行)見通しは、売上高が623億円(前期連結は633億95百万円)、営業利益が5億80百万円(同2億61百万円)、経常利益が4億90百万円(同2億35百万円)、純利益が2億円(同1億98百万円の赤字)としている。前期悪化した工事採算の改善に加えて、前期計上した棚卸資産評価損など特殊要因一巡も寄与する。
第1四半期(4月〜6月)の受注高は116億44百万円となり、前年同期の連結ベースの86億22百万円に比べて実質的に大幅増加した。主要株主である大和ハウス工業<1925>や小田急電鉄<9007>関連の案件に加えて、公共インフラ補修・更新や建物耐震化工事などの受注増加が予想され、コスト削減効果なども寄与して収益改善が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、20年東京夏季五輪開催決定を受けて急騰し、1月の高値258円を一気に突破した。9月11日には329円まで上伸する場面があった。足元は急騰後の反動局面で、概ね260円〜280円近辺で推移している。
9月30日の終値267円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS9円21銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期の連結ベースの実績BPS527円14銭で算出)は0.5倍近辺である。
9月11日の高値で長い上ヒゲを付けたが、日足チャートで見ると右肩上がりの25日移動平均線が接近して目先的な過熱感は解消されてきた。再動意のタイミングが接近しているようだ。息の長いテーマとなる建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、9月11日の高値を試す可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:27
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコジリ高、600円目前、オリンピック関連
フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価は、戻り歩調の展開で4月の高値に接近している。低PBRに見直し余地があり、20年東京夏季五輪開催でアウトドア・スポーツブームが期待されることも支援材料だ。
フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品は一部地域で放射線風評被害の影響を残しているが、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。
今期(13年11月期)の業績(非連結)見通しは、第2四半期累計(12年12月〜13年5月)が減収、営業赤字だったことを受けて7月3日に減額修正し、売上高が前期比4.5%増の29億29百万円、営業利益が23百万円(前期は6百万円の赤字)、経常利益が29百万円(同3百万円の黒字)、純利益が10百万円(同79百万円の赤字)としている。
フィッシング関連は、一部地域での放射線風評被害の影響や1月〜3月の寒波による悪天候の影響などで、ルアー用品がやや苦戦しているようだ。しかし富士山の世界文化遺産登録や20年東京夏季五輪開催決定などで、登山・アウトドア・スポーツなどのブームの盛り上がりが予想される。そして福島第一原発の汚染水問題が解決に向けて本格的に動き出せば追い風となり、来期(14年11月期)は一段の収益改善が期待される。
株価の動きを見ると、550円近辺で下値を固めて水準を切り上げ、6月以降のボックスレンジ圏(550円〜580円近辺)から上放れの形となった。9月27日には598円まで上伸する場面があり、4月19日に付けた年初来高値630円に接近してきた。20年東京五輪関連も材料視して収益改善を期待する動きだろう。
9月30日の終値589円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS3円55銭で算出)は166倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS2374円43銭で算出)は0.2倍近辺である。
週足チャートで見ると26移動平均線を突破して上伸し、強基調に転換した形だろう。20年東京夏季五輪関連の材料性に加えて、引き続き低PBRに見直し余地があり、4月の高値を試す動きを強めそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品は一部地域で放射線風評被害の影響を残しているが、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。
今期(13年11月期)の業績(非連結)見通しは、第2四半期累計(12年12月〜13年5月)が減収、営業赤字だったことを受けて7月3日に減額修正し、売上高が前期比4.5%増の29億29百万円、営業利益が23百万円(前期は6百万円の赤字)、経常利益が29百万円(同3百万円の黒字)、純利益が10百万円(同79百万円の赤字)としている。
フィッシング関連は、一部地域での放射線風評被害の影響や1月〜3月の寒波による悪天候の影響などで、ルアー用品がやや苦戦しているようだ。しかし富士山の世界文化遺産登録や20年東京夏季五輪開催決定などで、登山・アウトドア・スポーツなどのブームの盛り上がりが予想される。そして福島第一原発の汚染水問題が解決に向けて本格的に動き出せば追い風となり、来期(14年11月期)は一段の収益改善が期待される。
株価の動きを見ると、550円近辺で下値を固めて水準を切り上げ、6月以降のボックスレンジ圏(550円〜580円近辺)から上放れの形となった。9月27日には598円まで上伸する場面があり、4月19日に付けた年初来高値630円に接近してきた。20年東京五輪関連も材料視して収益改善を期待する動きだろう。
9月30日の終値589円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS3円55銭で算出)は166倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS2374円43銭で算出)は0.2倍近辺である。
週足チャートで見ると26移動平均線を突破して上伸し、強基調に転換した形だろう。20年東京夏季五輪関連の材料性に加えて、引き続き低PBRに見直し余地があり、4月の高値を試す動きを強めそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:50
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は5月高値に急接近、いよいよ4ケタへ
建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は、水準を切り上げて5月に高値に接近している。20年東京夏季五輪開催などの建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、上値を試す動きだろう。
総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。9月2日には、農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアの設立を発表した。
■今12月期、営業利益27.3%増益、PBR0.6倍
今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。前期の受注高が前々期比19.3%増の377億円と高水準であり、増収増益見込みだ。
第2四半期累計(1月〜6月)業績の増額修正に対して通期見通しを据え置いたが、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.1%、営業利益が77.3%、経常利益が75.7%、純利益が85.3%と高水準である。第2四半期累計の受注高も前年同期比13.4%増の228億13百万円と好調だったことも考慮すれば、通期増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、9月2日の701円と9月6日の700円を直近ボトムとして急反発した。20年東京夏季五輪開催も材料視する形で9月17日には814円を付け、7月23日と7月26日の810円を突破した。さらに9月27日には戻り高値となる840円まで上伸している。9月30日も全般悪地合いの中、終値で前日比23円(2.88%)高と強さを見せた。
9月30日の終値823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。
