[アナリスト銘柄分析]の記事一覧
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記事一覧 (11/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は建設ビッグプロジェクト目白押し、押し目買い好機
記事一覧 (11/05)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは13週線に沿った上昇、上放れのタイミング
記事一覧 (11/04)【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】米、ユーロ、中国の金融政策不透明感で不安定な相場に、6日のトヨタ決算が最大の注目
記事一覧 (11/01)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは煮詰まり感強まり動意のタイミング接近、指標面の割安感に見直し余地
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記事一覧 (11/01)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本エム・ディ・エムは久々の300円台乗せ、収益改善基調を評価して4月高値目指す
記事一覧 (11/01)【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは収益改善基調や低PBRを評価して下値切り上げ
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2013年11月05日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は建設ビッグプロジェクト目白押し、押し目買い好機

 建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は動意後の反動局面のようだ。ただし建設ビッグプロジェクトが目白押しという良好な事業環境を背景に好業績が予想される。上値を追う流れに変化はなく、足元の反動調整局面は押し目買いの好機だろう。

 総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。さらに農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアを9月に立ち上げた。

 10月25日発表の今期(13年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は前年同期比5.4%増収、同38.1%営業増益、同36.3%経常増益、同69.3%最終増益だった。受注高は同21.5%増の366億19百万円と好調だった。公共投資の増加を追い風に良好な事業環境が続いている。高水準の受注残高に加えて、売上高販管費比率が同1.0ポイント低下して大幅営業増益となった。

 通期の見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.3%、営業利益が88.1%、経常利益が85.9%、純利益が93.3%と高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。来期(14年12月期)についても、公共投資増加が追い風となって好業績が予想される。

 株価の動きを見ると10月中旬に動意付き、800円近辺の短期モミ合いから上放れの形となって5月高値883円を突破した。10月25日には年初来高値となる1010円まで上伸した。その後は反落して800円台後半まで調整している。第3四半期累計業績の発表で一旦は好材料出尽くしとなり、急騰後の反動調整局面のようだ。

 11月1日の終値872円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に接近して下げ渋りの動きを強めている。また週足チャートで見ても13週移動平均線が接近して目先的な過熱感は解消された。上値を追う流れに変化はなく、足元の反動調整局面は押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:45 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは13週線に沿った上昇、上放れのタイミング

 カーテンレールやブラインド大手のトーソー<5956>(東2)の株価は戻り高値圏で堅調に推移している。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングだろう。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなどの介護用品事業も展開している。中期戦略としては、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅物件の獲得、海外での大型案件獲得、インドネシア生産子会社の機能拡大、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大を掲げている。

 10月31日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、前年同期比6.0%増収、同5.9%営業増益、同13.1%経常増益、同13.5%最終増益だった。売上面では介護用品事業がやや低調だったが、主力の室内装飾関連事業は新製品を中心とする営業強化も奏功して、同6.4%増収と好調に推移した。利益面で見ると為替の影響で売上原価率が0.9ポイント悪化し、販売促進費用も増加したが、増収効果で吸収した。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比5.1%増の235億円、営業利益が同47.5%増の13億円、経常利益が同39.2%増の12億円、純利益が同58.5%増の6億50百万円としている。新設住宅着工や住宅リフォーム需要が高水準に推移し、省エネ意識の高まりも背景として遮光・遮熱効果の高いカーテンレールやブラインドが好調に推移する。配送費、人件費、販売促進費などの増加が利益圧迫要因だが、高付加価値製品の好調、新製品の積極投入、さらに営業強化策の効果で好業績が期待される。

 なお9月27日に東京都家具厚生年金基金の特例解散を発表している。同基金の解散に伴って費用の発生が見込まれるが、費用の金額と業績への影響について現時点では不確定要素が多いため、見積金額が判明した時点で速やかに公表するとしている。

 株価の動きを見ると、9月24日に戻り高値となる498円を付けた。その後は戻り高値圏の概ね480円〜490円近辺で堅調に推移している。11月1日は前日比8円(1.62%)安と反落したが、全般地合い悪の影響を受けた形だろう。モミ合い展開に煮詰まり感を強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 11月1日の終値485円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円48銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS938円45銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると500円近辺でやや上値が重くなっているが、13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調に変化はないようだ。指標面の割安感や好業績見通しを評価して、5月の高値549円を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | アナリスト銘柄分析
2013年11月04日

【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】米、ユーロ、中国の金融政策不透明感で不安定な相場に、6日のトヨタ決算が最大の注目

<株式・為替相場展望>(5日〜8日)

 来週(11月5日〜8日)の株式・為替相場は、海外の金融政策や国内の企業業績に敏感で不安定な地合いが継続しそうだ。外国為替市場では米国・ユーロ・中国の金融政策に対する不透明感や思惑がかく乱要因となり、株式市場では為替動向や国内主要企業の9月中間決算発表に敏感に反応する形だろう。注目材料は6日のトヨタ自動車の決算発表、7日のECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、7日の米第3四半期(7〜9月期)GDP速報値、8日の米10月雇用統計だ。

 前週の動きを振り返ると、外国為替市場は日米の金融政策会合を控えていたため概ね1米ドル=97円〜98円台で小動きだったが、10月31日の海外市場ではユーロ売りが強まる場面があり、また11月1日の米国市場では1米ドル=98円台後半までドル高・円安方向に傾いた。株式市場は米国株が史上最高値を更新した流れに対して、日本株は上値が重く、為替動向や主要企業の9月中間決算発表などに敏感に反応し、株価指数先物取引が主導する形で急落する動きが目立つなど不安定な地合いだった。

 米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に関しては、テーパリング(量的緩和縮小)開始時期に対する不透明感を強めている。10月前半の米政府機関の一部閉鎖など財政問題を巡る混乱が景気に与えた悪影響を見極める必要があることや、14年2月7日まで先送りした連邦政府債務上限引き上げ問題が控えていることもあり、テーパリング開始時期は14年3月以降との見方が優勢になっている。

