■「民主党の方々には金融資本主義、市場原理主義に近い人は多い」 与謝野馨・財務・金融大臣は、先月末(7月28日)の記者会見の中で、民主党の「マニフェスト」について、こう述べた。「財政・金融政策をどう考えているのか、その辺がよくわからない。一方では民主党の方々というのは、やや金融資本主義に近い方々が非常に多い。市場原理主義に近い方も多い。そういうものと民主党の政策との関係はどうなっているのか、その辺も不分明。しかし、口角泡を飛ばして議論していけば、やっぱり議論が真実に近いところに落ち着くことを、私は党派を超えて期待している」。
ほとんどのマスコミはこの発言を報道しなかったが、これはかなり重要な意味を含んでいる。つまり、与謝野大臣は、民主党内に政策的な「味方」、「シンパ」あるいは「内通者」がいるということを言っているのであり、選挙結果がどうなれ、民主党政権が出来ようが、財政、金融政策に揺るぎはないという、与謝野さんの「自信」を示したもの、あるいは、政界再編の可能性を示唆したものと見ていいだろう。
確かに、民主党の若手には財務、経産両省や日銀等の経済キャリア官僚が多い。また、金融先物、商品取引、FX等の金融業界と親しい議員も多数いる。マルチ商法の「良き理解者」も少なくない。 民主党のマニフェストでは、すっぽり、産業経済政策や財政問題が抜け落ちてしまっているが、もしかしたら「旧い民主党」と「新しい民主党」との間で、調整が出来ず、子育てサラリーマン世代に特化した「ママ・フェスト」になってしまったのかもしれない。だが、生活支援ばかりしていては、国の運営はできない。産業で稼いで、金融・財政で回していかなければ、生活支援も出来ない。そんなことを与謝野さんは言いたかったのかもしれない。
■日本の空港は98空港中、94空港が赤字の実態 国土交通省は先月末に、全国の国管空港の収支を公表したが、それによれば26空港のうち伊丹、新千歳、鹿児島、熊本を除く22空港が赤字だとのこと。ただ、問題はここで納まらない。専門家に言わせると、関西、成田、中部さらに地方空港を含めた全国98空港となると、先の4空港以外の94空港が赤字、つまり96%が赤字ということになる。また、99番目として先に開港した静岡空港もすでに「赤字確実」という。昨年来の不況による旅行控えと高速料金の割引が航空機離れを加速させているという。これにさらに民主党のマニフェストである「高速料金の無料化」が追い打ちとなれば、利用客はさらに減り、赤字が膨らむと見られている。
採算を度外視して、空港を野放図に開港させてきた、これまでの国土交通省の政策責任と、これを「要求」「促進」してきた地方自治体や、関係政治家の責任も大きい。そうした影響もあるのか、
全日本空輸<9202>(東1)の株価は3日(月)261円と年初来の安値を更新している。
■民主党マニフェストに噛み付いた石破大臣の「農業オタク」の言い分 石破茂・農水相が民主党のマニフェストに噛み付いた。まず、農家への所得補償を槍玉に挙げ「できもしないこと」と、切って捨てた。「一体どこからお金を出すのか。公共事業を削るというのなら、農業関係のインフラ整備をどうするのか。全く説明がない。戸別所得補償というが、実際どうやるのか。どのように生産目標を定め、輸入との関係をはかり、消費者の指向も考えなければならないが、明らかでない。また、個々の農家にどのように配分するのか」。さすが、「軍事オタク」ならぬ今や「農業オタク」の石破さん。農政改革の「石破オリジナル」として提案してきた「選択的生産調整」(減反政策の見直し)をパクられてしまい、相当アタマにきていたらしい。
だが、この民主党の「農家への所得補償」、農家にとってはウエルカムでも、農業団体やグループ、それにゼネコンを始め業界関係には大変な問題。一言で言えば、これまで農業関係の補助金や特典は、農業中央団体等を通じて配られてきたが、これからは農家に直接渡すということになるからだ。組織の存亡がかかっている。
■『FTA問題』は明らかに勇み足、「農業関連銘柄」にはうっかり手が出せない?! 石破大臣は続いて、「米国とのFTA締結」との項目を攻撃。「もし締結されれば、わが国のコメ、麦、そして畜産物は壊滅的な打撃を受ける。そのことを承知の上で言っているのか。それに、現在WTO体制の中で、多様な農業の共存を訴えている時に、『米国とだけはこんな話をします』ということになったら、日本の立場はない」。
民主党のこの「FTA問題」は明らかに勇み足。何も分からず、ただ格好のいいスローガンとして掲げただけなのだろうが、これで、政策の深みのなさを一挙に露呈してしまった。自民党執行部も、さすが「敵失」を見つけるには敏感で、翌日29日には細田幹事長名で「質問状」を発している。
このFTA問題は、農業分野にとどまらず、産業全般に大きくかかわってくる重要政策事項だから、産業界も外国も注視している分野だけに、ミスは大きいと言わねばならない。マニフェストには4年間の工程表を付けるといっているのだから、4年間で米国とFTAを締結できなかったら、鳩山さん、どう責任を取りますか?株式マーケットでは農業関連銘柄が注目人気となっているが、うっかり手は出せないようだ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:22
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