
連結売上高は343億4500万円(前々期比3.7%増)、営業利益33億2000万円(同0.2%増)、経常利益33億1700万円(同0.0%増)、純利益17億2800万円(同2.1%減)と売上高、営業利益、経常利益については増収増益となったが、特別損失としてソフトウェア資産の除却、減損損失、投資有価証券評価損を計上したため、最終減益となった。
同社の事業は、市場調査・コンサルティング事業、システムソリューション事業、医薬品開発支援事業に分かれている。
まず、主力の市場調査・コンサルティング事業のパネル調査分野では、前上半期で競合企業の小売店パネル調査事業撤退による増収が一巡したが、引き続きSRI(全国小売店パネル調査)の売上が新規顧客の獲得、契約カテゴリーの拡大により、増収増益となった。しかし、カスタムリサーチ分野では、成長の牽引役であったインターネット調査の伸びが鈍化し、しかも、競争激化により受注単価が下落したことから、増収減益となった。この結果、市場調査・コンサルティング事業の売上高は231億500万円(同6.0%増)、営業利益は29億2200万円(同0.3%増)。
システムソリューション事業は、景気減速による影響から減収となったが、外注費等の経費削減、セグメント間の人員移動による人件費の最適化等の効果により計画を上回る営業利益を達成した。その結果、売上高59億600万円(同11.9%減)、営業利益1300万円(同△3900万円)と2ケタ減収にもかかわらず、営業利益は黒字転換となった。
医薬品開発支援事業では、CRO(医薬品開発業務受託機関)のデータマネジメント・解析業務が大幅増収となった。しかし、営業利益面では、モニタリング業務、SMO(治験施設支援機関)で当初計画の売上を達成できなかったことと海外展開に向けての投資を行ったことから、減益となった。その結果、売上高53億3300万円(同15.8%増)、営業利益3億8400万円(同12.5%減)。
財務面を見ると、総資産が211億8000万円と8100万円減少しているが、純資産は13億200万円増加して115億9000万円となったため、自己資本比率は6.3ポイント改善し54.2%となっている。また、キャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)は78.5%と前々期の168.5%から大幅に改善している。
今期業績予想については、市場調査・コンサルティング事業部において、消費者パネル調査でリニューアル投資を行うことからパネル調査分野は増収減益。カスタムリサーチ分野は、インターネット調査へのシフトを継続し完遂させるとともに、BPR(Business Process Re−engineering)に取り組むことで、早期の成長性と収益性の回復を図る。
システムソリューション事業は、業界別ソリューション提供型機能を強化し、増益基調を維持する。
医薬品開発支援事業では、CRO業務は、PMS(市販後調査)領域国内bPの地位を更に確固たるものにするとともに、GCP(臨床開発)事業においても競争力の優位性を確立することで、増収増益を見込む。SMO業務は、アスクレップ・メディオで自立した収益事業として事業の再構築を図る方針。
今期連結業績予想は、売上高352億7900万円(前期比2.7%増)、営業利益33億4600万円(同0.8%増)、経常利益33億4000万円(同0.7%増)、純利益17億8300万円(同3.2%増)と増収増益を見込む。
新たな事業創出に向けて、製販コラボレーション推進のためのプラットフォームを構築、次世代消費者情報の開発、インターネット調査のモニター拡大及びシステム開発等を実施していることから、不況の中で、事業方針の決断を迫られる経営者にとって同社の市場調査・コンサルティング事業は更に重要度を増すと予想される。
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