 ただし、10月29日〜30日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明文で量的緩和の長期化に言及しなかったとして、次回12月17日〜18日のFOMCでのテーパリング開始との思惑もくすぶっている。このため7日の米第3四半期GDP速報値と8日の米10月雇用統計が注目される。弱い内容だった場合にはテーパリング開始の先送り観測が強まり、為替は一時的にドル安・円高方向に傾く可能性があり、さらに要人発言を受けて乱高下する場面もありそうだ。

 ユーロ圏の金融政策に関しては7日にECB理事会が開催される。ユーロ圏の景気底入れ期待が高まっていたが、10月31日にはユーロ圏10月消費者物価指数速報値など主要経済統計が市場予想より弱い内容だったため、ECBの追加緩和観測が急速に広がってユーロ売りの動きを強めた。7日のECB理事会では金融政策の現状維持との見方が有力だが、理事会後の記者会見でドラギ総裁が年内の追加利下げを示唆するかが注目されている。

 中国の金融引き締め観測に関しては過度な警戒感が一旦は後退しているが、9日〜12日に中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)が開催されるため思惑に繋がる可能性があり、引き続き注意が必要となる。このように米国、ユーロ、中国の金融政策に対する不透明感を強めている状況であり、外国為替市場では思惑も絡んで不安定な動きとなる可能性もあるだろう。そして為替の不安定な動きは日本の株式市場に大きな影響を与える。

 国内では13年9月中間期決算発表が本格化し、化学、鉄鋼、機械、電機、自動車、精密、通信セクターを中心に、主力銘柄の発表がほぼ峠を越えた。日立製作所のように上方修正幅がポジティブサプライズとなった銘柄もあるが、一方ではコマツやソニーのように通期見通しを下方修正した銘柄に対する失望売りはもちろん、上方修正しても市場予想を下回ったとして叩き売られる光景は四半期ごとの定例行事となっている。

 そして来週は、市場のムードに大きな影響を与えそうなトヨタ自動車の決算発表が6日に予定されている。通期見通しの上方修正はほぼ確実とみられているだけに、事前の高すぎる市場予想を上回るポジティブサプライズとなって市場のムードを好転させるか、あるいは市場予想に届かなかったとして市場のムードを冷え込ませるかが焦点となる。

 なお日経平均株価をチャートで見れば、上値は7月23日の1万4820円18銭、9月27日の1万4817円50銭、10月23日の1万4799円28銭を結ぶ抵抗線が意識され、下値は6月13日の1万2415円85銭、8月28日の1万3188円14銭、10月8日の1万3748円94銭を結ぶ支持線が意識される三角保ち合いの形だ。上下どちらかに放れるタイミングが接近しているようだが、6日のトヨタ自動車の決算がきっかけになる可能性もあるだろう。

 需給面で見れば売り圧力が強まっている状況だ。高水準の裁定買い残高や信用買い残高に加えて、5月高値の信用期日や海外ヘッジファンドの11月決算が接近している。そして11月5日から空売り規制が緩和され、取引に厚みが増すというメリットもあるが、当面は売り圧力が増すとの見方が有力だ。海外ヘッジファンドなどのポジション調整売り、先物の仕掛け的な売りに伴う裁定解消売り、信用期日接近に伴う見切り売りに加えて、年内の証券優遇税制廃止に向けた利益確定売りも徐々に増えそうだ。売買代金が膨らみ、こうした売りを吸収できるかも焦点だろう。

 物色面では引き続き政策関連銘柄や、9月中間期決算あるいは通期見通しで好業績を発表した銘柄への個別物色が中心となるが、好業績見通しを発表しながらも市場予想に届かなかったとして売り叩かれた銘柄に対する見直し買いも入りやすいタイミングだろう。

 その他の注目スケジュールとしては、11月4日の米9月製造業新規受注、5日の日本10月マネタリーベース、豪中銀理事会、中国10月サービス部門PMI(HSBC)、米10月ISM非製造業景気指数、6日の米9月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、6日〜7日の英中銀金融政策委員会、7日の日本9月景気動向指数CI速報値、米9月消費者信用残高、8日の中国10月貿易統計、米9月個人所得・消費支出、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。

 その後は、9日の中国10月主要経済統計(PPI、CPI、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資)、11日の日本9月経常収支、14日の日本7〜9月期GDP1次速報値、ユーロ圏7〜9月期GDP速報値などが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:49 | アナリスト銘柄分析
2013年11月01日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは煮詰まり感強まり動意のタイミング接近、指標面の割安感に見直し余地

 合成樹脂専門商社のプラマテルズ<2714>(JQS)の株価はモミ合い展開だが、指標面の割安感に見直し余地があり、煮詰まり感を強めて動意のタイミングが接近しているようだ。

 双日<2768>グループの合成樹脂原料・製品・関連機器の専門商社で、エンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂を主力としている。需要先を業種別に見るとOA・事務機器、家電・電子部品を中心として、建材、医療、自動車向けなど幅広い。高付加価値商材の拡販とともにタイ、インド、台湾などアジア市場への展開を加速している。

 10月30日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は前年同期比1.7%増収、同11.1%営業減益、同8.9%経常減益、同83.1%最終減益だった。売上高は増収を確保したが、売上総利益率がやや低下して営業減益だった。純利益は厚生年金基金からの脱退に伴う脱退時特別掛金2億66百万円を特別損失に計上したことが影響した。

 通期見通しは前回予想(7月26日に厚生年金基金からの脱退に伴う特別損失計上で純利益を減額修正)を据え置き、売上高が前期比4.3%増の580億円、営業利益が同6.4%増の8億70百万円、経常利益が同7.2%増の8億40百万円、純利益が同14.3%減の3億60百万円としている。エンジニアリング系樹脂の高付加価値商材が堅調に推移する。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.6%、営業利益が44.1%、経常利益が44.4%、純利益が10.6%である。期後半の需要回復を考慮すれば概ね順調な水準だろう。下期は特別損失が発生しない見込みだ。

