【株式市場フラッシュ:1月17日〜21日の週】■週後半の大幅下落で調整局面入りの可能性
1月17日〜21日の週の日本株式市場は、週前半は小幅に上昇したが、高値警戒感で上値が重い展開となり、週後半には先物主導で幅広い銘柄に売りが広がった。中国・上海株式市場が軟調な展開となり、日本株式市場にも警戒感が強まった形である。週末21日の日経平均株価(225種)は1万300円台を割り込んで1週間の取引を終了し、週間ベースでは2週連続の下落となった。一方、TOPIXは3週ぶりの下落となった。
米国株式市場は、主要企業の10年10〜12月期の好決算が相次ぎ、ダウ工業株30種平均株価が堅調だったが、ナスダック総合株価指数が調整色を強めた。また中国・上海株式市場は、金融引き締め策に対する警戒感が強まり軟調な展開だった。日本株式市場は高値警戒感に加えて、中国・上海株式市場の軟調な展開の影響を受けて、週前半から買い手控えムードが広がり、積極的に上値を追う動きは見られなかった。週末には外国為替市場でドル・円相場、ユーロ・円相場ともに円安方向に振れたが、特に材料視されなかった。
日経平均株価の終値ベースでの前日比騰落状況を確認しておこう。週初17日は前日(14日)比3円82銭高と小幅反発、18日は前日比16円12銭高と小幅続伸、19日は前日比38円12銭高と3営業日続伸、20日は前日比119円79銭安と反落、週末21日は前日比162円79銭安と大幅続落した。週前半3営業日合計の上昇幅58円06銭に対して、後半2営業日合計の下落幅は282円58銭だった。また下落幅が2営業日連続で100円を超えたのは昨年8月24日〜25日以来だった。日中の値幅は、17日が79円70銭、18日が91円50銭、19日が46円66銭、20日が83円80銭、21日が203円08銭だった。なお1月4日〜20日まで12営業日連続で100円以内の日中値幅だった。
日経平均株価の騰落状況を週間で見ると、週末21日の終値は1万274円52銭となり、前週末(14日)に比べて224円52銭(2.13%)下落した。なお取引時間中の高値は19日の1万580円68銭で、直近の戻り高値となる13日の1万620円57銭に届かなかった。一方の安値は21日の1万257円99銭で、昨年12月30日の1万209円93銭に接近した。1週間の値幅は322円69銭だった。
TOPIXの騰落状況を週間で見ると、週末21日の終値は910.85となり、前週末(1月14日)に比べて19.46ポイント(2.09%)下落した。なお取引時間中の高値は19日の938.03で、直近の戻り高値となる13日の939.70に届かなかった。一方の安値は21日の909.14で、1月5日の909.23以来の水準だった。
■株式市況を振り返って 17日の日経平均株価は小幅に反発した。ただし高く寄り付いた後は、引けにかけて上昇幅を縮める展開だった。中国・上海株式市場が軟調だったことに加えて、17日の米国市場が休場のため手控えムードが強く、積極的な買いは見られなかった。
18日の日経平均株価は小幅に続伸した。不動産など内需関連株への買いが相場全体を押し上げる展開だった。ただし18日発表予定のアップルなど、米国の主要企業の10年10〜12月期決算を見極めたいとして、買い手控えムードも強めた。日経ジャスダック平均株価は利益確定売りが優勢となり、14営業日ぶりに反落した。
19日の日経平均株価は続伸した。前日18日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が約2年7カ月ぶりの高値水準となったことを好感した。ただし高値警戒感が広がったうえに、外国為替市場のドル・円相場で1ドル=82円台前半に円が強含んだこともあり、上値を追う動きは見られず伸び悩んだ。
20日は日経平均株価が4営業日ぶりに反落し、1月SQ値1万470円ラインを割り込んだ。取引時間中に中国政府が発表した10年10〜12月期GDP(国内総生産)や10年12月各種経済指標は、ほぼ想定水準の内容だった。しかし中国・上海株式市場が金融引き締め策を警戒して軟調な展開となったため、日本株式市場にも警戒感が広がり、後場に入って下落幅が拡大した。
21日の日経平均株価は2営業日連続で大幅に下落した。前日比小幅高で寄り付いたが、下値支持とされた12月SQ値1万420円ラインをあっさりと割り込み、その後は先物主導で売りが加速し、ほぼ全面安の展開となった。前日20日の下落要因とされた中国・上海株式市場が反発し、外国為替市場でも円安方向に振れたが、いずれも特に材料視されなかった。結局、日経平均株価は1万300円台も割り込み、1週間のほぼ安値圏で取引を終了した。
中国の金融引き締め策については、ある程度は織り込み済みと考えられているだけに、20日と21日の日本株式市場の大幅下落については、週末要因を考慮しても過剰反応の感が否めない。しかし日本株式市場では高値警戒感が広がっていただけに、中国・上海株式市場の下落がタイミング良く、絶好の売り口実にされた形である。また、日経平均株価が2営業日連続で大幅に下落したことで、市場には急速に弱気ムードが広がってきた模様である。一旦は調整局面に入る可能性が高まっていると言えるだろう。
なお21日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比49ドル04セント高と反発した。終値は1万1871ドル84セントで約2年7カ月ぶりの高値水準だった。10年10〜12月期の好決算を発表した米GEが大幅高となり指数全体を押し上げた。一方でナスダック総合株価指数は前日比14.75ポイント下落の2689.54となり3営業日続落となった。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:21
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