☆前08年5月期は過去最高益を達成
プロパスト<3236>(JQ)は、7月14日前08年5月期決算の説明会を開催した。既に発表されているように、前08年5月期連結業績は、売上高1107億8300万円(前々期比37.8%増)、経常利益173億3800万円(同85.8%増)、純利益109億3200万円(同123.1%増)とサブプライムローン問題、改正建築基準法、建設資材の高騰と不動産業界にとってはこれまでにない厳しい状況の中で、過去最高の業績を達成している。
同社の事業をセグメント別に分けると不動産開発、資産活性化、賃貸その他の事業に分けられる。まず、不動産開発事業では、売上高186億9700万円(同54.3%増)と順調であったが、営業利益は09年5月期以降の大型案件増加に伴う販売費の先行負担により、11億9200万円と前々期とほぼ同額となった。
資産活性化事業は、地価過熱感を察知していたことから、上期に積極的な売却を実施したことにより売上高914億9400万円(同35.3%増)、営業利益243億100万円(同77.8%増)と大幅な増収増益となった。
賃貸その他の事業は、一部保有資産の老朽化により、建物の解体及び不動産開発用地への転換を実施したため、売上高5億9000万円(同12.2%減)、営業利益2億6100万円(同15.2%減)と減収減益となった。
しかし、全体的には、上期に資産活性化案件を中心に積極的な売却を推進した経営政策がズバリ的中したことが好業績をもたらしたといえる。更に、2011年5月期以降より段階的に開発販売する予定であった九十九里プロジェクトの用地約10万坪を近隣法人の要請により、第4四半期に土地のまま売却し、多大な売却益を確保したことで、評価損が見込まれる6プロジェクトの整理・売却を早期済ませている。
金融機関からの前期の資金調達状況は、上期に643億円の借り入れを行い、622億2800万円の返済を実施したことから上期末の借入残高は1161億2900万円であった。下期では631億7000万円の借り入れを行い、493億7400万円の返済を実施したことで、期末借入残高は1299億2400万円となっている。同社は、約60の金融機関との取引があり、プロジェクトに応じた資金調達を行っている。
☆資産活性化事業で既に営業利益90億円を得ている 09年5月期連結業績予想は、売上高1691億7300万円(前期比52.7%増)、経常利益134億6200万円(同22.4%減)、純利益72億2800万円(同33.9%減)と大幅増収を見込むが、原材料価格の高騰の煽りを受け2ケタの減益を見込んでいる。
今期売上計上予定のマンションの販売状況は、個別分譲で、1268戸の引渡しを予定しているが、既に898戸が契約済みであり、進捗率は71%となっている。唯一の都心物件である有明bRは既に進捗率92%である。また、郊外物件である流山おおたかの森(128戸)、本八幡(250戸)は完売している。他の物件もほぼ順調に進んでいる。
資産活性化事業では、八丁堀bUプロジェクト、市ヶ谷砂土原プロジェクト、王子bQプロジェクト等複数の販売を計画しているが、既に前述のうち2案件は売却が終了している。また、売却予定の土地は、港区プロジェクト、弥生町プロジェクト、芝公園プロジェクト等があるが、この中では、芝公園を除いて既に売却は終了しており、既に営業利益90億円を得ている。
事業は順調に進んでいるが、株価だけが市場環境の影響を受けて、業績を反映しない状況となっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53
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