 株価の動きを見ると、8月以降は概ね400円近辺のレンジでボックス展開であり、足元はレンジ下限に到達した形のようだ。10月30日は軟調地合いの影響も受けて前日比5円(1.25%)安の395円まで続落する場面があったが、終値では前日比1円(0.25%)安の399円まで戻している。第2四半期累計業績に対する反応は限定的のようだ。

 10月31日の終値399円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円11銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS795円07銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると410円近辺で上値が重く、26週移動平均線を挟む展開だが、足元では52週移動平均線が接近して動意のタイミングが接近しているようだ。高配当利回り、低PBRに見直し余地があり、煮詰まり感を強めて上放れの展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】チムニーは年初来高値更新、12月期末に向けて上値追いの流れ

 大手居酒屋チェーンのチムニー<3178>(東2)の株価は5月高値を突破して上値追いの展開だ。株主優待制度を現金換算した総合利回りに依然として評価余地があり、12月期末に向けて上値を追う流れだろう。

 業界5位規模の大手居酒屋チェーンで、飲食事業では主力の居酒屋業態「はなの舞」「さかなや道場」などを直営とFCで展開し、軍鶏(しゃも)をメインとする新業態「龍馬軍鶏農場」の出店も強化している。コントラクト事業は居酒屋事業で培った店舗運営ノウハウを活用して、官公庁施設などで受託食堂を展開している。M&Aを積極活用して漁業などの一次産業、食材加工などの二次産業、店舗で商品を提供する三次産業まで一括して管理する「飲食業の六次産業化」に向けた取り組みを一段と強化する方針だ。

 今期(13年12月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.7%増の448億20百万円、営業利益が同7.0%増の35億20百万円、経常利益が同4.3%増の34億40百万円、純利益が同20.8%増の15億26百万円としている。第2四半期累計(1月〜6月)は既存店売上高がやや低調で、人員増などの先行投資負担も利益圧迫要因だったが、通期ベースでは新規出店効果などで好業績が期待される。

 月次売上(直営店部門)動向を見ると、13年9月単月は既存店(既存直営店365店舗)93.0%、全社(直営店全業態409店舗)102.2%、13年1月〜9月累計では既存店95.0%、全店106.7%である。既存店は客数がやや伸び悩んでいるようだが、客単価は13年3月から7ヶ月連続で100.0%以上となっている。なお9月末時点の店舗数は直営店が409店舗、FC店が290店舗で合計699店舗となった。

 株価の動きを見ると、10月中旬に1000円近辺でのモミ合いから上放れの展開となり、10月21日に1065円を付けて年初来高値を更新した。さらに10月22日には1093円まで上値を伸ばし、足元も高値圏で堅調に推移している。好業績見通しや株主優待制度を評価する動きだろう。

 10月31日の終値1083円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS78円91銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS558円26銭で算出)は1.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して強基調に転換した形だ。また日足チャートで見ても、25日移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。今期好業績見通しに加えて、株主優待制度を現金換算した総合利回りの高さに依然として評価余地があり、12月期末に向けて短期的な自律調整を挟みながら上値を追う流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:38 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本エム・ディ・エムは久々の300円台乗せ、収益改善基調を評価して4月高値目指す

 医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の株価は出直り歩調の展開で、5月と6月に付けた戻り高値に接近している。収益改善基調や成長分野の医療関連のテーマ性を評価して、4月の高値を目指す流れだろう。

 骨接合材料、人工関節、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器輸入商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が前期に終了したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と自社製品比率上昇によって収益改善基調だ。13年6月にはODEV社製造の脊椎固定器具の薬事承認を取得した。ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得しており、中国の高齢化社会到来で収益寄与が期待される。

 10月30日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.3%増の41億68百万円、営業利益が42百万円(前年同期は2億29百万円の赤字)、経常利益が45百万円の赤字(同3億84百万円の赤字)、純利益が20百万円の赤字(同3億07百万円の赤字)だった。利益は期初計画を大幅に上回った。ODEV社製の人工関節製品や脊椎固定器具の販売が日本および米国で好調であり、自社製品比率が前年同期の53.1%から73.9%に上昇した効果で、売上総利益が大幅に増加した。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比15.6%増の94億円、営業利益が5億40百万円(前期は1億52百万円の赤字)、経常利益が4億40百万円(同3億95百万円の赤字)、純利益が2億円(同3億97百万円の赤字)の黒字としている。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了の影響が一巡し、ODEV社製の人工関節製品や脊椎固定器具の日本および米国での販売好調、ODEV社と共同開発の骨接合材新製品「MODE」の日本での拡販、自社製品比率上昇による売上総利益率改善などで営業損益が黒字化する見込みだ。なお想定為替レートは1米ドル=93円としている。

 株価の動きを見ると、9月2日の直近安値231円をボトムに反発して出直り歩調の展開となっている。10月3日に295円を付けた後に一旦は260円台に反落する場面があったが、すぐに切り返して10月31日には306円まで上伸する場面があった。収益改善基調を評価する動きだろう。

 10月31日の終値300円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円56銭で算出)は40倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS409円58銭で算出)は0.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインであり、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸している。強基調に転換した形だろう。5月1日と6月24日に付けた戻り高値318円は射程圏であり、収益改善基調を評価して4月1日の高値350円を目指す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは収益改善基調や低PBRを評価して下値切り上げ

 ファッション専門店のセキド<9878>(東2)の株価は、9月30日の急伸から一旦反落したが下値を着実に切り上げている。収益改善基調や低PBRに加えて、外国人旅行客の増加も支援材料であり、きっかけ次第で上値を試す動きとなりそうだ。

 12年10月に家電の店舗販売事業から撤退し、海外ブランド品を中心とするファッション専門店事業に経営資源を集中して収益改善を進めている。ファッション専門店「銀座ラブラブ」を直営店で展開し、店舗数は10月に2店舗を新規出店して24店舗となった。ECサイトについてはストリーム<3071>と業務提携している。

