
投資家は、「音楽が鳴っている間は踊り続けなければならない」からつらい。まるで「フーテンの寅さん」並みだ。米国の株価指数が揃って史上最高値を更新し、日経平均株価が29年7カ月ぶりの高値まで買い進まれており、上昇スピードの余りの速さや、グロース株とバリュー株が日替わりで忙しく人気交代する不安定性などに警戒感を強めても、ジョン・テンプルトンが、「強気相場は懐疑のなかで育つ」と教えたように、自らを鼓舞するように強気相場に追随しなければならないからだ。
いまマーケットで鳴り続けている音楽といえば、差し詰め「コロナ・ワクチン賛歌」だろう。米大手製薬会社のファイザーが共同開発したワクチンが、週明けの明日8日にも英国で接種が開始され、これが12月中旬には米国にも広がり、経済活動の正常化が早期に実現される。日本国内では、新型コロナウイルス感染症の新規感染者や重症者が過去最高を更新し、医療体制の崩壊も懸念される中で、感染拡大の第3波を前に政府が「GoToトラベル」の期限延長を検討し、ブレーキとアクセルを踏み間違えていると批判が高まるなどの「不協和音」も聞こえてきているが、株価が、「クリスマスラリー」や「餅つき相場」、「掉尾の一振」期待でフィーバーすれば「ワクチン賛歌」の大合唱のなか掻き消されることは間違いない。
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