週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。指標面に割高感はなく、20年東京夏季五輪開催など建設ビッグプロジェクトも好材料であり、5月の高値883円を試す動きだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
>>建設技術研究所のMedia−IR企業情報
総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。9月2日には、農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアの設立を発表した。
■今12月期、営業利益27.3%増益、PBR0.6倍
今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。前期の受注高が前々期比19.3%増の377億円と高水準であり、増収増益見込みだ。
第2四半期累計(1月〜6月)業績の増額修正に対して通期見通しを据え置いたが、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.1%、営業利益が77.3%、経常利益が75.7%、純利益が85.3%と高水準である。第2四半期累計の受注高も前年同期比13.4%増の228億13百万円と好調だったことも考慮すれば、通期増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、9月2日の701円と9月6日の700円を直近ボトムとして急反発した。20年東京夏季五輪開催も材料視する形で9月17日には814円を付け、7月23日と7月26日の810円を突破した。さらに9月27日には戻り高値となる840円まで上伸している。9月30日も全般悪地合いの中、終値で前日比23円(2.88%)高と強さを見せた。
9月30日の終値823円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。
週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。指標面に割高感はなく、20年東京夏季五輪開催など建設ビッグプロジェクトも好材料であり、5月の高値883円を試す動きだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:41
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルコニックスは戻り快調、指標なお割安
非鉄金属専門商社のアルコニックス<3036>(東1)の株価は出直りの動きを強め、戻り高値圏で堅調に推移している。指標面に割安感があり、5月高値を試す動きを強めるだろう。
軽金属・銅製品、電子・機能材、非鉄原料、建設・産業資材などを取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13〜15%程度などを掲げ、重点戦略として川上・川中・川下でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化に取り組む方針だ。
今期(14年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比16.5%増の1920億円、営業利益が同9.5%増の36億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同57.3%増の22億50百万円としている。
レアメタル・レアアースの市況低迷長期化がマイナス要因だが、自動車関連やスマートフォン関連が好調に推移し、買収した産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研、アルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社の新規連結も寄与する。
通期予想に対する第1四半期(4月〜6月)進捗率は売上高が23.4%、営業利益が32.1%、経常利益が32.8%、純利益が61.2%だった。純利益は負ののれん発生益計上も寄与したが、営業利益段階で進捗率は高水準である。通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、直近安値となる9月2日の1825円をボトムとして反発した。9月19日には2084円を付けて7月25日の2064円を突破し、さらに9月27日には戻り高値となる2116円まで上伸している。今期好業績を見直す動きだろう。
■今期2ケタ増益、PER5倍台
9月30日の終値2071円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS353円98銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。
週足チャートで見ると、一旦割り込んでいた26週移動平均線を回復して上伸した。調整が一巡して強基調に転換した形だろう。依然として指標面に割安感があり、5月の高値2398円を試す動きを強めるだろう。(シニアアナリスト・水田雅展)
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軽金属・銅製品、電子・機能材、非鉄原料、建設・産業資材などを取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13〜15%程度などを掲げ、重点戦略として川上・川中・川下でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化に取り組む方針だ。
今期(14年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比16.5%増の1920億円、営業利益が同9.5%増の36億円、経常利益が同14.1%増の33億円、純利益が同57.3%増の22億50百万円としている。
レアメタル・レアアースの市況低迷長期化がマイナス要因だが、自動車関連やスマートフォン関連が好調に推移し、買収した産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研、アルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社の新規連結も寄与する。
通期予想に対する第1四半期(4月〜6月)進捗率は売上高が23.4%、営業利益が32.1%、経常利益が32.8%、純利益が61.2%だった。純利益は負ののれん発生益計上も寄与したが、営業利益段階で進捗率は高水準である。通期増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、直近安値となる9月2日の1825円をボトムとして反発した。9月19日には2084円を付けて7月25日の2064円を突破し、さらに9月27日には戻り高値となる2116円まで上伸している。今期好業績を見直す動きだろう。
■今期2ケタ増益、PER5倍台
9月30日の終値2071円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS353円98銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。
週足チャートで見ると、一旦割り込んでいた26週移動平均線を回復して上伸した。調整が一巡して強基調に転換した形だろう。依然として指標面に割安感があり、5月の高値2398円を試す動きを強めるだろう。(シニアアナリスト・水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:30
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】第一実業は本格出直り、3ヶ月ぶり26週線突破
機械専門商社の第一実業<8059>(東1)の株価は出直り感を強めている。3%台の高配当利回りなど指標面の割安感に見直し余地が大きく、きっかけ次第で出直りの動きに弾みがつくだろう。
機械の専門商社でプラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業などを展開している。13年5月に新経営計画「AIM2015」を発表して、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げている。
グローバルビジネスを積極展開する方針で、9月18日にはインドにおける事業拡大に向けて、インド北西部のアーメダバード(グジャラート州)に新事務所を開設したと発表している。インドにおける3カ所目の拠点となる。
