(上方修正)
■通期営業利益120億円へ、半導体関連が想定超
旭有機材<4216>(東証プライム)は9月28日、2027年3月期の連結業績予想を上方修正した。売上高は900億円から930億円、営業利益は85億円から120億円、経常利益は87億円から123億円、親会社株主に帰属する当期純利益は61億円から82億円へ引き上げた。従来予想比では営業利益41.2%、経常利益41.4%、純利益34.4%の増額となる。管材システム事業で国内外の半導体関連分野向け案件が好調に推移し、売上高・利益が当初想定を上回る見込みとなった。
■第1四半期から管材システムが牽引、利益率の改善が鮮明
今回の上方修正は、第1四半期から確認されていた管材システム事業の強さを反映した形だ。第1四半期は売上高211億1400万円(前年同期比5.5%増)、営業利益23億3800万円(同8.1%増)で、管材システム事業は売上高137億6900万円(同13.9%増)、営業利益23億1900万円(同25.4%増)だった。米国の電子産業関連投資の拡大による需要増に加え、原材料価格上昇に対応した価格転嫁も利益面に寄与した。中間期予想も売上高430億円を据え置く一方、営業利益を39億円から55億円へ引き上げており、売上規模以上に採算改善が進んでいる。
通期では営業利益が前期実績75億7900万円から58.3%増となり、営業利益率も従来予想の9.4%から12.9%へ上昇する計算となる。純利益は前期実績33億2600万円から約2.5倍となるが、前期には管材システム事業のパイプ事業で19億7500万円の減損損失を計上しており、最終利益の大幅な伸びにはこの反動も含まれる。本業の収益力を見るうえでは、営業利益と経常利益の増額幅にも注目したい。
■年間配当180円へ、累進配当方針に沿って50円増額
株主還元も強化する。年間配当予想は従来の130円から180円へ50円増額し、中間90円、期末90円とする。前期実績120円との比較では60円の増配となる。同社は2030年度まで1株当たり年間配当を前年以上に維持する累進配当を基本とし、財務健全性を考慮しながら6年間累計の総還元性向50%を目安としている。業績上方修正と同時の増配は、利益成長を株主還元につなげる姿勢を示す材料となる。
■175億円の資金調達で延岡新拠点、生産能力約3倍へ
同社は同日、宮崎県延岡市の新生産拠点建設資金として、三井住友銀行をアレンジャーとする総額175億円のコミット型シンジケートローン契約を締結すると発表した。担保・保証はなく、宮崎銀行、西日本シティ銀行も参加する。新拠点の投資額も175億円で、半導体製造装置向け小型精密バルブなどの生産能力を現在の約3倍に引き上げる計画。着工は2026年12月、竣工は2028年10月を見込んでいる。
さらに9月18日には、半導体製造装置向け小型精密バルブの開発・生産・販売を対象に、大規模成長投資補助金の交付決定を公表した。補助対象経費は約118億円、補助金上限額は約39億円で、対象設備は2029年3月期から稼働する予定。足元の業績拡大と並行して、AI・半導体需要の拡大を見据えた次の生産能力増強へ資金面の準備が具体化している。
■株価は6100円、修正後予想PERは約14倍
9月28日の終値は6100円で、前日比10円高。年初来高値7930円からは約23%下、年初来安値4755円からは約28%上の位置にある。最新会社予想の1株利益436円39銭と年間配当180円を終値に当てはめると、予想PERは約14.0倍、予想配当利回りは約2.95%となる。第1四半期末の1株純資産4357円76銭を基準としたPBRは約1.40倍。業績上方修正、増配、半導体向け増産投資が材料となる一方、大型投資の進捗や半導体設備投資サイクルの変動は中期的な確認点となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:00
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