【株式市場フューチャー:7月11日〜15日の株式市場見通し】■日経平均株価1万円台固めの期間
来週(7月11日〜15日)の日本の株式市場については、出遅れセクターの循環物色など、買い戻しの動きが継続すると想定する。ただし、前週までの急ピッチな上昇で短期的な過熱感も強いため、4〜6月期決算発表が本格化する前にスピード調整の必要があり、上値追いよりも、日経平均株価1万円台固めの期間だろう。
前週末8日の米国株式市場は下落した。米6月雇用統計で非農業部門雇用者数の増加数が市場予想を下回ったことが嫌気された。ただしダウ工業株30種平均株価で見れば、下落幅が前日比150ドルを超える場面もあったが、終値では前日比62ドル29セント(0.49%)安まで下落幅を縮小しており、むしろ底堅さを印象付けている。週初11日の日本株式市場は売り先行のスタートが想定されるが、米国株式市場が底堅い印象だったこともあり、下値圧力は限定的だろう。
その後は、出遅れセクターの循環物色など、全体として買い戻しの動きが継続すると想定する。外部環境で見れば、ギリシャ債務問題に対する当面の警戒感が後退し、米国景気の先行きに対する過度な警戒感も和らぎ始めている。ただし短期的な過熱感に対するスピード調整の必要があり、上値追いよりも、日経平均株価1万円台固めの期間だろう。
日経平均株価は前週末8日の終値が1万137円73銭となり、終値ベースで3月11日(1万254円43銭)以来の高値水準となった。チャート面で見れば、9500円〜9800円のボックスレンジ上限を突破した形であり、200日移動平均線(8日現在9888円58銭)や26週移動平均線(8日現在9947円04銭)も突破している。上昇トレンド入りしたと考えれば、取引時間中ベースの年初来高値(2月21日の1万859円39銭)や終値ベースの年初来高値(2月21日の1万857円53銭)を目指す展開だろう。ただし終値ベースで見れば、直近安値6月17日の9351円40銭から7月8日の1万137円73銭まで、ほぼ一本調子で8.41%上昇し、8日時点の騰落レシオ(25日移動平均)が138.9%、25日移動平均との乖離率がプラス5.05%となり、短期的な過熱感が強まっているだけにスピード調整も必要だろう。
来週は米国で、11日の米アルコア社を皮切りに主要企業の4〜6月期決算発表が本格化する。そして7月下旬からは、国内主要企業の4〜6月期決算発表も本格化する。国内主要企業の業績に関しては、4〜6月期および7〜9月期の回復が想定以上の模様である。電力制約の影響などに注意が必要だが、期初時点では慎重な見通しを公表している企業が多いだけに、通期見通し上方修正の可能性は高いだろう。このため4〜6月期決算発表の前に、上方修正期待を先取りして、好業績銘柄を個別物色する動きも活発化するだろう。
世界的なリスク回避姿勢に対する警戒感は根強いが、全体としては弱材料が出尽くし、過度な警戒感が後退して地合いは改善している。短期的なスピード調整の動きが一巡すれば、好業績銘柄の物色や出遅れ感の強いセクターの買い戻しで、相場全体が押し上げられて年初来高値を目指す可能性が高いだろう。
■注目スケジュール 来週の注目スケジュールとしては、国内では、11日の日銀金融政策決定会合(12日まで)、6月マネーストック統計、6月消費動向調査、6月工作機械受注、12日の日銀金融政策決定会合、5月第3次産業活動指数、6月企業物価指数、13日の5月鉱工業生産確報値、7月金融経済月報、14日の6月および上半期の首都圏マンション発売戸数、などがあるだろう。
海外では、11日のユーロ圏財務相会合、12日のEU財務相理事会、米5月貿易収支、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米3年債入札、米FOMC(連邦公開市場委員会)6月21日〜22日分の議事録公表、13日の中国第2四半期GDP(国内総生産)、英6月失業率、ユーロ圏5月鉱工業生産、米6月輸出入物価、米6月財政収支、米住宅ローン借り換え申請指数、米10年債入札、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言、14日の韓国中銀金融政策決定会合、ユーロ圏6月消費者物価指数改定値、米5月企業在庫、米6月卸売物価指数、米6月小売売上高、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、15日のユーロ圏5月貿易収支、米6月消費者物価指数、米6月実質所得、米6月鉱工業生産、米7月ニューヨーク州製造業業況指数、米7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、などがあるだろう。また11日の米アルコアを皮切りに、米主要企業の4〜6月期決算発表が始まる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:26
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