
減収要因は、改正建築基準法の影響で、商業施設、テナントビルの施工が遅延したことである。計画していたつくばショッピングセンター、イオン那須塩原、伊勢崎東部ショッピングモール、イオン野田船形等の着工が今期に延期。更に百貨店業界の統合により内装が先送りされたり、小規模化されたりしたことも要因である。例えば、伊勢丹本店、三越日本橋店、横浜高島屋、新宿小田急等の改装は今年4月以降に先送りされている。また、丸井川崎店の改装は、3階以上全フロアー予定が、3階のみに縮小した。更に07年3月期の売上が8億2900万円あった化粧品什器用照明が、08年3月期は5億4300万円に減少したことも響いた。
部門別売上高を見ると、店舗照明62億6900万円(同7.3%減)、建築化照明部門26億1200万円(同5.4%増)、紫外線(殺菌用UVランプ)4億8100万円(同8.6%減)、新規事業(米国向けシームレスランプ販売、サインボード)1億9400万円(同55.5%増)と建築化照明、新規事業は逆境での健闘が目立つ。
☆ドバイに建設中の世界1の高さの超高層ビルにシームレスを採用
今期連結業績予想は、売上高105億円(前期比9.8%増)、経常利益11億円(同31.5%増)、純利益6億6000万円(同46.6%増)と増収大幅増益を見込んでいる。
部門別売上高予想を見ると店舗照明65億円(同3.7%増)、建築化照明30億9000万円(同18.3%増)、紫外線5億円(同3.9%増)、新規事業4億1000万円(同2.11倍)と全部門での増収を予想している。
店舗照明は延期されていた物件の受注により増収。建築化照明は防雨型シームレスラインランプ、インテリア型シームレスラインランプの新商品を投入することで2割の売上増を目指す。紫外線は、環境に対する顧客ニーズの把握に努め、環境対応型商品の研究開発をするとしている。新規事業は、業務提携先である三菱系の子会社と連携を強化し、Rep(代理店)を拡大し、販売促進をする計画。すでに今月開催のラスベガスライトフェアでラルフローレン、ハワイのホテル向けの商談が決まっている。08年3月末現在で64地域をカバーしていることから、徐々にシームレスラインランプの人気が米国でも高まってきている。また、ドバイに建設中の世界1の高さになるであろうといわれている超高層ビルにも同社のシームレスは採用されることが決定している。もうひとつの新規事業である、国内のサインボード事業は業界で最も薄く、明るい「薄型サイン看板」の市場投入で1億円を見込んでいる。
同社が全力を傾注して開発したシームレスラインランプの売上は、改正建築基準法による影響にもかかわらず売上を伸ばしていて、しかも海外での評価も認められてきている。また、商品寿命が5年であり、買換え需要が2割から3割にアップしてきていることから、今後益々売上が伸びるものと予想される。
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