今期(14年3月期)連結業績見通しについては受注高が前期比7.4%増の1350億円、売上高が同1.4%増の1300億円、営業利益が同0.2%増の46億円、経常利益が同2.5%減の48億円、純利益が同1.7%減の30億円としている。
プラント・エネルギー関連が減収となり、純利益はタイ現地法人増資に伴う負ののれん益が一巡するため微減益の見込みだ。ただし自動車関連の産業機械が好調である。第1四半期(4月〜6月)は、海外法人部門でアジアのIT・デジタル関連機器の需要が減少して営業赤字だったが、期後半の設備投資需要の回復や円安メリットが期待されるだろう。
株価の動きを見ると、8月の400円近辺でのモミ合い展開から上放れの形となって水準を切り上げた。9月27日には444円まで上伸して、7月上旬の戻り高値に面合わせする場面もあった。調整が一巡して出直り態勢だろう。
■配当利回り3.5%、PERも7倍台
9月30日の終値431円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円66銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS545円78銭で算出)は0.8倍近辺である。
日足チャートで見ると75日移動平均線を突破して上伸し、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破する動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きだ。低PER、低PBR、今期予想配当利回り3%台という指標面の割安感にも、引き続き見直し余地が大きいだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
機械の専門商社でプラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業などを展開している。13年5月に新経営計画「AIM2015」を発表して、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げている。
グローバルビジネスを積極展開する方針で、9月18日にはインドにおける事業拡大に向けて、インド北西部のアーメダバード(グジャラート州)に新事務所を開設したと発表している。インドにおける3カ所目の拠点となる。
今期(14年3月期)連結業績見通しについては受注高が前期比7.4%増の1350億円、売上高が同1.4%増の1300億円、営業利益が同0.2%増の46億円、経常利益が同2.5%減の48億円、純利益が同1.7%減の30億円としている。
プラント・エネルギー関連が減収となり、純利益はタイ現地法人増資に伴う負ののれん益が一巡するため微減益の見込みだ。ただし自動車関連の産業機械が好調である。第1四半期(4月〜6月)は、海外法人部門でアジアのIT・デジタル関連機器の需要が減少して営業赤字だったが、期後半の設備投資需要の回復や円安メリットが期待されるだろう。
株価の動きを見ると、8月の400円近辺でのモミ合い展開から上放れの形となって水準を切り上げた。9月27日には444円まで上伸して、7月上旬の戻り高値に面合わせする場面もあった。調整が一巡して出直り態勢だろう。
■配当利回り3.5%、PERも7倍台
9月30日の終値431円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円66銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS545円78銭で算出)は0.8倍近辺である。
日足チャートで見ると75日移動平均線を突破して上伸し、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破する動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きだ。低PER、低PBR、今期予想配当利回り3%台という指標面の割安感にも、引き続き見直し余地が大きいだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:23
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本アジアグループは下値固め完了して出直り歩調、7月の戻り高値試す
社会インフラ関連やメガソーラー関連の日本アジアグループ<3751>(東マ)の株価は、下値固めが完了して出直り歩調だ。建設ビッグプロジェクト関連などテーマ性は多彩であり、7月の戻り高値を試す動きだろう。
インフラ・環境・エネルギーの3つのテーマに経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業ホールディングスの防災・減災・社会インフラ関連)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水汚染関連、戸建住宅関連)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・売電関連)、ファイナンシャルサービス事業(証券業)を展開している。
防災・減災・老朽化インフラ関連、公共投資関連、メガソーラー関連、環境関連、金融緩和メリット関連などテーマ性は多彩である。なお9月26日に、傘下のJAG国際エナジーが福岡県北九州市において太陽光発電所「響灘ソーラー」を完成させたと発表している。安川電機<6506>をEPC(設計・調達・建設)事業者とする地域密着型太陽光発電所プロジェクトで、発電した電力はすべて九州電力に売電する。
■今3月期は営業利益67%の大幅増益
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.2%増の690億円、営業利益が同67.0%増の25億円の増収営業増益としている。空間情報コンサルティング事業は防災・減災関連などの公共投資増加、グリーンプロパティ事業は戸建て住宅の受注増加、ファイナンシャルサービス事業は株式市場の活況が追い風となり、いずれも好調に推移する。グリーンエネルギー事業は売電収入の増加や欧州でのメガソーラー売却などで収益が改善する。
経常利益と純利益については、営業外損益が大幅に変動する可能性があるため未定としているが、第1四半期(4月〜6月)は大幅増収となり、営業損益も増収効果で大幅に改善している。このため通期ベースでも好業績が期待されるだろう。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式10分割のため修正株価)を見ると、8月23日の直近安値401円をボトムとして急反発した。9月26日には588円、9月27日には587円まで上伸する場面があり、7月17日の戻り高値687円に接近している。9月30日は全般地合い悪化の中、終値で前日比22円(3.89%)安と反落したが、下値固めが完了して戻り歩調だろう。
9月30日の終値543円を指標面(株式10分割後)で見ると、実績PBR(前期実績に株式10分割を考慮した連結BPS744円59銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなって強基調に転換した形だ。週足チャートで見ても26週移動平均線を回復して強基調へ転換の動きを強めている。多彩なテーマ性も材料視して7月の戻り高値を試す動きとなりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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インフラ・環境・エネルギーの3つのテーマに経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業ホールディングスの防災・減災・社会インフラ関連)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水汚染関連、戸建住宅関連)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・売電関連)、ファイナンシャルサービス事業(証券業)を展開している。
防災・減災・老朽化インフラ関連、公共投資関連、メガソーラー関連、環境関連、金融緩和メリット関連などテーマ性は多彩である。なお9月26日に、傘下のJAG国際エナジーが福岡県北九州市において太陽光発電所「響灘ソーラー」を完成させたと発表している。安川電機<6506>をEPC(設計・調達・建設)事業者とする地域密着型太陽光発電所プロジェクトで、発電した電力はすべて九州電力に売電する。
■今3月期は営業利益67%の大幅増益
