
投資用マンションの1棟販売を行っているアーバネットコーポレーション<3242>(JQ)は、16日の引け後に09年6月期通期業績予想の下方修正を発表した。
売上高は前回予想を53億1000万円下回る96億4000万円、営業利益は17億円下回る△14億5000万円、経常利益は17億円下回る△16億3000万円、純利益は18億5500万円下回る△18億2000万円となる予想。
下方修正の理由は、銀行融資の厳格化により、個人投資家への販売が出来ず、ワンルーム販売会社への販売となったが、1棟販売とはいうものの戸別売上計上となることから販売期間が長期化するため、今期決算期間を超え、予定していた物件の計上が来期にずれ込むことと、棚卸資産評価損8億9600万円を計上するに至ったことが主な理由である。
同社では昨年10月より代表取締役20%、その他全取締役10%の役員報酬カットを実施しているが、今回の下方修正に伴い、本年9月まで代表取締役40%、その他取締役12〜20%の役員報酬カットとし、追加で部長10%、課長5%の賃金カットを5月より今期末まで実施するほか、賞与の50%削減についても今期中は継続していくことを表明している。
なお、期末配当については、従来予想どおり1株当たり2000円の配当を実施する。また、同日、6月30日最終の株主名簿及び実質株主名簿に記載された株主を対象に、1株につき2株の株式分割を行うことを発表している。発行済株式数1万7508株と少ないため、流動性を高めることで企業価値の向上を図ることが目的。
世界的な信用収縮の煽りを受け、同社も業績の悪化は免れなかったが、これまでにも自社株買いをはじめ、何とか株主に報いるようにとの姿勢が窺える。
今後の取り組みとしては、事業の再構築により今期末には第2四半期末従業員に比較して15%の人員削減を行うほか、徹底した経費削減に努め、全社一丸で来期黒字転換を実現する方針。来期はファミリーマンションの新築残戸物件再販事業に加え、ワンルームマンションの新築残戸物件再販事業を計画している。
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