ユビキタスAI<3858>(東証スタンダード)は5月16日、同社が開発したLinux/Android対応の高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot」が、2025年4月に発売15周年を迎え、累計出荷本数9000万本を突破したと発表。QuickBootは、電源断状態からの迅速な起動を可能にする独自技術により、カーナビやディスプレイオーディオなどの車載機器をはじめ、医療機器、無線端末、製造ラインのテスト機器など、多様な分野での活用が進んでいる。対応プラットフォームはArm v6/v7/v8およびx86、対応OSはLinuxとAndroidとされる。

近年の組込み機器は多機能化と高性能化が進む一方で、起動時間の短縮が課題となっている。システムの肥大化やセキュリティ機能の高度化により、従来のLinux/Androidベースシステムでは起動時間の長期化が避けられない状況にある。QuickBootはこうした状況下において、セキュアブートやOTA機能にも対応しながら、わずか数秒での起動を実現。これによりユーザー体験の向上だけでなく、待機電力の低減による省電力化にも寄与し、環境負荷の軽減にもつながっている。
ユビキタスAIは、QuickBootの独自性と技術的優位性を武器に、国内外市場での導入を進めてきた。今後も需要増に対応すべく、さらなる機能強化や対応プラットフォームの拡充を図る方針である。15年にわたる継続的な改良と市場対応により、QuickBootは高速かつ安全な起動を実現する唯一無二のソリューションとしての地位を確立しつつある。組込み機器の進化に即応する技術として、その重要性は今後も高まり続ける見通しである。