
同社の属する不動産業界及び住宅業界は、低金利及び政府の経済対策による住宅ローン減税の効果、販売価格の調整の進展などを背景に、第一次所得者層においては購買の潜在的な需要が顕在化し成約件数に回復の兆しがみられ、業界の在庫調整が進んでいるように思われる。
同社では、マーケティング予想に基づく仕入の厳格な審査及び事業回転率を重視し、堅実な経営に尽力するとともに建築原価のコストダウンを図った。また、強みである住宅における間取りやデザイン性を考慮し、様々なニーズに対応した自由な設計力及び企画力を活かしオンリーワンの家づくりと都市型3階建住宅により他社との差別化をはかっている。
不動産販売事業では、業界環境の厳しい中にあって順調に契約及び完成引渡しが進み、売上高277億4900万円(同2.4%増)、販売件数732件(同15.6%増)といずれも過去最高。売上総利益は34億3400万円(同4.9%減)。売上高の内訳は、2階建て住宅112億8200万円(294件)、3階建て住宅139億9200万円(354件)、大型開発案件(福生プロジェクト)18億9500万円(65件)、土地5億7500万円(19件)、その他200万円。
当事業年度より本格的に開始した不動産請負事業は、売上高6億9900万円(販売件数52件)、売上総利益は1億3900万円。なお、受注件数は181件獲得している。
賃貸収入事業は、当事業年度に取得した賃貸物件はなかったが、管理を徹底することにより、売上高6億6500万円(同3.0%増)、売上総利益は4億3300万円(同7.0%増)となった。
10年8月期業績予想は、売上高286億9000万円(前事業年度比1.6%減)、営業利益30億3400万円(同36.6%増)、経常利益27億5300万円(同38.2%増)、純利益14億7200万円(同41.2%増)と減収ながら、利益面では過去最高を見込んでいる。
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