ミルボン<4919>(東1)■海外戦略で、東・東南アジア市場開拓にも着実に成果 12年12月期上期連結業績は、前年同期比7.8%増収の効果と原価率低下で2ケタの増益となった。純利益は18.6%増加し10億円を超え、全指標が計画を上回る好業績であった。
下期については、上期に発売したヘアケア用剤・染毛剤の新製品が高い評価を受けていることから、引き続き売り上げは高水準で推移すると見られるが、通期見込みについては、慎重姿勢を維持し、期初の見通しを据え置いた。
第2四半期実績は、売上高10,548百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益1,965百万円(同12.4%増)、経常利益1,820百万円(同12.2%増)、当期純利益1,069百万円(同18.6%増)。
【上期中の概要】:潜在需要発掘へパーマの魅力提案を開始、伸長へ期待膨らむ 部門別動向をみると、ヘアケア用剤、染毛剤で新製品が高い評価を受け販売高を伸ばした。

1)ヘアケア用剤は高評価の新製品を投入、技術提案などが奏功して6.4%伸びとなった。特に、新製品「ディーセス エルジューダ」による「デザインベース技術」の提案でアウトバストリートメント剤が大幅に伸びた。その他新製品は、「ディーセス ノイ ドウーエ フレッシュリュスク」を投入し夏季限定シャンプーメニューの提案を展開している。
2)染毛剤は、総合へアカラー剤「オルディーブ」にパール&ホワイティラインを投入し季節に合わせたプロモーションを推進。グレイカラー剤(白髪染め)の「オルディーブ ボーテ」も順調に推移した結果、13.6%伸びた。
3)パーマネント用剤は、市場がややシュリンク気味の中、新製品「フェルシェ」で、パーマの魅力を提案するなど潜在顧客の掘り起こしに取組んでいる。売上高は微減ながら、フェルシェの"やわらかい雰囲気・手触り・手入れの心地よさ"が共感を呼んだ。これからの伸びに期待している。
「オージュアサロン」は、春のスタイルにあわせたヘアケア提案や紫外線によるダメージケアなどを提案し、上期での契約軒数988軒、取引軒数925軒となり、取引サロン年間目標1,200軒に順調に近づいている。販売高も半期目標に達成率で97.9%となった。
【子会社動向】:各国の子会社順調に成長、「北京への足がかり見えた」 米・中・韓の現地子会社はそれぞれ順調に実績を伸ばしている。
・米国では、サロン内の施術するサロントリートメントメニューの導入とストレートパーマ剤の活動に注力した結果、ヘアケア並びにパーマネント用剤の窓口軒数が伸びた。
・中国ではトレンドに敏感な女性の間で日本のヘアスタイルが流行る傾向を背景に、日本の技術・製品が高く評価された。
「華東・華南地域」では、1人当たり高GDP都市に絞り、富裕層を顧客とするトップサロンに対し、経営情報、技術などの教育活動中心に活動を展開した結果、既存他社との差別化が進み、有力サロンとの取引軒数が増加した。同社では「北京進出へ足がかりが見えた」と話している。
・韓国ではターゲットサロンに対する教育活動、各種セミナー等教育支援に注力した結果、高品質・高価値の総合ブランドとしてのイメージを確立し、認知度が高まった。ファッションカラー剤・グレイカラー剤が大幅(現地通貨ベース46%増)に伸び、ヘアケア用剤も、カラー剤導入サロンを中心に窓口が拡大した。
【トピックス】1)地域特性の強い京都に営業所新設・独自性を大切にする古都京都のデザイナーを、大阪へ引き付けることは容易でない。そんな古都の女性を美しくするヘアデザイナーをサポートする空間として「MILBON KYOTO STUDIO」が誕生。スタジオをフル活用し、需要を掘り起こす。(所在地:下京区四条通り柳馬場東入ル立売東町12−1)
(写真=(左)スタジオ・(中)ラボ1・(右)ラウンジ)
2)グローバル化に向けた取組み 同社は海外戦略としてアジアでの市場開拓、製販拠点設置を行う方針であり、地域としては、東南・東アジア地域での販路拡大を目指している。
戦略推進の具体的施策として、グローバル感覚をもつ社員の育成並びに拠点設置を進めている。
・グローバル感覚社員の養成では、フィールドパーソンとして経験豊富な人材を現地に派遣し、現地の風土・歴史・文化などを学ばせる制度が始まった。グローバル第一期生と呼ばれる4人が、タイ、ベトナム、シンガポール・マレーシア、トルコに派遣し現地語などの習熟に取組んでいる。2年目を迎える今年はインドネシアへの派遣を予定しており、現在、研究部門2名、生産部門2名、営業部門1名が同第2期生として、国内研修を続けている。
・拠点設置については、2012年5月にタイ現地子会社を設立し、2014年の本稼働を予定している。既に建設用地(アマタシティ工業団地内)を取得し、10月ごろから土木・建築工事に取り掛かる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:12
|
IR企業情報