(1)世界経済は、昨年春頃から持ち直しに向かい、このところ緩やかに回復している。国際金融資本市場では、改善の動きが続いている。
(2)わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。設備投資は下げ止まりつつある。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続いているものの、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直している。この間、公共投資は頭打ちとなりつつあり、住宅投資は減少している。
(3)先行きについては、輸出や生産は、増加ペースが次第に緩やかになっていくとみられるが、海外経済の改善が続くもとで、増加基調を続けるとみられる。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続く中にあっても、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直しの動きが続く可能性が高い。設備投資は、収益がなお低水準で、設備過剰感も強いもとで、当面は横這い圏内に止まる可能性が高い。公共投資は、次第に減少していくとみられる。このため、わが国の景気は、持ち直しを続けるが、当面そのペースは緩やかなものに止まると考えられる。
(4)物価は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落している。先行きは、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅は縮小していくと考えられる。
(5)金融環境は、厳しさを残しつつも、改善の動きが続いている。企業の資金繰りは、中小企業を中心になお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。金融システムについては、内外金融資本市場が改善傾向を示し、景気も持ち直す中で、総じて安定性を維持している。ただし、国内の厳しい企業業績や雇用・所得環境のもとで、金融機関収益は回復力に乏しい展開が続くとみられる。
(6)日銀は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識している。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく。
菅副総理兼財務大臣の同日の「財政演説」に比べれば、さすがに密度の濃い経済・景気分析となっているが、それでもまだ踏み込みが足りない感がある。例えば、日銀は日本経済の現状において、「持続的成長が極めて大切」と言い、そのために「極めて緩和的な金融環境を維持する」と言う。だが、金利はゼロベースで、これ以上の緩和は無理。では、通貨供給量をどれだけ増やせば、経済成長に資するのかというと、日銀も確かな見通しを示せていない。
これは、いくら金融を緩和しても、それを有効に使って経済活動を積極的に行なおうという「活力」が、今の社会に欠けていることに問題があるわけで、日銀の責任の範囲をはるかに超える事柄。つまり、日本全体が「縮減化」「デフレ化」している状況をどうするかが、本質的に問われているとも言える。

































