イメージワン<2667>(大へ)は、4月30日に08年9月期中間決算を発表している。売上高14億2300万円(前年同期比10.1%減)、経常利益4700万円(同10.2%増)、純利益4600万円(同77.6%減)と経常増益ながら、最終利益は大幅減益となった。
同社は、医用画像保管・配信システム(PACS)の医療画像事業、衛星画像を販売する衛星画像事業、雷害対策を行うセキュリティ・ソリューション事業の3事業を核に事業展開している。事業別の今中間期売上構成比率は、医療画像41.6%、衛星画像54.9%、セキュリティ3.5%となっている。
まず、医療画像事業の売上高は5億6600万円(同1.6%増)であった。売上が増加した要因は、PACS商談規模が拡大し、遠隔画像診断サービス件数が増加したことによる。しかも、今期より売上計上の時期を機器を納入し接続診断が終了した後とするため、納入していても売上として計上していないものもある。PACSと遠隔診断支援サービスはストック型ビジネスであるので今後も安定的な売上が見込めるのも特長。
衛星画像事業の売上高は7億3800万円(同23.1%減)と大幅な減収となった。減収要因は、政府大型プロジェクト用画像解析ソフトウェア・ツール販売が一段落したこととRADARSAT2号衛星画像の販売開始が3月から5月にズレ込んだことである。保守サービスは順調に売上を伸ばしている。
セキュリティ・ソリューション事業は、売上高1億1700万円(同80.1%増)と大幅な増収となった。増収要因はトラップ式フェンスセンサの既存顧客から受注が増加したことによる。石油の備蓄基地、原子力関連施設など重要施設の需要が高い。一方の防雷機器は、落雷被害でIT機器が一瞬にして壊れるのを防ぐために数年前に最新の防雷機器をドイツから輸入し販売を開始したが、軌道に乗る前に販売代理店契約を結んでいた企業の一方的都合で契約が破棄され、販売していたものを引き取ったことから事業計画が大幅に狂った経緯がある。しかし、商品はIT社会に不可欠なものであることから、コンサルティング業務の受注を通じて政府系施設からの注文が来ている。
☆今期から少なくても復配するつもりで頑張る その他の話題としては、乳がん検診向けシステムの販売が開始しているが、3月までトータル5システム納入し、約6000万円の売上となっている。また、SPOT衛星画像販売に関してNTTデータとの代理店契約を結んでいたが、NTTデータが契約解消したことから、政府の機関向けの代理店としていたが、同社が直接納入することになった。この件に関し、NTTデータから違約金をもらっているが、後日明確にする方針。更に、国際航業グループとの業務・資本提携が発表されている。今後衛星画像を使った海外地図作成等の共同作業を開始する予定。
通期業績予想は、売上高30億円(前期比9.5%増)、経常利益6000万円(同4倍)、純利益3000万円(同10倍)と増収大幅増益を見込んでいる。
中間決算説明会場で梨子本紘社長は「9月までには中期経営計画を作成します。また、今期から少なくても復配するつもりで頑張っています。第3四半期までには目途をつけるつもりです。」と語った。
課題のひとつであった防雷機器の在庫も来期までには無くなり、コンサルティングから工事受注までの組織・体制作りの計画も立てたことから、今後の事業拡大が予想される。
なお、5月から販売開始するRADARSAT2号の衛星画像売上は今期予想売上高30億円には含まれていない。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:32
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