 中期的な成長戦略としては、高額のナショナルブランド、中・低価格帯のオリジナルブランド、アウトレットブランドなどの品揃えを充実し、ECサイトでは富裕層向けに重点を置いた品揃えを強化する方針だ。また新規出店と既存店リニューアルを強化し、新業態としてオリジナルブランド専門店の展開や、海外向け卸売業態の展開を検討するようだ。

 今期(14年2月期)の業績(非連結)見通しについては、9月30日に営業利益を47百万円減額、経常利益を6百万円増額、純利益を81百万円増額して、売上高が前期比17.7%減の123億円、営業利益が93百万円(前期は2億88百万円の赤字)、経常利益が1億06百万円(同2億80百万円の赤字)、純利益が1億51百万円(同12億83百万円の赤字)とした。

 先行き不透明感が強いとして下期の期初計画を据え置いているが、高額の海外ブランド品や好採算のオリジナルブランド「ポメランジェ」の販売が好調であり、ネット通販の売上も大幅に増加している。そして不採算事業撤退の効果も寄与して第2四半期累計(2月21日〜8月20日)の営業損益は大幅に改善した。クリスマス・年末年始商戦で下期の売上構成比が高いこともあり、通期見通しは保守的な予想だろう。さらに来期(15年2月期)は営業損益が一段と改善しそうだ。

 株価の動きを見ると、9月30日に124円まで急伸して、4月と5月に付けた年初来高値124円に面合わせの場面があった。第2四半期累計の営業損益改善を好感した動きだ。その後一旦反落して10月8日に101円まで調整したが、足元では105円〜110円近辺に水準を切り上げている。

 10月31日の終値106円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS10円65銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績のBPS253円58銭で算出)は0.4倍近辺である。

 6月安値の89円をボトムとして、8月の93円、9月の98円、10月の101円と着実に下値を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。収益改善基調や低PBRに評価余地があり、きっかけ次第で高値124円を試す動きとなりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:10 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズ戻り高値圏のモミ合いに煮詰まり感、好業績評価して3月高値試す

 業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ<2915>(東1)の株価は、戻り高値圏でのモミ合い展開に煮詰まり感を強めている。好業績を評価して上放れから3月高値を試す流れだろう。

 マヨネーズ・ドレッシング類を主力として、調味料・加工食品事業および総菜関連事業を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」などの事業領域拡大戦略が順調に進展している。サラダカフェ事業の店舗展開は首都圏・関西圏中心に30店舗とする構想だ。静岡県富士市の新工場(14年4月稼働目標)では小型サラダ市場にも本格参入する。海外は中国・杭州の新工場が本格稼働し、インドネシアにも合弁会社を設立した。国内外での事業展開積極化で中期成長期待は高い。

 今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比1.8%増の555億円、営業利益が同2.1%減の27億20百万円、経常利益が同0.2%増の25億80百万円、純利益が同0.8%増の14億20百万円としている。調味料・加工食品事業、総菜関連事業ともに、外食・コンビニエンスストア・量販店向けに好調であり、工場稼働率上昇効果やコスト低減効果なども寄与する。

 原材料価格の上昇や新工場稼働に向けた投資負担などで横ばいの計画だが、第1四半期(4月〜6月)が期初計画を上回る増益となり、通期見通しに対する進捗率も高水準である。原材料価格上昇に伴う価格改定の浸透も寄与して、通期増額の可能性が高いだろう。なお11月8日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、9月以降は戻り高値圏の概ね880円〜900円近辺でモミ合う展開が続いている。全般地合いが悪化しても頑強な動きだ。今期好業績見通しを評価する動きだろう。モミ合い展開に煮詰まり感も強めており、上放れのタイミングが接近しているようだ。

 10月31日の終値892円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円92銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1041円54銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると、下値を切り上げて強基調の展開であり、サポートラインの13週移動平均線が接近して上放れのタイミングのようだ。3月の高値932円は射程圏であり、好業績見通しや指標面の割安感も支援材料だ。モミ合い上放れから上値を試す展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:59 | アナリスト銘柄分析
2013年10月31日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヤーマン徐々に水準切り上げ、調整一巡し出直りのタイミング

 家庭用美容・健康機器のヤーマン<6630>(東1)の株価は安値圏でモミ合う展開が続いているが、徐々に水準切り上げの動きを強めている。調整が一巡して出直りのタイミングが接近しているようだ。

 脱毛器や痩身器具など家庭用の美容・健康機器事業、および化粧品事業を展開し、大手家電量販店との直接取り引きやブランド戦略を強化している。7月には「スマート家電グランプリ2013summer」理美容家電部門で、当社の「no!no!HAIR DX」「プラチナホワイトトルネードローラーEMS」「フェイササイズPlus」が金賞を受賞した。

 今期(14年4月期)連結業績見通しについては売上高が前期比16.1%増の225億50百万円、営業利益が同29.5%増の9億円、経常利益が同56.9%増の8億10百万円、純利益が同51.6%増の4億60百万円としている。第1四半期(5月〜7月)は大幅減収で営業赤字だったが、大手家電量販店向け卸売事業で、直接取引形態への移行に伴う出荷減少の影響が期後半には一巡する。直販部門は好調であり、ブランドイメージ向上に向けた取組強化や新製品投入の効果なども寄与して収益改善する見込みだ。

 株価の動きを見ると、安値圏でモミ合う展開が続いているが、8月30日と9月2日の直近安値1200円をボトムとして徐々に水準を切り上げている。10月2日には1330円まで上伸する場面があり、足元も1280円近辺で推移している。

 10月30日の終値1289円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円84銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1138円92銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して下値を切り上げている。さらに26週移動平均線を突破する動きを強めており、強基調へ転換の可能性があるだろう。指標面に割高感はなく、調整一巡して出直りのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:03 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フォーカスシステムズは下値堅く調整の最終局面、きっかけ次第で反発

 システム構築・運用のフォーカスシステムズ<4662>(JQS)の株価は安値圏でボックス展開だが、下値は堅く調整のほぼ最終局面だろう。きっかけ次第で反発が期待される。

 公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。顧客別にはNTTデータ<9613>関連が3割〜4割、日本IBM関連が1割〜2割を占める主要顧客である。民間関連事業では従来の関東・近畿圏に加えて、東海圏への拠点展開と営業強化を推進している。