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.2%増の690億円、営業利益が同67.0%増の25億円の増収営業増益としている。空間情報コンサルティング事業は防災・減災関連などの公共投資増加、グリーンプロパティ事業は戸建て住宅の受注増加、ファイナンシャルサービス事業は株式市場の活況が追い風となり、いずれも好調に推移する。グリーンエネルギー事業は売電収入の増加や欧州でのメガソーラー売却などで収益が改善する。
経常利益と純利益については、営業外損益が大幅に変動する可能性があるため未定としているが、第1四半期(4月〜6月)は大幅増収となり、営業損益も増収効果で大幅に改善している。このため通期ベースでも好業績が期待されるだろう。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式10分割のため修正株価)を見ると、8月23日の直近安値401円をボトムとして急反発した。9月26日には588円、9月27日には587円まで上伸する場面があり、7月17日の戻り高値687円に接近している。9月30日は全般地合い悪化の中、終値で前日比22円(3.89%)安と反落したが、下値固めが完了して戻り歩調だろう。
9月30日の終値543円を指標面(株式10分割後)で見ると、実績PBR(前期実績に株式10分割を考慮した連結BPS744円59銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなって強基調に転換した形だ。週足チャートで見ても26週移動平均線を回復して強基調へ転換の動きを強めている。多彩なテーマ性も材料視して7月の戻り高値を試す動きとなりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:20
| アナリスト銘柄分析
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エイジアは2ヶ月ぶり4ケタ奪回目前、好業績
メール配信ソフトのエイジア<2352>(東マ)の株価は、調整が一巡して出直りの動きを強めている。好業績見通しが支援材料であり、1000円台回復が視野に入ったようだ。
高機能メールアプリケーションソフト「WEB CAS」開発・販売などのアプリケーション事業を主力として、ECサイト構築やマーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業にも事業領域を広げている。
クラウドサービス関連、ECマーケティング関連、海外展開を強化する方針で、M&Aやアライアンス戦略も積極化している。12年4月にはECサイト構築・運営事業の拡大に向けてシステムインテグレータ<3826>、12年12月にはメールマーケティングコンサルティング事業の拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携した。さらに9月30日には、メールマガジンの戦略立案・企画・制作・分析サービス事業を展開するFUCAを子会社化すると発表した。
今期(14年3月期)の業績(非連結)見通しについては、売上高が前期比15.5%増の9億円、営業利益が同25.6%増の1億70百万円、経常利益が同21.1%増の1億70百万円、純利益が同2.0倍の1億円としている。サービスソリューション事業は前期の大型案件の反動があるが、主力のアプリケーション事業でクラウドサービスが好調に推移し、純利益は投資有価証券評価損の一巡も寄与する。
第1四半期(4月〜6月)の通期見通しに対する進捗率はやや低水準だったが、大幅増収増益で第2四半期累計(4月〜9月)見通しに対する進捗率は高水準だった。期初時点で下期偏重の会社予想であり、通期見通しの達成は可能だろう。
株価の動きを見ると、8月29日に付けた直近安値685円をボトムとして急反発し、水準を切り上げている。9月25日には903円まで上伸して、8月12日以来となる900円台を回復する場面があった。また9月30日には全般悪地合いの中でも、前日比44円(5.23%)高の高値引けと強さを見せている。調整が一巡して出直りが本格化してきたようだ。
9月30日の終値886円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS53円73銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績BPS376円71銭で算出)は2.4倍近辺である。
日足チャートで見ると、25日移動平均線に続いて75日移動平均線を突破した。週足チャートで見ても26週移動平均線を突破する動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する形のようだ。指標面に割高感はなく1000円台回復が当面のターゲット水準だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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高機能メールアプリケーションソフト「WEB CAS」開発・販売などのアプリケーション事業を主力として、ECサイト構築やマーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業にも事業領域を広げている。
クラウドサービス関連、ECマーケティング関連、海外展開を強化する方針で、M&Aやアライアンス戦略も積極化している。12年4月にはECサイト構築・運営事業の拡大に向けてシステムインテグレータ<3826>、12年12月にはメールマーケティングコンサルティング事業の拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携した。さらに9月30日には、メールマガジンの戦略立案・企画・制作・分析サービス事業を展開するFUCAを子会社化すると発表した。
今期(14年3月期)の業績(非連結)見通しについては、売上高が前期比15.5%増の9億円、営業利益が同25.6%増の1億70百万円、経常利益が同21.1%増の1億70百万円、純利益が同2.0倍の1億円としている。サービスソリューション事業は前期の大型案件の反動があるが、主力のアプリケーション事業でクラウドサービスが好調に推移し、純利益は投資有価証券評価損の一巡も寄与する。
第1四半期(4月〜6月)の通期見通しに対する進捗率はやや低水準だったが、大幅増収増益で第2四半期累計(4月〜9月)見通しに対する進捗率は高水準だった。期初時点で下期偏重の会社予想であり、通期見通しの達成は可能だろう。
株価の動きを見ると、8月29日に付けた直近安値685円をボトムとして急反発し、水準を切り上げている。9月25日には903円まで上伸して、8月12日以来となる900円台を回復する場面があった。また9月30日には全般悪地合いの中でも、前日比44円(5.23%)高の高値引けと強さを見せている。調整が一巡して出直りが本格化してきたようだ。
9月30日の終値886円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS53円73銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績BPS376円71銭で算出)は2.4倍近辺である。
日足チャートで見ると、25日移動平均線に続いて75日移動平均線を突破した。週足チャートで見ても26週移動平均線を突破する動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する形のようだ。指標面に割高感はなく1000円台回復が当面のターゲット水準だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:17
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2013年09月30日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】テラは週足が4連続の陽線、出直り本格化
バイオベンチャーのテラ<2191>(JQS)の株価は出直りが本格化している。今期(13年12月期)業績に再増額の可能性があり、中期成長期待も強い。強基調に転換して高値圏回帰の動きを強めそうだ。
東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自のがん治療技術を契約医療機関に提供する細胞治療技術開発事業と、医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービスやCROなどの細胞治療支援事業を展開している。
細胞治療技術開発事業は治療数に応じた収入が収益柱であり、契約機関数の増加が収益拡大につながる。前期(12年12月期)末時点の契約医療機関は全国29カ所(基盤提携医療機関11カ所、提携医療機関6カ所、連携医療機関12カ所)で、8月6日に北里研究所、8月12日に八九十会高尾病院との提携契約を締結し、契約医療機関は全国で31カ所となった。
