【今週の株式概況:12月13日〜17日の週】■TOPIXも約7カ月ぶりの高値水準

12月13日〜17日の週の日本の株式市場は、短期的な過熱感が警戒されて、方向感に欠ける展開となった。出遅れ修正による主力株への買い戻しが一巡し、外国人投資家のクリスマス休暇入りの影響なども指摘された。週後半は一段と様子見ムードが広がった。
しかし、売り急ぐ動きも見られず、全体としては利益確定売りをこなしながら、底堅い展開だったと言えるだろう。年末に向けての先高期待に加えて、米国株式市場が堅調だったことや、外国為替市場のドル・円相場が1ドル=83円〜84円近辺で落ち着いていたことも下支え要因となった。
また、材料の出た個別株や、値動きの良い中小型株を物色する動きも目立った。結局、日経平均株価、TOPIXともに、約7カ月ぶりの高値水準で取引を終了した。日経ジャスダック平均株価は17日で14連騰を記録した。主力大型株から中小型株や低位材料株への物色シフトも鮮明になっている。
日経平均株価(225種)の終値ベースでの前日比騰落を確認しておこう。週初の13日は前週末比81円94銭高と反発、14日は前日比22円88銭高と小幅続伸、15日は前日比6円99銭安と小幅反落、16日は前日比1円51銭高と小幅反発、週末の17日は前日比7円46銭安と小幅反落して取引を終了した。なお日中の値幅は、13日が94円16銭、14日が52円02銭、15日が57円84銭、16日が64円85銭、17日が46円62銭であり、値動きの乏しさが目立った。
日経平均株価の騰落状況を週間で見ると、週末17日の終値は1万303円83銭となり、前週末比91円88銭(0.90%)上昇した。取引時間中の高値は16日の1万347円39銭、安値は13日の1万199円73銭、週間値幅は147円66銭だった。14日の終値は1万316円77銭となり、終値ベースで1万300円台を回復し、5月14日(1万462円51銭)以来の高値水準となった。なお日経平均株価は7週連続の上昇となり、この期間(10月25日終値から12月17日終値)の上昇幅は1101円38銭、上昇率は11.97%となった。
TOPIXの騰落状況を週間で見ると、週末17日の終値は903.14となり、前週末比14.92ポイント(1.68%)上昇した。取引時間中の高値は16日の907.80、安値は13日の886.38だった。14日の終値は901.89で、終値ベースとして5月19日(910.64)以来、約7カ月ぶりに900台を回復した。なお日経平均株価と同様に、7週間(10月25日終値から12月17日終値)の騰落を見ると、上昇幅は92.23ポイント、上昇率は11.38%となった。
週初の13日は、後場に入って上げ幅を広げた。騰落レシオ(25日移動平均)が過去最高水準のため短期的な過熱感が警戒され、14日開催予定の米FOMC(連邦公開市場委員会)の内容を見極めたいとのムードも強かった。しかし前週末10日の米国株式市場が、10月米貿易収支や12月米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などの指標を好感して上昇したことや、13日の中国株式市場が堅調だったことで買い安心感が広がった。前週末10日に中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き上げたことの影響は限定的だった。
14日は日中の値幅が52円02銭と小動きだった。短期的な過熱感に加えて、外国為替市場でドル安・円高方向に振れたことも上値を抑えた。また米FOMCを控えて様子見ムードを強めた。ただし小幅に続伸して、終値ベースで1万300円台を回復した。15日は、12月日銀短観(企業短期経済観測調査)で企業の景況感悪化が示されたが、ほぼ想定の範囲内として特に材料視されなかった。16日、17日も、年末に向けての先高期待と、短期的な過熱感が交錯する形で上値が重く、小幅レンジでのモミ合い展開だったが、下値も限定的だった。様子見ムードを強めたが、全体として底堅く推移したと言えるだろう。
なお週末17日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が小幅反落した。前日16日に2年3カ月ぶりの高値水準に上昇した反動で、利益確定売りが優勢となった。また、格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスが、アイルランドの格付けを5段階引き下げると発表したことが、買い手控えにつながったとの指摘もある。ただし、S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は上昇しており、全体としては堅調な展開だったと言えるだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:18
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