【株式市場フラッシュ:2010年12月27日〜30日の週】■株価指数先物主導の形でリスク回避の売りが優勢
12月27日〜30日の週の日本の株式市場は、2010年の最終週で、年末・年始の休暇を控えて買い手控えムードが強まった。日本の株式市場の出遅れ修正期待が根強く、米国の株式市場が堅調に推移したことも支援材料だったが、一方では、外国為替市場のドル・円相場、ユーロ・円相場ともに、円高方向に進んだこともマイナス要因となった。売り込む動きは見られなかったが、薄商いの中で個別株物色もさほど盛り上がらず、全体としては株価指数先物主導の形でリスク回避の売りが優勢となった。
日経平均株価(225種)の終値ベースでの前日比騰落状況を確認しておこう。週初27日は前週末(24日)比76円80銭高と3日ぶりに反発、28日は前日比63円36銭安と反落、29日は前日比51円91銭高と反発、大納会の30日は前日比115円62銭安と大幅反落して2010年の取引を終了した。なお日中の値幅は、27日が84円07銭、28日が48円21銭、29日が67円93銭、30日が105円54銭だった。
日経平均株価の騰落状況を週間で見ると、大納会30日の終値は1万228円92銭となり、前週末(24日)比50円27銭(0.49%)下落した。取引時間中の高値は27日の1万376円91銭、安値は30日の1万209円93銭、週間の値幅は166円98銭だった。日経平均株価は2週連続の下落となった。なお年間で見ると、2009年12月30日の1万546円44銭に対して317円52銭(3.01%)下落した。
TOPIXの騰落状況を週間で見ると、大納会30日の終値は898.80となり、前週末(24日)比2.86ポイント(0.31%)下落した。取引時間中の高値は29日の908.01、安値は30日の897.74だった。TOPIXも2週連続の下落となり、終値ベースでは3週ぶりに900台を割り込んで2010年の取引を終了した。なお年間で見ると、2009年12月30日の907.59に対して8.79ポイント(0.96%)下落した。
週初の27日は反発し、日経平均株価は1万300円台を回復した。年内最終週ということで積極的な売買は見られず、中国人民銀行が25日に追加利上げを発表したことも様子見ムードを強める要因だったが、午後に入ってから中国・上海総合株価指数が上昇したことで安心感が広がり、上げ幅を拡大した。
28日は反落した。中国・上海総合株価指数が前日27日の終盤に下落したことや、外国為替市場で円高が進行したことが嫌気され、買い手控えムードが強まった。11月鉱工業生産指数(速報値)が前月比1.0%上昇となり6カ月ぶりに改善したが、特に材料視されなかった。
29日の日経平均株価は反発した。外国為替市場のドル・円相場、ユーロ・円相場ともに、円高方向に進んだことはマイナス材料だったが、中国・上海総合株価指数が堅調だったことが下支えた。ただし新たな材料に乏しく、様子見ムードが強い。
■最終売買日に上昇して終了するのは18年連続 大納会の30日は大幅反落して2010年の取引を終了した。年末・年始の休暇中に海外の外国為替市場で円高が進行するとの懸念が強く、株価指数先物主導で売りが膨らみ、ほぼ全面安の展開となった。なお日経ジャスダック平均株価は4日続伸して取引を終了した。最終売買日に上昇して終了するのは18年連続となった。
日経平均株価は2週連続の下落となり、2010年末の終値は2009年末に対して3.01%下落した。年末高への期待が強く、年間での上昇や年足陽線となるかにも注目が集まったが、逆に年初の調整局面を警戒して様子見ムードが強まった形だろう。外国為替市場で円高方向に振れたこともマイナス要因だった。
なお年末31日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日終値比7ドル80セント高の1万1577ドル51セントと小幅反発して2010年の取引を終了した。2009年末に対して約11%上昇し、2年連続で2ケタの上昇率となった。景気回復期待で堅調な展開だった。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:28
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