
海運株を取り巻く環境は、燃料油価格の高騰をはじめとする船舶管理コスト上昇などが嫌気され、株価を下げているが、
川崎近海汽船<9179>(東2)も、今年央の7月26日に高値(ザラバ1017円)を付けて以来値を消し続け、先週21日には最安値425円を付けた。1株当り予想利益71.53円に対し時価PERは7倍どころ、早晩株価見直しは必至か。
同社2008年3月期中間決算は、売上高22,733百万円(前年同期比21.4%増)、営業利益2,237百万円(同50.2%増)、経常利益2,053百万円(同45.7%増)、当中間期純利益1,181百万円(46.3%増)と好調であった。近海不定期船部門が前期を上回る輸送量を確保したのに加え、フェリー部門で八戸/苫小牧航路が同社単独4隻運行による1日4便体制に移行しトラック輸送量、旅客輸送量ともに大幅に増加、収益に大きく寄与した。

今下期は、近海部門で不定期船市況が上期を上回る水準で推移すると見られ、長期積荷保証契約を軸に安定輸送量を確保。内航部門では、10月に新造石灰石専用船をリプレースして積高アップを図るとともに2月末竣工予定の石炭専用船を東京湾内での電源開発二次輸送に投入する。フェリー部門では、八戸航路就航船を11月から『フェリーはちのへ』の入れ替えと首都圏向け宅配便の取り込みのために八戸到着時間を2時間(7時30分)早め、また、東京航路では10月から
『げんかい』を投入、苫小牧発の時間帯を午後2時まで5時間延長するなど航路の効率化を図っている。
その結果、2008年3月期通期業績は売上高45,000百万円(前期比14.6%増)、営業利益3,400百万円(同13.8%増)、経常利益3200百万円(同15.2%増)、当期純利益2,100百万円(同59.8%増)を見込む。配当については中間期、期末ともに各6円、年間12円(前期比2円増配)を予定している。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:17
|
IR企業情報