朝日工業社<1975>(東1)の好バリューが、浮き彫りになっている。10月20日に今3月期第2四半期(2Q)累計業績の2回目の上方修正を発表、V字回復を鮮明化したためだ。3月通期業績は、11月5日予定の2Q決算発表時に公表するとしているが、上ぶれ期待も高まっている。
株価は、業績上方修正に反応して21日に一時、24円高の577円と急反発し、きょう22日も3円高の348円と続伸して堅調に推移しているが、なおPERは9倍台、PBR0.5倍と割り負け放置されている。株価の大幅上値修正を強力サポートしそうだ。
■再上方修正幅は8月の前回増額幅のほぼ倍増 同社の2Q業績は、まず第1四半期決算発表時の8月に上方修正された。経常利益は期初予想の1億円の赤字から4億5000万円の黒字へ5億5000円引き上げられ、純利益も1億円の赤字から2億円の黒字へ3億5000万円引き上げられた。設備工事事業の工事採算が、期初予想を上回って堅調に推移したことを要因とした。
今回は、その8月増額値をさらに引き上げたもので、経常利益は10億円アップさせて14億5000万円(前年同期は1億6800万円)、純利益は5億5000万円アップさせて7億5000万円(同4100万円)とした。経常利益の増額幅は、8月修正時のほぼ倍増となり、V字回復を鮮明化する。前回増額要因の工事採算向上に加えて、売り上げが、設備工事事業の進行基準適用工事で進捗率が予想を上回り、売り上げが、50億円増加して前年同期比24%増と増収転換率を拡大したことが寄与している。
3月通期業績は、期初に連続の減収減益を予想し、純利益は11億5000万円(前期比11%減)としていたが、11月5日の2Q決算発表時の上ぶれ修正期待につながる。
■アグリ関連、バイオ関連でも材料性を内包 同社は、この半導体・液晶パネル向けのクリーンテクノロジー分野の設備工事事業や機器製造事業のほかにも、アグリ関連やバイオ関連でも株価材料性を内包している。アグリ分野では、東京・大手町のオフィスビル内に建設された地下農場向けの植物工場を開発し、バイオ関連でも、感染症対策の微生物制御・滅菌・殺菌技術で易感染症患者用病室を開発するなど高技術・高実績を誇っている。
アグリ関連では、猛暑に伴う生鮮野菜不足、「食と安全」問題、食料自給率の向上、バイオ関連では、多剤耐性菌による院内感染問題や新型インフルエンザのシーズン入りなど、同社の全方位技術、多角業態が株価的にクローズアップされる展開も想定されることになる。
■低PER・PBRの修正で高値奪回も有望 株価は、前期第3四半期業績が、大幅増益転換と様変わりに好転したことを評価して年初来高値400円まで買われたものの、今期の減益転換予想で年初来安値328円まで調整した。8月の2Q業績増額で安値水準から持ち直し、20日の再増額でリバウンド幅を拡大したが、PERは9倍台、PBRは0.5倍となお割り負けている。低位値ごろも魅力で、バリュー株買いの再燃から年初来高値奪回も有望となる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:32
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