成長に向けた施策も着実に実行し、4月にはiPS細胞を用いた再生医療実用化を目指す日本網膜研究所(現ヘリオス)に出資した。5月にはがん新薬を中心とした治験支援事業「イメージングCRO」に新規参入するため子会社タイタンを設立した。7月にはアンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発の基本契約を締結した。
■今期11.2%増収、先行投資で減益も飛躍に期待
今期連結業績見通し(7月31日に増額修正)は売上高が前期比11.2%増の17億17百万円、営業利益が同29.9%減の1億55百万円、経常利益が同54.4%減の1億円、純利益が同78.4%減の21百万円としている。先行投資負担が利益圧迫要因だが、細胞治療支援事業で保守管理サービスの新規受注が寄与する。修正後の通期見通しに対する第2四半期累計(1月〜6月)の進捗率は、売上高が50.4%、営業利益が91.6%、経常利益が132.0%、純利益が219.1%と高水準である。通期再増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、8月30日の直近安値1825円をボトムに急反発して出直りが本格化している。9月27日には前日比265円(8.51%)高の3380円まで上伸する場面があり、終値(3340円)でも7月25日の3200円を上抜いた。週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線を突破して強基調への転換を確認した形だ。高値圏へ回帰の動きを強めて5月高値4970円も視野に入りそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自のがん治療技術を契約医療機関に提供する細胞治療技術開発事業と、医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービスやCROなどの細胞治療支援事業を展開している。
細胞治療技術開発事業は治療数に応じた収入が収益柱であり、契約機関数の増加が収益拡大につながる。前期(12年12月期)末時点の契約医療機関は全国29カ所(基盤提携医療機関11カ所、提携医療機関6カ所、連携医療機関12カ所)で、8月6日に北里研究所、8月12日に八九十会高尾病院との提携契約を締結し、契約医療機関は全国で31カ所となった。
成長に向けた施策も着実に実行し、4月にはiPS細胞を用いた再生医療実用化を目指す日本網膜研究所(現ヘリオス)に出資した。5月にはがん新薬を中心とした治験支援事業「イメージングCRO」に新規参入するため子会社タイタンを設立した。7月にはアンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発の基本契約を締結した。
■今期11.2%増収、先行投資で減益も飛躍に期待
今期連結業績見通し(7月31日に増額修正)は売上高が前期比11.2%増の17億17百万円、営業利益が同29.9%減の1億55百万円、経常利益が同54.4%減の1億円、純利益が同78.4%減の21百万円としている。先行投資負担が利益圧迫要因だが、細胞治療支援事業で保守管理サービスの新規受注が寄与する。修正後の通期見通しに対する第2四半期累計(1月〜6月)の進捗率は、売上高が50.4%、営業利益が91.6%、経常利益が132.0%、純利益が219.1%と高水準である。通期再増額の可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、8月30日の直近安値1825円をボトムに急反発して出直りが本格化している。9月27日には前日比265円(8.51%)高の3380円まで上伸する場面があり、終値(3340円)でも7月25日の3200円を上抜いた。週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線を突破して強基調への転換を確認した形だ。高値圏へ回帰の動きを強めて5月高値4970円も視野に入りそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】久世はモミ合い煮詰まり上放れのタイミング接近
業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価はモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。指標面の割安感も支援材料であり、上放れのタイミングが接近しているようだ。
1934年創業、1950年設立で、2001年JASDAQ市場に上場した。首都圏を地盤として外食・中食産業向け業務用食材の卸売事業を展開し、子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソースや高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を手掛けている。
前期(13年3月期)単体ベースの販売チャネル別売上構成比は、ファーストフード・ファミレス・カフェが31.6%、居酒屋・パブが30.8%、ディナーレストラン・ホテル・会館が20.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングが16.9%である。顧客別には居酒屋最大手のモンテローザなど大手飲食チェーンも主要顧客としている。
■中期経営計画で売上1000億円、営業利益20億円
中期経営計画では、創業85周年の20年3月期に売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大や全国ネットワーク強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、そして海外事業の基盤確立などを掲げている。M&Aや提携などのアライアンス戦略も積極化するようだ。
中京圏では12年6月の酒類販売大手サカツコーポレーションとの業務提携による顧客基盤強化、中食・高齢者施設関連では13年4月の給食・惣菜営業部新設による市場開拓を本格化させている。PB商品は現在「KUZE」「Camino」「Dolceze」「Kitchen Support」の4ブランドを展開し、顧客に対するメニュー提案力も強化している。
また海外は、中国の成都(現地法人)および上海(上海峰二食品に出資)で業務用食材卸売事業を展開するとともに、キスコフーズのニュージーランド子会社をキスコブランド商品の東南アジア向け生産拠点とする方針だ。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。新規顧客開拓の効果などで増収増益の見込みである。
第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が149億52百万円で前年同期比11.0%増収だったが、営業利益は48百万円の赤字(前年同期は44百万円の黒字)、経常利益が1百万円の赤字(同76百万円の黒字)、純利益が18百万円の赤字(同33百万円の黒字)だった。セグメント別に見ると主力の食材卸売事業は同10.2%増収、同62.2%営業減益(全社費用等調整前)、そして食材製造事業は同22.5%増収、同88.4%営業増益、不動産賃貸事業は横ばいだった。
円安による原材料・商品仕入れ価格の上昇、増収に伴う物流費の増加、人員増に伴う人件費の増加が利益を圧迫した形だが、販売面では既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得などで2桁増収と好調だった。原材料・商品仕入れ価格の上昇に関しては販売価格への転嫁を進めており、期後半に向けて収益改善が期待される。
なお配当予想を年間12円(期末一括)の安定配当とするとともに、株主優待制度を採用しており、株式保有数に応じてオリジナルブランドの特選無洗米(山形天童産はえぬき)を進呈している。
株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏770円近辺から反落して水準をやや切り下げた。8月29日には一時757円まで上伸する場面があったが人気が続かず、足元は概ね700円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だ。ただし6月の安値圏640円〜650円近辺の水準まで下押す動きは見られない。モミ合い煮詰まり感も強めており、調整一巡して上放れのタイミングが接近しているようだ。
9月27日の終値708円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって700円を固める動きのようだ。指標面に割安感があり、モミ合い上放れのタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
