【外国為替市場フューチャー:2月14日〜18日】■ドル・円相場は1ドル=81円近辺〜83円近辺のボックスレンジの展開へ
前週(2月7日〜10日)の外国為替市場で、ドル・円相場は全体としてドル高・円安方向の展開だった。中国の追加利上げ発表を受けて、一時1ドル=81円台後半に円が上昇したものの、米国の景気回復期待を背景として、週後半は特にドル買い・円売りの流れとなった。
週末11日の米国市場では、1ドル=83円台半ばまでドル高・円安方向の展開となった。2月米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が前月比上昇したことで景気回復期待が高まった。
来週(2月14日〜2月18日)のドル・円相場については、前週末に1ドル=83円台半ばまで円が下落したものの、円買い需要も根強いため一段とドル高・円安が進行する可能性は小さいだろう。手掛かり難で引き続き1ドル=81円台〜83円台のボックスレンジでの展開が予想される。
ドル・円相場については、1月の米FOMC(連邦公開市場委員会)、S&Pによる日本国債の格付け引き下げ、エジプトの政情不安定化懸念、中国の追加利上げなどで一時的に動意付いても、影響は限定的なものにとどまり、全体としては1ドル=81円近辺〜83円近辺のボックスレンジで、膠着感の強い展開が続いている。
景気回復期待で米国の10年債利回りは4日に3.6%台、8日には3.7%台に上昇した。そして日本の10年債利回りも7日には1.30%台、9日には1.35%台に上昇した。米国の長期金利が上昇すれば、日本の長期金利も連動して上昇する傾向を強めており、日米の長期金利差拡大につながらない。
また3月の年度末に向けて、日本の輸出企業のドル売り・円買い需要が膨らむとの見方が強く、ドル・円相場は、当面はドル高・円安、ドル安・円高どちらか一方向に傾く可能性は低いだろう。
米国の景気回復期待を背景として、中期的にドル高・円安の進行を予想する見方も増えているが、基本的には主要国の金融政策の動向が注目点となる。特に、米FRB(連邦準備制度理事会)による国債買い取りが11年6月末で終了するのか、出口戦略に向かうのか、量的緩和策を継続するのか、追加緩和策があるのかなど、米FRBの金融政策に対する見方が最大の焦点となる。
■ユーロ・円相場は1ユーロ=111円台〜113円台のボックスレンジでの展開へ ユーロ・円相場の前週(2月7日〜10日)前半は、概ね1ユーロ=111円台後半〜112円台前半で推移した。ECB(欧州中央銀行)による早期利上げに対する思惑が後退した流れを引き継いで、円を買う動きがやや優勢だった。ただし週後半にはユーロを買う動きが強まり、1ユーロ=113円近辺に円が下落した。
来週(2月14日〜18日)のユーロ・円相場に関しても、ECBによる早期利上げに対する思惑がポイントだが、やや手掛かり難となるだけに大きな動きは予想しづらい。1ユーロ=111円台〜113円台のボックスレンジでの展開だろう。
ユーロ・円相場に関しては、足元ではEU域内諸国の財政不安問題に対する警戒感が和らぎ、ECBの早期利上げに対する思惑がポイントになっている。しかし、トリシェECB総裁の3日の記者会見で、早期利上げに対する思惑は後退している。また4月以降には、ポルトガルやスペインの国債大量償還が控えているだけに、一方的にユーロが買われる展開は予想しづらい。
また、財政危機国に対する支援策の状況次第では、再びユーロ売りが広がる可能性も高いだけに、EFSF(欧州金融安定基金)の融資規模拡大について具体策の議論が進むかどうかが焦点だろう。4日のEU首脳会議では、基金の機能強化を検討することで合意したが、具体策については不透明感を懸念する指摘が多いだけに、注意が必要だろう。
来週の注目スケジュールとしては、国内では14日の10年10〜12月期GDP(国内総生産)1次速報値、日銀金融政策決定会合(15日まで)があるだろう。GDPについては、エコカー補助金終了や猛暑効果の反動などで、5四半期ぶりのマイナス成長が予想されている。日銀金融政策決定会合では現状維持が予想されている。
海外では、14日の米予算教書、15日の中国1月生産者物価および消費者物価、ユーロ圏10年10〜12月期GDP、米1月小売売上高、米2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日の米1月鉱工業生産および設備稼働率、米1月住宅着工件数および着工許可件数、米1月生産者物価指数、17日の米1月消費者物価指数、米2月フィラデルフィア連銀景況指数、18日のG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議(パリ、19日まで)などがあるだろう。また16日には、米FOMC(連邦公開市場委員会)の議事録(1月25日〜26日分)が公表される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:07
|
市況・概況