■光学三倍ズームも商品化に目処 シコー<6667>(東マ)の、08年12月期連結業績は、売上高11,867百万円(前期比11.5%増)、営業利益493百万円(同52.6%減)、経常損失604百万円、当期損失2,342百万円となった。今09年12月期は、主力のオートフォーカス用リニアモータの下期売り上げ増への反転などで、業績の回復軌道乗せを目指す。
当期は、期初から大手取引先への出荷に見合う増産体制で好調を維持していたが、下期後半取引先の在庫調整が顕在化、急激な減産体制へ反転し経営リストラ策、部品内製化率引き上げ等、製造原価削減に取組んだ。
市場別販売状況は、(1)携帯電話市場は、主力のオートフォーカス用リニアモータは秋までは好調に推移したが、振動モータは携帯電話の伸びの鈍化、取引先の市場占有率が低下したため年後半にかけて販売数量が減少した。(2)その他市場は高付加価値モータに絞り販売推進したが、車載向けFANモータは自動車販売の落ち込みで減少、ゲーム機・家電、OA機器向けのモータも前年実績を下回った。
利益面では、(1)中国での人件費上昇、売り上げ急減に伴う固定費の高止まり等、売上原価の上昇と研究開発費、内部統制インフラ構築費用の増加など販管費の増加で営業利益が半減した。(2)為替差損(839百万円)の発生、支払利息(209百万円)増加で経常収支が赤字に、また、(3)特別損失(仕入れ債務の為替変動リスク回避目的のデリバティブ取引の評価損、投資有価証券評価損)1,812百万円を計上したことで純損失となった。
【09年12月期通期見通し】 通期連結業績は、売上高93億円(前期比21.6%減)、営業利益3億円(同39.2%減)、経常利益1億円、当期純利益50百万円の黒字回復を見込む。
当期は、主力市場の携帯電話市場向けモータ応用部品は、世界の販売台数は前年度比10%程度減少すると見られるが、逆風ともいえる環境の中でも利益を確保できる体制の構築へ向け工程見直し、材料のコストダウン・内製化推進等で製造原価削減に取り組む。
主力商品のオートフォーカス用リニアモータは、第2四半期以降は在庫調整一巡、新規販売先開拓、新製品への搭載率上昇で売り上げが回復、下期反転と見ている。振動モータは、携帯電話市場低迷で売上高の前年比減少を覚悟、部品内製化の推進等によるコストダウンと新規販売先の開拓など販路の拡大等で、落ち込みをカバーし利益を確保する。
また、研究・開発中の光学三倍ズームの商品化に目処がたち、今下期から売り上げ計上を見込む。その他市場向け応用電子部品(FANモータ等)は、自動車業界等の低迷で前年比減少を見込む。
時価は、19,850円(前日比2,000円高、3/2終値)、出来高116株
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:50
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