エレクトロニクス商社のシークス<7613>(東1)は、92年7月、サカタインクス<4633>(東1)の貿易部輸出係を母体とする海外事業が分離独立する形で、サカタインクスインターナショナルとして設立された。98年7月に現在のシークスに社名変更し、99年大証2部、00年東証2部、05年東証1部・大証1部に上場した。■「省エネ・創エネ・蓄エネ」分野を強化
現在の事業セグメントは、電子部門(通信機器、車載関連機器、情報機器、家庭電気機器、産業機器、一般電子部品など)、機械部門(ワイヤーハーネス部材など)、その他部門(印刷インキなど)で、電子部門が連結売上の約9割を占めている。また、エレクトロニクス分野を対象として、部品調達や物流機能も併せたEMS(電子機器受託製造)サービスが収益の柱となっている。
10年12月期第1四半期(1〜3月)の業績は、売上高が前年同期比68%増の371億円、営業利益が同7・8倍の11・0億円と、大幅増収増益だった。世界的に景気の最悪期だった前年同期(09年1〜3月)に比べて、需要が大幅に回復した。
10年12月期の業績予想については5月7日に上方修正を発表している。修正後の通期計画は、売上高が09年12月期比22%増の1,527億円、営業利益が同77%増の47・5億円、経常利益が同69%増の47・2億円、純利益が同9%増の31・3億円と大幅営業増益の見込みである。アジア市場を中心に需要が回復基調であり、期初時点の想定を上回る見込みだ。またLED関連ビジネス(LED電球、LED街路灯、自動車用LEDテールランプ、液晶テレビ用LEDバックライト)も順調に拡大する模様だ。タイバーツなどアジア通貨も含めて為替動向に注意が必要だが、需要が回復傾向を強めており、通期業績は強含みの可能性も考えられる。
中期的には、川上分野への展開や、テクノロジーパートナーとの連携などにより、独自性を一段と強化する。また、LED関連、次世代エコカー、パワーエレクトロニクスなど「省エネ・創エネ・蓄エネ」分野を強化するとともに、スマートグリッドやEV用充電などインフラ整備型ビジネスにも参画する。
■当面は26週移動平均線の回復がポイント
株価は5月中旬の年初来高値圏から急落し、一時的に1000円台を割り込んだが、足元ではやや持ち直した水準である。週足ベースで見ると、サポートラインだった26週移動平均線を割り込み、調整局面のようだ。ただし指標面で見ると、09年12月期実績PBRが1・5倍台、10年12月期予想PERが8倍台であり、割高感はないだろう。当面は26週移動平均線の回復がポイントになるが、好業績を評価して上昇トレンドに回帰する可能性も考えられる。















































