クレスコ<4674>(東1)の前07年3月期連結業績は、売上高126億3800万円(前々期比9.6%増)、経常利益10億900万円(同17.2%増)、純利益5700万円(同82.8%減)と増収ながら最終利益は大幅減益となった。
売上拡大の要因は、銀行の業務システムの更改、生保・損保のシステム受注拡大、航空旅客関連の受注拡大、子会社の大型案件受注、組込みソフト受注の好調等が挙げられる。また、利益面に関しては、投資有価証券評価損2億7600万円と懸念プロジェクトに関する損失および損害賠償金として5億9800万円を計上したことから大幅減益となった。
セグメント別売上高は、ソフトウェア部門97億5400万円(同6.1%増)であった。内訳は金融・保険47億300万円(同7.9%増)、公共サービス25億3200万円(同19.8%増)、流通・その他25億1900万円(同7.6%減)である。公共サービスが大幅に増えたのは、航空旅客関連の受注が拡大したことによる。また、流通・その他の減収は不採算プロジェクトの発生による。
組込型ソフトウェア部門は28億8400万円(同23.8%増)であった。カーエレクトロニクス向け10億8200万円(同12.9%増)、通信システム向け13億2500万円(同46.0%増)、その他4億7700万円(同2.8%増)と好調であった。なかでも通信システム向けは携帯電話や通信端末機器向けの機種増加により大幅に伸びた。
今08年3月期の経営の重点課題として、エンドユーザー向け営業の強化とプロジェクト管理能力の強化を取り上げている。エンドユーザーの声を直接聞き、ニーズに応えるサービスを提供する。また、プロジェクト管理を強化することで、不採算プロジェクトを失くす方針。
今期連結業績予想は、売上高140億円(前期比10.8%増)、経常利益10億7000万円(同6.0%増)、純利益5億6000万円(同9.8倍)と最終利益の大幅回復を見込む。
さらに、中期経営計画(07年4月から10年3月)として「らしさ」の追求、End User Focus、新規事業の確立と3つの事業方針を打ち出している。
クレスコの強みを最大活用した経営を実現する一方、適時適切なリスク対策を行う。また、顧客と直接対話することで、交渉力をつけると共に、顧客の悩みを的確に捉え、ソリューションを提供できる企業となり、これまで蓄積したグループ企業のノウハウや技術を有効活用し、ニッチ市場での新規事業を立ち上げ、グループ連携の強化を図ることを目標としている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:31
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