1934年創業、1950年設立で、2001年JASDAQ市場に上場した。首都圏を地盤として外食・中食産業向け業務用食材の卸売事業を展開し、子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソースや高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を手掛けている。
前期(13年3月期)単体ベースの販売チャネル別売上構成比は、ファーストフード・ファミレス・カフェが31.6%、居酒屋・パブが30.8%、ディナーレストラン・ホテル・会館が20.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングが16.9%である。顧客別には居酒屋最大手のモンテローザなど大手飲食チェーンも主要顧客としている。
■中期経営計画で売上1000億円、営業利益20億円
中期経営計画では、創業85周年の20年3月期に売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大や全国ネットワーク強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、そして海外事業の基盤確立などを掲げている。M&Aや提携などのアライアンス戦略も積極化するようだ。
中京圏では12年6月の酒類販売大手サカツコーポレーションとの業務提携による顧客基盤強化、中食・高齢者施設関連では13年4月の給食・惣菜営業部新設による市場開拓を本格化させている。PB商品は現在「KUZE」「Camino」「Dolceze」「Kitchen Support」の4ブランドを展開し、顧客に対するメニュー提案力も強化している。
また海外は、中国の成都(現地法人)および上海(上海峰二食品に出資)で業務用食材卸売事業を展開するとともに、キスコフーズのニュージーランド子会社をキスコブランド商品の東南アジア向け生産拠点とする方針だ。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。新規顧客開拓の効果などで増収増益の見込みである。
第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が149億52百万円で前年同期比11.0%増収だったが、営業利益は48百万円の赤字(前年同期は44百万円の黒字)、経常利益が1百万円の赤字(同76百万円の黒字)、純利益が18百万円の赤字(同33百万円の黒字)だった。セグメント別に見ると主力の食材卸売事業は同10.2%増収、同62.2%営業減益(全社費用等調整前)、そして食材製造事業は同22.5%増収、同88.4%営業増益、不動産賃貸事業は横ばいだった。
円安による原材料・商品仕入れ価格の上昇、増収に伴う物流費の増加、人員増に伴う人件費の増加が利益を圧迫した形だが、販売面では既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得などで2桁増収と好調だった。原材料・商品仕入れ価格の上昇に関しては販売価格への転嫁を進めており、期後半に向けて収益改善が期待される。
なお配当予想を年間12円(期末一括)の安定配当とするとともに、株主優待制度を採用しており、株式保有数に応じてオリジナルブランドの特選無洗米(山形天童産はえぬき)を進呈している。
株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏770円近辺から反落して水準をやや切り下げた。8月29日には一時757円まで上伸する場面があったが人気が続かず、足元は概ね700円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だ。ただし6月の安値圏640円〜650円近辺の水準まで下押す動きは見られない。モミ合い煮詰まり感も強めており、調整一巡して上放れのタイミングが接近しているようだ。
9月27日の終値708円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって700円を固める動きのようだ。指標面に割安感があり、モミ合い上放れのタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナは二番底形成、上場後の高値挑戦へ
ユーグレナ<2931>(東マ)の株価は出直りの動きが本格化している。強基調への転換を確認した形であり、上値余地があるだろう。中期成長力を再評価する動きが強まり、高値圏回帰に向けて一段高の可能性もありそうだ。
05年5月設立の東京大学農学部発ベンチャーである。05年12月に沖縄県石垣島で微細藻類「ユーグレナ(和名ミドリムシ)」を、食品として屋外大量培養することに世界で初めて成功した。植物と動物の両方の性質を持ち合わせる「ユーグレナ」は、優れた光合成能力や59種類の豊富な栄養素などが注目されている。現在は世界で唯一、数十トン規模で商業用に屋外で大量培養している。品質改良によって油脂生産性が高く、増殖速度が速い「ユーグレナ」株を保有していることも強みだ。
■植物と動物の両方の性質を持つ『ユーグレナ」』、食料、飼料、燃料向けに有望
現在の収益柱は「ユーグレナ」を機能性食品としてOEM供給するヘルスケア関連事業で、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販も強化している。13年3月には「ユーグレナ」の受託生産と微細藻類「クロレラ」の食品向け生産を手掛ける八重山殖産(沖縄県石垣市)を完全子会社化した。さらに先端設備導入によって「ユーグレナ」の培養能力増強を進める方針だ。
中長期的には「ユーグレナ」の利用可能性に着目し、石垣島における屋外大量培養技術をベースにして「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」を基本戦略としている。ヘルスケア関連事業で安定的なキャッシュフローを創出しながら、将来収益の獲得に向けてエネルギー・環境関連事業への投資を進める戦略だ。
研究開発面では「ユーグレナ」を活用した機能性食品、化粧品、飼料、医療用パラミロンフイルム、水質浄化技術、バイオジェット燃料などの開発、低コスト化へ向けた「ユーグレナ」の改良に取り組んでいる。9月25日には、奈良先端科学技術大学院大学発のバイオベンチャーである植物ハイテック研究所を子会社化(株式取得予定日10月25日)すると発表した。同社の子会社化で「ユーグレナ」の形質転換による光合成能力や油脂生産性の向上、新たな有用物質生産手法の確立などの効果を見込んでいる。
なお9月10日には、初の海外拠点としてバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設(10月1日)すると発表した。バングラデシュにて栄養問題の解決を目指した「ユーグレナ」入り食品の普及を行うための拠点とし、将来の市場性も想定してバングラデシュ国内企業やNGOとの連携を構築するようだ。
今期(13年9月期)の連結業績見通しは、売上高が20億55百万円、営業利益が1億34百万円、経常利益が2億25百万円、純利益が4億45百万円としている。前期非連結ベースとの比較で29.7%増収、56.3%営業減益、30.8%経常減益、2.3倍最終増益である。知名度向上のための広告宣伝費増加などで営業減益、経常減益だが、八重山殖産の子会社化に伴う負ののれん発生益計上で純利益は大幅増益の見込みだ。
来期(14年9月期)については、研究開発費の増加や研究助成金の変動の影響を受け、負ののれん発生益一巡も影響して純利益は減益の可能性だが、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」の直販が大幅増収基調であり、化粧品OEM供給の本格化、八重山殖産の通期連結なども寄与して大幅増収、大幅営業増益が予想される。
なお9月20日に株主優待制度(100株以上の保有株主に1000円相当の自社製品を贈呈)の導入を発表した。さらに今期終了後に中期計画の発表を予定している。重点戦略としては「豊かな太陽に恵まれた石垣島ですくすく育つユーグレナ」というイメージ戦略で、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販を一段と強化するようだ。このため来期以降の営業利益率の一段の向上が期待される。
株価の動き(効力発生日10月1日付で株式5分割のため修正株価)を見ると、市場全体の調整やバイオ関連の人気離散が影響して5月1日高値3302円から反落し、8月30日には991円まで調整する場面があったが、これをボトムとして急反発した。
