プラマテルズ<2714>(JQ)は、4月23日に前08年3月期の連結業績を発表している。売上高568億6100万円(前々期比9.3%増)、経常利益9億4300万円(同15.4%減)、純利益7億400万円(同8.0%増)であった。増収要因は、国内、海外共に堅調で、海外売上高は特に上海、香港が販売好調で30.6%増。また、樹脂別売上では高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂が好調であった。粗利益率微減は、前々期に一過性の高利益率案件の機械販売があった影響による。純利益は、旧本社大森のビルを売却したことで特別利益を計上したため、増益となった。
同社は、合成樹脂関連商品の専門商社。アジア進出を進める日系企業にとってプラスチックのことなら何でも相談出来る頼りになる企業である。天津、上海、香港、シンガポールに現地法人を設立している。大連、ベトナムにはプラスチックのベース樹脂に強化材や添加剤を配合したコンパウンドを製造する工場を設立している。特にベトナムのコンパウンド拠点は、東洋インキ製造のとの共同事業であり、ベトナムに進出している日系企業の下請け、現地法人等に生産のサポート体制を構築している。更に、マニラに駐在員事務所、バンコクに営業拠点を設けている。
合成樹脂関連商品の専門商社としての提案力を核とした営業方法は千数百社の販売先にとって必要不可欠であり、多くの仕入先を持っている同社ならではの強みといえる。また、拡販方法等に関する情報提供を行うことで、仕入先との信頼関係を構築している。
加え、徹底的な品質管理、顧客満足度調査を実施しての定期的品質管理体制の見直しと改善に取組み、更なる顧客満足度の向上を実現している。付加価値の高い商材であればあるほど専門知識が求められることから、同社の優位性は揺るがない。
☆高付加価値商材のエンジニアリング系樹脂の売上伸びる
前期の商材別売上構成比率を見るとエンジニアリング系樹脂180億5100万円(31.7%)、スチレン系樹脂139億5100万円(24.5%)、オレフィン系樹脂50億9900万円(9.0%)、塩化ビニール系樹脂28億1600万円(5.0%)、その他樹脂34億9200万円(6.1%)、合成樹脂製品110億6100万円(19.5%)、その他23億9100万円(4.2%)である。最も高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂の売上高は前々期比で27億5800万円増加している。
販売先(製品別)の構成比率を見るとOA・事務機器(パソコン・周辺機器、FAX等)35%、家電・電子(テレビ、エアコン、冷蔵庫等)21%、自動車(ハンドル、内装部品等)8%、医療器具(注射器等)6%、建材(床財、壁紙等)9%、容器・化粧品(飲料ボトル等)3%、玩具・その他18%と日常生活用品のほとんどに使用されている。
今期連結業績予想は、売上高565億円(前期比0.6%減)、経常利益9億8000万円(同3.9%増)、純利益5億7000万円(同19.0%減)、年間配当16円を見込んでいる。最終利益の2桁減の理由は、前期の旧大森本社ビル売却益3億2800万円の影響による。
販売先の発注ニーズを把握し、必要最低限の在庫により、少量多品種即納体制を実現していることから前期の総資産回転率は、2.4回と同業他社の1.8回、1.7回、1.7回と比べて良好。いかに顧客ニーズを把握し、仕入れもより細やかに実施しているのが窺える。
















































