■製品は、フランス又はチェコ子会社から出荷
大手発泡製品メーカーの
JSP<7942>(東1)は、25日ロシアのモスクワに発泡ポリプロピレン「Pブロック」の販売会社「JSP International o.o.o.」を設立したと発表。
09年度のロシアの自動車販売台数は、150万台前後と他のBRICs諸国と比較すると未だ低い水準にあるものの、将来の需要を期待しグローバル自動車メーカー各社が現地生産を開始している。生産各社は、現地生産の価格面でのメリットを最大限に生かすためローカル・コンテンツ(現地部品調達比率)を増加させる動きもあり、ロシアでの自動車関連部品の需要は益々増加するものと予想される。
同社は、現在もロシアに自動車部品用途で製品を販売しているが、将来の発展のため、衝撃緩衝用バンパーコア材や内装材等の自動車部品に用いられる発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売会社をロシアのモスクワに設立することにした。製品は、フランス又はチェコ子会社から出荷する予定である。
「モスクワに常駐者を置いて、3年で5倍強の売上に持っていきたい。ある数量を超えたら工場の建設も考えている。現在は、自動車関係が主力製品であるが、自動車以外のものも広く販売していく計画である」(IR担当者)と今後のロシア市場への販売に期待している。
■海外展開の強化を経営の最重要課題とする 6月14日にはインド共和国に新たに発泡ポリプロピレンの生産拠点として子会社を設立することを決定しているように、海外での市場開拓に積極的である。
同社は、需要が見込まれる地域をターゲットとした海外展開の強化を経営の最重要課題と位置づけており、将来の発展をはかるため、事業のグローバル化を積極的に推進することにしている。6月14日のインド、今回のモスクワ進出もその流れに沿ったものである。
足元の業績については、「海外は元気が良い。特にアメリカはかなり良い、アジアも良い。中でも台湾の売上が戻ってきた。国内は、産業資材が厳しいと予想していたが、当初の予想よりも良い」(IR担当者)と売上が好調に推移している様だ。
同社の株価は、4月30日に今期業績予想を発表したところ、4月30日の引け値1110円から、5月21日の引け値は821円となり、わずか12営業日で26%も急落した。
この急落の背景には、ゴールデンウィーク明けのギリシャの金融不安もあるが、同社の今期業績予想もある。
今期業績予想は、昨年の12月に策定したものであり、その時期は、まだリーマンショックの影響が色濃く残っていたと思われる。しかし、今期の足元の業績は順調であり、早くも業績の上振れが予想される。
6月25日の株価は、29円安の886円で引けている。PER9.8倍、PBR0.63倍と割安歴然である。7月29日に第1四半期業績が発表される予定だが、海外の売上が順調であることから、期待できる。
>>JSPのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:22
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