 今期(14年3月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比1.2%増の125億円、営業利益が同31.7%減の3億円、経常利益が同39.9%減の2億50百万円、純利益が同58.5%減の1億円としている。人材育成や名古屋への拠点展開などの先行投資負担で減益見込みだが、官公庁関連のセキュリティ関連機器や民間関連のインフラ系(ミドルウェアやネットワークなど)の受注は好調のようだ。

 株価の動きを見ると、時折動意付く場面があるが人気が続かず、足元は概ね安値圏500円〜520円近辺のレンジでボックス展開となっている。ただし6月の安値487円まで下押す動きは見られず、500円近辺の下値は堅い。さらに下値も徐々に切り上げている。調整のほぼ最終局面だろう。

 10月30日の終値520円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円44銭で算出)は36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績のBPS703円26銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方では500円近辺で強力な下値支持線を形成し、足元では13週移動平均線を回復した形だ。また日足チャートで見ても、25日移動平均線がサポートラインの形になってきた。調整のほぼ最終局面であり、きっかけ次第で反発が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:48 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォコムは第2四半期を嫌気して急落だが過剰反応の感、電子書籍配信などネットビジネス事業は好調

 ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム<4348>(JQS)の株価は、第2四半期累計(4月〜9月)の減益を嫌気して急落した。しかし電子書籍配信を主力とするネットビジネスは好調であり、過剰なネガティブ反応の感が強い。

 企業(BtoB市場)向けにITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者(BtoC市場)向けに各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。06年に開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は、月間ユニークサイト来訪者500万人を突破して国内トップクラスの規模であり、3通信キャリアの公式メニュー掲載順位において1位を独占している。

 中期的な重点事業領域として、電子書籍配信を主力とするネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、企業の業務効率化機能を充実した完全Web−ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げている。さらにクラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域におけるデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。13年10月にはネットビジネス事業の中核として分社化した子会社アムタスが始動した。

 M&Aや戦略的アライアンスも積極活用する方針だ。13年9月には医薬品業界向けCRM事業の強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野でのビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事<9963>との協業を開始した。

 10月29日に発表した今期(14年3月期)第2四半期累計の連結業績はほぼ期初計画水準となり、前年同期比9.3%増収、同10.2%営業減益、同9.8%経常減益、同15.1%最終減益だった。重点事業の成長加速に向けたシステム開発関連の先行投資や、電子書籍関連の広告宣伝費の増加などで営業減益だったが、売上は順調に拡大している。セグメント別に見るとITサービス事業はヘルスケア事業の業容拡大で同3.5%増収、ネットビジネス事業は電子書籍関連の好調で同20.4%増収だった。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長加速に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、ITサービス事業が同6.3%増収、ネットビジネス事業が同8.5%増収と好調に推移する計画だ。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、ITサービス事業の第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造のため、特にネガティブ要因とはならないだろう。さらに来期(15年3月期)以降は、先行投資の効果が本格寄与して一段の収益拡大が期待されるだろう。

 株価の動き(10月1日付で株式200分割)を見ると、10月中旬から水準を切り上げる展開となり、10月24日には1085円を付けて年初来高値を更新した。さらに10月25日には1124円まで上伸する場面があった。しかし高値圏から一転し、10月30日には前日比150円(14.78%)安の865円まで急落する場面があった。電子書籍関連が人気化する流れで高値圏にあったこともあり、第2四半期累計の減益を嫌気した売りが膨らんだようだ。

 10月30日の終値884円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円60銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は2.0%近辺、実績PBR(株式200分割を考慮した前期実績連結BPS641円83銭で算出)は1.4倍近辺である。

 日足チャートで見ると窓を開けて急落し、75日移動平均線近辺まで調整の形となった。ただし週足チャートで見ると、13週移動平均線で下げ止まればサポートラインとして意識されるだろう。第2四半期累計の業績に対して過剰なネガティブ反応の感が強いだけに、反発展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:25 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】JFEシステムズは高値圏モミ合いに煮詰まり感、5月高値を試すタイミングが接近

 システム開発のJFEシステムズ<4832>(東2)の株価は高値圏でモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。きっかけ次第で動意付く可能性があり、5月高値を試すタイミングが接近しているようだ。

 川崎製鉄(現JFEスチール)のシステム部門を分離して設立した情報サービス企業で、鉄鋼向け情報システム開発・構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向けSI(システム・インテグレーション)事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業なども展開している。アライアンス戦略を推進して、13年5月には大阪ガス<9532>子会社のオージス総研との協業し、さらにビジネスブレイン太田昭和<9658>と資本・業務提携した。

 競争力強化に向けた中期課題として、鉄鋼事業統合を梃子にした体質の強化(JFEスチールと連携した製鉄所システムの共通化、成長分野のクラウド基盤ビジネスの本格展開)、SI事業基盤の強化・拡大(自動車顧客向け売上の拡大、ERPで不足する原価・購買管理分野での自社ソリューションの拡大)、自社プロダクト・ソリューション事業の成長(帳簿データ保存ソリューション、電子帳票システム「FiBridgeU」のタブレット対応、MQネットによる原料規格書サービス)、および戦略的業務提携の推進を掲げている。

 10月25日発表の今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は前年同期比2.2%増収、同46.2%営業減益、同47.3%経常減益、同59.9%最終減益だった。鉄鋼向けが減収だが、外販製造流通向けの好調に加えて、子会社KITシステムズのITインフラサービスで米マイクロソフトの基本OS「ウインドウズXP」からの変更に伴う需要が増加した。案件構成の変化を主因に減益だったが、売上高、利益ともに期初計画を上回った。

 通期の見通しは売上高を10億円増額して前期比4.0%増の351億円とした。利益は前回予想を据え置いて営業利益が同10.6%増の10億20百万円、経常利益が同10.1%増の10億20百万円、純利益が同3.3%増の5億20百万円としている。外販製造流通向けの好調に加えて、JFEスチールの投資が下期に積み増しとなるようだ。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、下期の売上構成比が高い収益構造であり、通期ベースでは好業績が期待される。

