明電舎<6508>(東1)は、下水・排水処理用セラミック平膜を開発し、販売に向けて検証を進めている。世界の人口の増加、経済規模の拡大や都市化の進展に伴い、地球全体で水の需要が急速に高まりつつある中、水資源の有効利用や下水の再生(再利用)が注目されており、従来の上水道、下水道設備向電気設備に加えて新規分野への取り組みとして、セラミック製の平膜を開発した。
セラミック平膜は、高フラックス(単位面積当たりのろ過液の浸透量)での安定ろ過を実現させ、省エネにも貢献できる。また、高耐久性、耐薬品性、長寿命も特長であり、メンテナンスも容易である。用途として下水、排水処理分野にも適しているが、それ以外にも再生水、海水淡水化RO法(淡水を生成する方法のひとつ)の前処理など様々なニーズが見込まれている。販売目標は2013年度に30億円の受注を目指すとしている。
国内だけでなく海外、特にアジア市場での販売促進のためシンガポールで開催されるSIWW(シンガポール水週間:6/28〜7/1)へ出展。今後、東南アジア、中国、韓国などで販売を強化していく。また、開発・検証の一環として、シンガポール共和国の公益事業庁(PUB)と水処理技術の共同開発に関する覚書(MOU)を締結した。この覚書に基づき、明電舎とPUBはパイロットスケールでの実証試験を行う。明電舎は開発品であるセラミック平膜及び制御技術を、PUBはプラント運用の実績から蓄積された管理運営技術及び共同実験場を提供し、下水、排水処理関連技術・製品の早期実用化を目指していく。
