■約40名の人材を確保し、不動産事業の体制は整う
人材派遣の大手
ワールドインテック<2429>(JQ)は11日引け後、ニチモリアルエステート(本社:東京都千代田区)の全株式を取得することを発表した。
人材派遣事業が本業であるが、不動産事業に進出するため、3月24日に子会社の設立を発表している。子会社の商号はワールドレジデンシャル。ディベロッパーとして、都心を中心にマンション、戸建を建設する。
同社の伊井田栄吉会長は三井不動産の北部九州地区の初代社長を務めた経歴の持主、不動産関連事業については幅広い知識と人脈を持っている。その後、独立して「みくに産業」という建設会社を設立。ジャスダック上場する際に、「みくに産業」は切り離している。
不動産事業のスピードアップと安定した経営を推進するために、「みくに産業」の代表取締役社長であった山田秀典氏を代表に迎え、体制の構築を進めているが、今回のニチモリアルエステートを買収することで、約40名の人材を確保し、不動産事業の体制は整ったといえる。
■ワールドインテックの事業規模は急拡大すると予想される ニチモリアルエステートは、マンション業界の老舗であるニチモの民事再生手続き後のスポンサーである日建が09年6月に設立した会社であり、中高層マンション等の企画開発、分譲等を行っている。ニチモで培った50年以上の歴史とノウハウ、ブランド、それを支えてきた社員が多く在籍している。今回の株式取得により、ワールドレジデンシャルが、社員とブランドを引き継ぐことになる。
ニチモは09年2月に民事再生を申請したが、リーマンショック以前の07年9月期の売上高は665億円で、通算販売戸数は6万戸以上の実績を有している。
今回子会社のワールドレジデンシャルが、ニチモリアルエステートのブランドと社員を引き継ぐことから、ワールドインテックの事業規模は急拡大すると予想される。
■8月に中期経営計画を発表する公算大 今12月期連結業績予想は、売上高313億円(前期比7.6%増)、営業利益6億9000万円(同77.0%増)、経常利益7億円(同30.1%増)、純利益2億4000万円(同60.8%増)と増収大幅増益を見込んでいるが、今回のニチモリアルエステートの株式取得で今後の事業計画は大きく見直されることになる。8月に第2四半期決算説明会が開催されるが、その場で中期経営計画を発表する公算は大きい。
■不動産事業を開始するには絶好のタイミング 都内の4月の分譲マンションの新規着工戸数は、4287戸と前年同月比2.8倍と急増している。同社が不動産事業を開始するには絶好のタイミングといえる。
しかも、本業である人材派遣事業も回復していることから、これまでの守りの経営から、攻めの経営に転じ、3年後には事業の急拡大が期待できる。
11日付日本経済新聞朝刊に同社の記事が掲載されたことから、11日の株価は7円高の178円で引けた。しかし、194円からザラ場高値244円まで上昇する要因となった第1四半期の好業績の話題より、今回の話題はかなりインパクトのある大材料にしては株価の反応は弱かった。
>>ワールドインテックのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:22
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