■米国株高で買い安心感

週後半は、休場明けの中国・上海株式市場が軟調だったことや、週末3連休を控えて様子見ムードが強まった。しかし、日経平均株価は週末終値ベースで1万600円台を回復し、3週連続の上昇となった。また日経平均株価をチャート面で見ると、1月13日の戻り高値を突破したことで強基調となった。
日経平均株価の終値ベースでの前日比騰落状況を確認しておこう。週初の2月7日は前日(4日)比48円52銭高と続伸、8日は前日比43円94銭高と3営業日続伸、9日は前日比18円15銭安と小幅に反落、10日は前日比12円18銭安と小幅に続落して1週間の取引を終了した。なお日中の値幅は2月7日が71円49銭、8日が25円10銭、9日が102円42銭、10日が61円32銭だった。
日経平均株価の10日の終値は1万605円65銭となり、前週末(4日)に比べて62円13銭(0.59%)上昇した。取引時間中ベースの週間高値は9日の1万701円92銭となり、直近戻り高値1月13日の1万620円57銭を突破した。また終値ベースの週間高値は8日の1万635円98銭となり、直近戻り高値1月13日の1万589円76銭を突破した。一方、取引時間中ベースの週間安値は10日の1万570円62銭、終値ベースの週間安値は7日の1万592円04銭だった。1週間の取引時間中の値幅は131円30銭だった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、10日の終値は946.63となり、前週末(4日)に比べて11.27ポイント(1.21%)上昇した。TOPIXは4日から10日まで5営業日続伸となった。取引時間中ベースの週間高値は9日の951.28で、直近戻り高値である2月4日の940.80を突破した。また終値ベースの週間高値は10日の946.63で、直近戻り高値1月13日の937.74を突破した。一方、取引時間中ベースの週間安値は7日の938.57、終値ベースの週間安値は7日の940.43だった。
■株式市況を振り返って
週初2月7日の日経平均株価は続伸し、1月13日に付けた取引時間中の戻り高値を突破した。前週末4日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が約2年8カ月ぶりの高値水準となったことを好感し、日本株式市場でも買いが広がった。外国為替市場でドル高・円安方向だったことも、買い安心感につながった。ただし買い一巡後は伸び悩んだ。
8日の日経平均株価は小幅に3営業日続伸した。前日の米国株式市場の上昇を好感して買いが先行した。ただし日中値幅は25円10銭と小動きだった。9日に春節(旧正月)明けの中国・上海株式市場の再開、10日に株価指数オプション2月物SQ(特別清算指数)算出を控えて様子見ムードを強めた。
9日の日経平均株価は小幅に反落した。前日8日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価が続伸して1万2200ドル台に乗せたことを好感し、寄り付き直後には日経平均株価が一時1万700円台を付けた。しかし8日に発表した中国人民銀行による0.25%追加利上げを受けて、休場明けの中国・上海株式市場が下落して取引をスタートしたため、買い一巡後は手控えムードが広がった。
10日の日経平均株価は小幅に続落した。SQ値は1万561円41銭だった。10年10〜12月の機械受注が市場予想を下回ったことや、週末3連休を控えていることが手控え要因となり、売りが先行した。売り一巡後は下げ幅を縮小したが、大証が3連休明けの14日から、デリバティブ(金融派生商品)の新システム「J−GATE」を導入するため、その影響に対する不透明感でポジションを一旦整理する動きも指摘された。
なお11日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比43ドル97セント上昇して終値は1万2273ドル26セントと約2年8カ月ぶりの高値水準、ナスダック総合株価指数は前日比18.99ポイント上昇して終値は2809.44と約3年3カ月ぶりの高値水準となった。売り優勢でスタートしたが、エジプトのムバラク大統領の辞任発表で安心感が広がり、景気回復期待で買いが優勢になった。