【株式市況を徹底検証:12月20日〜24日の週】■週末24日には一段と様子見ムードが広がる
12月20日〜24日の週(23日は休日)の日本の株式市場は、様子見ムードが広がり、方向感に欠ける展開となった。週前半は、朝鮮半島情勢の緊迫懸念や、中国・上海株式市場の動向の影響を受けた。また、外国人投資家のクリスマス休暇入りの影響などが指摘されたうえに、年末を控えて利益確定売りが優勢となった。さらに、23日の休日を挟んで外国為替市場で対ドル、対ユーロともに円高方向に振れたことも重なり、週末24日には一段と様子見ムードが広がった。
しかし、日本の株式市場の出遅れ修正期待、年末高や来年に向けての先高観も強く、売り急ぐ動きは見られなかった。米国の株式市場が景気回復期待を背景として堅調に推移したことも支援材料だった。日経平均株価は週間ベースでは8週ぶりに下落に転じたが、下値は限定的だった。全体としては利益確定売りをこなしながら、底堅い展開だったと言えるだろう。また、日経ジャスダック平均株価の連騰記録は21日までの16連騰でストップしたが、物色的には主力大型株から、中小型株や低位材料株へのシフトも続いた。
日経平均株価(225種)の終値ベースでの前日比騰落を確認しておこう。週初の20日は前週末(17日)比87円42銭安と続落し、21日は前日比154円12銭高と大幅反発、22日は前日比24円05銭安と小幅反落、週末の24日は前日(22日)比67円29銭安と続落して取引を終了した。なお日中の値幅は、20日が118円41銭、21日が106円22銭、22日が66円62銭、24日が26円83銭であり、週末は値動きの乏しさが目立った。
日経平均株価の騰落状況を週間で見ると、週末24日の終値は1万279円19銭となり、前週末比24円64銭(0.24%)下落した。取引時間中の高値は22日の1万394円22銭、安値は20日の1万182円74銭、週間値幅は211円48銭だった。日経平均株価は8週ぶりの下落となり、2週ぶりに1万300円台を割り込んで終了した。
TOPIXの騰落状況を週間で見ると、週末24日の終値は901.66となり、前週末比1.48ポイント(0.16%)下落した。取引時間中の高値は22日の909.67、安値は20日の895.28だった。TOPIXは5週ぶりに下落に転じたが、終値ベースで900台を維持して終了した。
■全体としては底堅く推移 週初の20日は、日経平均株価が後場に入って下げ幅を広げた。利益確定売りが出やすい状況だったうえに、韓国軍の射撃訓練実施で朝鮮半島情勢の緊迫化が懸念されたことや、中国の株式市場で上海総合指数が一時的に前日比3%を超えて急落したことなどが嫌気された。
21日は一転して大幅反発した。朝鮮半島情勢の緊迫懸念が和らいだことで買いが先行し、中国がEU(欧州連合)域内の財政危機国を支援するとの報道が伝わったことで、後場に入って先物主導で上げ幅を広げた。日銀の金融政策決定会合では、政策金利を年0.0%〜0.1%に据え置き、ゼロ金利政策を継続することを決定したが、想定どおりの内容で特に材料視されなかった。
22日の日経平均株価は小幅に反落した。新たな材料に乏しく、23日の休日を控えて様子見ムードが広がり、中国の株式市場が軟調だったことも影響した。日経ジャスダック平均株価も17営業日ぶりに反落し、連騰記録は前日までの16連騰でストップした。
24日はクリスマス休暇で一段と様子見ムードが広がり、利益確定売りが優勢となって続落した。休日の間に外国為替市場で1ドル=82円台後半、1ユーロ=108円台後半と、対ドル、対ユーロともに円高方向に振れたことも買い手控えにつながった。日中値幅は26円83銭で約25年ぶりの小ささとなった。また東証1部の売買代金も大幅に減少し、8月23日以来の9000億円割れで今年2番目の低水準だった。
日経平均株価は8週ぶりに下落に転じたが、先高観も強いため売り急ぐ動きは見られず、下値は限定的だった。クリスマス・年末休暇で様子見ムードを強めたが、全体としては底堅く推移したと言えるだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:17
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