インスパイアー<2724>(HC)は、旧フォーバルクリエーティブで、ネットワークセキュリティソフトの輸入販売を主力事業としている。2003年3月期以降、営業損失の計上と営業キャッシュフローのマイナスの状態が続いているため、08年3月期の有価証券報告書で「継続企業の前提に重要な疑義が存在している」と注記した。08年10月には、インスパイアーに商号変更した。
2009年3月期の業績について3月2日、予想の下方修正を発表した。IT関連の投資需要が一段と減速しているため、売上高、利益ともに従来計画を下回り、営業利益は249百万円の赤字、経常利益は277百万円の赤字となる見込みだ。また、取引先に対する貸付金の一部を貸倒引当金繰入額として特別損失に計上するため、最終利益は1423百万円の赤字となる見込みだ。
ただ、新たな材料として「つくばマネイジメント」と資本・業務提携し「臍帯血」を使った再生医療分野に進出。筑波大学と関係の深い、つくばマネジメントの臍帯血保管技術と、同社のIT構築技術の組み合わせで、今後、本格化する臍帯血事業を拡大する。既に、白血病治療に用いられ、骨髄移植に比べ患者及び提供者の負担がほとんどなく、最近は日本赤十字社のテレビCMでも紹介されている。
臍帯血の保管は、これまで日本では出生の記念品としての認識だった。このため、日本での臍帯血の採取比率は0.4%とアマリカの7%程度、韓国の11%程度に比べ非常に低い。2006年に国が定めたガイドラインに基づき、白血病のほかに脳梗塞、心筋梗塞、悪性腫瘍、アルツハイマー、皮膚・神経・血管病などの分野において使われている。
特に海外ではアルツハイマーでの利用が増加しているという。これまで適合検査に10日間程度かかっていたが、同社のIT技術によって1〜2日に短縮が可能で利用が増えるとみている。また、今度の提携によって、同社は新たに医療分野でのシステム構築に進出できることになる。再生医療関連として注目できる。
株価の動きを見ると、4月上旬には一時的に反発したが、再び10000円台を割り込み、安値圏で軟調な展開が続いている。目先は自律反発の可能性も考えられる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:01
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