
ゼリア新薬工業<4559>(東1)10年3月期第2四半期連結業績は、売上高24,272百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益953百万円(同1.3%減)、経常利益968百万円(同4.5%増)、当期純利益573百万円(同25.1%減)となった。
医療用医薬品業界は、医療費抑制策の推進に伴うジェネリック医薬品の使用促進などに加え、OTC医薬品も個人消費の伸び悩みで厳しい環境が続くが、同社医療用医薬品部門は、消化器官用薬を最重点として注力、亜鉛含有胃潰瘍治療剤「プロマック」は調に推移したが、H2受容体拮抗剤「アシノン」、胃炎・潰瘍治療剤「マーズレン」は伸び悩んだ。
コンシューマーヘルスケア部門では、昨年度から放映中のタレント石原良純起用のTVCMの効果が上々で、主力製品群「コンドロイチン群」の製品認知度がさらに向上、売り上げを伸ばした。また、今期から大型商品への育成に力を入れている肝臓水解物配合滋養強壮剤「ヘパリーゼ群」や植物性便秘薬「ウィズワン群」も順調に売り上げを伸ばした。利益面では売上原価の微増で営業利益が減少した。
■新商品「アサコール」(潰瘍性大腸炎治療剤)12月発売へ 同社は期中の9月1日にティロッツ社(Tillotts Pharma AG:スイス連邦)全株式を取得、子会社化し、ティロット社の炎症性腸疾患治療剤アサコールの世界53 ヶ国での権利を取得、今後アサコールのバリューアップや欧州での自販体制の強化、アジア地域への展開などでグループ業績への寄与が期待されるが、厚生労働省に潰瘍性大腸炎治療剤として製造販売承認を申請していた同剤「Z−206(アサコール)」は、10月16日付で承認され12月から潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール錠400ミリグラム」として発売する予定。
■「消化器のゼリアの付加価値をさらに向上」伊部社長説明会で表明
第2四半期決算説明会に臨んだ伊部幸顕同社社長
(=写真)は、「当社は、医療用医薬品、コンシューマーヘルスケアの2つの事業を両輪に、また、両事業を強化するアライアンスやM&Aに積極的に取り組み、事業間のシナジー効果による付加価値を高める堅実経営を目指す。」と前置きし、今後の主要課題を次のように語った。
「世界60数カ国で実績をもち、炎症性腸疾患治療薬市場の世界シェア約1/3のトップブランドのアサコールは、国内でも200億円の市場規模と見られるが、当面市場の半分を目指し医療用医薬品事業の柱に育て、消化器のゼリアの付加価値を向上させる。ティロッツ社は、世界53カ国にアサコールを販売するが、ぜりアグループのグローバル展開が一気に加速する」「コンシューマーヘルスケア事業では、超高齢社会・健康ブームを背景にセルフメディテーションが進む中、コンドロイチン市場は今後も拡大する。同成分含有関節痛内服薬で市場シェア60%のトップブランドの優位性をさらに広げ、コンドロイチン売上高100億円の早期達成を目指すとともに、ヘパリーゼを第2のナショナルブランドに育成する」「M&Aで傘下としたイオナとのシナジー実現については、エイジングケアの基礎化粧品「IONA」とコンドロイチンのゼリアが融合した新シリーズ「リトルノ」の製販の共業を通じイオナブランドのバリューアップ、ゼリアグループ力を強化、15年までにイオナの売上高100億円を目指す。」
なお、10年3月期通期連結業績は、下期に「コンドロイチン群」や「ヘパリーゼ群」の一層の市場拡大と新発売のアサコールが加わることで、第3四半期以降も売上・利益は好調に推移すると見込んでいる。売上高530億円(前年同期比11.2%増)、営業利益20億円(同51.0%増)、経常利益20億円(同46.4%増)、当期純利益12億円(同0.3%減)。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:41
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