■米国株高で買い安心感

エジプトの政情不安定化に対する懸念などで、週初は売り優勢でスタートした。しかしその後は、ダウ工業株30種平均株価の1万2000ドル大台回復など、米国株高を好感して日本株式市場でも買いが優勢になった。また国内主要企業の好決算、国内鉄鋼セクターでの大型経営統合の発表なども好感され、全体として週後半は強基調となった。
チャート面で見ると、25日移動平均線(1万432円)を突破し、12月SQ値(1万420円)ラインと1月SQ値(1万470円)ラインも回復した形である。
日経平均株価の終値ベースでの前日比騰落状況を確認しておこう。週初1月31日は前日(28日)比122円42銭安と続落、2月1日は前日比36円58銭高と小幅反発、2日は前日比182円86銭高と大幅に続伸、3日は前日比26円00銭安と小幅反落、そして週末の4日は前日比112円16銭高と大幅に反発した。なお日中の値幅は、1月31日が83円39銭、2月1日が53円63銭、2日が112円79銭、3日が40円62銭、4日が56円23銭だった。
日経平均株価の週末2月4日終値は1万543円52銭となり、前週末(1月28日)に比べて183円18銭(1.77%)上昇した。終値ベースで見ると、週間高値は4日の1万543円52銭となり、直近戻り高値1月13日の1万589円76銭に接近した。週間安値は1月31日の1万237円92銭で、1月21日の1万274円52銭を割り込んだ。取引時間中ベースで見ると、週間高値は4日の1万580円36銭となり、直近戻り高値1月13日の1万620円57銭に接近した。週間安値は1月31日の1万182円57銭で、1月24日の1万278円81銭、1月21日の1万257円99銭を一時的に割り込んだ。1週間の取引時間中の値幅は397円79銭だった。月間ベースで見ると1月31日の終値は1万237円92銭となり、12月30日に比べて9円00銭(0.09%)上昇した。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末2月4日の終値は935.36となり、前週末(1月28日)に比べて15.67ポイント(1.71%)上昇した。終値ベースで見ると、週間高値は4日の935.36で、直近戻り高値1月13日の937.74に接近した。週間安値は1月31日の910.08で、1月21日の910.85を割り込んだ。取引時間中ベースで見ると、週間高値は4日の940.80で、直近戻り高値1月13日の939.70を突破した。週間安値は1月31日の904.25で、1月21日の909.14を一時的に割り込んだ。月間ベースで見ると1月31日の終値は910.08となり、12月30日に比べて11.28ポイント(1.26%)上昇した。
週初1月31日の日経平均株価は大幅に続落した。エジプトの政情不安定化を嫌気して、前週末(1月28日)の米国株式市場が大幅に下落し、外国為替市場でも円高の流れとなったため、売りが優勢だった。ただし、朝方の売り一巡後は下げ幅を縮小したため、翌日のリバウンドを意識させる展開だった。なお、12月鉱工業生産指数(速報値)は前月比3.1%上昇し、市場予想も上回ったが、特に材料視されなかった。
2月1日の日経平均株価は小幅に反発した。前日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が大幅に上昇するなど、エジプトの政情不安定化懸念が後退したことを好感した。1月28日と31日の2日間合計で240円74銭下落していたため、リバウンド狙いの買いが優勢だった。
2日の日経平均株価は大幅に続伸した。前日の米国株式市場では、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した1月製造業景況感指数を好感して、ダウ工業株30種平均株価が1万2000ドルの大台を回復した。このため日本株式市場でも買い安心感が広がり、先物の買い戻しも相場を押し上げた。
3日の日経平均株価は小幅に反落した。1日と2日の2日間合計で219円44銭上昇した反動で、利益確定売りが優勢だった。週末4日の1月米雇用統計を控えて、様子見ムードも徐々に広がった。
4日の日経平均株価は大幅反発した。前日引け後に新日本製鉄(5401)と住友金属工業(5405)が経営統合の方針を発表したことを好感し、幅広いセクターでの業界再編を期待した買いが優勢だった。1月米雇用統計を控えていたため、朝方の買い一巡後は伸び悩んだが、日経平均株価は終値ベースで1万500円台を回復した。米国の景気回復に対する期待も根強く、市場には一転して強気ムードが広がり始めた。
なお2月4日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比29ドル89セント(0.25%)高と5日続伸、ナスダック総合株価指数が前日比15.42ポイント(0.56%)高と続伸した。1月米雇用統計では1月失業率が9.0%と前月の9.4%から改善した。一方、非農業部門雇用者数は前月比3万6千人増加で、12月の12万1千人増加(10万3千人増加から修正)に対して小幅増加にとどまり、市場予想の14万6千人増加を大幅に下回った。発表直後は失望感を強めたが、その後は、雇用者数に関しては豪雪の影響が大きいとの見方が広がり、景気回復期待で買いが優勢になった。
エジプト政情不安定化問題については、予断は許さないが、米国の圧力などで警戒感が後退している。一方、中国、インド、ブラジルなどの新興国では、インフレ進行懸念で利上げが相次いでいるため、新興国の経済成長減速や世界景気への影響、過剰流動性の後退などを懸念する見方も増えている。食糧、非鉄金属、エネルギー価格上昇の世界景気への影響も、弱材料視される可能性があるだろう。