■四半期毎の売上高、営業利益は共に順調に拡大
骨接合材の
日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、3月30日に第3四半期の業績を発表した。減収で最終利益は大幅減益であったものの、営業・経常利益は大幅増益であったことから、31日の株価は前日比7円高の276円で引けた。しかも出来高は10万300株と大幅に膨らんだ。
今10年5月期第3四半期連結業績は、売上高73億5100万円(前年同期比7.0%減)、営業利益7億6300万円(同112.7%増)、経常利益4億3800万円(同273.4%増)、純利益△23億9400万円(前年同期△1億7100万円)と最終利益は、2年6ヶ月前倒しでジョンソン・エンド・ジョンソン社製商品及び医療工具等の売却損失見積り相当額35億円をたな卸資産評価損として計上したことから、大幅な赤字であった。
しかし、四半期毎の売上高、営業利益の推移を見ると、第1四半期(6月から8月)22億8900万円、7600万円、第2四半期(9月から11月)24億9300万円、3億2500万円、第3四半期(12月から2月)25億6900万円、3億6200万円と四半期毎の売上高、営業利益は共に順調に拡大していることから今後の業績拡大が予想される。
■OMフェモラルネイルを今年1月から販売開始し、医療現場の評価は高い 第3四半期の最大のトピックスは、OMフェモラルネイルを今年1月から販売開始し、市場規模が大きくしかも成長性が見込めるなかで、商品の医療現場での評価が高いということである。骨接合材の中で大腿骨の骨折が最も多く、この治療に使われる大腿骨近位部骨折用髄内釘の市場規模は120億円で、年率10%で成長している。この市場に新製品を投入したことで、同社の売上拡大が予想される。
現場の医師によると、手術の際の切開部分を短くできるうえに、手術の時間も短縮できることからOMフェモラルネイルの工具の使い勝手が良いと評判がいい。当初は30セットでスタートしたが、3月時点では現場のニーズが高まっていることから、100セット準備している。しかし、全体をカバーできる製造体制が整っていないので、販売地域を選別している状況。今年の秋口には製造体制を増強し、全国展開する予定。
同社では、OMフェモラルネイルがマーケットでは好評であることと、トロカンテックネイルが登場した初年度に10億円を達成していることから判断し、初年度売上高10億円は堅いと見ている。
■今通期営業利益は141.6%増、経常利益は975.4%増を見込む 今5月期連結業績予想は、売上高101億2000万円(前期比2.6%減)、営業利益8億5000万円(同141.6%増)、経常利益6億1000万円(同975.4%増)、純利益△23億1000万円(前期△2億2600万円)と営業利益、経常利益の大幅増益を見込んでいる。
今期は特損35億円を計上したことで、最終利益は赤字となるが、既に自社製品が全体の35%を占めるまでになり、利益率の向上を推進している。また、日本人にあった骨接合材の提供を開始するなど、これまでにない自由な事業戦略を実施していることから、展望は明るい。また、来期は6月早々関節分野の新製品の投入を予定している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 22:51
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