■17日に京都大学百周年時計台記念館で開催された第14回腸内細菌学会で発表
森下仁丹<4524>(東2)は、17日に京都大学百周年時計台記念館で開催された第14回腸内細菌学会で、透析患者に腸溶性カプセル化ビフィズス菌製剤を摂取させることによるリン値低下効果を確認したことを発表した。
同社は、平成日高クリニック外来血液透析患者のうち、透析前の血清リン値が6.0mg/dL 以上の31名を選び、そのうちの15名にカプセル化した生きたビフィズス菌を4週間摂取させたところ、血清リン値は摂取前より有意に低下したことを見出した。また、血清リン値5.5mg/dL以上の患者を対象にして摂取菌数・方法の試験をしたところ、毎日、就寝前に摂取することで、血清リン値に有意な低下が認められた。
血液透析療法は、慢性腎不全末期に腎臓の代替として行う治療。透析患者は、治療により水分摂取を制限されることから、便秘になりがちであったが、生きたビフィズス菌の腸溶性シームレスカプセル製剤が便秘の改善を促すことが確認できた。さらに透析患者は、血清リン値の上昇が原因となりリン酸カルシウムが血管に沈着し、動脈硬化、多臓器不全を起こすため、血清リン値の管理が特に重要となっている。今回の研究では、透析患者におけるカプセル化ビフィズス菌製剤の摂取による血清リン値低下作用を明らかにすることを目的とした。
結果と考察は以下の4項目。
@ 腸溶性カプセル化ビフィズス菌の摂取群では、血清リン値が摂取前6.69±0.60mg/dL から2週間後5.71±0.88mg/dL(p<0.001)、4 週間後5.80±0.89mg/dL(p<0.01)と有意に低下した。
A 4週間の摂取期間終了からさらに4週間後には、6.73±0.98mg/dL に上昇したことから、本ビフィズス菌製剤摂取によるリン値低下効果が確認された。
B 血清リン値5.5mg/dL以上の患者を対象とした摂取菌数・方法による検証では、透析時の週3回の摂取では有意なリン値の低下が認められなかったが、毎日就寝前の40 億cfu投与、毎日就寝前の100 億cfu投与の両群では、血清リン値に有意な低下が認められた。(p=0.0457、p=0.0382)
C リン値低下のメカニズムには、摂取ビフィズス菌が小腸下部から大腸内での増殖時に腸内の食物中の遊離リンを栄養素として吸収し、ヒトの腸壁からのリンの吸収量が減少するためであると考えられるが、それを確認することが、今後の課題である。
同学会は、関西(京都)で初めて開催され、大会長を同社のバイオファーマ研究所 所長浅田雅宣が務めた。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:52
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