9月期末権利落ち後の9月26日には、前日比285円(20.48%)高の1677円まで急伸し、7月の戻り高値1596円を上抜く場面があった。そして9月27日には終値(1647円)で1600円台を回復した。5月の高値から約3割の水準で調整が一巡し、出直りが本格化している。中期成長力を再評価する動きだろう。
週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破した。強基調への転換を確認した形だろう。前回のレポートで当面のターゲット水準とした26週移動平均線突破の1500円〜1600円近辺をクリアしたが、引き続き上値余地があるだろう。次のターゲット水準は2000円台回復だが、中期成長力を再評価する動きが強まり、5月高値圏回帰に向けて一段高の可能性もありそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
05年5月設立の東京大学農学部発ベンチャーである。05年12月に沖縄県石垣島で微細藻類「ユーグレナ(和名ミドリムシ)」を、食品として屋外大量培養することに世界で初めて成功した。植物と動物の両方の性質を持ち合わせる「ユーグレナ」は、優れた光合成能力や59種類の豊富な栄養素などが注目されている。現在は世界で唯一、数十トン規模で商業用に屋外で大量培養している。品質改良によって油脂生産性が高く、増殖速度が速い「ユーグレナ」株を保有していることも強みだ。
■植物と動物の両方の性質を持つ『ユーグレナ」』、食料、飼料、燃料向けに有望
現在の収益柱は「ユーグレナ」を機能性食品としてOEM供給するヘルスケア関連事業で、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販も強化している。13年3月には「ユーグレナ」の受託生産と微細藻類「クロレラ」の食品向け生産を手掛ける八重山殖産(沖縄県石垣市)を完全子会社化した。さらに先端設備導入によって「ユーグレナ」の培養能力増強を進める方針だ。
中長期的には「ユーグレナ」の利用可能性に着目し、石垣島における屋外大量培養技術をベースにして「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」を基本戦略としている。ヘルスケア関連事業で安定的なキャッシュフローを創出しながら、将来収益の獲得に向けてエネルギー・環境関連事業への投資を進める戦略だ。
研究開発面では「ユーグレナ」を活用した機能性食品、化粧品、飼料、医療用パラミロンフイルム、水質浄化技術、バイオジェット燃料などの開発、低コスト化へ向けた「ユーグレナ」の改良に取り組んでいる。9月25日には、奈良先端科学技術大学院大学発のバイオベンチャーである植物ハイテック研究所を子会社化(株式取得予定日10月25日)すると発表した。同社の子会社化で「ユーグレナ」の形質転換による光合成能力や油脂生産性の向上、新たな有用物質生産手法の確立などの効果を見込んでいる。
なお9月10日には、初の海外拠点としてバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設(10月1日)すると発表した。バングラデシュにて栄養問題の解決を目指した「ユーグレナ」入り食品の普及を行うための拠点とし、将来の市場性も想定してバングラデシュ国内企業やNGOとの連携を構築するようだ。
今期(13年9月期)の連結業績見通しは、売上高が20億55百万円、営業利益が1億34百万円、経常利益が2億25百万円、純利益が4億45百万円としている。前期非連結ベースとの比較で29.7%増収、56.3%営業減益、30.8%経常減益、2.3倍最終増益である。知名度向上のための広告宣伝費増加などで営業減益、経常減益だが、八重山殖産の子会社化に伴う負ののれん発生益計上で純利益は大幅増益の見込みだ。
来期(14年9月期)については、研究開発費の増加や研究助成金の変動の影響を受け、負ののれん発生益一巡も影響して純利益は減益の可能性だが、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」の直販が大幅増収基調であり、化粧品OEM供給の本格化、八重山殖産の通期連結なども寄与して大幅増収、大幅営業増益が予想される。
なお9月20日に株主優待制度(100株以上の保有株主に1000円相当の自社製品を贈呈)の導入を発表した。さらに今期終了後に中期計画の発表を予定している。重点戦略としては「豊かな太陽に恵まれた石垣島ですくすく育つユーグレナ」というイメージ戦略で、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販を一段と強化するようだ。このため来期以降の営業利益率の一段の向上が期待される。
株価の動き(効力発生日10月1日付で株式5分割のため修正株価)を見ると、市場全体の調整やバイオ関連の人気離散が影響して5月1日高値3302円から反落し、8月30日には991円まで調整する場面があったが、これをボトムとして急反発した。
9月期末権利落ち後の9月26日には、前日比285円(20.48%)高の1677円まで急伸し、7月の戻り高値1596円を上抜く場面があった。そして9月27日には終値(1647円)で1600円台を回復した。5月の高値から約3割の水準で調整が一巡し、出直りが本格化している。中期成長力を再評価する動きだろう。
週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破した。強基調への転換を確認した形だろう。前回のレポートで当面のターゲット水準とした26週移動平均線突破の1500円〜1600円近辺をクリアしたが、引き続き上値余地があるだろう。次のターゲット水準は2000円台回復だが、中期成長力を再評価する動きが強まり、5月高値圏回帰に向けて一段高の可能性もありそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:55
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サンコーテクノは年初来高値更新が秒読み局面
アンカー大手のサンコーテクノ<3435>(JQS)の株価が動意付いて5月高値に接近している。20年東京夏季五輪やリニア中央新幹線など建設ビッグプロジェクトも支援材料であり、好業績を評価して上値を試すだろう。
ファスニング事業(あと施工アンカーなど)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類であり、需要は震災復興・耐震補強工事、老朽化インフラ補修・更新工事など公共投資の増加が追い風となる。さらにメガソーラーの増加で太陽光発電架台設置用も好調である。
■9月中間期と通期見通しを増額、1株利益149.9円へ
9月13日に今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績見通しを増額修正した。ファスニング事業で主力のあと施工アンカー、リニューアル事業で太陽光関連商材の受注が想定以上に好調のようだ。高付加価値製品の販売増や、販管費の抑制なども寄与する。
通期見通しについては、売上高が3億40百万円増額して前期比8.1%増の163億40百万円、営業利益が1億70百万円増額して同23.4%増の10億70百万円、経常利益が1億50百万円増額して同22.6%増の10億30百万円、純利益が82百万円増額して同37.7%増の6億10百万円とした。第2四半期累計の増額分を上乗せした形であり、通期再増額の可能性があるだろう。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式2分割のため修正株価)を見ると、直近安値圏の1200円近辺で調整が一巡して急反発した。9月18日と9月25日には1590円まで上伸する場面があり、5月の高値1645円に接近している。9月13日発表の今期増額修正も刺激材料となり、好業績を見直す動きが強まっているようだ。
9月27日の終値1570円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS149円90銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1757円28銭で算出)は0.9倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が広がり、目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破して、強基調に転換した形だ。指標面に割高感はなく、過熱感を冷ますための短期調整を挟みながら上値を試す動きだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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ファスニング事業(あと施工アンカーなど)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類であり、需要は震災復興・耐震補強工事、老朽化インフラ補修・更新工事など公共投資の増加が追い風となる。さらにメガソーラーの増加で太陽光発電架台設置用も好調である。
