【東大生のノートは美しいをヒントに『ドット入り罫線ノート』が大ヒット!】■コクヨの開発者、田畑幸辰氏に聞く
需要不振といわれる紙製品で、年間2000万冊を売上げ、大ヒットの「ノート」がある。年間100万冊ならヒットといわれるノートで、はるかにそれを上回る。まさに、大ヒット。オフィス用品等のトップメーカ、
コクヨ<7984>(東1)が企画・開発・販売した。商品名は、『ドット入り罫線ノート』。ヒントは、「東大生のノートは美しい」だった。開発者の同社の田畑幸辰氏に聞いた。
――『東大生ノート』と言われて人気のようです。正式にはなんという名前ですか。
【田畑氏】 正式な商品名は、『ドット入り罫線ノート』です。当社では誤認混同の恐れがありますので「東大ノート」の呼称は使っていません。
――すごい人気だそうです。販売冊数はいかがですか。
【田畑氏】 2008年10月に発売して09年9月までの1年間で約2000万冊売れました。通常、年間で100万冊売れるとヒットといわれるノートでは大ヒットだと言ってよいと思います。
――種類はいくつくらいありますか。
【田畑氏】 『ドット入り罫線シリーズ』としては20種類程度です。冊数でいちばん多いのは、「キャンパスノート」(セミB5サイズ、30枚綴り、税込み157円)です。
――開発の経緯について、少し、お願いします。
【田畑氏】 太田あやさんという方が、東大生のノートの美しさに着目されて、特集記事を文藝春秋に07年4月に掲載されたことに始まります。太田さんと文藝春秋では、特集が好評だったことで、そのテーマに沿った書籍「東大合格生のノートは必ず美しい」の出版を企画されました。その製作の過程で、ノートの作り手の当社に話があり、私も一緒に加わることになりました。実際、東大生の多くの方々にヒアリングをしました。私の考えている企画も示してみました。
――反応はいかがでしたか。
【田畑氏】 だめでしたね、酷評されました(笑)。私の考えたものは、たとえば、「思いつきのことを書く欄」といった、「枠」を設けた提案でした。しかし、使い勝っ手が悪いと、言われて、正直、前途多難の思いでした。それで、試行錯誤のうえに辿りついたのが「ドット」でした。ポイントを用いることで使いづらさが解消され、表を描くこともフリーハンドで可能となり、まさに、「東大生の書いたノートは美しい」を実現したものとなりました。
――やはり、買われている方は学生さんですか。
【田畑氏】 開発コンセプトが東大受験の高校生向けでした。当然、高校生の需要は目立ちます。そのほかに、ビジネスマンの方々にも高い人気をいただいています。
――大ヒットですから、社長賞ものだと思いますが。
【田畑氏】 そのあたりは、ご想像に、おまかせします(笑)。
――田畑さんはコクヨには、どのような思いで入社されましたか。
【田畑氏】 商品つくりを希望して入社しました。1年目から商品の企画販売を担当させてもらい、今年で4年になります。
――今度の開発でヒントとなったことは、いかがですか。
【田畑氏】 そうですね、こだわりを持っている、ヘビーユーザーの声を聞くことの大切さを強く感じました。現在、紙製品からレーザーポイントなど幅広いビジネス商品に対し、「こだわりの気持ち」をもって企画開発に携わっています。
――ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:41
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