■ストック型のビジネスモデルを強化し財務内容の強化を目指す
インターネットのセキュリティ事業を展開している
バリオセキュア・ネットワークス<3809>(大へ)は、16日に前09年5月期決算説明会を鉄鋼会館(東京・茅場町)で開催した。
代表取締役CEO坂巻千弘氏は、「1年前の決算説明会で、先の見通しが不透明になっていますと皆様の前で申し上げましたが、その数ヵ月後にリーマンショックが発生しました。かなりの企業がその影響を受けていています。その様な厳しい環境の中で、前期の印象は、営業が苦労し、よく頑張ったと言えます。今年の末には好転すると期待していますが、現在もまだ厳しい状況です。そういう中で、当社はこれまで通りストック型のビジネスモデルを強化し、財務内容の強化を目指しました。その結果、前期も増収増益を達成しました。今後もこのビジネスモデルを継続しながら、今期も増収増益を目指します。」とリーマンショックの影響で厳しい環境にありながらも増収増益を達成したが、現在も依然変わらぬ厳しい状況下にあることを説明した。
前09年5月期個別業績は、売上高17億3700万円(前々期比20.3%増)、営業利益5億9900万円(同20.4%増)、経常利益6億800万円(同24.8%増)、純利益3億6200万円(同26.0%増)と増収増益で過去最高益を更新。
事業別売上高を見ると、セキュリティサービス15億6800万円(同20.8%増)、ホスティングサービス8400万円(同26.2%増)、プロフェッショナルサービス8500万円(同7.9%増)と全セグメントともに増収を確保。売上の90%以上を占めるセキュリティサービス事業のサービス提供件数は3053箇所(同420箇所増)となった。
尚、100%出資子会社NSRI(ネットセキュリティ総合研究所)を設立したことから、前期より連結決算がスタート。09年5月期の連結業績は、売上高17億4300万円、営業利益5億9600万円、経常利益6億300万円、純利益3億5800万円と創業以来8期連続の増収増益を継続している。
前期の主な取組は、今年4月にサイボウズメディアアンドテクノロジーより継承したScanNetSecurity事業を開始するため、NSRI(ネットセキュリティ総合研究所)を設立した。今後は、世界中から集まったセキュリティ情報を発信し、業界全体の発展のために貢献していく方針。「収益方法として当初は広告収入を基本とするが、その後は集まった情報をもとにしたレポートの販売も考えている。」(代表取締役CEO坂巻千弘氏)とのこと。
また、USENの法人向け1Gbpsインターネット接続サービス「光ビジネスアクセス ギガプラン」に同社の高性能ルータ「VGR−1」が採用され、2月より提供を開始。同社では、2009年を「ギガ元年」とし、積極的にWAN側回線の広帯域化を推奨していく。「ギガ時代になり、回線スピードが速くなるときは、従来のセキュリティ機器が陳腐化するため、ビジネスチャンスの到来といえる。」(同)とギガ時代に向けた高性能ルータ「VGR−1」を開発していることから売上拡大に自信を示した。
更に、KDDIと勉強会の実施、関係強化による企画の提案、既存顧客のリプレース等により売上の拡大に努めた。KDDIのポテンシャルは高いことから今後も関係強化に努めていく方針。
また、
GMOホスティング&セキュリティ<3788>(東マ)のホスティングブランド「アイル」の専用型ホスティングのオプションサービス「メールサーバー運用代行サービス」に同社の「専用ファイアウォール」と「迷惑メールフィルタ」の提供を3月16日より開始している。
4月16日にはNECビッグローブと協業し、中企業向けに1台のセキュリティ専用機器に複数の機能を搭載し、効率的なセキュリティ対策を実現する「ファイアウォールサービス(VSR)」を、小規模企業向けには、接続サービス、セキュリティサービス、アプリケーションを組合わせたパッケージサービスの提供を開始。
また、中小企業向けの新サービスとして、バリオオフィスの提供を6月から開始した。バリオオフィスは、ルータ機能とファイアウォール機能に加え、予定表や出退勤管理などのビジネスアプリケーションも搭載している。
■経営方針は売上原価率25%を基準 「経営上の方針として、売上原価率が25%を下回れば、積極的に投資を進めます。25%を上回れば、利益の確保に努めます。」(同)と基本方針を語った。前期の売上原価率は24.7%であったので、今期は設備投資が予想される。
ではどこに投資が行われるかというと、ギガ時代の到来に向けて開発した高性能ルータ「VGR−1」に1年かけて12の機能を付ける。また、SaaS型で多くのアプリケーションを提供できるバリオオフィスにセキュリティ機能を強化し、本格的に販売を開始する。一方で、まだ本格的な需要が出ていないが、2年後には本格化すると予想されているIPv6化について、「2年後にはIPv4のナンバーの枯渇化が見込まれているため、IPv6化については、日本が世界に先駆けていることから、市場が本格化すると思われます。」(同)と2年後を見据え、IPv6化に向けてのセキュリティ機材開発に投資する計画である。
また、これまで、セキュリティサービス設置個所を増やすために、大手通信事業者を販売パートナーとして確保しているが、グループウェアの機能を持ったバリオオフィスの本格的な販売を開始するため、販売パートナーとして、OA機器販売企業との業務提携も視野に入れている。
今期連結業績予想は、売上高19億3000万円(前期比10.7%増)、営業利益6億2000万円(同4.0%増)、経常利益6億3000万円(同4.4%増)、純利益3億7000万円(同3.3%増)と今期も最高益更新を見込む。
ギガ時代に向けた高性能ルータ「VGR−1」、グループウェアの機能を持ったバリオオフィス、IPv6化に向けてのセキュリティ機材開発と話題は豊富である。
>>バリオセキュア・ネットワークスのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:11
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