■9月中間期と通期見通しを増額、1株利益149.9円へ
9月13日に今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績見通しを増額修正した。ファスニング事業で主力のあと施工アンカー、リニューアル事業で太陽光関連商材の受注が想定以上に好調のようだ。高付加価値製品の販売増や、販管費の抑制なども寄与する。
通期見通しについては、売上高が3億40百万円増額して前期比8.1%増の163億40百万円、営業利益が1億70百万円増額して同23.4%増の10億70百万円、経常利益が1億50百万円増額して同22.6%増の10億30百万円、純利益が82百万円増額して同37.7%増の6億10百万円とした。第2四半期累計の増額分を上乗せした形であり、通期再増額の可能性があるだろう。
株価の動き(効力発生日10月1日で株式2分割のため修正株価)を見ると、直近安値圏の1200円近辺で調整が一巡して急反発した。9月18日と9月25日には1590円まで上伸する場面があり、5月の高値1645円に接近している。9月13日発表の今期増額修正も刺激材料となり、好業績を見直す動きが強まっているようだ。
9月27日の終値1570円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS149円90銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.6%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1757円28銭で算出)は0.9倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が広がり、目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破して、強基調に転換した形だ。指標面に割高感はなく、過熱感を冷ますための短期調整を挟みながら上値を試す動きだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワイヤレスゲートは権利落後の動き強い、修正値では7月戻り高値に接近
ワイヤレス・ブロードバンドサービスを展開するワイヤレスゲート<9419>(東マ)の株価は、出直りの動きを強めて7月の戻り高値に接近している。中期成長期待も支援材料として、5月高値も試す動きになりそうだ。
通信事業者からインフラを借り受けてワイヤレス・ブロードバンドサービス(Wi−Fi、WiMAX)を提供している。月額有料会員数の積み上げによって収益が拡大するストック型の収益構造である。会員数は増加基調で、13年6月末時点の会員数は38万人を突破した。巨額の設備投資負担がないことや、大量の人員採用の必要がないことも収益構造面の特徴だ。
重点戦略としてサービス提供エリア数の拡大、販売チャネル数の拡大、サービスの拡充を掲げ、13年2月にはケイ・オプティコムが提供する「eoモバイルWi−Fiスポット」を追加して関西圏にもエリアを拡大した。販売チャネル数の拡大については、主力のヨドバシカメラでの販売、住友商事<8053>との業務提携による最大手携帯販売会社ティーガイア<3738>での販売に加えて、取扱携帯販売会社を増やす方針だ。
サービスの拡充では、13年6月に「ワイヤレスゲートWi−Fi」のオプションサービス第1号として「電話リモートサービス」の提供を開始した。追加のオプションサービスの導入も検討しており、ARPU(顧客1人当たり売上高)向上や顧客基盤拡大につなげる。
■今12月期は27.6%増収、営業利益34.1%増益
今期(13年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比27.6%増の70億17百万円、営業利益が同34.1%増の8億円、経常利益が同39.0%増の8億円、純利益が同9.4%増の4億63百万円としている。第2四半期累計(1月〜6月)は、通期見通しに対する進捗率がやや低水準だが、実質的に大幅増収増益で期初計画を上回っている。
さらに、販売チャネル数拡大などの効果で会員数の増加ペースが加速していること、6月開始のオプション「電話リモートサービス」の売上が想定以上であること、通期見通しには期中の新販売チャネルや追加オプションサービスを織り込んでいないこと、そしてストック型の収益構造であることなども考慮すれば、通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動き(9月1日付で株式2分割)を見ると、8月28日に付けた直近安値2210円をボトムとして反発し、足元では2800円近辺まで戻して7月23日に付けた戻り高値3000円に接近している。調整が一巡して中期成長力を評価する動きだろう。
9月27日の終値2775円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円89銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS314円23銭で算出)は9倍近辺である。
週足チャートで見ると、一旦割り込んだ26週移動平均線を回復した。強基調に転換した形だろう。中期成長期待が支援材料であり、7月の3000円を突破すれば、5月の高値3350円を試す動きを強めるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
通信事業者からインフラを借り受けてワイヤレス・ブロードバンドサービス(Wi−Fi、WiMAX)を提供している。月額有料会員数の積み上げによって収益が拡大するストック型の収益構造である。会員数は増加基調で、13年6月末時点の会員数は38万人を突破した。巨額の設備投資負担がないことや、大量の人員採用の必要がないことも収益構造面の特徴だ。
重点戦略としてサービス提供エリア数の拡大、販売チャネル数の拡大、サービスの拡充を掲げ、13年2月にはケイ・オプティコムが提供する「eoモバイルWi−Fiスポット」を追加して関西圏にもエリアを拡大した。販売チャネル数の拡大については、主力のヨドバシカメラでの販売、住友商事<8053>との業務提携による最大手携帯販売会社ティーガイア<3738>での販売に加えて、取扱携帯販売会社を増やす方針だ。
サービスの拡充では、13年6月に「ワイヤレスゲートWi−Fi」のオプションサービス第1号として「電話リモートサービス」の提供を開始した。追加のオプションサービスの導入も検討しており、ARPU(顧客1人当たり売上高)向上や顧客基盤拡大につなげる。
■今12月期は27.6%増収、営業利益34.1%増益
今期(13年12月期)連結業績見通しは売上高が前期比27.6%増の70億17百万円、営業利益が同34.1%増の8億円、経常利益が同39.0%増の8億円、純利益が同9.4%増の4億63百万円としている。第2四半期累計(1月〜6月)は、通期見通しに対する進捗率がやや低水準だが、実質的に大幅増収増益で期初計画を上回っている。
さらに、販売チャネル数拡大などの効果で会員数の増加ペースが加速していること、6月開始のオプション「電話リモートサービス」の売上が想定以上であること、通期見通しには期中の新販売チャネルや追加オプションサービスを織り込んでいないこと、そしてストック型の収益構造であることなども考慮すれば、通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動き(9月1日付で株式2分割)を見ると、8月28日に付けた直近安値2210円をボトムとして反発し、足元では2800円近辺まで戻して7月23日に付けた戻り高値3000円に接近している。調整が一巡して中期成長力を評価する動きだろう。
9月27日の終値2775円を指標面(株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円89銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS314円23銭で算出)は9倍近辺である。
週足チャートで見ると、一旦割り込んだ26週移動平均線を回復した。強基調に転換した形だろう。中期成長期待が支援材料であり、7月の3000円を突破すれば、5月の高値3350円を試す動きを強めるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:33
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