 株価の動き(10月1日付で株式100分割のため修正株価)を見ると、やや上値が重く高値圏でのモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げながら足元では概ね840円〜870円近辺で堅調に推移している。第2四半期累計の減益に対する反応も限定的のようだ。今期好業績見通しを評価する動きだろう。

 10月30日の終値850円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円22銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS1179円71銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げる形であり、右肩上がりの52週移動平均線が接近してきた。指標面に割高感はなく、モミ合い展開に煮詰まり感も強めている。きっかけ次第で動意付く可能性があり、5月の高値900円を試すタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:21 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インテージホールディングスはモミ合い上放れ窺う、出直り歩調に変化なく5月高値試す

 市場調査最大手のインテージホールディングス<4326>(東1)の株価は、戻り高値圏で堅調に推移してモミ合い展開から上放れを窺う動きを強めている。出直り歩調で5月高値を試す流れに変化はないだろう。

 13年10月1日付けで持株会社に移行して、現社名インテージホールディングスに商号変更した。小売店パネル調査や消費者パネル調査などの市場調査・コンサルティング事業を主力に、M&Aを積極活用して国内外で事業領域を広げている。アジア市場への本格展開も注目される。

 11年9月にベトナムの市場調査会社FTA、12年9月に医療情報総合研究所、12年11月に医療関連インターネット調査会社プラメド、13年8月に香港の市場調査会社CSG香港を子会社化した。12年4月にはNTTドコモ<9437>との合弁会社ドコモ・インサイトマーケティングも設立している。

 また10月15日には、韓国の業界4位、独立系では首位の市場調査会社Hankook Researchと包括的な事業協力を行うと発表した。戦略的な事業パートナーとして、アジア地域におけるリサーチネットワークの相互利用、日本や韓国を中心とする両社のグローバル顧客への共同営業の実施などに取り組むとしている。

 今期(14年3月期)連結業績見通しについては売上高が前期比7.8%増の430億52百万円、営業利益が同9.0%増の36億06百万円、経常利益が同5.3%増の33億83百万円、純利益が同48.9%増の18億61百万円としている。主力の市場調査・コンサルティング事業の好調が牽引し、第3四半期(10月〜12月)以降はCSG香港の新規連結も寄与する。前期に計上した特別損失の一巡も寄与して増収増益見込みだ。なお11月8日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 株価の動き(10月1日付けで株式2分割のため修正株価)を見ると、8月以降は戻り高値圏の概ね1200円〜1300円近辺のレンジでモミ合う展開のようだ。ただし足元では、10月30日に前日比21円(1.64%)高の1301円と反発し、レンジ上限に接近してモミ合い展開から上放れを窺う動きを強めている。好業績見通しを評価する動きだろう。

 10月30日の終値1301円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円55銭で算出)は14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円50銭で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS767円29銭で算出)は1.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって徐々に下値を切り上げている。指標面に割高感はなく、出直り歩調で5月の高値1393円を試す流れに変化はないだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:19 | アナリスト銘柄分析
2013年10月30日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】パシフィックネットは好業績評価して急騰、通期増額期待で上値追いの可能性

 中古パソコンなどのリユース事業を展開するパシフィックネット<3021>(東マ)の株価が動意付いて高値圏で推移している。第1四半期(6月〜8月)の好業績を評価した動きであり、通期増額期待で上値追いの可能性があるだろう。

 パソコンやタブレット端末などの中古品引取回収・販売(リユース)事業を主力として、レンタル事業も展開している。10月には、新たな旗艦店となる「PC−NETアキバ本店」がオープンした。パソコン需要低迷に伴って中古パソコン価格が下落するなど全体として事業環境が厳しいため、新規事業も模索している。

 10月11日に発表した今期(14年5月期)第1四半期の連結業績は前年同期比12.4%増収、同8.4倍営業増益、同6.7倍経常増益、同9.0倍最終増益だった。米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」のサポート終了に伴う代替需要などで、一般法人からの引取依頼件数が増加して中古情報機器の入荷台数が増加し、販売も好調に推移した。生産性向上や業務プロセス効率化などの効果も寄与して営業損益が大幅に改善した。

 通期見通しについては前回予想を据え置いて、売上高が前期比12.4%増の38億87百万円、営業利益が同48.1%増の2億13百万円、経常利益が同39.3%増の2億30百万円、純利益が同59.5%増の1億13百万円としている。仕入強化と商品ラインアップ充実などの効果で増収増益見込みだ。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が23.3%、営業利益が34.7%、経常利益が35.7%、純利益が43.4%と高水準であり、通期増額の可能性があるだろう。

 なお10月11日に筆頭株主の異動を発表している。当社代表取締役の上田満弘が保有する当社株式148万5000株のうち80万株を、当社代表取締役の上田満弘および親族が株式を保有する資産管理会社のリッチモンドに売却し、資産管理会社のリッチモンドが当社筆頭株主となった。

 株価の動きを見ると、9月の動意後に一旦は510円近辺まで反落したが、10月11日発表の第1四半期業績を好感して急騰し、年初来高値を一気に更新した。10月23日には1053円まで上値を伸ばす場面があった。足元は過熱感も強めてやや乱高下する形だが、高値圏を維持している。

 10月29日の終値874円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円79銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS646円66銭で算出)は1.4倍近辺である。目先的には過熱感を強めているが、月足チャートで見ると底練り展開から大きく上放れた動きであり、短期調整を挟みながら上値を追う可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:40 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アートスパークホールディングスは抜群のチャート、日足3段上げへ

 グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス<3663>(東2)の株価は、10月24日高値から一旦反落して急騰後の反動局面だが、10月28日には早くも反発している。今期(13年12月期)黒字化見通しも評価して上値を試す可能性があるだろう。

