ラクーン(3031・東マ)は株価、業績とも今が底。中期の仕込み時だ。
今年に入ってからの株価は、1月につけた年初来高値46万円をピークに、続落トレンドを形成中だが、9月半ばには15万円ラインで底打ちのきざしが見えている。
同社はインターネット上の電子商取引サイト『スーパーデリバリー』などを運営している。取り扱い商品は、おもにアパレル商品、アクセサリー等。メーカーなど、小売店に対して卸売を行ないたい企業が同社のサイト上に商品を掲載し、同社に登録した会員小売店がサイトを見て、商品を仕入れるシステム。いわば、「ネット上の問屋」だ。
◆会員数、客単価とも右肩上がり
今期2008年4月通期の業績予想は、売上高は55億円(前年実績比64・5%増)と増収を見込んでいるが、損益面では、営業・経常・純損益とも、損失計上の見込みとなっている。しかしこれは、サイトの利用料金体系の変更と、大阪支社新設や広告・人材などの先行投資によるもので、中期経営計画では織り込み済み。計画通りの数字だ。
第4四半期(2008年2〜4月)には単月ベースで黒字化を見込んでおり、来期2009年4月期には完全な黒字転換を見込んでいる。
中計では、2010年4月期で、売上高110億円、経常利益6億5000万円、純利益6億4500万円を目標としている。
同社の収益基盤となる、サイトに出展する企業数、サイトを利用する会員の小売店数とも、一貫して増加傾向で来ている。9月初めに発表した月次報告では、8月末時点で、会員小売店は496店の純増の1万3167店、出展企業数は27社純増の753社、商材掲載数は1万8247点純増の14万0869点となった。また、1社当たりの利用単価も上昇。会員の購入率も安定的に上がってきている。
今野 智 取締役副社長は「出展社様に出展アイテム数を増やす働きかけなども行なっており、取引の活発化と顧客単価アップにつながっている」と指摘する。
また、木村玲子IR担当マネージャーは「検索機能やリコメンド機能など、サイトの利便性が好評をいただいており、取引数の増加に結びついているようだ」と説明する。
現在、ネット以外の「問屋」市場規模は、6兆円。その半分がネット取引になるとしても、3兆円規模の市場が想定される。同社の成長余地は大きい。さらに、海外のブランドや業界団体からの問い合わせや引き合いもあり、今後の検討課題となっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:45
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