毎日コムネット<8908>(JQ)は、15日に前08年11月期の連結業績を発表した。
売上高100億1200万円(前々期比19.7%増)、経常利益13億8000万円(同15.0%増)、純利益6億5700万円(同3.1%減)と2ケタ増収ながら、建設中の学生マンションの建設工事会社の倒産により、当該物件の解体再建築を決定したため、特損9500万円の影響で最終減益となった。
同社は、大学生を対象とした、不動産開発、マンション賃貸管理を主にビジネスを展開している。ターゲットを大学生に絞っている不動産企業は少なく、大学生の総数は286.5万人と過去最高水準であるため、需要は大きい。また、サービスの向上を年々図っていることから、同社の提供するマンションの入居率は3年連続で100%を達成。この大不況を迎えても二桁増の売上高、経常利益と業績は好調。
同社は、不動産ソリューション事業(開発部門と学生マンション部門)、学生生活支援事業(課外活動支援部門と人材ソリューション部門)の2事業を展開している。
不動産ソリューション事業の開発部門は、コンサルティング営業を強化し、個人オーナーのみならず、企業に対しても不動産活用のニーズに応える事業プランを積極的に提案、物件の開発に努めた。また、同社が不動産を仕入れ学生マンションを建設し、ファンド等へ販売した後にサブリースで運営を受託する独自開発にも注力した。その結果、新規サブリース4棟161戸、自社保有(販売用不動産)3棟260戸、新規管理受託1棟102戸を開発した。全体では総管理戸数137棟5642戸(前々期末比8.3%増)となった。
賃貸・管理業務を行う学生マンション部門では、仲介専門子会社「学生サービスプラザ」の体制強化を継続し、インターネット情報提供の充実、大学との連携や全国大手不動産会社とのネットワークである「全国ひとり暮らしCLUB」の強化等により安定した入居者の確保ができた。その結果、管理物件の入居率は、先述しているように昨年に続き3年連続100%を達成している。
不動産ソリューションの売上高は、80億5400万円(同21.3%増)。部門別の売上高は、開発部門29億8500万円(同23.6%増)、学生マンション部門50億6800万円(同20.1%増)と大不況に見舞われている不動産業界の中にあって21%を超える増収を達成している。
学生生活支援事業の学生を中心とした合宿・研修関連を主な事業とする課外活動支援部門は、大学別・種目別マーケッティングの推進により、新規顧客の開拓、リピーター化の促進に取り組むと共に、地域行政と協力したスポーツ大会等への学生誘致による地域活性化を支援するなど、同社グループの学生顧客ネットワークを活かした収益拡大に注力した。
もうひとつの就職支援を行う人材ソリューション部門は、課外活動の幹部学生層と企業のマッチングをコンセプトに事業拡大を図っている。合同企業説明会を中心とする新卒採用商品を造成し、企業への販売を展開した。
学生支援事業の売上高は19億5700万円(同13.4%増)。部門別の売上高は、課外活動支援部門18億8400万円(同11.6%増)、人材ソリューション部門7200万円(同93.8%増)と人材ソリューション部門の大幅増収が目立つ。
09年11月期の連結業績予想は、売上高100億円(前期比0.1%減)、経常利益6億1000万円(同55.8%減)、純利益3億4500万円(同47.5%減)を見込んでいる。
不動産セクターの企業が最も多く倒産していることから、次はどの企業が倒産するのかと疑心暗鬼となっているが、同社のように安定した収益源を確保している企業は別格。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:32
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