 セルシスとエイチアイが12年4月に統合した持株会社で、電子書籍ビューア「BS Reader」やグラフィクスソリューションなどのコンテンツソリューション事業、グラフィクスコンテンツ制作支援ツールなどのクリエイターサポート事業、3Dグラフィックス描画エンジンなどミドルウェア関連のUI/UX事業を展開している。ゲーム受託開発などのアプリケーション事業は事業構造改革で縮小する方針だ。

 セルシスが提供するマンガ制作ソフト「ComicStudio」は、デジタル制作マンガのほぼすべてに使用され、2001年の販売開始から世界での累計出荷本数が160万本を超える代表的なマンガ制作ソフトだ。重点戦略として、両社が持つ高度なグラフィクス技術を結集してシナジー効果を最大化することを掲げている。

 10月25日に発表した今期(13年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は売上高が27億64百万円、営業利益が80百万円の赤字、経常利益が73百万円の赤字、純利益が89百万円の赤字だった。UI/UX事業における外注費の一時的な増加、持分法投資損失の計上、投資有価証券評価損の計上などで最終赤字だったが、コンテンツソリューション事業、クリエイターサポート事業の収益改善が進んでいるようだ。前期第3四半期(7月〜9月)との比較で今期第3四半期の営業損益を見ると、主力のコンテンツソリューション事業は24百万円改善して黒字化した。

 通期見通しは前回予想を据え置き売上高が37億円、営業利益が1億円、経常利益が95百万円、純利益が90百万円としている。経営統合した前期との比較はできないが、各事業セグメントにおける販売活動の強化や人員削減など事業構造改革の効果で黒字化の見込みだ。

 株価の動きを見ると、9月30日の870円まで急騰した後、一旦は10月7日と8日の559円まで調整したが、10月下旬に再動意の形となり10月24日には1022円まで上伸した。足元は急騰の反動局面だが、10月29日には前日比129円(17.32%)高の874円まで急反発する場面があった。

 10月29日の終値800円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS13円56銭で算出)は59倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して反発した形だ。乱高下する展開だが株価に勢いがあり、今期黒字化見通しも評価して上値を試す可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:30 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ビー・エム・エルの月足チャートが長期モミ合い上放れ、5000円も

 受託臨床検査大手のビー・エム・エル<4694>(東1)の株価は、今期(14年3月期)の好業績見通しや通期増額の可能性を評価して上値追いの展開が続いている。

 受託臨床検査事業を主力として、腸内細菌検査や食品衛生コンサルティングなどの食品衛生検査事業、電子カルテなどの医療情報システム事業、SMO(治験支援)事業なども展開している。

 事業基盤拡大に向けてM&Aも活用し、受託臨床検査事業では検査ラボの全国展開や規模拡大、クリニック市場や病院市場での新規顧客開拓を推進している。さらに北海道、本州、九州での子会社再編などを実施して収益構造改善に取り組んでいる。食品衛生検査事業は「食の安全」意識の高まりが追い風であり、医療情報システム事業では電子カルテ「クオリス」のブランド向上に向けた取り組みを強化している。

 今期の連結業績見通しは売上高が前期比2.8%増の973億円、営業利益が同7.0%増の71億円、経常利益が同4.6%増の73億円、純利益が同7.9%増の40億円としている。臨床検査事業は競争激化などで受託価格が下落するが、クリニック市場や病院市場での新規顧客開拓、子会社の第一岸本臨床検査センターの収益改善などが寄与する。大幅増益だった第1四半期(4月〜6月)の通期見通しに対する進捗率は高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。

 なお10月28日に代表取締役の異動を発表している。福田和太・代表取締役社長から健康上の理由により13年12月31日付で代表取締役社長を辞任する旨の申し出があったことによるもので、近藤健介・取締役執行役員が14年1月1日付けで代表取締役社長に就任する予定だ。

 株価の動きを見ると、全般地合いが悪化する中でも水準を切り上げて高値を更新する展開が続いている。10月24日には3420円、そして10月29日には3430円まで上値を伸ばした。今期好業績見通しを評価する動きだろう。

 10月29日の終値3400円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS188円36銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2389円83銭で算出)は1.4倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形であり、週足チャートで見てもほぼ一本調子の上昇トレンドだ。指標面に割高感はなく、短期調整を挟みながら上値追いの展開だろう。月足チャートで見ても09年12月の2930円を突破してモミ合いを上放れ、上げ足を速めており、5000円台も視野に入りそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:22 | アナリスト銘柄分析
2013年10月29日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリナップは5月高値に急接近、07年以来の1000円台目指す

 システムキッチン大手のクリナップ<7955>(東1)の株価は一旦調整したが、すぐに切り返して高値圏に回帰している。今期(14年3月期)好業績を評価して5月高値を試す流れに変化はなく、07年5月以来の1000円台がターゲット水準だろう。

 システムキッチンを主力として、システムバスルーム・洗面化粧台なども展開している。中期計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を掲げて、中高級タイプの商品力・ブランド力の強化、主力の「クリンレディ」を核としたシステムキッチンの市場シェア上昇、全国102カ所のショールームへの集客強化、リフォーム需要の取り込み、総合競争力強化などを重点施策としている。

 今期の連結業績見通しは売上高が前期比4.6%増の1188億円、営業利益が同0.9%増の48億円、経常利益が同2.9%増の45億円、純利益が同1.8%増の25億50百万円としている。生産拠点増強に伴う償却負担増加やショールーム改装費用などで小幅増益見通しだが、新設住宅着工戸数の堅調な推移や消費増税前の駆け込み需要が追い風であり、システムキッチンの中高級品が好調である。通期増額の可能性が高いだろう。11月7日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 なお9月30日に東京都家具厚生年金基金の特例解散を発表している。同基金の解散に伴って費用の発生が見込まれるが、費用の金額と業績への影響について現時点では不確定要素が多いため、見積金額が判明した時点で速やかに公表するとしている。

 株価の動きを見ると、9月11日と9月26日に879円まで上伸して5月10日の年初来高値880円に肉迫した。その後は全般地合い悪化の影響を受けて800円近辺まで調整する場面があったが、すぐに切り返して高値圏に回帰している。10月28日には前日比21円(2.46%)高の875円まで上伸する場面があった。好業績を評価して5月高値を試す流れに変化はないだろう。

 10月28日の終値867円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円73銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1202円66銭で算出)は0.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復した。また週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げ、強基調を維持している。指標面の低PBRにも評価余地があり、5月の年初来高値880円を突破すれば、07年5月以来の1000円台がターゲット水準となるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:58 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】国際計測器はモミ合いの下値水準に到達、好業績で反発へ

 バランシングマシンの国際計測器<7722>(JQS)の株価は900円台でのモミ合い展開が続いているが、煮詰まり感を強めている。米国自動車市場の好調が追い風であり、今期(14年3月期)好業績見通しを評価して動意のタイミングが接近しているようだ。

 自動車タイヤメーカー向けバランシングマシンを主力として、シャフト歪自動矯正機、電気サーボモータ式振動試験機、子会社での材料試験機なども展開している。自動車タイヤメーカーなどの設備投資の影響を受けるが、米国自動車市場の好調や日系自動車メーカーの生産台数増加が追い風であり、動電型振動試験機のエミックとの業務提携でシナジー効果も期待される。

 今期連結業績見通しは売上高が前期比9.4%増の115億円、営業利益が同33.2%増の20億円、経常利益が同29.3%増の20億円、純利益が同38.2%増の12億円としている。前期末の受注残高が67億90百万円と高水準であり、第1四半期(4月〜6月)の受注も52億43百万円と好調で想定を大幅に上回った。第2四半期(7月〜9月)以降に米国で大型案件の納入を予定しており、通期上振れの可能性もあるだろう。なお11月7日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、9月19日に987円まで上伸する場面があったが、7月以降は概ね900円台でモミ合う展開が続いている。足元では10月25日に905円まで調整する場面あったが、900円台を割り込むことなく10月28日には前日比14円(1.53%)高と反発している。レンジ下限に到達して反発局面だろう。

 10月28日の終値927円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円62銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は4.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS493円80銭で算出)は1.9倍近辺である。

 週足チャート見ると、右肩上がりの26週移動平均線が接近して動意のタイミングのようだ。今期好業績見通しに加えて、指標面での高配当利回りも支援材料であり、モミ合い上放れの動きが期待されるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:53 | アナリスト銘柄分析

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヨコレイは好業績で押し目買い好機、好利回り、低PBR

 冷蔵倉庫大手のヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)の株価は、9月の戻り高値圏から反落して調整局面となったが、特に悪材料は見当たらず、足元では短期調整一巡感も強めている。好業績見通しや指標面の低PBRが支援材料であり、押し目買いの好機だろう。

 冷蔵倉庫事業を主力として、水産品や畜産品などの食品販売事業も展開している。第4次中期経営計画(12年9月期〜14年9月期)では、重点戦略として低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開やドメイン拡充などを掲げている。

 冷蔵倉庫事業の能力増強に150億円の設備投資を計画し、14年4月竣工予定で北海道小樽市の石狩第2物流センター(仮称)、14年6月竣工予定で大阪市の夢洲物流センター(仮称)、14年10月竣工予定で宮崎県都城市の都城第2物流センター(仮称)を新設する。海外はASEAN地域への事業展開を本格化して、13年中の稼動予定でタイ・ワンノイ第2物流センター(仮称)を建設中である。

 前期(13年9月期)の連結業績見通しは5月7日に増額修正して、売上高が前期比0.8%増の1120億円、営業利益が同3.7倍の40億円、経常利益が同3.2倍の40億円、純利益が同11.6倍の23億円としている。冷蔵倉庫事業で貨物取扱量が好調に推移し、タイ子会社の収益拡大や、市況改善による食品販売事業の営業損益改善も寄与している。通期再増額の可能性もあるだろう。今期(14年9月期)についても、冷蔵倉庫事業で貨物取扱量が高水準に推移し、期中に稼働予定の物流センターも寄与して好業績が期待される。

 株価の動きを見ると、戻り高値圏の850円近辺から反落して10月9日の763円まで調整した。しかし特に悪材料は見当たらず、9月末の配当権利落ちをきっかけとして、この時期の全般地合い悪化も影響して利益確定売りが膨らんだようだ。足元では下げ渋る展開であり、短期調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値778円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS44円45銭で算出)は17〜18倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.6%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1068円19銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面となったが、右肩上がりの52週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。好業績見通しに加えて指標面での低PBRも支援材料であり、押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は底打ち、『ダブル底』形成、好業績に再評価の余地

 関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価はやや調整局面となったが、11月6日予定の第2四半期累計(4月〜9月)業績発表が接近して、今期(14年3月期)好業績見通しに再評価の動きが強まりそうだ。押し目買いの好機だろう。

 国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、単回投与の米国向け関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は、高齢者人口増加などで拡大基調である。

 開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603、アルツの適応症追加SI−657、関節機能改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615などがある。8月にはSI−6603の日本における第V相臨床試験において良好な結果を得たと発表している。

 今期の連結業績見通しは、売上高が前期比12.2%増の299億円、営業利益が同45.5%増の45億50百万円、経常利益が同16.2%増の50億円、純利益が同24.4%増の40億50百万円としている。営業費や研究開発費が増加し、受取ロイヤリティーが減少するが、米国向けジェル・ワンの好調などで大幅増収となる。ジェル・ワン訴訟費用の一巡も寄与する。大幅増収増益だった第1四半期(4月〜6月)の通期予想に対する進捗率は高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。なお11月6日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、7月から8月にかけて付けた戻り高値圏1400円近辺から徐々に水準を切り下げている。10月25日には1235円まで調整する場面があった。ただし特に悪材料は見当たらず、一段と下押す動きも見られない。10月28日には前日比19円(1.54%)高の1255円まで反発する場面があった。利益確定売りはほぼ一巡しただろう。

 10月28日の終値1251円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円29銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形となり、週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だ。ただし第2四半期累計決算の発表が接近して、今期好業績見通しを再評価する動きが強まりそうだ。押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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